体調不良は誰にでも起こり得るものですが、欠勤が続くと「職場に迷惑をかけている」と感じる方は少なくありません。しかし、体調不良を感じたときは、まずはしっかり休んで心身を回復させることが大切です。
この記事では、体調不良で仕事を休みすぎた場合に考えられる影響や体調不良が続く主な原因、無理なく働き続けるための対処法などについて分かりやすく解説します。
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1. 体調不良で仕事を休んでも問題ない?
イラスト:斉田直世 漫画の続きはこちら>
体調不良は誰にでも起こり得るものですが、欠勤が続くと今後の働き方や仕事への影響が気になる方もいるでしょう。ここでは、体調不良による欠勤について知っておきたい考え方を紹介します。
1.1. 体調不良による欠勤は「甘え」ではない
日頃から体調管理に気を配っていても、病気やけが、心身の疲労などによって十分な休養が必要になることは誰にでも起こり得ます。それでも「職場に迷惑をかけたくない」と感じ、休むことをためらう方もいるでしょう。
しかし、無理をして働き続けることで症状が悪化したり、回復までにより長い時間を要したりする可能性もあります。そのため、体調がすぐれないときは、まず心身の回復を優先し、十分な休養を取ることが大切です。
1.2.無理な出社で生じる「プレゼンティーズム」とは
体調が優れない状態で無理をして出勤すると、「プレゼンティーズム」と呼ばれる状態になることがあります。プレゼンティーズムとは、出勤はしているものの、体調不良などの影響によって本来のパフォーマンスを十分に発揮できていない状態のことです。
例えば、集中力が低下して業務効率が落ちたり、普段はしないようなミスが増えたりすることがあります。
「少し無理をすれば動ける」と感じる場合でも、体調に合わせて十分な休養を取り、無理のない形で仕事への復帰を検討していきましょう。
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2. 仕事を休みすぎると解雇される?
体調不良による欠勤が続くと、「このままでは解雇されるのではないか」と不安になる方がいるかもしれません。ここでは、体調不良による欠勤と解雇の関係について解説します。
2.1. 体調不良による欠勤が増えただけで、直ちに解雇が有効になるとは限らない
労働契約法第16条において、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定められています。そのため、体調不良による欠勤が増えたという事実だけで、企業側による解雇が当然に有効になるわけではありません。解雇の有効性は、雇用契約の内容、欠勤の理由や期間、業務への影響、就業規則、会社側が講じた対応など、個別の事情を踏まえて判断されます。
体調不良による欠勤が続く場合の対応は、就業規則や本人の状況などによって異なりますが、状況に応じて、業務内容の調整や年次有給休暇の取得、就業規則に基づく休職制度の利用などを検討しながら、雇用の継続について企業と労働者の間で話し合われる場合もあります。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
体調不良による欠勤が続くと不安になりますが、欠勤の多さだけで直ちに解雇できるわけではなく、解雇には合理性と相当性が求められます(労働契約法16条)。
一方で、無断欠勤や連絡なし欠勤が重なると、就業規則に基づく懲戒処分等が問題になり得ます。まずは早めに受診し、会社へ状況共有を行い、年休や社内の休暇、休職制度の把握、業務調整の相談を進めましょう。
2.2. 解雇の対象になり得るケース
何日休むと解雇されるのかについて、法律で定められた基準はありません。「出勤率8割」が一つの目安として紹介されることもありますが、この基準は労働基準法第39条に基づく年次有給休暇の付与要件であるため、出勤率が8割を下回ったことだけで、解雇の可否が判断されるわけではありません。
実際、雇用継続について検討されるケースとしては、出勤日数が著しく少ないことによって業務への影響が生じている場合や、就業規則に定められた事由に該当する場合などが挙げられます。
例えば、事前の連絡がない無断欠勤が繰り返される場合、正当な理由のない長期欠勤が続く場合、就業規則に定められた休職期間が満了しても復職の見込みが立たない場合などには、会社が解雇を検討することがあります。ただし、このような事情があれば必ず解雇が有効になるわけではありません。欠勤の理由や期間、本人への確認、会社が講じた業務調整や復職支援、就業規則の内容などを踏まえて、個別に判断されます。
体調不良による欠勤が続く場合は、必要に応じて医療機関を受診するとともに、自身の状況について会社へ適切に共有・相談しながら、今後の働き方について話し合うことが大切です。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
