役職が上がる「出世」を目指すことは、仕事をするうえでの大きなモチベーションの一つという方も多いでしょう。自分の仕事や業績が評価され出世できると自信につながり、仕事のやりがいも大きくなります。
しかし、「頑張って仕事をしているつもりなのに出世ができない」、「同期はどんどん出世しているのに自分だけ役職が変わらない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
しかし昇進につながらない背景には、仕事の進め方だけでなく、評価制度や人員配置、管理職ポストの状況など、さまざまな要因があります。状況を整理することで、今後取るべき行動が見えてくるかもしれません。
ここでは、出世できない理由やその原因、出世するために必要なことなどをご紹介します。
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1.出世できないとわかったら?まず考えたいこと
今の会社で働いていくなかで、出世を1つの大きな目標として掲げ、それを仕事の糧にしている人は少なくないでしょう。しかし、その出世が難しいかもしれないと感じた際、今後どうしていけばいいのか迷ってしまうかもしれません。
「出世できない」と感じて今後の身の振り方を考える前に、まず整理したいのが「そもそも出世を目指す必要はあるのか」ということです。なぜ自分が出世をしたいと思っているのか、ということを改めて振り返り、今の会社で出世する必要性を明確にしましょう。
また、現在本当に出世が難しい状況なのかを整理することも重要です。出世に必要な条件を見落としていたり、自分の評価を正しく把握できていなかったりする可能性もあるため、評価基準や社内の昇進制度などを改めて確認しておきましょう。
2.出世できない人の特徴や原因とは
企業によって出世するための条件はさまざまですが、出世できないと感じる人には、何か共通する特徴や原因があるのでしょうか。
2.1.指示待ちの姿勢が目立つ
入社したてで仕事を覚えていない時期は、指示を待ってから仕事をすることは仕方がないことです。
しかし、業務内容や仕事の進め方を理解している段階で、指示を待つ姿勢が続いたり、繁忙期に優先順位を考えて動くことが難しかったりすると、主体性について課題があると受け止められる場合があります。
2.2.遅刻や無断欠勤が多い
一般的に、遅刻や無断欠勤が多い場合は出世の対象にはなりにくい傾向があります。特に無断欠勤は、周囲の業務に影響を及ぼすだけでなく、勤怠面の評価や信頼関係に影響する場合があります。
事前に休暇を取る予定がある場合は、あらかじめ会社に伝えておき、当日の急な欠勤も可能な限り早い段階で連絡を入れましょう。
また、公共交通機関や車の渋滞、予期できないアクシデントなどにより始業時間に間に合わなさそうな場合であっても、「少しの遅刻だから」と軽く見ずに、遅刻しそうだとわかった時点で連絡を入れるのが大切です。
2.3.職場での人間関係が良くない
上司や同僚との連携がうまくいかず、仕事の進め方や相談のしにくさに悩んでいる場合、評価やキャリアに影響することがあります。ただし、相性だけでなく、役割分担やコミュニケーションの方法、職場の風土が関係している可能性もあります。例えば、上司と折り合いが悪い、同僚とよく衝突してしまい雰囲気が悪くなってしまう、などが挙げられます。
このような状況が続くと、「情報共有が十分でない」「周囲と連携しにくい」と受け止められ、評価に影響する場合があります。
2.4.マネジメントやスケジュール管理ができない
管理職への昇進では、業務上の専門性に加えて、組織によってはチーム運営や人材育成などの経験が評価される場合があります。
部下をもつ管理職に昇進する場合は、部下への仕事の割り振りや仕事のスケジュール管理、相談を聞くなどのマネジメントが求められるということです。
仕事を一生懸命やっていても、期日までに仕事が終わらなかったり納期を守れなかったりすると、スケジュール管理ができていないと捉えられてしまいます。
また、管理職への登用では、担当業務の実績だけでなく、後輩の支援や業務調整、チーム内での情報共有などが評価材料になる場合があります。求められる役割は会社や役職によって異なるため、昇進基準を確認しましょう。
2.5.企業の評価制度が自分に合っていない
本人の仕事ぶりだけでなく、会社の評価制度や組織構成が昇進に影響している場合もあります。
評価の基準が不透明だったり、得意分野があるにも関わらずそれが評価の対象にならなかったりする場合は、評価制度が自分に合っていないのかもしれません。
2.6.管理職の空きがない
そもそも管理職のポストに空きがないという場合もあります。
