更新日:2024/02/21
この記事のまとめ
面接における自己PRは定番の質問であり、採用の可否に関わります。うまく自己PRできないと、企業側に自分を採用するメリットを伝えられません。しかし「どのようにして自己PRを作成したらよいのか」「そもそも自己PRとは何なのか」と、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、面接における自己PRの意味合いや効果的な伝え方、伝えるときのポイントを紹介します。転職成功率を上げたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
面接では、自己PRと自己紹介の両方を求められる場合があります。同じ内容を話さないようにするためにも、自己PRと自己紹介の違いを理解しておきましょう。自己紹介と自己PRの違いは以下のとおりです。
面接で自己PR・自己紹介がスムーズにできるよう、あらかじめ話す内容を考えておくことをおすすめします。
面接官の質問に対して適切な回答をするには、質問の意図を理解することが重要です。質問の意図を理解していないと、的外れな回答をしてしまいかねません。ここでは、面接官が自己PRで見ているポイントを4つ紹介します。訴求力の高い自己PRを作成するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
面接官は応募者と自社との相性を把握するために、自己PRから応募者の人柄や価値観を見ています。応募者の価値観が自社の経営理念や風土と合っていないと、早期退職につながってしまうためです。自己PRでは「仕事への向き合い方」や「将来のキャリアプラン」などを伝えると、あなたの人柄を伝えやすくなります。
面接官は自己PRから応募者の強みや経験を知り、自社の戦力になりそうかを見ています。自社に利益をもたらす人材でないと、採用したいとは考えません。自己PRで自分を採用するメリットが伝わるように、入社後は企業にどのように貢献できるのかを具体的に伝えましょう。
コミュニケーションスキルは、取引先とのやりとりや従業員との連携において重要なスキルです。面接官は自己PRを通じて、応募者のコミュニケーションスキルを細かく分析しています。自己PRでコミュニケーションスキルをアピールする場合は、「どのように周囲の人と連携して仕事を進めてきたか」「コミュニケーションを取るうえで心掛けていることは何か」などを伝えるとよいでしょう。
「応募者のスキルや経験が乏しくても、入社意欲の高い人材を採用して自社で育てたい」と考える企業は多くあります。また入社意欲の高い人材は成長速度が早く、退職するリスクも低いといえます。自己PRを通じて企業に応募した背景や入社後のビジョンなどを具体的に伝えると、入社意欲をアピールできるでしょう。
自己PRをどのように作成したらよいのか、分からない方も多いのではないでしょうか。訴求力の高い自己PRを作成するためにも、何を盛り込んだらよいのか、どう伝えたらよいのかを押さえておきましょう。ここでは、自己PRに盛り込んだほうがよい内容と伝え方を3つのSTEPに分けて紹介します。
自己PRでは、「私の強みは顧客の立場で物事を考え、課題の解決に至るプロセスを提供できる提案力です」といったように、PRポイントを最初に伝えることが大切です。結論(PRポイント)を最初に提示することで、話の方向性が明確になり、自己PRの内容が面接官に伝わりやすくなります。
「私の強みは営業力です。なぜなら」といったように、PRポイントを提示したら、その理由や根拠を具体的に説明しましょう。理由や根拠を話すコツは、エピソードを交えて伝えることです。実体験を踏まえたエピソードがあると、リアルで深みのある自己PRになるでしょう。
自己PRの締めくくりとして、入社後にどう活躍できるのかを伝えましょう。「顧客のニーズを理解し、リピーターを育成してきた経験を活かし、業界顧客満足度ナンバー1の御社で、さらなるリピート率の向上と新規顧客獲得に貢献したいと考えております」といったように、企業が求めている人材像を踏まえたうえで、自分を採用するメリットが伝わるようにしましょう。
前述した自己PRの構成や伝え方は、あくまでも基本です。ライバルと差別化して採用を勝ち取るためにも、自己PRを伝えるポイントも押さえておきましょう。ここでは、転職成功率を上げるために知っておきたい自己PRを伝えるポイントを6つ紹介します。
面接官が自己PRをとおして知りたいのは、ビジネスパーソンとしての応募者の強みです。そのため、これまでの仕事での実績や、スキルを伝えることが大切です。募集職種の専門的なスキルや「TOEICスコア700点」といった、どの企業においても重宝される語学力などをアピールするのも有効といえます。
また、実績に関しては「顧客の潜在的な悩みに気づいたことが大きな契約につながった」「フォローコールを徹底したことでリピート率が◯%向上した」「提案方法を顧客ファーストに変えたことで業績が△%アップした」など、自分が何をして、その結果どのような成果を上げられたのかを絡めて説明すると説得力が高くなります。
社会人経験の浅い人も、「人間性」や「学生時代の経験」ではなく、仕事における実績や成果をベースに自己PRを考えることが重要です。
