Webマーケターとは? 向いている人や仕事に必要なスキルを解説

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Webマーケターとは、インターネットを活用して商品やサービスの認知度を高め、集客や売上につなげるマーケティングの専門家です。Web、SNS、ショートムービーなど人気のデジタルコミュニケーションツールを活用して、商品のマーケティングやプロモーションを企画・実行します。

消費者がどのようなデジタルサービスに興味を持っているかを見極めて、常に流行やトレンドを追いかけていくため華やかな印象のある職業です。この記事では、Webマーケターに求められる知識やスキル、今すぐ始められる準備について紹介します。

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1.Webマーケターとは

Webマーケターとは、Webを中心としたネットサービスを利用してマーケティング活動を企画、実行する職種です。

従来のマーケティング活動は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌といったマスメディア、店舗でのイベント、キャンペーンなどが中心でした。

しかし、現在は、消費者の多くがスマートフォンを通じてWebやSNSのデジタルの世界に触れているため、マーケティング活動もデジタルの世界で展開するのが主流になっています。

デジタルマーケティングを展開するには、WebやSNSに関する知識、特性など、従来のマーケティングにはなかった知識、技術が必要になります。

そのため、Webを中心にマーケティング活動を企画、実行する職種の人のことを「Webマーケター」と呼びます

Webマーケターの需要は年々高まっているものの、十分なスキルや技術を持った経験者はまだ少なく、その分高い年収が見込めるとして注目されている職種の一つです。

1.1.そもそもWebマーケティングとは

そもそもWebマーケティングとは、インターネットを活用して商品やサービスの集客やブランドの認知度向上といった販売促進施策を行うことです。

Webマーケティングの手法としては、Web広告、SEO、SNSマーケティングやメールマーケティング戦略などが挙げられます。

特に近年はSNSマーケティングが盛んになっており、SNSを活用した認知向上や集客、売上アップに力を注ぐ企業が増えています。

Webマーケティングを行うには、ターゲットや市場をよく理解した上で、適切な手法を選択することが重要です。また、定期的なデータ分析と改善を重ね、効果を高めていくことが求められます。

1.2.Webディレクターとの違い

Webマーケターと混同しやすい職種として、Webディレクターが挙げられますが、この2つはどのような違いがあるのでしょうか。

Webディレクターの役割は、Web制作・運用の進行管理がメインです。主な業務は、企画や設計、進行管理を行うことであり、Webサイトの完成度を高める役割を担います。

また、クライアントとの折衝や、デザイナー・エンジニアとの連携も重要な業務であり、円滑にプロジェクトを進めるためのコミュニケーションスキルやマネジメントスキルが求められます

一方、Webマーケターは集客や売上アップを目的とし、広告運用やSEO対策、データ分析などを通じて成果を最大化する役割を担います。

「業績」を担当するのがWebマーケター、「制作の進行」を管理する立場なのがWebディレクターです。

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2.Webマーケターの仕事内容

実際に、Webマーケターとはどのような仕事をしているのでしょうか。例えば、デジタルツールを活用して新たなマーケティング手法を開発するなど、Webマーケターの守備範囲は急速に広がっています。

Webマーケターの仕事は、次の4つを基本としています。

2.1.リスティング広告、ディスプレイ広告の出稿

リスティング広告とは、検索エンジンで検索キーワードに連動して表示される広告です。

消費者が自分の興味のあるキーワードで検索をした際に表示されるため、問い合わせ・資料請求・購入などのコンバージョン率が高く、新規顧客の獲得に効果的な手法です。

このリスティング広告に、どのようなキーワードに広告を出稿するか、そしてどのようなランディングページに着地させ、購入までのシナリオをどう描くかなどをWebマーケターが企画をします。

また、バナー広告などのディスプレイ広告の出稿計画も立案します。実行は広告代理店などに依頼をすることも多いです。

2.2.SEO(Search Engine Optimization)の改善

新規の顧客を獲得できるもうひとつの手法がSEOです。消費者は自分の興味のあるキーワードで検索をし、上位に表示されたWebページを閲覧して、商品の内容を調べます。

一般的に上位から順に閲覧されるため、自社のWebページが上位に表示されることは極めて重要です。

自社のWebページを検索エンジンに最適化させて上位に表示する技術がSEOです。このようなSEOの観点を取り入れ、検索上位を狙えるWebページを構築します

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2.3.ランディングページの最適化

ランディングページとは、リスティング広告、ディスプレイ広告などをクリックした際に表示されるWebページのことです。広告の内容に応じて、商品情報、問合せ窓口、資料請求窓口などを用意しておきます。

