選考過程において、履歴書は応募者の基本情報を伝える重要な書類です。履歴書の作成には、一通作成するだけでも大変な労力と時間がかかることでしょう。そのため、複数の企業に向けて履歴書を作成していると、「履歴書をコピーして使ってもいいのでは?」と思ってしまう方もいるのではないでしょうか。
今回は、履歴書をコピーする事の可否や履歴書作成のポイントなどを解説します。
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1.履歴書のコピー・使い回しはしないのがマナー
一般的に、履歴書は手書きが基本とされています。コピーや使い回しがNGということは転職活動や就職活動において暗黙のルールでありマナーでもあることを理解しておきましょう。
複数のバイトへ同時に応募する場合などは、「コピーでもばれないのでは?」「志望動機も同じなのでコピーでもいいのでは?」と思う方もいます。しかし、コピーはばれることが多く、もしばれた場合は良い印象を与えません。
応募先ごとに履歴書を手書きで作成するのは手間と時間がかかるため大変な作業ですが、転職を成功させるためには必要な過程であると言えます。
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2.履歴書のコピーを使用してはいけない理由
履歴書のコピーを使用してはいけない理由としては、主に以下の3点が挙げられます。
2.1.市販の履歴書には著作権や商標権がある
市販の履歴書は、各メーカーが著作権や商標権を保有しているケースがほとんどです。したがって、市販の履歴書をコピーして使用してしまうと著作権などの侵害に該当してしまう可能性があります。
2.2.意欲が低いと思われてしまう可能性がある
履歴書を手書きで書いて入社意欲を伝えるべきところをコピーした履歴書で応募してしまうと、「楽をしたいためにやるべきことを怠った」と思われて、熱意や意欲の高さを疑われてしまう可能性があります。
「やるべきことができない人」「マナーを守らない人」「やる気がない人」などといった、マイナスイメージを与えてしまう可能性もあるため注意が必要です。
2.3.志望動機が全て同じになってしまう
履歴書を使い回すと、どの応募先に対しても志望動機が同じになり、内容に齟齬が生じてしまう可能性があります。
志望動機は、「なぜその企業に入社したいのか」を明確にし、転職への熱意をアピールするために最も重要な要素の一つです。
履歴書をコピーして使い回すことは、選考過程において貴重なアピールの機会を失うことになってしまいます。
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3.履歴書のコピーが役立つ場面
上述したように、コピーした履歴書を企業に提出するのはマナー違反です。しかし、自分用に履歴書をコピーしておくと、後々役立つ可能性があります。自分だけが利用するために履歴書をコピーする場合は、違反を問われる可能性も低いでしょう。
自分用の履歴書コピーが役立つ場面としては、提出した履歴書の内容を確認したいときが挙げられます。面接では履歴書に沿った質問をされることもあるため、コピーを見ながら、自分が書いた内容をしっかり把握しておきましょう。
また、次に履歴書を作成する際にも、履歴書のコピーは役立ちます。前回の履歴書を参考にしながら書くことで、より内容を充実させることも可能です。
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4.手書きで履歴書を作成するメリット
手書きの履歴書のメリットは、主に以下の2点です。
4.1.誠意や熱意が伝わりやすい
手書きで履歴書を作成する場合、文字を丁寧に書くことで応募先企業に対する誠意や熱意が伝わりやすいというメリットがあります。
あなたにとっては唯一無二の履歴書でも、採用担当者は数多くの履歴書に目を通さなければならないのです。
丁寧な文字で書かれた履歴書は、転職に対する誠意や熱意が伝わる可能性が高いといえるでしょう。
4.2.人柄をアピールできる
「字は体を表す」という言葉のとおり、文字にはその人の性格が出るものです。
たとえ字がきれいではなくても、採用担当者など読む人の気持ちを意識して丁寧に書いていれば、その気持ちは採用担当者にも伝わり、プラスのイメージを与えることができるでしょう。
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5.PCで履歴書を作成するメリット
履歴書は手書きが基本ではあるものの、応募先企業の指定がない場合は、PCで作成しても問題ありません。
また、新卒採用のケースでは、選考過程において学生の個性を知ろうとする傾向があり、手書きの履歴書を推奨することもありますが、中途採用では個性よりスキルや経験が重視されることもあり、手書きかPCかはあまり問題にはならないと考えられます。
PCで履歴書を作成するメリットは以下の2つです。
5.1.変動のない情報はコピーできる
PCで作成した場合、名前、住所、学歴、資格といった変動のない情報はコピペすることができます。手書きの履歴書をコピーすることはNGですが、PCの場合は基本情報のコピーができるため、かなりの時短になります。また、間違えたときの修正もPCの場合はとても簡単です。
