新しい技術や知識を常にキャッチアップしていかなければいけない現代社会で、社会人も継続的に勉強することが求められます。今回は、AIを勉強に活用する意味やChatGPTなど対話型AIで効率的に勉強する方法について解説します。
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1.AIを勉強に活用する意味
受験勉強、資格試験勉強、語学学習などに対話型AIを活用する人が増えているようです。
学生の時はもちろん、社会人になってからも勉強は必要です。それも、近年ではその勉強の成果が客観的に評価できるように、資格を取得することを求められることが多いです。
例えば、入社や転職の面接の際、「IT全般に関する知識は持っています」とアピールするより、「ITパスポートの資格を取得済みです」と伝える方がアピールしやすくなります。
ITパスポートはITやビジネスの基礎知識を問う資格で、比較的取得しやすい資格といえますが、自分で「ITやビジネスの基本知識を理解している」とアピールするより、「ITパスポートを取得している」と伝えるほうがアピールする効果が高いです。
また、時代が変われば新しい知識も必要となり、それに応じた資格も登場してきます。
例えば、生成AIに関する資格も続々と登場してきています。これも、自分で「AIの〇〇の分野を理解している」と伝えるより、資格を取得した方がアピールしやすくなります。
社会人になっても資格などの勉強を続けるほうが有利となります。
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2.社会人と学生の勉強の仕方の違い
学生の時の勉強と社会人の勉強は大きく異なる点がひとつあります。それは勉強効率の重要度です。
学生は勉強時間を割きやすいです。効率を考えずに、回り道するような勉強方法であっても、それがかえって深い理解に導いてくれることもあります。
学生、特に高等教育の期間は、基本的な概念をしっかりと理解することに重きが置かれる傾向にあります。
一方、社会人は勉強する時間が限られています。平日は業務があり、休日もさまざまな用事があることも多く、勉強に使える時間が非常に限られています。そのため、効率的に勉強をこなしていくことが求められます。
また、社会人には業務に関連した知識が必要とされます。本質的な理解をするためには、専門業務に関わり、業務をこなす中で理解をしていくしかありません。
しかし、その専門業務をこなすにはまずは基本的な知識が必要です。そのため、多くの資格試験が「業務に必要な基本的な知識が身についているかどうか」を問うものになっています。
社会人には、短時間で必要な知識を効率よく身につけていくことが求められているのです。
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3.AI勉強のメリットとデメリット
AIを活用して勉強することにはメリットとデメリットがあります。
3.1.メリット
3.1.1.多彩な勉強方法を利用できる
AIは疑問への回答や解法の提示、模擬問題の生成など多彩なことができます。そのため、教材をあれこれそろえなくても、多角的な勉強をすることができます。
3.1.2.自分に合わせた勉強が可能に
AIは24時間利用可能で、勉強の進捗も自分に合わせることができます。苦手な部分だけを反復勉強することもできます。短期間に効果的に勉強を進めることができ、時間が少ない社会人の勉強に向いています。
3.1.3.即時フィードバックを受けることができる
疑問が生じた場合、解けない練習問題があった場合、AIに質問して解決するまで深掘りして質問することができます。わからないことをその場で解決していくことで、効率的に勉強することができます。
3.2.デメリット
3.2.1.人間的なサポートの欠如
対話型AIは人間の教師ではないので、叱ったりすることもない代わりに誉めてくれたりもくれません。AIを活用した勉強のモチベーションを維持することは思ったより難しいものです。しっかりと目標を立てて、自分でモチベーションを維持することが求められます。
3.2.2.技術リテラシーが必要
対話型AIを活用して勉強をするには、ある程度のAI活用リテラシーが必要となります。その多くはプロンプト(指示命令)を適切に書くことですが、自分で調べたり入門書を読んだりして、基本的なAI活用の知識を身につけておく必要があります。
プロンプトの知識を身につけることは、勉強以外の業務でも役に立つことがあります。
3.2.3.複数のソースをあたる必要がある
対話型AIは、WEB上の情報を元に回答を生成します。そのため、元のWEB情報が間違っていれば、誤った回答を生成してしまうこともあります。そのため、常に複数のソースをあたって、情報が正しいかどうかを確認する姿勢を身につけることが求められます。
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4.知識の理解と知識の定着に役立つ対話型AI
社会人の勉強の方法は人によりさまざまだと思いますが、王道は次のようなものが挙げられます。
- 参考書を読んで理解する。
- ノートをつくる、参考書に書き込みして理解を深める。
- 過去問や練習問題をやってみる。
- 理解が怪しい問題、誤答した問題を深掘りして、理解を深める。
読んでわからない部分、解いてみてわからない分は何度も繰り返す。これは学生時代に中心的となる勉強法です。
ですが、社会人は、読んでわからない部分はその場で調べて理解を得ておく、解いてみて誤った問題はその場で理解して次からは間違えないという「1回で身につける」ような効率さが求められます。
この効率を高めるのに、「ChatGPT」などの対話型AIが大きく貢献してくれます。
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5.基本知識を理解するのに対話型AIを活用する
勉強の最初の一歩は、自分に合っていそうな参考書を探して、それを読むことです。読みながら、重要なところをマークしたり、書き込みをしたり、あるいは自分のノートに整理してまとめていくということをします。
しかし、新しい分野を勉強するわけですから、初めて聞く言葉や初めて知る概念なども多数登場します。これをそのままにしておくと、読むのがつらくなり、挫折をする原因になりかねません。