管理職のポスト数は、会社の規模や組織構成、人員配置の方針などによって異なります。十分な実績があっても、希望するポストに空きがなければ、昇進の時期を待つ場合があります。今後の登用の見通しや、ほかの部署での機会、専門性を生かした処遇の仕組みについて確認してみましょう。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
「出世できない」と判断する前に、会社の昇進基準と自分の現在の評価を確認してみましょう。一度昇進を見送られたり、同期より昇進が遅れたりしても、それだけで将来の可能性まで決まるわけではありません。上司との面談では、「次の役職に求められる役割」「現在の評価で不足している点」「今後経験しておくべき業務」を具体的に尋ねると、取り組むべき課題を整理しやすくなります。面談内容と自分の実績を記録し、一定期間後に進捗を確認することも有効です。本人の能力開発で改善できる点と、ポストの空きや人員配置など会社側の事情を分けて考え、必要に応じて人事担当者にも今後のキャリアについて相談しましょう。
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3.出世するために必要なこと
イラスト:斉田直世 漫画の続きはこちら>
昇進につながらない状況が続くと、落ち込んだり、今後のキャリアに不安を感じたりすることもあるでしょう。まずは現在の評価や昇進基準を確認し、取り組めることを整理してみましょう。
出世できないと感じる状況が続くのは辛いですが、考え方や行動を少し変えることで、出世への道が開ける場合もあります。
ここでは、どのような人が出世しやすいのか、出世するために必要なことなどを紹介します。
3.1.多くの人とのコミュニケーションを図る
上司や同僚、他部署の人など、多くの人とコミュニケーションをとりましょう。さまざまな人と話をすることで信頼関係が築かれやすく、仕事のサポートを得て成功につながったり、ミスをフォローしあったりするなどが期待できます。
また、業務上必要な情報共有や相談を適切に行うことで、周囲と連携しながら仕事を進める力を示しやすくなります。ただし、交流の多さだけで評価が決まるわけではないため、業務上の成果や役割も含めて考えることが大切です。
3.2.キャリアプランを見直してみる
キャリアプランとは、「自分の将来像の実現のための具体的な行動目標」のことです。仕事をこなすことだけでなく、どのようなスキルや経験を得たいかなども含めた、理想の人生に近づけるための目標を指します。
「なかなか出世ができない」と悩んでいる場合、「出世」という観点からキャリアプランがずれている可能性もあるため、一度見直しをしてみましょう。
「出世したら◯◯の仕事ができるようになりたい」という理想を組み入れ、そのために自分が今すべきこと、求められていることについて考え、目標にします。
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3.3.目標の設定と達成するまでの計画を立てる
キャリアプランの作成とつながりますが、目標の設定と達成するための計画を立てることも重要です。
目標は「こんな仕事をしたい」「このスキルを身につけたい」「出世して部下を持ちたい」など何でもかまいません。その目標を達成するために必要な計画を立てましょう。
計画は、まずは長期的にどのように目標を達成していくかを考え、そこから徐々に細分化し、最終的には「いま自分がやるべきこと」のスモールステップを設定します。
目標と計画、やるべきことが明確になることで、仕事の効率も良くなるでしょう。
3.4.何事にも挑戦してみる
今までやったことがないことに挑戦してみることが出世につながることもあります。
初めての仕事や苦手意識を持っていた仕事に挑戦してみることで新しいスキルが身につき、それが徐々にプラスの評価につながる場合があります。
また、業務に関連する研修への参加や、これまで担当したことのない業務への挑戦も、新しい知識や経験を得る機会になります。挑戦する際は、現在の業務への影響や必要なサポートを確認したうえで取り組みましょう。
苦手な業務や未経験の仕事に取り組む場合は、目的や期待される役割、期限、必要なサポートを確認したうえで、無理のない範囲から挑戦してみましょう。すべての仕事を一人で抱え込む必要はありません。
3.5.資格の取得を目指してみる
資格の取得を目指すことも効果的です。仕事に役立つ資格をもっていればそれがアピールポイントになり、「資格手当」として給与がアップすることもあります。
一緒に勉強する仲間ができたり、新しい出会いがあったりと、人間関係の幅を広げられる可能性があることもうれしいポイントです。