「出勤率8割」は労働基準法の年休付与要件であって解雇基準そのものではない点も押さえておくと安心です 。また「出勤率8割」は年次有給休暇の付与要件に関する基準で、解雇基準そのものではありません。
休む日が長引く場合は、会社の休職制度や、賃金が出ない期間に健康保険の傷病手当金の対象となるかも含め、制度面の確認を進めましょう。
3. 体調不良につながりやすい3つの要因
体調不良になる理由はさまざまですが、仕事や生活環境、日々の過ごし方などが影響している場合もあります。ここでは、体調を崩しやすくなる主な要因を見ていきましょう。
3.1. 仕事の負担やプレッシャーが大きい
業務量が多く、常に成果を求められる状態が続けば、心身への負担が大きくなることがあります。厚生労働省の「令和6年労働安全衛生調査(実態調査)」によると、現在の仕事や職業生活に関して強い不安、悩み、ストレスがあると答えた労働者が挙げた内容のうち、「仕事の量」は43.2%、「仕事の失敗、責任の発生等」は36.2%でした。
特に、人手不足などによって長時間労働が常態化していたり、責任の重い業務ばかりを任されたりする環境では、緊張状態からストレスを感じやすくなることもあるでしょう。その結果、心身にさまざまな不調が現れることも考えられます。
こうした状況が続く場合は、一人で抱え込まず、上司に業務量の調整を相談したり、必要に応じて部署異動を希望したりすることも一つの方法です。
出典厚生労働省「令和6年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況」
3.2. 人間関係のストレスを抱えている
仕事の内容に大きな問題がなくても、職場の人間関係がストレスの原因となることがあります。必要以上に気を遣う環境にいたり、相談しづらい状況が続いたりすると、精神的な負担を感じることもあるでしょう。
人間関係によるストレスは目に見えにくいものですが、心身の健康に影響を与える要因の一つとなる可能性もあるため注意が必要です。
人間関係のストレスがつらい場合は、上司だけでなく、人事担当者、産業医、社内外の相談窓口など、相談しやすい相手への相談も検討しましょう。
3.3. 十分な休息やリフレッシュの時間が取れていない
仕事による疲労を回復するためには、心身をしっかり休める時間を確保することが大切です。しかし、休日も1日中メールの通知を気にしたり、休み明けの仕事を常に考えたりする状態が続けば、十分に休息を取った実感を得にくくなることもあるでしょう。
また、自分の好きな趣味に没頭する時間や、何もせずにリラックスする時間を確保しにくい状況では、心身の疲労が回復しにくくなる可能性もあります。
不眠や食欲不振、強い不安感などの症状が現れている場合は、産業医や医療機関などへの相談を検討しましょう。症状が強い場合や長引いている場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
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4. 急な体調不良に備えて準備しておきたいこと
急な体調不良は、いつ起こるか分かりません。いざというときに落ち着いて対応できるよう、日ごろから準備しておきたいポイントを紹介します。
4.1. 欠勤時の連絡方法やルールを確認しておく
急な体調不良で仕事を休むことになった場合に備え、欠勤時の連絡方法やルールをあらかじめ確認しておきましょう。会社によっては電話連絡を基本としている場合もあれば、メールやチャット、勤怠システムでの申請をルールとしている場合もあります。
また、誰に連絡するのか、何時までに連絡すればよいのかといったルールも職場ごとに異なります。事前に就業規則や社内ルールを確認しておけば、急な欠勤時にも落ち着いて対応しやすくなります。
4.2. スケジュールやタスクをチームで共有しておく
普段からスケジュールや担当業務をチームで共有しておけば、急に休むことになっても周囲が業務の状況を把握しやすく、引き継ぎや対応をスムーズに進められます。
共有の方法としては、スケジュール管理ツールやタスク管理ツールなどを活用するのも一つの方法です。あらかじめ情報を見える化しておくことで、急な欠勤による影響を最小限に抑えやすくなるでしょう。
4.3. マニュアルや引き継ぎ手順を整理しておく
可能な範囲で、チーム内で業務手順や対応方法を共有しておくことも有効です。担当業務の進め方や取引先との連絡方法などを、会社の情報管理ルールに従って文書化しておけば、担当者が急に休んだ場合でも、チームとして対応しやすくなります。
また、引き継ぎの手順や必要な資料の保管場所をチームで整理しておくことは、急な欠勤だけでなく、長期休暇や異動の際にも役立ちます。業務の属人化を防ぐ取り組みは、従業員個人だけに任せるのではなく、上司やチーム、会社が協力して進めることが大切です。
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5. 仕事へ復帰した際に心がけたいこと
