「仕事は辞めたいけどお金が心配」「今辞めたら生活できない状態になるのではないか」そうした不安から、限界を感じながらも仕事を辞められずにいる方は少なくありません。しかし、計画的に転職の準備を進めることで、貯金がなくても退職することは可能です。
この記事では「仕事を辞めたいけどお金がない」という方に向けて、退職後に必要となるお金や対処方法を紹介します。お金がない状態でも、無理なく次のステップに進むための参考にしてください。(Misa)
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1. 仕事を辞めたいけどお金がない場合はどうする?
「仕事を辞めたいけどお金がない」「貯金はないけど仕事に行きたくない」という場合は、まず生活費の見直しと退職後の収入源を考えることが大切です。
「1か月にいくらの生活費がかかるのか」「転職先が決まるまで生活していけるのか」を冷静に分析して、本当に今すぐ辞めて良いかを判断します。また、失業保険の受給条件を確認し、支給までの期間も把握しておきましょう。
これらを考慮せず「辞めたい」という気持ちにまかせて退職してしまうと、その後の生活が立ち行かなくなる可能性があるため注意が必要です。
ただし、「仕事が合わず体調を崩している」「職場でパワハラが横行している」などの場合は、心身の健康を守るため、お金がなくても早期に退職を検討することをおすすめします。
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2. 仕事を辞めた後に必要なお金は?
仕事を辞めた後には、想像以上にさまざまな支出が発生します。ここでは、退職後に必要となるお金について解説します。
イラスト:斉田直世 漫画の続きはこちら>
2.1. 生活費
食費、光熱費、住宅費、通信費などの必要最低限の生活費は、収入のあるなしに関係なく必ず発生する費用です。
総務省統計局が令和6年に行った調査によると、40歳未満の単身世帯が1ヶ月に消費する支出額は、男性が178,832円、女性が184,267円でした。
仕事を辞める際は、少なくともこれくらいの生活費が毎月必要になることを前提に、資金計画を立てておくことが重要です。
【出典】総務省統計局「令和6年全国家計構造調査家計収支に関する結果」
2.2. 社会保険料・住民税
まず健康保険については、退職前に健康保険へ2か月以上継続して加入していれば、最長2年間、同じ健康保険に加入し続けられる「任意継続制度」を利用できます。ただし、退職後は会社負担がなくなるため、保険料は全額自己負担です。任意継続を希望する場合は、資格喪失日(退職日の翌日等)から20日以内に申出が必要です。
任意継続を利用しない場合は、国民健康保険へ加入することになります。扶養家族の有無なども考慮し、どちらが負担を抑えられるか比較して選ぶと良いでしょう。
次に年金ですが、厚生年金に加入していた場合は、退職と同時に資格を失うため原則として国民年金へ切り替える必要があります。なお、健康保険料や国民年金保険料については、収入が少なく支払いが難しい場合に利用できる減免・免除、納付猶予制度が用意されています。
また、住民税は前年の所得をもとに課税されるため、退職後に収入が減っても支払いは発生します。退職後の生活に備えて、住民税の納付分も含めた資金を準備しておかなければなりません。
【出典】全国保険協会「健康保険任意継続制度(退職後の健康保険)について」
【出典】日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」
【出典】日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
2.3. 転職に向けた活動費
退職後すぐに働かない場合でも、将来的に再就職を目指すのであれば、転職活動にかかる費用も想定しておく必要があります。その際、面接や説明会に参加するための交通費、スーツや靴などの身だしなみを整える費用がかかることもあるでしょう。
また、業界や職種によっては、資格取得やスキルアップのための講座・教材費が必要になることも考えられます。
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3. 「仕事を辞めたいけどお金がない」ときの対処方法
実際に、「仕事を辞めたいけど、お金がない」という状況に直面した場合の具体的な対処法を6つ紹介します。
3.1. 働きながら転職活動をする
「仕事を辞めたいけれどもお金がない」という場合、そのまま仕事を続けながら転職先を探し、次の仕事が決まってから退職を申し出るのがもっともリスクの少ない方法です。
生活の問題だけでなく、キャリアの空白をつくらないこともメリットです。キャリアの空白期間がある求職者に対して不安感をもつ人事担当者もいますので、早期の転職活動はネガティブな要素を排除することにもつながります。
3.2. 働きながら生活費を節約して貯金する
働き続けながら生活費を見直し、貯金を増やすという選択肢も現実的です。例えば、家賃の安い住居への引っ越しを検討する、スマートフォンのプランを格安プランに変更する、使っていないサブスクリプションを解約するといった方法が考えられます。
さらに、変動費についても自炊を増やす、コンビニ利用を控えるなど無理のない範囲で調整することで、少しずつ貯金に回せる金額が増やせます。
こうして、退職後の生活費を蓄えることができれば、「お金が足りなくて生活できないのでは」という不安を減らした状態で、退職や次のキャリアについて冷静に考えられるようになるでしょう。
