転職活動や就職活動の中で企業から求められるものの一つが「志望動機」です。しかし、いざ書き出してみると落としどころがわからなくなり、「締めくくりはどうやって書けば良いのだろう」と頭を悩ませる場面もあるのではないでしょうか。
そこで今回は、志望動機の締めくくりのポイントや注意点、例文などをご紹介します。
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1.志望動機の締めくくりが重要である理由
志望動機の締めくくりはなぜ重要なのでしょうか。3つの理由を解説します。
1.1.熱意や誠意が伝わりやすい
志望動機の締めくくり方によって、応募先企業に対する熱意や仕事に対する誠意を効果的に伝えられます。
前半で結論を、中盤でその裏付けとなる経緯やエピソードを、後半ではそれまでの内容を総括するような熱意や誠意をストレートに伝えられれば、志望動機全体の流れに違和感や矛盾が生じず、締めくくり部分が効果的になります。
1.2.自分をしっかりと印象付けることができる
前半部分が好印象だとしても、締めくくりの内容が伴わなければ、良かった部分を一瞬で曇らせてしまう可能性もあります。
また、こちらが意図していない印象を与えてしまう恐れもあります。
採用担当者に与えたい印象や内容がどのようなものか、具体的なイメージを持った上で締めくくりを書くことができれば、自分のことをしっかりと相手に印象付けることができます。
1.3.入社後のイメージがしやすくなる
採用担当者は志望動機を締めくくる応募者の言葉から、応募者が自社に入社した際のあらゆるイメージを膨らませます。
締めくくりによって前半部分の主張に説得力を与えられれば、採用担当者が応募者に抱く好感度や期待はより高まるでしょう。
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2.志望動機を書く目的を理解しておく
魅力的な志望動機の締めくくりを作成するためにも、なぜ志望動機を作成するのか、その目的を理解しておきましょう。
志望動機は企業にとって、応募者の志望度や、業務に抱くやる気、熱意を測る判断材料となるものです。
多くの企業が存在し、その中で同業他社もある中で、応募者が自社のどうような部分に興味を抱き、なぜ入社したいと思うに至ったのかを探る大きな手がかりとなります。
そのため、志望動機は具体的かつ現実的な内容を意識して書くことが大事です。
企業側の目的や募集意図を理解し、好印象を与えられる志望動機を作成する必要があります。
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3.志望動機の締めくくりは「will-can-must」を意識する
志望動機の締めくくりには、ビジネスシーンで活用されている「will-can-must」のフレームワークを意識しましょう。
「will-can-must」が示す意味は以下の通りです。
●will:実現したいこと
●can:「will」のためにできること
●must:「can」のためにやるべきこと
例えば、メーカーの志望動機のケースに当てはめると、以下のような内容になります。
●will:○○の製品の良さを知ってもらい、業界シェアNo.1のメーカーにしたい
●can:前職で全国成績3位になった営業スキルを活かし、売上拡大に貢献できる
●must:業界に関する知識や業界動向をリサーチし、基礎スキルを身につける
このように順序立てて伝えることで、採用担当者のスムーズな理解が得られます。
注意点としては、「will」が企業の理念やビジョンから逸脱していないこと、「must」が現実離れしていないことが挙げられます。
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4.志望動機の締めくくりの例文を紹介
ここからは、志望動機の締めくくりとなる文章の例をご紹介します。以下を参考に、自分に適した志望動機の締めくくりを考えてみましょう。
4.1.将来性をアピールしたい場合
ITの力で高齢者の方の暮らしをより安心かつ快適にできるサポートがしたいと思い、独学で「基本情報技術者試験」に挑戦し、合格しました。
今後は貴社のエンジニアとしてさらなるスキルを習得し、一日も早く一つのプロジェクトを任せていただける人材となれるよう精進して参ります。
4.2.熱意・志望度を伝えたい場合
幼い頃から貴社の作る製品が大好きで、もっと多くの人に知ってもらいたい、知ってもらえなければもったいないと思ってきました。
そして、いつか貴社の一員となれることを夢見て、前職ではデジタルマーケティングの経験を積んできました。
日本中のすべての人々が貴社の製品を手にする。そんな世の中を目指し、まずはこれまでの経験を活かしてブランド戦略やプロモーションに尽力して参ります。
4.3.入社後のイメージを持たせたい場合
貴社に入社できた暁には、前職で培ったタレントマネジメントのノウハウを活かし、より貴社が成長拡大できる人事線戦略を立案・実施していきたいと考えています。
4.4.個性を出したい場合
貴社の「日本全国の経営者にとって唯一無二の相談役になる」というビジョンを拝見し、経営者の父を持ち経営者の葛藤も間近で見てきた私だからこそ御社のビジョンに沿った発想やアイディアを提案できると考えました。
