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DAY 2018.07.11 スキル・ノウハウ

「仕事が辛いなら、声を変えよう」第5回
部下を伸ばす声のテクニックとは!?

叱るべきときにはしっかり叱り、褒めるべきところではしっかり褒める――。部下や後輩にはメリハリのある態度で接したいものです。『声を変えるだけで仕事がうまくいく』(マイナビ新書)の著者でボイストレーナーの秋竹朋子さんに「いい声」について伺う連載の第5回。部下を伸ばす声のテクニックについてシチュエーション別にアドバイスしていただきました。

低めにゆっくりと叱る

「パワハラ」ととられないためにも、知っておきたいのが「叱る」と「怒る」の違いです。「叱る」が、部下に誤った考え方や行動を指摘し、納得させ、正しい方向に導くための相手の成長を促す行為であるのに対し、「怒る」は、腹立たしさに任せて自分の感情を爆発させてしまう行為です。怒るのではなく、叱ることを心がけましょう。

叱るときには、なるべく短く、簡潔に。腹式呼吸を心がけ、相手の聴覚に確実に届く声でゆっくりと話します。声の高さは心もち低めが〇。落ち着いた声で語尾までしっかり言い切ることで、言葉に重みが出ます。

部下が自分のミスを認め、納得し、反省しているようなら「今度はしっかりね」「期待しているよ」と次につながる言葉で締めます。この場合は、声のトーンを上げて、明るめに言います。低く暗い声で終わってしまっては、部下の気持ちも沈んだままで、なかなか前に進めません。

無表情な声でピリピリ感を

何度注意しても改善が見られず、「ことの重大さがわかっていない」と感じられるときには、あえてピリピリした雰囲気を出すことも必要になります。コツは抑揚をつけずに話すこと。同じ高さで淡々と話すと、声が"無表情"になり、大きな声で怒鳴るよりも、相手に切迫感を感じさせることができます。次のフレーズで練習してみましょう。

「今月のノルマも達成できていないよね」
「社会人としてどう考えているの」

どうですか。ピリピリした声になりましたか。落ち着いた低めの声を意識するとより威厳がでます。

明るく高めの声でほめる

ほめるときには表情も声も明るめを心がけましょう。口角を上げることで声の高さはピアノの鍵盤で1~1.5音分上がり、自然に明るい声が出るようになります。

ほめるときには、さきほどの「ピリピリ声」とは逆に声に抑揚をつけます。短いフレーズの場合は、2音目をぐっと高く言います。その上げ幅が大きければ大きいほど、気分が高揚した感じが表現できます。下にいくつか例を出したので、太字の部分をふつう、少し高め、思い切り高めの3段階で言い比べてみてください。思い切り高めにすると、ほめことばにびっくりマーク「!」がつくような効果があります。

いじゃないか
じゃないか
しいよ
ろいたよ

語尾も大事なポイントです。例えば「がんばったね」という同じフレーズでも、語尾をどう言うかでニュアンスが違ってきます。

(1)「がんばったねぇ」(語尾に少しだけ余韻をもたせる)
(2)「がんばったね(↗)」(語尾を少し上げる)

(1)は癒し系のほめ方です。語尾に少し余韻をもたせ、下げ気味に、語尾を少し伸ばす感じで言いましょう。心から共感している雰囲気を伝えたいときには(2)のように、語尾を少し上げるといいでしょう。語尾に小さい「つ」を入れて言うと、より明るい感じになります。

激励シーンのお手本は松岡修造さん

トラブルやミスなどで落ち込んでいる部下を励ますときには、「(あなたのことを)わかってあげたい」という気持ちで、やさしく声をかけます。あえて吐く息の量を減らして小さい声で話しましょう。早口になるとぞんざいな感じがしてしまいます。ゆっくり落ち着いて話すよう心がけましょう。

これから大事なプレゼンがある、大きなプロジェクトに取り組む。そんな部下を激励するときには、元プロテニスプレーヤーの松岡修造さんをお手本に。松岡さんは腹式のよく通る声で、滑舌も良く、明るくハキハキとしています。彼に「できる、できる、君ならできる!」と背中をポーンと押されたら、本当に何でもできそうな気がしませんか。

「いけるよ」ではなく「いけるよっ」、「大丈夫だよ」ではなく「大丈夫だよっ」といった感じで、語尾に小さな「つ」を入れるとより勢いが出ます。

説得はビシッと言い切る

仕事においては、正しいことがいつも正しい結果を招くとは限りません。理不尽なことがあったときに、真剣さとその若さのために部下がヒートアップしてしまうことがあります。そんな部下をコントロールするには、まずはその言い分にじっくり耳を傾け、その後で相手が納得できるように丁寧に説得しましょう。

説得シーンでは、もやもやした表現や、モゴモゴした口調はこちらの「迷い」として受け取られかねないのでNG。明確な言葉で、はっきりと最後まで言い切ります。「気持ちはわかるけど」といったクッション的な言葉も使わないようにしましょう。

ライタープロフィール

秋竹朋子

日本初「ビジネスマンのためのボイストレーニングスクール」(株)エデュビジョン【ビジヴォ】代表。
東京音大ピアノ演奏家コース卒。聖徳大学大学院 音楽研究科卒業。ウィーン国際音楽コンクール及び国内の受賞歴多数。ビジヴォの代表として「声」「話し 方」に問題を抱えるビジネスパーソンの指導を実施。音楽家ならではの聴力と技術を駆使した、日本初 「超絶対音感」によるボイストレーニングが話題を呼び、ビジネス各紙からの取材、TV番組にも多数出演。東京スクールを拠点に北海道~沖縄まで、全国各地への企業研修を行い、これまで3万人以上250社の企業研修を実施。個人のクライアントも上場企業の経営者、芸能人、著名人を多数持つ。2011年~2012年 経済産業省のグローバル人材派遣として「ビジネスボイス」が選ばれフィリピンに赴任、日本にとどまらずアジアにて「声」の指導をして活躍中。著書『「話し方」に自信がもてる1分間声トレ』(ダイヤモンド社)、『ビジネスの発声法』(日本実業出版)、『秋竹朋子の 声トレ!!』『秋竹朋子の即効! モテ歌レッスン』など。

【ビジヴォ】
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