企業が望む行動を促し、Webマーケティングの成果を左右する重要な要素であるため、途中離脱が起こらないように、目的のアクションへ誘導できる設計が求められます

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2.4.SNSアカウントの運営

Webマーケティングの基本は、検索や広告を通じて見込み客を発掘し、ランディングページへの誘導、購入、資料請求などのアクションを促すことです。

さらに、現在ではX(旧Twitter)やFacebook、Instagram、TikTokなどのSNSを活用した見込み客の発掘も重要になっています。

SNSでは、単に見込み客を発掘してランディングページに誘導するだけでなく、継続的な発信をすることで、商品や企業のブランドイメージを構築する役割も担っています。

どのような内容のメッセージをどの程度の頻度で発信をしていくかを企画することも、Webマーケターの仕事です。

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3.Webマーケターに要求されるスキル

Webマーケターは、デジタルから流行、トレンド情報まで幅広い知識が必要になります。

仕事の領域が広いため、必要とされるスキルも多くなります。その中でも重要なのが、次の4つです。

3.1.データ分析力

Webマーケティングが従来のマーケティングと大きく異なる点が、施策実行後にほとんどの結果が数値で把握できることです。コンバージョンだけでなく、ランディングページのPVや滞在時間など、Web上での行動データが取得できます。

これらのデータを分析し、仮説を立てて施策を改善していく力が、Webマーケターに最も求められるスキルです。

最初は他社でも行っている一般的なマーケティング手法でも、改善を重ねることで、効果の高い手法に高めていくことができます。

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3.2.コミュニケーション能力

Webマーケティングの最大の特徴は、1人では達成できない点です。SEOなどでWebやランディングページを改善をするには、WebディレクターやWebデザイナーとの打ち合わせが必要です。

データ分析を行うには、データアナリストやデータサイエンティストと連携し、広告企画やイベント実施には、広告プランナーや営業との連携が欠かせません。

また、SNSでブランド構築の計画を立てる際には、経営陣の承認が必要になる場合もあります。

つまり、マーケティング企画を立てた後、他部署と協力して進めることが多く、自分の考えを正確に伝え、相手の意見を理解し、チームを一丸にする運営能力が求められます

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3.3.基本的なデジタル知識とマーケティング知識

WebマーケターはITエンジニアではないため、高度なデジタル知識は必須ではありませんが、基本的なデジタル知識は必要です。Webや検索エンジン、SNSなどはビジネスレベルで理解しておく必要があります。

また、マーケティング知識も同様で、基本的なマーケティング理論を学んでおくことが求められます。

3.4.学習能力

Webマーケティングの世界には次々と新しいトレンドが登場します。例えば、TikTokのようなショートムービーやライブコマース、メタバースなどもWebマーケティングの対象となります。

新しいジャンルについては、教科書のような専門書が出版されるのを待つわけにはいきません。あらゆる情報をリサーチし、新しいデジタルサービスを自分で体験し、学び取る力が必要です。

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4.Webマーケターに向いている人

前述したように、Webマーケターには幅広いスキルが求められますが、具体的にどのような人に向いているのでしょうか。ここからは、Webマーケターという仕事を楽しめる人の特徴を3つ紹介します。

4.1.論理的思考ができる人

Webマーケターは、常に大量の情報と向き合わなければなりません。その際、それぞれの因果関係を正確に把握・分析して、端的に結論を導き出す必要があります。

そのため、物事を考えるときにできるだけ自分の感情や直感を抑えて、正確かつ合理的な結論を導ける人は、Webマーケターに向いていると言えます。

4.2.数字に強く集中力がある人

Webマーケティングの仕事では、アクセス解析やインプレッション数、クリック率、問い合わせ率など、日々多くの数字を扱います

費用対効果などを考えるには、これらの数字を利用して、さまざまな計算を行なわなければなりません。数字の入力や計算は、一桁でも間違えると大きなミスにつながるため、高い集中力が必要です。

このことから、数字の扱いに抵抗がなく集中して仕事ができる人は、Webマーケターとしての適性があると言えるでしょう。

4.3.変化に対応できる好奇心旺盛な人

市場は日々変化し続けています。季節や流行、社会情勢の変化によって、ユーザーが求めるものも変わっていくため、臨機応変に対応していかなければなりません

また、検索アルゴリズムが変更になり、昨日まで有効だった手法が使えなくなってしまうこともあるでしょう。

こういった変化をネガティブに捉えるのではなく、「違う方法を考えるのは楽しい」「新しいことを生み出すのは面白い」と感じられる好奇心旺盛な人は、Webマーケターとしての素質があると言えます。

