天職とは一般的に、仕事内容が自分の価値観や能力などと合っていて、充実感を感じながら取り組める仕事のことを指します。しかし、「自分にとっての天職が分からない」「天職になかなか出会えない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では天職の意味や適職との違い、天職の見つけ方について解説します。また、天職が分からない・見つからない理由もまとめました。自分に合う仕事を考えるヒントを見つけたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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1.天職とは?
天職とは、「天から授かった仕事」を表す言葉です。一般的には、給与や待遇、周りの意見などに関わらず、心から充実感が得られ、生涯続けたいと思える仕事のことを指す場合が多いでしょう。
「これが自分の天職だ」と思えるには、仕事内容が自分の価値観や考え方、能力などに合っていることが大切だと考えられます。まずは、天職という言葉への理解を深めるために「天職思想」や「適職との違い」について見ていきましょう。
1.1.マルティン・ルターの「天職思想」
日本語で天職というと「この仕事のために生まれてきた」というようなスピリチュアルなイメージを抱く方も多いでしょう。しかし、ドイツの神学者であるマルティン・ルター氏が聖書を翻訳した際の「天職」の意味合いは少し異なります。
天職は、ドイツ語でベルーフ(Beruf)と呼び、「世俗的な職業」「神の召命」という二つの要素の意味合いを持つ言葉として知られています。
宗教改革の時代には、「自分の職業を天職と考えて、日々ひた向きに働くことで神の救いの道に通じる」という考えの「天職思想」が注目を集めていました。つまり、自分が手にした仕事は神からの天命であると理解することができます。
なお、英語でも天職は「a calling(神からの呼びかけ)」と表現し、これに似た意味を持つ言葉です。
1.2.天職と適職の違い
以下の例文のように、天職は「その仕事に魅力を感じ、やりがいや生きがいを強く感じる仕事」、適職は「自分の能力に適していて、得意な仕事」のことであると使い分けられることが多いです。
【天職を使用した例文】
- 彼女は人と接するのが好きで、接客業こそが自分の天職だと感じている。
- 天職に巡り合えたことで、毎日が充実して楽しくなった。
【適職を使用した例文】
- 数字に強いAさんは、会計士という適職を見つけた。
- 適職を見つけるには、自分のスキルを洗い出すことが重要だ。
しかし、同じ職種でも、配属先・担当業務・働く環境・経験年数によって、仕事の感じ方や発揮しやすい力は変わるのが現実です。
例えば、今は「得意だから続けられている仕事」が、経験を積むうちにやりがいが増し、後から「自分にとって大切な仕事だった」と感じられることもあります。反対に、興味のある仕事でも、環境や役割が合わなければ力を発揮しにくい場合もあるでしょう。
そのため、天職と適職は完全に別のものとして捉えるよりも、重なる部分もあれば、経験の中で変化していく部分もあるものとして考えると、自分に合う仕事を見つけやすくなります。
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2.天職だと感じる仕事の特徴
具体的に、どのような仕事が自分にとっての天職なのか、その判断が難しいという方もいるでしょう。ここでは、天職だと感じる仕事の特徴を6つに分けて紹介します。これらの特徴に当てはまっているのであれば、その職業はあなたにとっての天職かもしれません。
2.1.高いモチベーションを感じられている
天職であれば、心から楽しみながら働ける場面が多いため、モチベーションを高く保てます。仕事をするうえで以下のような感じ方・考え方ができ、前向きさを失わずにいられるのです。
●仕事内容をポジティブに捉えられる
●目標に向けて行動することができる
●コツコツと地道に努力することができる
●学ぶ姿勢が身に付いている
●失敗して落ち込むことがあっても、立て直しながら取り組める
もちろん失敗をして落ち込むこともありますが、それを糧に変えながら仕事に打ち込むことができるでしょう。
2.2.働く意義を見出せている
