【インバウンド・アウトバウンドとは】シーン別の意味とマーケティング手法

【インバウンド・アウトバウンドとは】シーン別の意味とマーケティング手法

外国人観光客が急増して以来、「インバウンド」という言葉に触れる機会が増えましたが、ではその他にはどのような使われ方をするのか、また、その対義語である「アウトバウンド」とは何か、ビジネスでどのように使われるかなどについて説明します。

併せて、インバウンドマーケティングアウトバンドマーケティングの各手法とそれぞれのメリット、デメリットについても解説します。

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1.インバウンド・アウトバウンドとは

インバウンド(inbound)とは、外から内(in)に向かう(bound)という意味です。

逆にアウトバウンドは、内から外(out)に向かうという意味になります。

インバウンドは外からやってくる、アウトバウンドは外に出ていくというイメージです。

現在では、旅行業界で使われるインバウンド(訪日旅行)という言葉が有名になりましたが、コールセンターやマーケティング業界でも使われる用語です。

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2.観光業界でのインバウンド・アウトバウンド

観光業界では、海外の人が日本にくる旅行をインバウンド、日本の人が海外に行く旅行をアウトバウンドと呼びます。

インバウンド旅行客インバウンド消費などとさまざまな使われ方をします。

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3.コールセンターでのインバウンド・アウトバウンド

コールセンターでは、顧客からコールセンターにかかってくる電話をインバウンドコールと呼びます。

また、コールセンターからアフターフォローや営業のために顧客に電話をすることをアウトバンドコールと呼びます。

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4.マーケティングでのインバウンド・アウトバウンド

顧客に自社情報を見つけてもらい、コンタクトを取ってもらうマーケティングをインバウンドマーケティングと呼びます。

また、企業から顧客にアプローチしていくマーケティングをアウトバウンドマーケティングと呼びます。

4.1.インバウンドマーケティング

企業が発信した情報を顧客に発見してもらうマーケティング手法です。

コンタクトした時点でその顧客は自社製品やサービスに興味があることが多く、有望な見込み客を集めることができます。

具体的には次のような手法があります。

4.1.1.公式サイト

企業の公式サイトや製品、サービスの特設サイトなどです。

製品、サービスについて詳細な紹介をすることで、資料請求してもらえたり、問い合わせフォームから引き合いがきたりすることがあります。

いずれの場合も、検索結果上位に表示されるようにSEO (検索エンジン最適化) 対策をしておくことが大切です。

4.1.2.オウンドメディア

最近は、公式サイトだけでなく、企業が自社ブログやオウンドメディアを運営することも多くなりました。

公式サイトでは、製品やサービスの紹介以上のことはなかなかできませんが、オウンドメディアであれば既存の利用者への訪問インタビューや活用事例など、多角的な情報発信ができるようになるからです。

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4.1.3.SNS公式アカウント

ツイッターやインスタグラムなどのSNSで発信をしていくことも重要です。

セミナー情報を発信したり、オウンドメディアやメールマガジンの更新情報を発信したりすると、他のコンテンツへ誘導するための入り口となります。

4.1.4.メールマガジン配信

メールマガジンは見込み客を長期にわたり惹きつけることができます。

自社の商品やサービスの紹介だけでなく、その周辺の最新事情を伝えることで、広告以上の価値を感じてもらい、長期で購読してもらえます。

メールマガジンで展開したコンテンツ内容は、SNSやオウンドメディアにも展開可能です。

4.1.5.セミナー、展示会

セミナーや展示会は、見込み客と対面、名刺交換ができる大きなチャンスになります。

オウンドメディア、SNS、メールマガジンなどで告知をしておき、セミナーなどで見込み客とのコンタクトを確立します。

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの中間的存在であり、インバウンドマーケティングの中では最も効果を出しやすい手法です。