入社後は一人ひとりの経営者に寄り添い、お客様にとってオンリーワンの存在となれるように、さまざまなことにチャレンジしていきたいです。
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5.志望動機の締めくくりで注意すべきこと
志望動機の締めくくりで最も注意したいのが、定型文の使い回しです。
例えばこんな締めくくりです。
入社後には、貴社の一員として貢献できる人材になれるよう精進して参ります。
数多くの志望動機を目にしてきた採用担当者は、応募者の志望動機が定型文なのか、それとも心の内から出てきたオリジナルの言葉なのかすぐにわかります。
「この人の志望動機は定型文をそのまま流用しただけだ」と思われてしまうと、自社に対する志望度が低いと判断されてしまう可能性もあります。
多少ぎこちなくても、必ずオリジナリティを加えて伝えるようにしましょう。
また、自らを卑下することで自らの足らないところを補おうとしないことも重要です。
例えば、以下のようなケースです。
人より特別秀でているものもなく未熟者ではありますが、一日も早く成果を出せるよう努力して参ります。
一見謙虚な印象の一文ですが、実際は「すぐに貢献できるようなスキルはないけれど将来性をかってほしい」といった自分にとって都合のよい印象を抱かせてしまう可能性があり、採用担当者が不安を感じてしまうかもしれません。
たとえ本心では自信がなくても、志望動機の締めくくりではポジティブな内容を記載するようにしましょう。
社会人としての自らの立場を履き違えている以下のようなケースも避けるべきです。
介護業界をリードする貴社に身を置くことで、さまざまなことを学ばせていただき成長したいです。
企業は学校ではなく利益を追求する場であり、企業が欲しいのは「自社で学びたい人材」ではなく「自社の利益に貢献してくれる人材」です。
裸一貫で勝負したいといった抽象的なやる気を見せるのではなく、「この人を採用したらこんなことをやってくれそう」と期待を抱かせるような具体的なスキルも交えた志望動機の締めくくりを意識しましょう。
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6.志望動機を書く際の言葉選び
意味は同じでも、言い回しの違いで印象は大きく異なります。
これまでの内容を踏まえたうえで、志望動機全体を通して言葉選びは以下のポイントを意識しましょう。
6.1.謙遜はせず断定の形で言い切る
たとえ未経験であったり内心不安であったりしても、能力がない、あるいは自信がない人だと判断されてしまうと採用に繋がりません。
そのため、「不安ではありますが」「お役に立てるかわかりませんが」「ついていけるように頑張ります」など謙遜の言葉や消極的な言葉は使わないようにしましょう。
このような言葉からは弱々しい印象がして、採用者にもこの人を採用して大丈夫だろうかと不安を与えかねません。
たとえ本当は自分に自信がなく強みをアピールするのが苦手な人も、企業に貢献できることに自信を持っている姿勢を見せましょう。
ポジティブな表現をすることで、経験やスキルだけでなく人柄などの印象もよくなり、採用担当者の「一緒に働きたい」という気持ちを膨らませることができます。
また、「~したいと思います」「~するつもりです」などの言い切らない形も、曖昧で自信が無いような印象を与えてしまいます。
「~したいです」「~します」と断定の形ではっきりと言い切りましょう。
言い切ることで前向きな印象になり、説得力も増します。
6.2.具体的な表現を心がける
具体的な表現を心がけることで採用担当者も応募者の入社後のイメージがしやすく、ビジョンをしっかり持っていることを伝えられます。
「一生懸命頑張ります」「貢献できるよう努力してまいります」といった抽象的な表現では意欲や誠意を伝えきれません。
具体的にどのようなスキルを磨いていくのか、自分の能力を活かしてどのような実績を残したいのかなど、企業側に入社後の姿を想起させるような内容にしましょう。
ただし、誇張したり過剰表現をしたりするのは良くありません。
「必ず」「絶対」「どんな~でも」のような言葉は過剰表現に当たりますし、あまりにも現実的でない目標を掲げたり根拠のない自信を見せるのは採用担当者にとってむしろマイナスイメージです。
説得力や信頼性に欠け、客観的な判断ができない人だと思われてしまうかもしれません。
自身の経験やスキル、そしてポテンシャルを正しく理解してもらうために、この人なら実現してくれそうだと思わせるようなアピール文にしましょう。
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7.まとめ
志望動機の締めくくりは志望動機全体の印象を大きく左右する重要な部分といえます。
丹精込めて作成した志望動機がより魅力的に伝わるよう、しっかりと気を配りましょう。
「なかなか良い締めくくりが思いつかない」という場合は、まず自己分析を行い、自分のスキルや実績を再認識するところから始めてみましょう。
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