レバレジーズが運営するフリーター・既卒向け就職支援サービス「ハタラクティブ」は、サービス登録者の男女281名(登録時の段階で正社員・契約社員・派遣社員の人) にセクハラ・パワハラに関する調査を実施し、その結果を発表しました。これによると、パワハラやセクハラが原因で仕事を辞めた人が前年よりも12ポイント増加していたことが分かりました。
2019年度パワハラ・セクハラで仕事を辞めた人は41.8% 前年よりも増加傾向
まず、「パワハラ・セクハラで仕事を辞めたことがありますか?」と聞いたところ、2018年度の調査と比較して、2019年度はパワハラやセクハラで仕事を辞めたことがある人が約12ポイント増加し41.8%にのぼりました。パワハラで退職した理由として、「他の従業員の前で暴力を振るわれたり、叱責されたりした」「早く仕事辞めろと毎日言われた」「残業をつけるな、定時になったら退勤を押せと言われる」などが、あげられました。また、セクハラの退職理由では「すれ違うたびにお尻を触られる」「過剰なボディタッチが多い」や「性的な関係を迫られる」「卑猥な話題を出される」「出勤退勤時間をあわせてくる」などがあげられました。
パワハラやセクハラで仕事を離職した知人、前年と比べ21%も増加※1
次に、自分の身の回りで「セクハラやパワハラが理由で退職した人はいますか?」という質問では、2018年と比較して約21ポイントも増加していて、58.3%もいることが明らかとなりました。退職理由には「秘密をバラされてからかわれていた」「上司から無視をされ、嫌がらせを受けていた」「友人が出していた成果なのも関わらず上司に横取りされていた」「一緒にご飯にいってくれないと給与を下げる、クビにするなどと脅されていた」などがあげられています。
※1 回答者の友人、お互いに知っている人
「パワハラ度合いが高い」と感じる行為、1位は「人格を否定されたり、傷つけられたりすること」
また、「パワハラ度合が高いと感じるものは何ですか?」と聞くと、パワハラ度合いが高いと感じる行為は、そこまで変わらないという結果となりました。去年と引き続き、1位には「人格を否定されたり、傷つけられたりすること」それぞれ結果が、2018年19.0%、2019年21.1%と今年の方がやや増加しています。2位には「肉体的な暴力を振るわれること」、それぞれ去年が14.5%、今年が17.3%と続いています。
「セクハラ度合いが高い」と感じる行為、1位は「必要もないのに身体を触ること」
最後に、「セクハラ度合が高いと感じるものは何ですか?」と質問してみました。2019年度の調査では、セクハラ度合いが高いと感じる行為の1位に「マッサージと称して必要もないのに身体を触ること(15.7%)」があげられました。
ハラスメント問題は、上司や先輩は部下や後輩と信頼関係が出来ていると考え、強い口調などで指導したところパワハラと言われ会社を退職されたり、実際に訴えられたりしたという、思いがけず加害者・被害者となってしまうことが多々あります。「信頼関係のずれや人の性格によって、加害者側がハラスメント行為に至る場合もあれば、被害者側がちょっとしたことを過剰に受け止めてしまう場合があるため、どの程度がハラスメントにあたるのか線引きがしにくいのが現状です」(ハタラクティブ)。
セクハラ被害に遭った女性の中には睡眠障害やパニック障害といった、精神障害を背負ってしまうケースもあり、男性が思っている以上にセクハラ被害も深刻な問題です。同社では、「企業の職場環境や労働状況を細かく把握したうえで、引き続き就職支援を行なっていきます」としています。