自分が働く意義を見出せることも、天職だと感じる要素の1つです。自分のやっている仕事が人や社会の役に立っていたり、自分にとってプラスになっていたりすることを実感できると、やりがいも大きなものになります。
「自分がどうしてこの職場で働いているのか」「誰のためにこの仕事があるのか」といった問いに自分なりに答えを出せていて、そこに意義を感じていれば、働く意味もポジティブに捉えやすいでしょう。また、その意義をまっとうするために勤勉に働く姿勢にもつながります。
2.3.楽しく仕事ができている
例えば、以下のような項目に当てはまるなら、仕事と楽しく向き合えている状態だと言えます。
●時間を気にせず没頭できる
●仕事に対して不安や疑問があっても、前向きに向き合いやすい
どの仕事にも大変な部分はありますが、それでも楽しさを感じながら働けるのであれば、それが天職である可能性は高いでしょう。楽しさが大変さを上回るほど、魅力ややりがい、充実感を心から感じられている状態です。
2.4.自分から行動を起こすことができる
高いモチベーションを持って、仕事に意義を見出しながら楽しく働けていると、自然と積極性も生まれてきやすいです。「自分が今何をすべきか」「どう行動すればより良くなるのか」といった考えのもと、率先して行動に移せます。
そのような行動は、仕事の成果にもつながるでしょう。結果として、まわりからの評価にも結びつきやすいです。高い成果・評価が得られることで、さらにやりがいやモチベーションも感じられるなど、好循環も生まれます。
2.5.自分が必要とされていると思える
その仕事が天職だと感じるには、それを仕事として行う自分が役に立っている実感が欠かせません。
それを行うことで誰かの困りごとが解消されたり、誰かの生活が良くなったりするなど、人々の幸せのためには自分の仕事が必要だと思えると、やりがいや喜びも自然と湧いてくるでしょう。このことは、自分自身の職業生活における幸福度の高さにもつながっていきます。
2.6.今後も続けていきたいと思える
天職に就いている場合、長く関わっていきたいと思えることが多いです。年月を重ねてもその仕事をしている自分の将来像をイメージできているとも言えるでしょう。だからこそ、「この仕事に将来性はあるのか?」「このまま続けていても良いのだろうか?」といった悩みが出てきても、それを打開しようとポジティブに考えることができます。
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3.天職が分からない・見つからない理由
自分にとっての天職が分からない・見つからないと悩む方も多くいます。なぜ、なかなか良い仕事に巡り合えないのでしょうか。「天職に出会えない」と悩む方は、以下の理由に心当たりがないか確認してみましょう。
3.1.「天職」に対する理想が高くなっている
「天職」という言葉に対して、「運命的で特別な仕事」というイメージを持つ方も少なくありません。そのため、「寝食を忘れるくらい没頭できる仕事でなければ天職とは呼べない」など、無意識のうちにハードルを高く設定してしまっている可能性もあります。
天職を完璧な仕事と捉えてしまうと、理想に近い仕事に出会えたとしても「もっと合う仕事があるはず」と感じてしまうこともあるでしょう。
3.2.自分と向き合う余裕がない
仕事が忙しかったり、職場での悩みを抱えていたりすると、「今日の業務を終わらせる」「明日の仕事に備える」といった目の前の対応に意識が向きやすくなります。そのような状況では、自分がどのような仕事にやりがいを感じるのか、どのような働き方を望んでいるのかを落ち着いて考える時間を取りにくくなるでしょう。
また、心身の疲労が蓄積していると、自分に向き合うよりも休息を取ることが優先となり、将来について考える余裕が生まれにくくなります。その結果、「何がしたいのか分からない」「自分に向いている仕事が思い浮かばない」と感じることがあるかもしれません。
3.3.仕事の選択肢を十分に把握できていない
自分に合う仕事を探す際は、どうしてもこれまで経験した業界や身近な職種を基準に考えがちです。しかし、世の中には多様な仕事や働き方が存在します。自分に合う仕事がないと感じる場合でも、まだ知らない選択肢の中に理想の仕事があるかもしれません。