「コミュニケーションスキルが高い」というのは、本人の特性でしかありません。自己PRとして伝えるときには、実際にコミュニケーションスキルをどのように仕事に活かしているのか、今後どう活かしていくつもりなのかを伝えることが大切です。
また、「コミュニケーションスキルが高く、誰とでも仲良くなれます」だけでは、仕事上の強みとはいえません。コミュニケーションスキルは職種を問わず求められることが多いものですが、もう一歩進んで、自分自身がその能力をどう活かすつもりなのかを考えておく必要があります。
さらに、その「活かし方」が応募先企業のニーズに合致したものであることが理想的といえるでしょう。スキルの活かし方はひとつではありません。応募先企業でどのような活躍を求められているのか、併せて検討しましょう。
「問題解決能力に優れている」「チャレンジ精神が旺盛」など、アピールしたい能力が多くある人もいるでしょう。しかしいくつものアピールポイントを短い自己PRの時間内にすべて話そうとすると、全体の印象がぼやけてしまいます。
自己PRは複数のアピールポイントについて述べるのではなく、応募先企業が強く求めている能力と、それを表すエピソードに絞って伝えるようにしましょう。
自己PRは、履歴書や職務経歴書にも書く場合があります。面接官は通常、手元に履歴書や職務経歴書を用意しており、書類と面接で話している内容に食い違いがないように確認しています。提出した履歴書や職務経歴書は控えを取っておき、面接前に内容を再確認しておきましょう。
自己PRの時間は、1分や3分など指定されることがあります。特に1分と指定されるケースは多いため、あらかじめどの程度の分量で1分の自己PRになるのかを計っておくとよいでしょう。
一般的に1分で話せる言葉はおおよそ300文字程度といわれているため、自己PRは300文字~400文字程度でまとめるのがおすすめです。自分なりの自己PRを考えるとともに、実際に下書きを見ないで自分の言葉で話した場合に何分かかるのか、練習しておきましょう。
面接では、面接官とのコミュニケーションを通じて「この人と一緒に働きたい」と感じてもらうことが大切です。そのため、暗い雰囲気や表情ではどれだけ魅力的な自己PRができてもよい印象を残すのは難しくなるでしょう。面接では、常に前向きに明るく話すことを心掛けてみてください。
反対に、自分のスキルや実績に自信があるとしても、上から目線の口調は避けましょう。採用活動に時間を割いてもらっていることを忘れず、謙虚な姿勢で臨む意識が大切です。
自己PRを作成するポイントが分かっても、「どのように内容を考えたらよいのかが分からない」方も多いのではないでしょうか。ここでは、自己PRの質問例と回答例を紹介します。例文を参考に、オリジナルの自己PRを作成してみてください。
<正しい回答例>
【例文】
私の強みは向上心があり、そのための努力ができることです。前職では個人向け営業をしておりましたが、1年目の成績は社員50名中40番目でした。営業成績は顧客からどれだけ支持を得られているかの指針だと思っておりますので、この結果には大きなショックを受けました。同時に、顧客から支持される営業になりたいと改めて感じ、必ず翌年は1番になると誓いました。
それから、顧客とより深くコミュニケーションを取るため、商品知識や政治経済、経営、テクノロジーなど、さまざまな分野の勉強をしました。さらに、上司や同僚とプレゼンの練習をしたり、優秀な営業からテクニックを学んだりと、営業面でのスキルアップにも努めました。
結果、翌年は営業成績トップを獲得。以降は、連続して1位の成績を収めています。この経験から、努力して結果が出ることでよりモチベーションが上がり、売り上げを向上させるべく上を目指して励むことができるのだと学びました。この強みを活かし、御社の営業として貢献したいと考えています。
<NGな回答例>
【例文】
私はコミュニケーション能力が高く、どんな社員とも仲良く仕事ができます。営業も得意としており、上司に褒められることが多かったです。スキルアップは常にしたいと思い、頑張ってきました。
仕事で難しいなと感じるときもチャレンジ精神が旺盛なので、何でも取り組んできました。御社でもこうした自分の性格を活かして、トップの営業担当になりたいと考えています。
正しい回答例では「必ず翌年は1番になると誓い、勉強や訓練を経て、連続して1位の成績を収めた」という風に、具体的な努力の過程と結果を伝え、向上心があることに説得力を持たせています。NGな回答例では、性格的な強みに終始し、ビジネスにおいて、それがどのような強みとなるのかが分かりません。
<正しい回答例>
【例文】
現在の会社では、食品加工設備の法人営業を行っています。実績としては、上半期目標でもあった前年比売り上げ120%を達成し、営業担当20名中1位となりました。
この目標を達成できたのは、顧客へのヒアリングを通じてニーズの正確な把握を重視してきた点にあると思います。このような営業活動が顧客獲得につながり、目標を達成できました。御社では前職で培ったヒアリングスキルとニーズをくみ取る力を活かして、新規顧客獲得に貢献したいと考えています。
<NGな回答例>
【例文】
前職では、持ち前の明るさを活かして、いつも元気に仕事を進めることができました。御社でも人間関係のトラブルのない、よいチームづくりに貢献できると考えています。趣味のサークルや仲間との飲み会など、場を盛り上げるのも大好きで、イベントなどを開催するのは得意です。この性格を接客に活かせたらと思っています。
