転職活動をはじめると、企業側からキャリアシートの提出を求められる場合がありますが、「キャリアシートとはどういったものなのか」、「どう書けばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、キャリアシートを作成する目的や、履歴書・職務経歴書との違い、書き方の例やポイントについて解説します。
(※もしかしたら仕事頑張りすぎ!? ... そんな方におすすめ『仕事どうする!? 診断』)
【関連記事】「【書類選考で落ちる理由】6つの主な理由と通過率を上げるためのポイント」
1.キャリアシートとは
そもそもキャリアシートとは何なのでしょうか。まずはその概要や目的について解説します。
1.1.キャリアシートの意味
キャリアシートとは、自分が今まで経験した仕事や身につけたスキル・知識、資格などをまとめた書類のことです。
転職活動の書類審査のタイミングで他の書類と同時に提出を求められることがあります。
また、職務経歴を重視する企業では、履歴書の代わりとして使われる場合もあります。
1.2.キャリアシートの目的
キャリアシートの目的には以下の3点が挙げられます。
1.2.1.実績や経験をアピールする
キャリアシートは、応募者が今までに経験した仕事や培ったスキルを応募先企業へわかりやすくアピールするために用いられる書類です。
転職サイトを利用した転職活動のみならず、転職エージェントを経由した活動においても用いられます。
転職エージェントを利用する場合は、利用登録時に提出された履歴書や職務経歴書、面談内容をもとに転職エージェントの担当者が作成する場合もあります。
1.2.2.企業とのミスマッチを防ぐ
応募者の仕事の経歴が一目でわかるキャリアシートは、企業とのミスマッチを回避する上で有効です。
「自社に欲しい人材かどうか」という企業側の判断を後押し、よりマッチ度が高い人材の採用を実現します。
企業が正しい観点で採否を判断することは、採用された人物にとっても「イメージしていた会社と違う」といったギャップを感じるリスクの軽減にもつながるため、双方にとってメリットがあります。
1.2.3.就職・転職の方向性を決める際にも利用できる
キャリアシートは、自身のキャリアの再構築を試みる際のツールとしても有効なものです。
キャリアシート作成時に今まで経験した仕事や残した成果、培ったスキルを棚卸しする中で、今まで気づかなかった興味関心や目標が明確化される場合があります。
例えば、「食品関係の企業に応募するためにキャリアシートを作成したのに、教育関係の仕事に就きたかったという本心に気づいた」といった場合もあり得ます。
1.3.キャリアパス・キャリアプランとの違い
キャリアシートとよく似た言葉に、キャリアパスやキャリアプランがあります。
これら2つとの違いを見ていきましょう。
1.3.1.キャリアパスとの違い
キャリアパスとは企業や組織において、従業員があるポジションに辿り着くまでの必要な過程をまとめたものです。
目標とする役職に就くためには、いつまでにどういった仕事を経験すればいいのか、どの程度のスキルを身につけるべきなのか、という計画が明確に提示されます。
従業員が感じる将来への不安を解消する目的で、キャリアパスをモデルケースとして示している企業も増えています。
1.3.2.キャリアプランとの違い
キャリアプランとは、従業員自身が今後どういった仕事をして、どのような未来を歩んでいきたいかについての計画です。
「一つの企業内で目標とする役職に就き、定年まで働きたい」という方がいれば、「〇〇の技術を身につけたら転職したい」「〇歳までには独立したい」という方もいるでしょう。キャリアプランはこういった人生における仕事の計画です。
企業によっては社内面談を設けてキャリアプランを聞き取り、従業員のキャリア志向把握や人材育成に役立てている場合もあります。
【関連記事】「【学歴・職歴の正しい書き方】転職の際の書類作成の基本的なルールや注意点」
【関連記事】「【例文アドバイス】面接日程メールの書き方や返信方法は?調整する際のマナー」
【関連記事】「【例文あり】面接結果の合否連絡が遅い・来ない場合の対処法を解説」
今の仕事、会社がつらい...無料で相談できる転職エージェント「マイナビエージェント」に相談してみる。
2.キャリアシートと履歴書・職務経歴書との違い
就職・転職活動において必ずといって良いほど提示を求められる履歴書と職務経歴書ですが、キャリアシートはこれら2つとどのような違いがあるのでしょうか。
2.1.キャリアシートと履歴書との違い
キャリアシートは、過去の職務経歴やスキルの情報の詳細を記載するシートに対し、履歴書は今までの学歴や氏名・住所など基本的な情報を記す書類です。
生年月日や住所、電話番号、学歴、職務経歴、免許、資格、志望動機、通勤時間、扶養家族の有無などの記載欄が設けられているのが一般的です。
履歴書においても職務経歴の記載は必要ですが、あくまでも概要のみです。つまり、キャリアシートと履歴書は、職務経歴情報の濃度に違いがあります。
2.2.キャリアシートと職務経歴書との違い
職務経歴書は、今までに経験した仕事内容や習得したスキルなど、ビジネスに関する情報に特化した書類です。
これまでに所属した会社やそこで携わった業務内容、業務上で得た経験に加え、志望動機や自己PRなどを記載するのが一般的です。
一方、キャリアシート は履歴書と職務経歴書の良いところを取ったようなイメージです。
