パラメーターとは?元々の意味やビジネスでの使われ方をわかりやすく解説

パラメーターとは?元々の意味やビジネスでの使われ方をわかりやすく解説

パラメーターという用語を耳にしたことがあっても、実際「何を意味するのか分からない、あるいはなんとなくは分かるけど詳細は分からないという方も多いかと思います。

今回は、パラメーターという用語の元々の意味に加えてマーケティングなどのビジネスゲーム、プログラミングにおけるパラメーターの意味と使われ方を解説します。

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1.パラメーターとは

パラメーターとは、数学用語では媒介変数のことです。媒介とは「受け渡しをする」という意味で、受け渡しができる変数のことです。

例えば、気温と湿度からアイスクリームの売上を予測するプログラムがあった場合、今日の気温23度、湿度56%などと入力すると、売上1200個などという答えを返してくれます。

気温と湿度は毎日変わります(変数)。これをプログラムに受け渡して(媒介)、計算させるので媒介変数=パラメーターと呼ばれます。

何か(システム、人)に受け渡す変数(毎回内容が変わる)がパラメーターです。

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2.さまざまな分野で使われるパラメーター

パラメーターはさまざまなシーンで実際に指すものが異なっています。身近なところで使われるパラメーターを見てみます。

2.1.数学で使われるパラメーター

数学においてパラメーターはよく使用されます。

先述した通り、媒介変数や助変数と言い換えられることもあります。

例えば、x=a(t),y=b(t)がtの関数であった場合、tの値が変化するとxとyの値も変化します

このように、tの値でxとyの関係性が明らかになるような場合、tをパラメーターと呼びます。

2.2.RPGなどのゲームで使われるパラメーター

ロールプレイングゲームでは、主人公のキャラクターを作成すると、さまざまな方法で、体力、素早さ、魔力などの数値が決められます。これがパラメーターです。

システムが記憶している数値をキャラクターに渡す(媒介)ことで、キャラクターの性能が決まります。キャラクターが経験を積むと、この数値は上昇していきます(変数)。

2.3.プログラミングで使われるパラメーター

プログラミングというのは、何かを計算するプログラム=関数をつくり、最後にこの関数を組み合わせることで全体のプログラムが完成します。

部品をつくっておいて、これを組み合わせて完成させる積み木方式であるのが、現在の一般的なプログラミング言語です。

今、掛け算をしてくれる部品=関数multiple()をつくったとします。この関数を使うには次のようのようなプログラムを書きます。

a=2
b=3
answer = multiple (a, b)

(関数(メソッド)に渡す変数がパラメーター。日本語で引数と呼ばれることが多い)

これはaに2という数を入れ、bに3という数を入れ、掛け算をする関数multipleに渡しています(媒介)。関数は2×3を計算して、その答えをanswerに入れます。この時、関数に渡す2つの変数がパラメーターです。

ただし、プログラミングの世界では慣習的にパラメーターではなく、引数(ひきすう)と呼ばれることが一般的です。

なぜそう呼ばれるのかはもはや定かではありませんが、「関数に引き渡す変数」であることから、プログラムをする人にとってはしっくりくるのだと思われます。

引き渡すとは参照をして渡すという意味ですが、語源については諸説があってはっきりしません。

なお、引数は「いんすう」と呼んでも間違いありませんが、因数という数学用語があるために混乱を避けるため「ひきすう」と読むのが一般的です。

ただし、これもプログラミングで因数という言葉を使う機会はそう多くなく、長年の習慣でそうなっていると理解してください。

なお、関数に「3」などの固定値を渡すこともありますが、この場合は変数ではないので、厳密にはパラメーターではありません。パラメーターは変数を指す言葉だからです。

固定値を渡すときはargumentと呼ばれます。argumentもparameterもプログラミングの世界ではいずれも「引数」と呼ばれることが多いですが、最近は区別をして、argument(固定値)は「引数」、parameter(変数)は「パラメーター」と呼ぶことが多くなっています。

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3.Webマーケティングの世界で使われるパラメーター

Webウェブマーケティングの世界でも、URLパラメーター(クエリパラメーター)が使われます。URLパラメーターとは「http://www.xxx.co.jp/xxxx/xxx」というURLの後につく「?」以降の文字列のことです。

このURLパラメーターは広告効果を測定するためにも使われます。

例えば、あるECサイトがA、B、C3種類のサイトにバナー広告を出している場合、どのサイトの広告を見てきた人なのかを知り、集計したいと考えるのは当然のことです。

この時、例えばAのサイトの広告には「http://www.xxx.co.jp/xxxx/?campaign=01」などというURLパラメーターをつけたリンクを埋め込んでおきます。

この広告をクリックして、目的のページを表示した人は、campaignというパラメーターが01であることから、Aの広告からやってきたということがわかります。

このようなURLパラメーターには2種類あります。

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3.1.パッシブパラメーター

パッシブパラメーターとは静的なパラメーターという意味です。ここで説明したように流入元をパラメーターで示すだけなので、パラメーターが異なっても同じウェブページ(ランディングページ)が表示されます。