5.Webマーケターになるために今すぐできること

Webマーケターは、専門のマーケティング企業に所属をする人と、事業会社の中でWebマーケティングの業務に従事する人の2通りがあります。

そのため、他業種からWebマーケターになるには、マーケティング企業に転職するか、社内異動を申し出る、あるいはWebマーケティング部門を創設する方法があります。

いずれの場合でも、まずは自分のスキルを高めるために、次のようなことから始めておきましょう。

5.1.Webマーケティング関連本を読む

Webマーケティングに関する教科書、専門書は数多く出版されており、初心者から上級者まで幅広い知識を学ぶことができます。まずはこのような書籍を読んで、基礎的な知識をつけることが大切です。

5.2.データ解析に関する知識を強化しておく

Webマーケティングで必要となるデータ解析手法は、高校で習う統計程度の知識や、データの意味を深く理解する能力が必要です。

例えば、コンバージョンやページビューといった数値が得られて、それが目標値に達したかどうかを判断して終わりではなく、このような指標を改善していく策を考えるのがWebマーケターの仕事です。

そのためには、このような指標の名前を知っていて計算ができるだけでなく、指標の持つ意味を深く理解しておく必要があります。

統計学は理系・文系問わず多くの人が学ぶ分野ですが、多くの人が理解しきれず指標の計算だけで満足してしまう傾向にあります。

データアナリストやデータサイエンティストの入門や基礎の書籍を読んだり、オンライン講座などを受講したりすることをおすすめします。また、学習の目標として資格を取得するのもいいでしょう。

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5.3.自分でブログを運営してみる

自分でブログを運営し、収益化を図るのは非常に優れたトレーニングになります。もちろん、個人のブログで生活できるほどの収入を得ることは簡単ではありませんが、収益化を目指して行ったマーケティング施策が重要です。

その経験は、転職や異動時のプレゼンテーション資料として活用できます。

どのように考え、どの手法を実施し、どのようにデータ分析を行って改善策を講じたかを提示することで、雇用側はその人のWebマーケターとしての才能やスキル、情熱を評価することができます。

トレーニングにもなり、アピール資料ともなる方法です。

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6.未経験でもWebマーケターを目指せるのか

未経験でもWebマーケターを目指せるチャンスはありますが、スキルや知識が全くない「完全に未経験の状態」だと難しい場合が多いようです。一からスキルと知識を身につけるためには多くの時間を要します。

企業側も未経験者を育てるコストを軽減させる意味でも、経験者を募集することが多いでしょう。未経験から始めたい場合は、応募する前からスキルや知識をしっかり理解し学んでおくことが望ましいと言えます。

6.1. Webマーケティングと相性が良い職務経験

未経験でも、例えば営業経験やデータ分析など、Webマーケターに近い職務の経験があると転職しやすいでしょう。

また、副業でサイト分析の経験があったり、前述したように自分でブログやメディアを立ち上げ、成長させたりする経験があると、「この人にはWebマーケティングの素養がありそうだ」と感じさせる確率が上がるでしょう。

6.2.転職に有効な資格

未経験からWebマーケターに転職する場合、Webマーケティングの資格を取得しておくことが有効です。資格取得によって基礎知識を証明するだけでなく、転職活動において自分の意欲やスキルをアピールする材料にもなります。

Webマーケティングの資格には、以下のようなものがあります。

  • マーケティング検定
  • ウェブ解析士
  • SNSエキスパート検定

【出典】日本マーケティング協会「マーケティング検定」
【出典】一般社団法人ウェブ解析士協会「ウェブ解析士」
【出典】一般社団法人 SNSエキスパート協会「SNSエキスパート検定」

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6.3.転職エージェントを活用するのがおすすめ

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7.まとめ

Webマーケターとは、Webを中心としたデジタルサービスを活用して、マーケティング活動を企画、実施する人のことです。デジタル、マーケティング、データ分析など幅広い知識が求められます。

Webマーケティングの業務は、マーケティング企業の中でWebに特化をしたマーケター業務を行うケースと、事業会社の中でデジタルプロモーションを担当するケースの2通りがあります。

転職や部署異動を通じてWebマーケターになることができ、トレーニングは今すぐにでも始めることが可能です。

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原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)

テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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