正しい回答例では、「上半期目標でもあった前年比売り上げ120%を達成し、営業担当20名中1位となりました」といったように、具体的な数値を用いて前職の実績をアピールできています。一方、NGな回答例では、趣味や飲み会などプライベートの話が混ざり、結局仕事ではどのような成果を上げたのか、アピールできていません。
<正しい回答例>
【例文】
現職において、雑誌や書籍の編集者としての経験を積んでまいりました。御社では、編集スキルや企画力を活かして、Webメディアのディレクターを目指したいと考えております。
御社はWebメディアが今後も勢いを伸ばし続けることを見据え、信頼性の高い、そしてオリジナリティーのあるコンテンツ作りに注力していると、御社の事業部長のインタビューで拝見しました。
私も情報の信頼性や、オリジナリティーのあるコンテンツを作ることが大事だと考えているため、共感しました。御社に入社できましたら、コンテンツの信頼性を高めるための情報収集力と企画力を活かし、Webメディアの運営に貢献したいと考えております。
<NGな回答例>
【例文】
前職で経理業務を◯年間続けた経験を活かして、御社でも貢献できると考えています。御社ではいろいろなことを経験したいです。根気があるので大丈夫だと思います。経理はこれからもずっと続けていく仕事だと自分では思っています。経理のスキルを磨いておいてよかったです。
正しい回答例では、「情報収集力と企画力を活かし、Webメディアの運営に貢献したい」というように、いままでの経歴を踏まえ、応募先企業でどのように活躍できるのか詳しく説明しているため、面接官に採用後のイメージが伝わりやすくなっています。
NGな回答例では、自身の経理の経歴を提示するのみとなっており、それをどう活用したいと考えているのかが伝わりません。
自己PRは採用の可否に関わる重要項目です。自己PRの伝え方を誤ると、面接官に自分のアピールポイントが伝わらないだけでなく、悪い印象を与えてしまいかねません。転職を成功させるためにも、面接を受ける前にここで紹介する自己PR作成時の注意点を押さえておきましょう。
自分の強みやアピールポイントが企業のニーズに合っていなければ、企業側は「応募者を採用したい」と考えないでしょう。たとえば、営業スキルのある人材を採用したいと考える企業に対し、事務スキルをアピールするのは効果的とはいえません。自己PRを作成する際は、企業が求める人物像を理解し、アピールポイントを選定することが重要です。
ただ「頑張ります」「コミュニケーションスキルがあります」といった抽象的な自己PRだと、入社後に活躍するイメージを抱いてもらえません。「どのように頑張るのか」「コミュニケーションスキルをどう活かすのか」など、自己PRはエピソードを交えつつ具体的に伝えましょう。
自己PRの作成においてよくあるのは、「何をアピールポイントにすればよいか分からない」「自分のアピールポイントが分からない」といった悩みです。ここでは、適切なアピールポイントを見つける方法を3つ紹介します。
自己PRで伝えるアピールポイントは、応募先企業で活かせる実績やスキル、経験を選ぶのが基本です。しかし、異業種への転職や社会人経験が少ない場合などは、専門的なスキルや実績が乏しいことがほとんどでしょう。
その際は、どのような業種でも活かせる「ポータブルスキル」をアピールするのがおすすめです。ポータブルスキルとは、文字どおり「持ち運び可能なスキル」のことで、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなどが該当します。アピールできるポータブルスキルを見つけられれば、どの企業に応募する際にも役立つでしょう。
自分の強みが見つからない場合は、自己分析の方法を工夫してみるとよいでしょう。以下のように、自己分析にもさまざまな手法があります。
上記以外にも、自己分析のフレームワークは多くあります。自己分析にフレームワークを活用し、企業に刺さる自己PRを作成しましょう。
自己分析が難しい場合は「他己分析」がおすすめです。家族や友人など、自分のことをよく知る人物に自分の強みを聞いてみてください。「自分では弱みだと思っていた部分が実は強みだった」といったように、新たな気づきが得られる可能性もあります。
他己分析をするうえで大切なのは、多くの人から意見をもらうことです。家族や学生時代の友人、前職の同僚など、さまざまな人の意見を照らし合わせることで、より深く分析できます。
転職経験が少ない場合、どのように自己PRを作成すればよいかが分からずに悩んでしまうことがあるでしょう。訴求力の高い自己PRを作成したい場合は、転職エージェントのサポートを受けるのがおすすめです。
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自己PRは、自分の魅力を面接官に伝えられる重要なアピールタイムです。応募先企業の面接官に自分の魅力が伝わるよう、内容を考えてから面接を受けるとよいでしょう。企業研究を十分に行うとともに、印象に残るフレーズを織り込むといったテクニックを使うとより効果的です。
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