そうして得た知識や人脈を仕事で生かせれば、出世への道が開けるかもしれません。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
昇進に向けて目標を立てる際は、会社が求める役割と、自分が伸ばしたい能力を結び付けて考えてみてください。例えば、後輩の育成を任されたいのであれば、業務手順をわかりやすく整理したり、質問への対応方法を工夫したりすることも実績になります。資格を取得する場合も、昇進要件や担当業務との関係、取得後に任される仕事、資格手当の有無を確認すると、学習の目的が明確になります。売上などの数値だけでなく、業務改善やチームへの貢献も具体的に記録しておきましょう。経験の振り返りには、厚生労働省の「マイジョブ・カード」も活用できます。学習時間や仕事量を無理に増やしすぎず、継続できる計画を立てることが大切です。
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4.出世できないとわかったときの対処法
ここまで、出世できない人の特徴や出世するためのヒントを紹介しましたが、どれだけ努力を重ねても、出世が難しいこともあります。そのような場合には、出世にこだわりすぎず、今後の働き方について考えてみましょう。
ここでは、出世できないとわかったときの対処法を紹介します。
4.1.「今の仕事は本当にやりたいことか」を考える
今の仕事は本当に自分のやりたいことでしょうか。そもそも業務内容が合っていない可能性もあります。
自分に合っていない業務だと、強みを発揮しにくく、成果や評価につながりにくい場合があります。同じ会社でも部署異動を申し出たり、違う業務を担当できないか打診したりするなど、自分の希望に近い業務に就ければ、評価や昇進につながるケースもあります。
そこで、まずは今の仕事に対する自分の考えや希望を整理してみるのも良いでしょう。
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4.2.出世したい理由を振り返る
そもそも「出世したい」と思った理由は何でしょうか。「給料が上がるから」「責任のある仕事がしたいから」など、理由は人それぞれです。
確かに昇進には待遇や裁量の面でメリットがあります。一方で、担当業務に加えて、メンバーの育成や進捗管理、意思決定などのマネジメント業務が増え、これまでと仕事の進め方が変わる場合もあります。
今の仕事にやりがいを感じている場合は、無理に出世して仕事の内容を変える必要はないかもしれません。今の役職で仕事に楽しく打ち込むことも、一つのキャリアの築き方といえるでしょう。
4.3.専門性を高めて活躍の場を広げる
出世が難しいとわかった場合でも、これまでの経験を生かして専門性を高め、活躍の場を広げていくことはできます。特定の業務に関する知識やスキルを深めれば、社内でその分野のスペシャリストとして活躍できたり、将来的に転職などでその経験を生かしたりすることも可能です。
出世だけにとらわれず、これまで培ってきた経験やスキルを今後のキャリアにどう生かすかを考えてみましょう。
4.4.後輩育成やチームへの貢献を重視する
出世はキャリア形成を考えるうえで大きな目標の一つですが、会社への貢献方法は出世だけではありません。後輩の育成やチームへの貢献を重視することで、現在の役職でも周囲から必要とされる存在を目指せるでしょう。
こうした働き方を通じて、役職とは別の形で自分の強みを発揮できるかもしれません。
4.5.社内で別の役割や部署に挑戦する
今の状況で出世が望めない場合は、自分の置かれている環境や役割に変化をつけてみることで、これまでとは違った形でスキルを高められる可能性があります。
例えば、社内で他部署への異動を申し出たり、新しい業務やプロジェクトを提案・挑戦したりすることで、今まで培ってきたスキルを生かしつつ新たな経験を得られるかもしれません。
4.6.副業を考えてみる
出世したいと考えていた理由が「給料が上がるから」という場合は、出世以外の方法で収入を増やすことを考えてみましょう。収入を増やす方法の一つとして、副業を検討することも考えられます。
プログラミングやデザイン、ライティングなどの仕事をインターネット上で請け負ったり、YouTubeやInstagramの投稿で収益化を目指したりと、副業の幅は広がっています。自分の特技や生活スタイルに合う副業を探して挑戦してみましょう。
副業による収入は、仕事内容や契約条件、稼働時間などによって異なり、継続しても必ず増えるとは限りません。収入面だけでなく、得たい経験や本業への影響も踏まえて検討しましょう。