5.1.わからない言葉を対話型AIに聞く
わからない言葉、概念が登場したら、放置せずに、すぐに対話型AIに聞いてみましょう。ざっと目を通し、重要なところは参考書に書き込みをしたり、ノートにまとめたりしていきます。
ただし、対話型AIの回答は必ずしも正確ではありません。参考書と比較して、対話型AIの回答はあくまでも理解を助けるものと考えることが重要です。
また、対話型AIの回答に中にわからない言葉や概念があった場合は、さらに尋ねることが可能です。
(わからない言葉はすぐに尋ねることができる【画像出典】ChatGPT3.5)
5.2.疑問が生じたらすぐに尋ねる
対話型AIの回答を読んで、疑問に思ったことがあったら、すぐに聞いてみましょう。対話型AIは、辛抱強い家庭教師のようなものなので、とんちんかんな質問をしても気分を害することもありません。たくさん質問して、わからない部分をつぶしていきます。
(疑問が生じた場合もすぐに尋ねて、その場で疑問を解決できる【画像出典】ChatGPT3.5)
5.3.正しい情報を確認する
対話型AIは、世界中のウェブを勉強してその結果に基づいて回答を出力しています。そのため、間違った情報を出力してしまうこともありますので、正しい情報であるかを確認する必要がある場合があります。
そのような場合は「参考にした情報のURLも示してください」という文を追加します。すると、参考にしたサイトのリンクを表示してくれるので、そちらを読んで、正確な知識を確認することができます。
(情報の元にしたリンクを表示させ、情報を正しさを確認することもできる【画像出典】ChatGPT3.5)
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6.基本知識を定着するのに対話型AIを活用する
勉強方法は人それぞれですが、参考書で知識をインプットしたら、できるだけ早く過去問題集、練習問題を解いて、知識の定着を図るやり方が社会人には向いています。
当然ながら、誤答をしたけどなぜ誤答なのかがわからない、正答したけど実は正答できた理由がよく理解できていないということも起こります。
このような場合も、対話型AIに教えてもらうことが可能です。
6.1.問題の解き方を教えてもらう
気になる練習問題は、対話型AIに解き方を教えてもらうことができます。いきなり解答が示されるのではなく、考え方も解説してくれるため、疑問を解決することができます。それでもよくわからない場合は、わからない部分をさらに深掘り質問していくことも可能です。
(解き方を尋ねると、詳しい解説をしてくれる【画像出典】ChatGPT3.5)
6.2.模擬試験問題を出力してもらう
過去問の多くはWEBから手に入ります。このような過去問をこなすだけでなく、対話型AIに模擬試験問題を出力してもらうことも可能です。過去問を入手し、これを対話型AIにアップロードすれば、模擬試験問題を出力してくれます。
この模擬試験を解いて、わからない部分は対話型AIに解法を教わったり、深掘り質問をしたりしながら、知識の穴をつぶしていきます。
ただし、過去問データの多くは著作権の関係からコピーできない設定になっていることがあります。このような設定のファイルは、対話型AIが認識できないことがあるので注意してください。
(過去問のPDFファイルを読み込ませて、予想模擬試験問題を出力してもらうこともできる【画像出典】ChatGPT3.5)
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7.語学の勉強をする
社会人にとって業務に関連のある資格を取得することも重要ですが、英語などの語学も重要になってきています。
特に重要なのが「会話」です。海外出張の際の行動のしやすさが変わってきますし、簡単な会話しかできなくても先方と親交を深めることができます。
このような会話を中心にした語学学習は、練習量がものを言います。対話型AIは、多くが多言語対応で、なおかつ音声認識、音声出力のボイスチャットに対応しています。これを利用して会話の練習をすることができます。
7.1.会話の練習相手になってもらう
対話型AIのスマートフォンアプリは多くの場合、ボイスチャットに対応しています。英語で話しかければ英語で返してきますし、韓国語で話せば韓国語で返してきます。
最初に「あなたは私の会話の先生です。今日は○○について会話をしたいと思います」と練習したい言語で話しかければ会話が始まります。
対話型AIは、こちらが言葉に詰まったりすると、会話が終了したものだと判断して返答を始めます。また、返答はネイティブスピードに近い速さであるため、最初はかなり難しさを感じます。しかし、1日15分ほど練習をしていけば、1週間ほどでこのスピードに慣れてきます。
(ChatGPTアプリではボイスチャットモードがある。英語で話しかけると英語で返答をしてくれ会話ができる【画像出典】ChatGPT3.5)
7.2.会話の内容を確認する
ボイスチャットを終了すると、こちらの話した内容、対話型AIが答えた内容がテキストで表示されます。ここで、自分の発音が正しく認識されているかどうかを確かめることができます。
また、最初に「不自然な表現があったら指摘をしてください」と頼んでおくと、問題のあるフレーズを指摘してくれるようになります。
(ボイスチャットを終了すると、話した内容がテキストで表示される。自分の発音や聞き取りが正しかったどうかを確認できる【画像出典】ChatGPT3.5)
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8.まとめ
社会人にとっても勉強は必要ですが、少ない時間で効率よく勉強をしていくことが求められますので、対話型AIを活用することをおすすめします。
参考書を読んでわからない部分を尋ねる、深掘り質問をするなど「理解」を助けてくれる活用法と、練習問題の解法を解説してもらったり、練習問題をつくってもらい「定着」を助けてもらったりする活用法があります。
また、語学の会話練習の相手になってもらうこともできます。
社会人は、少ない時間で効率よく勉強していくことが求められ、対話型AIを活用することで、勉強の効率を大幅にアップすることが可能です。