パッシブパラメーターの場合、「?」以降のURLパラメーターを削除してURLを入力しても同じページが表示されます。もちろん、この場合は流入元がわからないので測定ができなくなります。

3.2.アクティブパラメーター

アクティブパラメーターとは動的なパラメーターという意味です。グーグルの検索結果表示ページなどのURLにアクティブなURLパラメーターがつけられています。

このパラメーターには検索したキーワードが表現されています。そのため、URLパラメーターを削ったURLでアクセスすると異なるページが表示されてしまいます。ウェブページの内容を変えるために使われるのがアクティブパラメーターです。

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4.URLパラメーターを使用するメリット

前項でも触れた通り、URLパラメーターを使用することで、ユーザーがどの広告を辿ってサイトに訪れたのかを正確に判別できます。

さらに、アクセス解析や広告効果を測定できる外部ツールと連携すれば、流入キーワード利用ユーザー広告媒体のパフォーマンス比較など、SEO対策に有益な情報を得られます。

より効率的な広告施策を行えるのが、URLパラメーターを使用するメリットです。

5.URLパラメーター使用時のルールと注意点

URLパラメーターを使えば、Webマーケティングに役立つ様々な情報を取得できます。

しかし、正しく使用できていないと有益な情報や効果を得ることができません。

ここでは、URLパラメーターを使用するときのルールと注意点を解説します。

5.1.複数のパラメーターは「&」で区切る

「?」の後にはパラメーターを複数付けることができます。

例えば、URLパラメーターを使ってアクセス解析や広告の効果測定ができるGoogleアナリティクスでは、どこから流入したのかという参照元(google、yahoo、twitter、facebookなど)を示す「utm_source=○○」やキャンペーン内容(summer_campaignなど)を示す「utm_campaign=○○」といった複数のパラメーターが使われています。

それぞれのパラメーターの間には「&」を入れて繋ぎます。

なお、1つのパラメーターに入れる値(=の後ろ)は1つだけです。

5.2.特殊記号、全角文字、日本語は使わない

URLパラメーターで使用できる文字は基本的には英数字です。

特殊記号や全角文字、日本語、URLパラメーターの冒頭に使われる「?」やURLパラメーター同士を繋ぐ「&」を使用したいときはURLエンコードに置き換える必要があります。

URLエンコードとは、URLやURLパラメーターに使用できない記号や文字を、使用できる記号や数字の組み合わせに置き換えるものです。

5.3.重複コンテンツに注意する

URLパラメーターが異なると、同じページを表示しているのに違うページだと検索エンジンに認識される、つまり重複コンテンツがあると認識されてしまうことがあります。

SEO的には重複コンテンツはペナルティの対象であり、評価が落ちてしまいます。

そういったことを避けるためには、「canonicalタグ」でURLを正規化(評価してほしいURLを検索エンジンに示す)したり、Googleサーチコンソールの「URLパラメータツール」を活用したりする(検索エンジンから特定のパラメーターを含むURLのクロールをブロックできる)といった対策が必要になります。

5.4.リダイレクトの引継ぎ設定をする

リダイレクトとは、URL変更時などに、元のURLにアクセスしたユーザーを自動的に新しいURLに転送することを指します。

リダイレクトする時に元URLのURLパラメーターは外れてしまうため、パラメーターがないページとして認識されてしまいアクセス解析や測定にデータが正しく反映されません。

URLパラメーターを維持するには、リダイレクト先へ引き継ぐコードを設定する必要があります。

6.ビジネスの現場で使われるパラメーター

ビジネスの現場で「パラメーター」という言葉が使われることは多くはありませんが、気づかないうちにパラメーターを使っています。特に、Excelなどの表計算ソフトでは入力している値のほとんどがパラメーターです。

例えば、表計算ソフトで見積書を作成しているとします。客先の要望により、どうしても見積もり金額を100万円以内に抑えたいという場合があります。

このような時、表計算ソフトで見積書をつくっておき、削れる項目の単価を安く変えてみるということをやります。この変える項目の数値がパラメーターです。

元々複雑な計算表をつくるときに、紙で計算するとひとつのパラメーターを変えるだけで、全体の計算をすべてやり直さなければなりませんでした。項目の数値を変えるだけで自動的に再計算をしてくれる表があったら便利だというところから表計算ソフトが生まれました。

つまり、ビジネスの現場では、言葉として使うことは少ないものの、毎日パラメーターを使って仕事をしているのです。

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7.まとめ

パラメーターとは、数学用語では媒介変数のことです。媒介とは「受け渡しをする」という意味で、受け渡しができる変数のことです。プログラミング、ウェブ広告などさまざまな分野で使われる言葉です。

何かに受け渡しをする変数(内容が毎回異なるもの)が、パラメーターだと覚えておいてください。

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原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)
テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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