ただし、志望動機や自己PRの部分は、コピーせずに都度記入することが大切です。
5.2.PCのスキルをアピールできる
IT企業や外資系企業など効率を重視する傾向の強い企業では、手書きの履歴書をむしろ非効率と捉え、「履歴書はPCによる作成を推奨する」と指定する企業もあります。特に応募者の数が多い企業では、PCによる作成の履歴書のほうが読みやすく好まれる場合もあるようです。
PCを使用して読みやすい履歴書が作成できれば、PCのスキルをアピールすることもできます。応募先がPCでの履歴書を推奨しており、今後PCを使用した仕事をしたいと考えているのであれば、PCで履歴書を作成する方が大きなメリットを得られるでしょう。
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6.手書き・PCで履歴書を作成する際のポイント
履歴書を手書きで作成するにしてもPCで作成するにしても、気をつけなければいけないポイントがあります。ここでは履歴書の作成時のポイントを解説します。
6.1.誤字脱字に気を付ける
履歴書を作成する際には誤字脱字に気をつけましょう。これは手書きでもPCでも同様です。
手書きの場合には、辞書やスマホ、PCなどで調べながら履歴書を作成し、書き終わったらあらためてチェックします。
PCで作成する場合は、まずPDF形式の履歴書をダウンロードしてから、一箇所ずつ入力していくことが多いです。作成時は作成時は変換ミスや入力ミスがないように、校閲機能なども使用しながら誤字脱字のチェックを行いましょう。
6.2.手書きの場合は丁寧な字を心がける
手書きの履歴書特有の注意ポイントですが、丁寧な字で記載するように心がけましょう。
字の上手・下手はしかたのないことですが、文字の丁寧さは心がけ次第で改善できます。
企業の採用担当者は数多くの履歴書を見ているため、丁寧に書かれていない履歴書はすぐにわかってしまいます。
特に志望動機など長文で記載する箇所は文字が乱れがちになるので、長文ほどゆっくりと丁寧に記載することをおすすめします。
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7.PCで作成した履歴書を印刷する際のポイント
PCで作成した履歴書を印刷する際は以下のポイントに気を付けましょう。
7.1.印刷用紙は上質紙を選ぶ
上質紙とは化学パルプ100%の表面にコーティング加工がされていない用紙のことで、ノートや書類などに幅広く使用されるポピュラーな印刷用紙です。
文字の輪郭をくっきりと印刷できるため文字中心の印刷物によく使われています。
表面にコーティングが施されているコート紙や光沢紙は用途が異なるため避けましょう。
履歴書を印刷する際は、市販の履歴書と同じ0.1mm?0.2mm程度の少し厚めのものを選びましょう。
薄いコピー用紙が絶対にだめというわけではありませんが、真剣さが見受けられず採用担当者に良くない印象を与えてしまう可能性があります。
7.2.コンビニエンスストアでもOK
コンビニエンスストアでのプリントアウトでもOKです。
コンビニエンスストアのプリントサービスの用紙やインクは家庭用のものより上質なものである場合が多いので問題ないでしょう。
持参の用紙で印刷させてもらえるところもあるので、不安な場合は店舗に相談しましょう。
7.3.用紙サイズに注意
市販のものは半分に折った状態でA4サイズ又はB5サイズになるものが多いです。
つまり、A3サイズかB4サイズの用紙に見開きで印刷する必要があります(「2枚を1枚」の設定で印刷すると見開きのレイアウトになります)。
A4の履歴書を作りたい場合はA3の用紙を、B5で作りたい場合はB4の用紙を選びます。
どちらのサイズでも構いませんが、企業の指定がある場合はそれに従いましょう。
しかし、家庭用のプリンターは大きいサイズに対応していないことが多いので、その場合はA4用紙2枚もしくはB5用紙2枚になっても構いません。
見やすいようにあらかじめページ番号を振っておくと良いでしょう。
2枚に分かれてしまった場合でもホッチキス止めはせず、外しやすいクリップなどでまとめましょう。
なお、縮小コピーや顔写真の印刷は不鮮明になる恐れがあるため避けましょう。
顔写真は印刷後に別途貼り付けることをおすすめします。
8.履歴書は自作してもよい?
履歴書はWordやExcelなどのPCソフトで自作したものを使っても問題ない場合も多いです。
ただし、応募先企業に履歴書のフォーマットに関する指定があるかどうかは必ず確認しましょう。
また、履歴書を自作する際には、記載する情報などの漏れがないように気をつけましょう。
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9.まとめ
ここまで、履歴書のコピーの使用の可否や履歴書作成のポイントなどについてご紹介しました。
採用担当者があなたの社会人としてのマナーを判断する作業は、履歴書を確認する時点から始まっています。
ここでご紹介した作成時のポイントを押さえ、採用担当者に「この人はうちの会社に必要だ」「この人と一緒に仕事がしたい」と思ってもらえるような履歴書を作成しましょう。
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