副業を始める前に、就業規則などで、届出・許可の手続きや禁止・制限の対象を確認しましょう。本業への支障、業務上の秘密の漏えい、競業による会社の利益への影響などにも注意が必要です。判断に迷う場合は、人事担当者などに相談してください。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
副業を始める際は、収入の見込みとともに、契約の形態、会社への届出・許可の手続き、働く時間を確認しましょう。本業と副業の両方で雇用され、労働基準法の労働時間規制が適用される場合は、原則として労働時間を通算して管理する必要があります。それぞれの勤務先に必要な情報を伝えることが大切です。一方、実態として独立した事業者として行う業務委託の副業には、この通算のルールは適用されませんが、長時間の作業による疲労には注意が必要です。また、勤務先の顧客情報や資料を副業に流用しないなど、秘密保持にも配慮してください。副業は経験を広げる機会にもなりますが、睡眠や休養、本業への影響を確認しながら、無理のない範囲で取り組みましょう。
4.7.転職も検討してみる
「出世がしたいのにできない、部署の異動もできない、副業も難しい...」。そんなふうに行き詰まってしまったら、思い切って転職も検討してみましょう。
会社の業務や方針が根本的に合っていない可能性も大いにあります。転職で心機一転、仕事内容や環境、人間関係を変えてみるのも良いかもしれません。特に現在の仕事や職場に不満があり、社内での改善が難しい場合には、転職も選択肢の一つです。
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5.今の仕事を続けるかどうかを判断するポイント
今の会社で出世できないとわかった場合、このまま仕事を続けるべきか転職するかどうかは、出世以外のことも踏まえて判断することが大切です。
現在の仕事内容や待遇、会社での将来性などを整理し、自分にとってどのような環境が合うのかを考えてみましょう。その際、主に次のようなポイントを確認しておくと、今の会社に残るか転職するかを判断しやすくなります。
- 出世が難しくても待遇や仕事内容に満足していれば留まるのも良い
- 出世しなくてもスキルや経験は得られる場合がある
- 成長機会がない、昇給が期待できずに仕事と給与が見合わないなどの場合は転職も視野に入れる
出世できないからといって、必ずしも今の会社を辞める必要があるわけではありません。反対に、出世以外の面でも不満が重なっている場合は、転職して自分に合う環境を探す方法もあります。
今の会社に残ることで得られるものと、転職によって変えられるものを比較し、自分が納得できる働き方を選びましょう。
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6.転職を検討するなら転職エージェントの活用も
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7.まとめ
今回は、出世ができない人の特徴や出世するためのコツ、出世ができないとわかったときの行動のヒントをご紹介しました。
出世し役職が上がることは自信や仕事のやりがいにつながりますし、給料も上がることが多いです。現段階で出世ができていない人も、取り組みや実績の伝え方を見直すことで、出世への道が開けるかもしれません。
また、仮にいまの会社で出世ができなくても、そこで諦める必要はありません。副業を始めたり、転職で仕事を変えたりすることも手段の一つです。転職エージェントで転職相談をすれば、手厚いサポートを受けながら、希望に合う転職先を探すことができます。
もちろん、出世することだけが仕事のすべてではありません。今の会社で出世が難しいと感じたときも、自分がやりたい、楽しいと思えるような仕事ができるように、自分のペースで考えていきましょう。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
出世を目指すかどうかを考える際は、収入、仕事の裁量、専門性、生活との両立のうち、自分が何を大切にしたいのかを整理してみましょう。管理職として組織を動かす道もあれば、専門性を磨いて担当業務の幅を広げる道もあります。希望する役職の名称だけで判断せず、実際に任される仕事、責任、処遇を確認することが大切です。転職を検討する場合も、今の職場で改善できる点と、環境を変えることで実現したいことを整理してから求人を比較しましょう。社内の面談やキャリアコンサルタントへの相談も、選択肢を考える助けになります。昇進の結果だけで自分の仕事の価値を決めず、これまでの経験を生かせる働き方を、自分のペースで考えていきましょう。