
自分が加害者になる事も...職場ハラスメントを防ぐコミュニケーションと行動
2022年4月に、パワーハラスメント防止措置がすべての企業の義務となりました。法的措置もとりやすくなっていますが、あくまでもそれは最終手段です。職場ハラスメントを回避するコミュニケーションと行動を解説します。(Misa)
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1.職場でハラスメントが起こるきっかけ
1.1.立場が弱い人に対して行われるケースが多い
職場ハラスメントによる被害は、誰かが理不尽な要求や偏った価値観を一方的に押し通そうとすることで起こります。
ハラスメントの多くは、不公平な業務分担や評価、本来あるべき権利が侵害されるなど、管理職などの組織内の序列が高い人から、立場が弱い人に対して行われるケースが多いです。
1.2.人間関係や感情のこじれが個人への攻撃になる場合も
人間関係や感情のこじれが個人への攻撃になる場合もありますし、指導する立場にある人が仕事上の役割や権限をはき違えて高圧的な態度や不適切な言動をとる場合もあります。
また、指導スキルの不足や感情を抑制できないなど、管理職の適性に欠ける人がハラスメントを行うことは珍しくありません。
ジェンダー差別に起因するハラスメントは社会や組織に根深く浸透しており、完全に払しょくされるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
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2.職場ハラスメントから自分を守るコミュニケーションと行動
2.1.ハラスメントかどうかの線引きはあいまいな部分も
パワハラ防止法の施行に伴い、ハラスメントに関するガイドラインなどがつくられていますが、線引きにはどうしても曖昧(あいまい)な部分が残ってしまいます。
当事者同士の親しさや信頼関係に比例して、言動に対する許容範囲は広くなります。
どちらか一方が許容範囲を見誤ったり、意識的に踏み越えたりすると、個人の人格や尊厳を傷つけるハラスメントになります。
2.2.毅然とした態度の人や周囲から評価されている人には高圧的な態度はとりづらい
もちろん、ハラスメントは行う人に責任がありますが、日頃のコミュニケーションや行動でハラスメント被害のリスクを減らすことはできます。
「割れ窓理論」はご存じでしょうか。窓などが壊れた建物が放置されていると、そのエリアは管理されていないと認識され、犯罪の温床となりやすいという理論です。
対人関係でも同じことがいえます。
ハラスメントを行う人は被害者を見下す傾向があり、毅然とした態度の人や周囲から評価されている人には、高圧的な態度をとりづらいようです。
2.3.人を分け隔てせずできるだけ広くフラットな人間関係を築く
周囲の人に対して節度や敬意をもって接することで適切な距離感を保てると、自立した人に見えます。
同じ理由で依存的な態度や言動は避けるべきです。
人を分け隔てせず、職場のなかでできるだけ広くフラットな人間関係を築いておきましょう。
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3.種類が増え続ける職場ハラスメント
3.1.ハラスメントが定義され声を上げやすくなっている
ハラスメント防止法が整備され、ハラスメントの定義が明確になったことで表面化する事案が増えていると考えられます。
職場におけるハラスメントの種類も年々増え続けています。
定義されることで我慢を強いられていた人が声を上げやすくなり、徐々にではありますが、以前よりは会社や法律に守られるようになってきています。
3.2.人の言動を自分本位の常識や解釈で判断しないことも大切
それ自体は非常によい傾向ですが、職場の雰囲気がぎくしゃくするなどの過剰反応もありそうです。
ちょっとした言葉の行き違いなどに過剰に反応しないためには、人の言動を自分本位の常識や解釈で判断しないことも大切です。
3.3.部下や女性の言動が、上司や男性を傷つけている場合も
悪意がなくても相手を傷つけたり、不快な思いをさせたりする言動は、まぎれもなくハラスメントです。
また、弱い立場であるとされる部下や女性の言動が、上司や男性を傷つけている場合もあります。
ハラスメント被害を回避するだけでなく、無意識のうちに加害者とならないために、人の数だけ価値観や個性が存在し、そこに優劣はないことを理解しましょう。
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原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、ビジネス系を中心に、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。
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