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DAY 2018.06.14 スキル・ノウハウ

「仕事が辛いなら、声を変えよう」第3回
自分の話に説得力を与える声のテクニックとは!?

説得力はビジネスパーソンの強い武器になります。ビジネス相手や上司に「ああ、そうだな」「なるほど」と興味を持ってもらうためには、どんな声を心がけたらいいのでしょうか。『声を変えるだけで仕事がうまくいく』(マイナビ新書)の著者でボイストレーナーの秋竹朋子さんに「いい声」を出すコツについて伺う連載の第3回。説明や交渉に"効く"声のテクニックについて教えていただきました。

テレビショッピングは説明上手

一生懸命説明したつもりなのに、「ちょっとよくわからなかった。もう一度はっきり言ってくれないか」と言われたことはありませんか。聞き取りにくい声は時間のロスも生み出し、相手に負担をかけます。それはまるで、仕事の相手にインクがかすれて読みにくい書類を渡したり、座り心地の悪いイスに座らせたりするようなものです。

もちろん仕事そのものもうまくいきません。どんなに準備に時間をかけても、話している内容が良くても、相手が何を言っているか理解できなければ、それは全く意味をなさないですからです。

では、相手に思いがしっかり伝わる声とはどんな声なのでしょうか。わかりやすいのが、テレビショッピングの司会者です。なんとなく見ていただけなのに、テンポのいいトークに引き込まれ、気がつくと注文してしまっていた、なんて人もいるのではないでしょうか。
彼らは実に表情豊かに話します。正しい呼吸法を土台に、吐く息とスピードをコントロールし、アピールポイントなど重要な箇所では、声の高さやボリュームを変えることで、商品の魅力を視聴者により印象付けるよう工夫しています。

彼らはいわば説明のプロですから、全く同じようにとはなかなかいきませんが、簡単に真似できるテクニックもあります。

(1)相手に呼びかける

テレビショッピングの司会者は実によく「みなさん」という言葉を入れてきます。人は呼びかけられると、意識がそこに向かうもの。目の前で自分のために話してくれるような感覚になるのです。

この呼びかけるという方法は、通常のビジネスシーンでも有効です。「ここは意識して聞いてほしいな」と思うところで、「木村さん」「田中部長」などと呼びかければいいのです。相手は「私のことを考えて話しているんだ」と悪い気はしないはずですし、初対面なら「すぐに名前を覚えてくれるなんて信頼できるな」と感じてくれるはずです。

(2)単語の頭で息を吐く

滑舌の悪さをカバーするテクニックもあります。それを実践していたのが、ジャパネットたかたの高田明元社長です。独特のセールストークが人気でしたが、決して滑舌がいい方ではありませんでした。それでも言葉が聴覚にしっかり入ってきたのは、単語の頭で息を吐くことで、言葉を立たせることができていたからです。

次のフレーズを1回目は普通に、2回目は太字のところで息を吐くように言ってみましょう。その違いがよく分かるはずです。

うじ ようで どいたら ぐに ンターネットが きます」(工事不要で届いたらすぐにインターネットができます)

決まり文句はビシッと決める

話すことに苦手意識を持っているのなら、最初からパーフェクトに話すのを目指すのはやめて、まずは第一声と、決まり文句に絞って、声の改善を図ってみてはいかがでしょうか。ほかの部分で少し滑舌が悪かったとしても、「ここぞ」、というところでいい声が出せたら、全体の印象は俄然良くなります。

第一声に関していえば、「おはようございます」「こんにちは」「はじめまして」「お世話になっております」というあいさつの場合が多いでしょう。はっきりしたいい声であいさつをすることから会話を始めれば、説明や交渉のいいスタートダッシュになりますし、相手に与える第一印象も良くなります。

一方、決まり文句は、職種によって変わります。自分が普段仕事でよく口にしているフレーズをピックアップし、いつでもどこでもはっきり言えるように練習しましょう。練習用のフレーズをいくつか参考に挙げました。太字になっているところで息を吐くようにして言ってみてください。

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  • 検討を願いいたします。
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低音ボイスで説得力アップ

"声の上級者"として最近気になる人といえばワイドショー司会をしている坂上忍さんです。声がとても低く、情感豊かに話しています。

私たちは低い声に「落ち着き」や「安心感」を感じる傾向があります。しかも坂上さんはゆっくりと語りかけることで、言葉に重みをもたせています。

もともとは俳優さんですから、あの絶妙な間の取り方や声の響きはなかなか簡単には真似できませんが、いつもより少し低めの声を心がけるだけでも、説得力は増します。

もちろん、相手の目を見て話すことも忘れないようにしましょう。相手の顔を見ないまま、書類ばかり見て話すと、聞く側は「問題を抱えているのかも」「隠し事がありそう」などと不安を抱いてしまう可能性もあり、集中して話を聞くことができません。

ライタープロフィール

秋竹朋子

日本初「ビジネスマンのためのボイストレーニングスクール」(株)エデュビジョン【ビジヴォ】代表。
東京音大ピアノ演奏家コース卒。聖徳大学大学院 音楽研究科卒業。ウィーン国際音楽コンクール及び国内の受賞歴多数。ビジヴォの代表として「声」「話し 方」に問題を抱えるビジネスパーソンの指導を実施。音楽家ならではの聴力と技術を駆使した、日本初 「超絶対音感」によるボイストレーニングが話題を呼び、ビジネス各紙からの取材、TV番組にも多数出演。東京スクールを拠点に北海道~沖縄まで、全国各地への企業研修を行い、これまで3万人以上250社の企業研修を実施。個人のクライアントも上場企業の経営者、芸能人、著名人を多数持つ。2011年~2012年 経済産業省のグローバル人材派遣として「ビジネスボイス」が選ばれフィリピンに赴任、日本にとどまらずアジアにて「声」の指導をして活躍中。著書『「話し方」に自信がもてる1分間声トレ』(ダイヤモンド社)、『ビジネスの発声法』(日本実業出版)、『秋竹朋子の 声トレ!!』『秋竹朋子の即効! モテ歌レッスン』など。

【ビジヴォ】
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