履歴書にあるパーソナル情報と、職務経歴書にある仕事の経験・スキルの双方を盛り込んだものがキャリアシートと思って良いでしょう。
【関連記事】「【職務経歴書のPCスキルの書き方】書き方の例やアピール方法について紹介」
無料で相談できる転職エージェント「マイナビエージェント」の利用方法を確認してみる。
3.キャリアシートの書き方
キャリアシートの作成は以下の3点を踏まえて書き進めましょう。
3.1.基本情報は全て明記する
キャリアシートのフォーマットに設けられている基本情報は漏れなく明記するようにしましょう。
その際、住所やマンション名、企業名などは省略せず、正しい名称で記載することが大切です。
3.2.客観的な視点で書く
キャリアシートの内容は客観的な視点で記載することが望ましいです。
自分の感想や人には伝わりにくいニュアンス、言葉選びには気をつけましょう。
3.3.実績は具体的に書き出す
前職や現職であげた実績はできる限り具体的に書き出しましょう。
そのために持っておきたい視点が、「定量的であるかどうか」という点です。
「同期の中でも熱心に仕事に取り組んだ」のような記載ではなく、「営業セミナーに通い試行錯誤を重ねた結果、同期の中で〇年に全国3位の成績をあげた」といったように、より具体的に記載するのが望ましいです。
【関連記事】「「定量」と「定性」の違いとは!?--ビジネスで活かせる「定量」「定性」分析」
【関連記事】「転職の際の「実務経験」とは? 経験の定義やアピールするコツについて解説」
4.キャリアシートのチェックポイント
キャリアシートが完成したら、提出する前に今一度確認をしておくことが大切です。
以下の3つのポイントに沿って記載できているかを確認し、精度の高いキャリアシートの作成を目指しましょう。
4.1.誤字脱字はないか確認する
キャリアシートを書き終えたら、誤字脱字がないか一通り確認しましょう。
自分だけでのチェックに不安がある場合は、身近な人に確認してもらうのも一つの方法です。
4.2.5W1Hを意識して書く
キャリアシートを記載する際には、「5W1H」を意識しましょう。
5W1Hとは、いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)の頭文字を取ったものです。
これらを意識すると、意図する内容をよりわかりやすく相手に伝えることができます。
4.3.具体的な数値で説明する
前述したように「具体的な数値を用いる」という点も、キャリアシートの作成では大切なポイントです。
例えば、「前年よりもたくさんの企業が契約してくれました」という書き方では、「たくさん」がどの程度なのかを企業側が判断できません。
数値化できる点は明確にして、「前年度よりも20社ほど多く企業の契約を獲得しました」という形で伝えるのが適切です。
【関連記事】「【マネジメント経験とは】転職時に求められる経験やスキルについて解説」
【関連記事】「将来性のある仕事15選! 今後需要のある仕事の特徴や転職のポイントを紹介」
【関連記事】「事務職とはどんな仕事? 仕事内容や向いている人、求められるスキルを解説力」
5.キャリアシートの項目別の記入例
ここからは、キャリアシートの書き方について具体例を用いて紹介していきます。
以下を参考に、的確でわかりやすいキャリアシートの作成を目指しましょう。
5.1.基本情報
基本情報は、氏名・性別・生年月日・年齢・住所・電話番号などの項目が設けられています。
キャリアシート記入日時点での情報を記載しましょう。
5.2.強み・弱み
強み・弱みは、単に結論だけを述べるのでは不足があります。
強みには具体的な根拠を、弱みには克服のために取り組んでいる事を添えることで、よりリアリティや説得力が増します。
【関連記事】「【長所一覧・例文付き】自分の長所を見つける方法やアピール方法をご紹介」
【関連記事】「【短所一覧・例文付き】面接で短所を伝える際の注意点や長所への転換方法」
【関連記事】「【最終面接(役員面接)とは】聞かれることと対策、10の質問回答例も紹介」
5.3.職務経歴・特記事項
前職・現職の会社名・所属・職務内容を記載します。
「特記すべき事項」に仕事で得たスキルや学び、出した成果などを挙げることで応募先企業へのアピールになります。
5.4.将来取り組みたいこと
前職までのスキルや経験を活かし、応募先企業の事業にどのように携わりたいか、ビジョンや目標を記載しましょう。
5.5.資格・免許等
これまでに取得した資格や免許について、時系列で記載します。
もし設けられている枠数以上の資格や免許を取得している場合は、応募先企業の業務に役立つものをピックアップして記載しましょう。
【関連記事】「履歴書に書く資格がない場合の対処法、資格がなくてもアピールする方法」
転職を考え始めたら、
まずはプロにご相談ください
マイナビエージェントについて詳しく知る >
6.まとめ
キャリアシートは今までの社会人生活で身につけた経験やスキルを応募先企業にアピールするために効果的ですが、企業にとってより魅力的なキャリアシートに仕上げるためには、応募先企業の業種や職種への関連性をアピールすると効果的です。
「この人が入社したらこんな働きをしてくれるだろう」と、採用担当者の想像力を掻き立てられるようなキャリアシートを目指しましょう。
【関連記事】「【志望動機の締めくくり・例文付き】採用担当者に響くポイントや注意すべき点」
\転職するか迷っていてもOK/
マイナビエージェントに無料登録して
転職サポートを受ける