4.2.アウトバンドマーケティング

企業側から、見込み客層を探り、積極的にコンタクトを取っていくマーケティング手法です。

コンタクトする対象が必ずしも自社製品やサービスに興味があるとは限らないため、効率よく見込み客にコンタクトする効率を考える必要があります。

具体的には次のような手法があります。

4.2.1.マスメディア広告、デジタル広告

最も一般的なアウトバウンドマーケティングです。

広く認知を得ることはできますが、コストもかかるため、専門誌や専門メディア、地域など、広告の配信先を絞り込み、見込み客獲得の確率を高める工夫も必要になります。

4.2.2.プレスリリース

プレスリリースも重要なプッシュ情報になります。

マスメディアがそのプレスリリースを元に記事を作成する可能性があるからです。

日頃からメディアと良好な関係を保ち、興味を持ってくれているメディアには積極的に連絡をとり、場合によっては製品の貸し出しや取材の手配などをする必要もあります。

4.2.3.テレマーケティング

アウトバウンドマーケティングの基本は、今も昔も営業活動です。

飛び込み営業という方法が必要なこともあります。

また、電話やインターネットコミュニケーションを活用したテレマーケティングも重要な営業手法になっています。

いずれの場合も、見込み客を1社ずつあたるという地道な方法なので、あらかじめ確度の高い見込み客リストをつくっておき、それに基づいて実行する必要があります。

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4.2.4.ダイレクトメール

現在は、特定電子メール法により、相手の同意を得ずに広告宣伝メールを送ることはできません。

そのため、購読を希望した方にのみ送るメールマガジンが有効な手法になっています。

この特定電子メール法により、脚光を浴び始めているのが郵便のダイレクトメールです。

郵便物そのものが少なくなっている現在、郵送でのダイレクトメールは逆に目立つ存在となり、開封率、反応率も上昇する傾向にあります。

ダイレクトメールを大量に発送するのではなく、配信先を絞り込み、「あなただけへの特別な情報」というプレミア感を出したダイレクトメールが成功する傾向にあります。

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5.インバウンド・アウトバウンドマーケティングのメリット

インバウンドマーケティング、アウトバンドマーケティングにはそれぞれにメリットがあります。

どちらがいいと選択をするのではなく、効果的に両方を組み合わせていくことが大切です。

5.1.インバウンドマーケティングのメリット

5.1.1.顧客から受け入れられやすい

オウンドメディアやセミナーといったプル情報の発信が中心となるため、顧客からうるさがられるということがあまりありません。

5.1.2.見込み客が獲得できる確率が高い

オウンドメディアを読む、メールマガジンを購読する、公式アカウントをフォローするという人は、自社の製品やサービスに何らかの興味を持っている可能性が高い人です。

人数は多くなくても、高い確率で見込み客が含まれていることになります。

5.1.3.制作したコンテンツが資産になる

制作したコンテンツは資産になります。

情報が古くなれば更新することで最新情報にすることができますし、過去のコンテンツを組み合わせて新しいコンテンツを制作することも可能です。

5.2.アウトバウンドマーケティングのメリット

5.2.1.広い認知獲得ができる

マスメディアなどを使って広く情報をプッシュするために、企業や製品、サービスの認知度があがります。

5.2.2.潜在的な見込み客にアプローチできる

情報をプッシュしていくため、潜在的な見込み客にアプローチできる確率が高くなります。

プル型のインバウンドマーケティングでは、潜在的な見込み客が、自社の情報を発見してコンタクトしてもらう必要がありますが、アウトバウンドマーケティングでは、そのような行動をおこなさない見込み客にもコンタクトすることができます。

5.2.3.短期間に見込み客を獲得できる

アウトバウンドマーケティングは、大量に情報を配布するため、大量の見込み客を獲得することができます。

短期間でビジネスを軌道に乗せたい場合に必須の手法になります。

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6.インバウンド・アウトバウンドマーケティングのデメリット

インバウンドマーケティング、アウトバンドマーケティングにはそれぞれにデメリットもあります。

6.1.インバウンドマーケティングのデメリット

6.1.1.効果が出るまで時間がかかる

インバウンドマーケティングは待ちのマーケティングです。

そのため、効果が出るまでには時間がかかることが多いです。特に初期段階では効果がなかなか出ないこともあります。

そのことを織り込んでマーケティング活動を立案する必要があります。

6.1.2.短期的な費用対効果を算出するのが難しい

初期段階では効果が現れないため、短期間での費用対効果を算出することができにくいです。

いわゆるロングテール投資となるため、そのことを見越した活動計画を立てる必要があります。

6.2.アウトバウンドマーケティングのデメリット

6.2.1.コストがかかる

一度に大量の情報を発信し、なおかつ潜在見込み客ではない人にもアプローチをしなければならなくなります。

このため、無駄が多くなりがちで、マーケティングコストもかかります。

6.2.2.顧客からネガティブな印象を受けることがある

アウトバウンドマーケティングは、こちらから積極的に情報をプッシュしていく手法なので、自社の製品やサービスに興味がない人にとっては迷惑になることもあります。

特にテレマーケティングなどでは、見込み客にならないと判断したら、早めに切り上げるノウハウも必要になります。

「あそこの企業はしつこい」というネガティブな印象を抱かれてしまうと、以後のアウトバウンドマーケティングの効率が悪化します。

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7.まとめ

インバウンドとは、外から内に向かうという意味です。

逆にアウトバウンドは、内から外に向かうという意味になります。

インバウンドは外からやってくる、アウトバウンドは外に出ていくという意味になります。

旅行業界では海外から日本にくる訪日外国人観光のことをインバウンドと呼びます。

また、ビジネスの現場ではインバウンドマーケティングとアウトバンドマーケティングという考え方があり、うまく組み合わせて見込み客を獲得することが重要なスキルのひとつになっています。

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