天職が見つからないと感じる背景には、このように多様な選択肢を知る機会が十分になかったことも考えられます。
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4.天職を見つけるために取り組みたいこと
ここでは、天職を見つけるために取り組みたいことについて、具体的に解説していきます。天職に就いて、仕事を楽しめる毎日を過ごしたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
4.1.現職の経験などからヒントを探る
今の仕事が天職ではないと思っている方も、そのヒントは環境を変えなくても探せることが多いです。例えば、以下のように過去の経験を振り返ったり、仕事との向き合い方を変えたりすると、天職につながるヒントを見つけやすいでしょう。
4.1.1.魅力・やりがいを感じた瞬間を振り返る
自分の価値観や考え方を理解するために、過去の仕事経験、またそれ以外の経験からも、自分がどのようなことに魅力ややりがいを感じたのか振り返ってみましょう。
「自分の企画が通って実現したときに大きな喜びを感じた」「人に感謝された瞬間がとても印象に残っている」など、人によって強くプラスに感じるポイントは異なります。
「動物が好きだから動物園の飼育員が自分にとって天職だ」など短絡的にはいかないこともあるため、自分にモチベーションや充実感、楽しさをもたらすポイントはどこなのか、具体的に考えることが重要です。
4.1.2.自分の強みや得意なことを洗い出す
天職を見つけるには、自分の強みや得意なことを把握することも重要です。自分の能力や才能をうまく発揮することができるからこそ、それが仕事として成立します。
性格や今までに培ったスキルなどから、これが強みだ、得意分野だと思えることを洗い出してみましょう。その際、人から褒められた経験など、自分以外からの評価を参考にするのもおすすめです。客観的な視点を取り入れることで、自分では気づきにくい強みや傾向が見えやすくなります。
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4.1.3.仕事との向き合い方を再確認する
同じ仕事内容でも、向き合い方は人それぞれです。今の仕事は天職ではないと思っていても、向き合い方を変えるだけで天職に近づく可能性もあります。
その仕事をどう捉え、どのように意味づけして、どうやって成果を出していくかは、人により大きく異なることもあるでしょう。例えばアパレル店員なら、「服を売る仕事」とも言える一方、「服選びを手伝い、ファッションの悩みを解決する仕事」とも捉えられます。
今の仕事に対して、自分の価値観と近い向き合い方ができないか考えてみることが大切です。悩んでしまう場合は、「仕事どうする?!診断」を活用してみる方法もあります。たった30秒、8つの質問に答えるだけで、自分の現状や仕事との向き合い方のヒントを簡易的に知ることができます。
4.2.上司や先輩など周囲に相談してみる
自分の強みなどについて客観的な意見をもらうために、上司や先輩など自分の仕事ぶりや普段の様子を知る人に相談してみるのも良いでしょう。仕事との向き合い方についても、自分とは違う人の意見を聞くことでヒントがもらえるかもしれません。
また、今の職場の中で「こういう仕事のほうがやりたい」「このポジションのほうが自分に向いている」などと感じる場合、上司に相談することで仕事の割り振りを変えてもらったり、異動を検討してもらったりできることもあります。
身近に相談できる人がいない、より多くの意見を聞きたいという場合は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するのも良い方法です。まだ本格的に転職活動を始めていなくても、無料で気軽にキャリアの悩みを相談できます。
4.3.中長期的な視点でキャリアを見直す
天職について考える時は、キャリアを中長期的な視点で見ることも大切です。長く続けられる天職を見つけるために、将来も見据えた行動をしましょう。
4.3.1.情報収集をして選択肢を広げる
世の中には実にさまざまな業界や業種があります。自分がまだ知らない世界もきっとあるはずです。「自分は天職を見つけられそうにない」「これが好きだけど仕事にはならない」と思っている人も、多くの仕事を知ることで自分に合ったものが見つかるかもしれません。