3.3. 働きながら副業をして貯金する
最近は在宅ワークや短時間のアルバイト、スキルを活かしたフリーランスの案件も増えており、これらを働きながらこなすことで、退職後に必要なお金を確保できる可能性が高まります。
また、副業の内容によっては、次の転職や独立につながるスキルや実績を得られる可能性もあります。本業を続けながら収入源を増やしておくことで、退職後の金銭的不安を和らげるだけでなく、将来の選択肢を広げる準備にもなるでしょう。
3.4. 一人暮らしの方は実家に帰る
一人暮らしの方が貯金のない状態で仕事を辞めてしまうと、金銭的に厳しい状況に陥る可能性が高まります。また、家に一人でいる機会が増えることで、精神的に疲れてしまう場合もあります。
そのため、どうしても仕事をしたくないという場合は実家に帰ることも検討しましょう。実家であれば一人暮らしよりも生活費が節約できるうえ、家族に悩みを聞いてもらえる可能性もあるため、落ち着いて転職活動を行うことができるでしょう。
3.5. ボーナスをもらってから辞める
ボーナスの支給時期が近いのであれば、それを受け取ってから辞めるのが賢い選択です。
ボーナスをもらうことでまとまったお金が得られるので、退職後の生活費や転職活動の資金に充てられ、金銭面の不安も軽減されます。
タイミングを見計らい、計画的に行動することで、後悔のない退職がしやすくなります。
【関連記事】「転職前にボーナス(賞与)をもらうには?退職のタイミングやスケジュール」
3.6. 失業手当を受ける
お金がない状態で仕事を辞めたいときは、失業保険(雇用保険の基本手当)の利用を検討しましょう。
自己都合退職場合は、原則として離職以前の2年間に12か月以上被保険者期間があれば受給の対象者となり、7日間の待期期間と1か月の給付制限期間を経た後に受給開始となります。
ただし、雇用保険の加入状況などによって受給額や受給期間は異なるため、事前にハローワークで条件や手続きを確認し、計画的に退職と転職活動を進めるのがおすすめです。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
退職後の生活設計は「辞めた後に何とかする」よりも、辞める前に制度を押さえておくほど安心感が増します。
ポイントの第一は、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)は給付日数・受給要件・給付制限の有無が重要で、自己都合か会社都合か、離職日や離職歴、教育訓練の受講状況によって扱いが変わることです。
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4. 仕事を辞めた後の後悔を防ぐには
仕事を辞めた後に感じやすい後悔には、以下のようなことが挙げられます。
- 収入が減り、生活が苦しくなった
- 転職先が思った環境と違い、前職のほうが良かったと感じた
- 辞めた理由が曖昧で、次の目標も決まらず不安になった
- 思ったより再就職が難しく、焦りや孤独を感じた
「辞めたい」という気持ちだけで退職すると、収入面以外にもさまざまな後悔が生まれる可能性があります。そのため、退職する際は辞める理由と次の目標を明確にし、計画的に行動することが大切です。
転職先に不安があるという場合は、転職エージェントの利用もおすすめです。転職エージェントでは、求職者の希望に沿った求人の紹介だけでなく、履歴書の添削や面接対策も行っています。
非公開求人もあるので、ひとりでは見つけにくい職場に出会えるチャンスも広がり、転職後の後悔を軽減できるでしょう。
また、転職エージェントへ相談することに抵抗がある方には、「仕事どうする!?診断」の活用がおすすめです。
たった30秒、8問の設問に答えるだけで、仕事への向き合い方や対処法の簡易判断ができます。「何から考えればいいのか分からない」「いきなり転職活動を始めるのは不安」という方にとっては、自分の選択肢を整理するきっかけになるでしょう。
【関連記事】「マイナビ転職エージェントだからできる面接対策」
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5. 転職成功には計画性が大切
次の仕事を決めるまで働き続けるのが難しい場合は、貯金と退職金、失業手当など、最後の給料を受け取った後に手元に残るお金で、どのくらい暮らせるかを試算しましょう。
無収入の状態が続いても暮らせる期間がわかっていれば、転職活動や求職中の生活についての計画を立てやすくなります。
生活の不安に追われてしまうと、条件の良くない仕事を選ばざるをえなくなります。将来を見据えて転職を成功させるためには、計画性をもって行動することが大切です。
転職に限らず、会社の倒産や、自分や家族の病気などの万が一に備えて、手取り年収の1年間分くらいの貯金があると安心です。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
辞める前に制度を押さえておくべきポイントの第ニは、健康保険は任意継続・国民健康保険・家族の扶養など選択肢があり、手続期限を過ぎると選べなくなること、住民税や国民年金・国民健康保険料(税)は退職後に負担感が出やすいことです。
離職票や退職理由の確認も含め、早めにハローワークや加入先へ相談し、取りこぼしを防ぎましょう。
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原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。