現在はインターネットで簡単に情報を集められますが、それだけではなく本を読んでみたり、人に直接話を聞いてみたりすると良いでしょう。
また、厚生労働省が提供している無料の自己診断ツールを利用するのもおすすめです。「興味」や「価値観」から適職を探索できます。
4.3.2.将来のビジョンを明確にしておく
将来のビジョンを明確にしておくことで、いま自分が何をすべきかも見えてきます。10年・20年先のことをイメージするのは難しいかもしれませんが、以下のようにまずは3年後にどのような自分でありたいのかを考えてみると、取り組みやすいでしょう。
- 理想の将来像を考える
- 3年後にどうありたいかを整理する
- そこに近づくために必要な経験やスキルを明確にする
- 具体的に何をすべきか書き出す
例えば、興味のある業界や職種に従事するために資格が必要な場合、資格の取得難易度なども踏まえて取得までのスケジュールを具体的に組まなければなりません。単に将来の理想像を描くだけでなく、実現のためにやるべきことまで落とし込むことが重要です。
4.3.3.新しい業界・職種への挑戦も検討する
自分にとっての天職に近いと思える業界や職種があるなら、新しい環境でもチャレンジしてみると良いでしょう。
キャリアチェンジのパターンは大きく3つあります。自分が希望する業界や職種で働くことで、モチベーションが高まり、やりがいを感じやすくなるかもしれません。
| パターン | 具体例 |
|---|---|
| 業界・職種ともに変える | ●保育士からIT企業のシステムエンジニア ●不動産会社の営業から塾の講師 |
| 業界のみ変える | ●不動産会社の営業からIT企業の営業 ●人材派遣会社の経理から専門学校の経理 |
| 職種のみ変える | ●Web制作会社のエンジニアからWeb制作会社のコンサルタント ●広告会社の広報から広告会社の営業 |
転職することに不安がある場合は、転職エージェントを利用してサポートを受けるのもおすすめです。
マイナビ転職エージェントでは、担当のキャリアアドバイザーが面談を行い、一人ひとりに合ったサポートを受けられます。キャリアアドバイザーの客観的な視点を交えた自己分析を行い、具体的にどのような仕事が適しているのか一緒に考えることもできるでしょう。そのうえで、非公開求人も含めた求人の中から自分にマッチする企業・ポジションを紹介してもらえます。
5.天職を見つける際のNG行動
天職を見つけたいと思っていても、以下のような行動を取っていると、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性があるため注意が必要です。
5.1.理想だけを追い求める
どんな仕事にも必ず大変なことや難しい点はあるもので、それは天職でも同じことです。どれだけ楽しく自分に合った仕事でも、時にはうまくいかなかったり、大きな失敗をしたりすることもあるでしょう。
しかし、そのたびに「自分には向いていない」「もっと楽しい仕事があるはず」と考えていると、いつまで経っても天職に出会うことはできません。
天職を見つけるには、理想だけでなく現実的な側面も考慮し、柔軟にキャリアを築く意識が大切です。
5.2.他人の意見に流される
「他人にこの仕事が天職と言われたから」といった理由で、仕事を決めるのは避けるべきです。他人の意見に合わせて職業を選ぶことは、一時的には安心感を得られるかもしれませんが、長期的に見ると自分の望みから外れてしまう可能性があります。
周囲のアドバイスは参考にしつつも、天職は自分自身の経験や考えを大切にして、価値観、興味、スキルに基づいて見つけることが大切です。
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6.まとめ
天職に就くと、充実感を得ながら毎日楽しく働ける可能性が高まります。心から好きだと思える仕事に出会えるように、自己分析や将来のビジョン設計を試してみてはいかがでしょうか。
天職がまだ見つからないという方は、転職エージェントでキャリア相談をしてみるのもおすすめです。ぜひマイナビ転職エージェントのキャリアアドバイザーによる無料相談を受けてみましょう。
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