体調不良による休養を終えた後は、周囲への感謝を伝えつつ、自身の体調にも気を配りながら仕事を進めることを意識しましょう。ここでは、仕事へ復帰した際に心がけたいポイントを紹介します。
5.1. フォローしてくれた方へお礼を伝え、業務の状況を確認する
仕事に復帰した際は、無理のない範囲で、休んでいる間に対応してくれた上司や同僚へ「休んでいる間、ご対応いただきありがとうございました」など、簡潔に感謝を伝えることで、復帰後の業務連携を進めやすくなる場合があります。ただし、必要以上に謝罪したり、病状などの詳しい事情を説明したりする必要はありません。
その後、休んでいる間に業務がどこまで進んだのか、対応が必要な案件はあるのかなどを確認します。一度に全てを把握しようとせず、まずは直近で必要なことなどから少しずつ状況を確認していきましょう。
5.2. 焦らず、体調と相談しながら仕事を進める
復帰後は休んだ分を早く取り戻したいという気持ちから、つい無理をして業務を抱え込んでしまう方もいるかもしれません。しかし、体調が十分に回復していない段階で無理をすると不調がぶり返すこともありますので、まずは自身の体調を最優先に考えることが大切です。
もしも、業務量や働き方に不安がある場合は、上司や社内外の相談窓口、医療機関への相談も選択肢の一つです。復帰直後は周囲のペースに合わせすぎず、必要に応じて上司、産業医、医療機関などに相談しながら、体調に応じて業務量や勤務時間を段階的に調整しましょう。会社に復職支援制度や短時間勤務などの制度がある場合は、利用できるか確認することも一つの方法です。
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6. 体調不良による欠勤が続いて不安なときの対処法
体調不良が続く場合は、まずは十分な休養を取り、必要に応じて社内外の相談窓口や医療機関へ相談することも大切です。そのうえで、不調の原因や仕事の進め方、働き方などを整理し、自分に合った対応を考えていきましょう。
6.1. 症状や体調を崩しやすい状況を整理する
体調不良が長引く原因は、風邪や持病などの身体的な問題だけでなく、仕事の負担、人間関係、生活習慣の乱れ、ストレスなどさまざまな問題が重なっている場合もあります。
まずは、症状の内容、症状が現れた時期、体調を崩しやすい状況などを、無理のない範囲で記録してみましょう。ただし、自分だけで原因を判断する必要はありません。症状が続いている場合や日常生活・仕事に支障が出ている場合は、記録した内容を医療機関で伝え、医師などの専門家に相談しましょう。
6.2. 日々の生活習慣を見直してみる
生活習慣が体調に影響している場合もあるため、一度自身のライフスタイルを振り返ってみることも一つの方法です。健康づくりに向けたポイントとして、農林水産省や厚生労働省では次のようなことが推奨されています。
【食事の内容や取り方を見直す】
- 主食・主菜・副菜を基本に、さまざまな食品を組み合わせる
- 食事の量や回数は、年齢、体格、活動量、持病、医師から受けている指導などに応じて調整する
- 飲酒量や塩分の取りすぎに注意する
- 食事について不安がある場合は、医師や管理栄養士などの専門家に相談する
出典農林水産省「食育の推進に役立つエビデンス(根拠)(3)栄養バランスに配慮した食生活にはどんないいことがあるの?」
【自分に必要な睡眠時間を確保する】
- 成人は6時間以上を一つの目安としつつ、日中に眠気や疲労を感じない程度の睡眠時間を確保する
- 光・音・温度などに配慮し、休みやすい睡眠環境を整える
- 日中の適度な運動、規則的な食事、就寝前のリラックスを意識する
- 就寝前の飲酒、喫煙、カフェインの摂取を控える
- 睡眠の悩みや不眠が続く場合は、医療機関などの専門家に相談する
【無理のない範囲で、今より少しでも多く身体を動かす】
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対し、歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上行うことや、息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上行うこと、筋力トレーニングを週2~3日行うことなどを推奨しています。
ただし、年齢、体調、持病などによって適切な運動量は異なります。治療中の方や体調に不安がある方は、無理に目安を達成しようとせず、医師などの専門家に相談しましょう。
出典厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」
6.3. 働き方や職場環境を見直してみる
体調不良が続く場合は、現在の働き方や職場環境が影響していないかを振り返ってみることも大切です。例えば、業務量が多すぎないか、長時間労働や休日出勤が続いていないか、人間関係に大きなストレスを感じていないかといった点を一度整理してみましょう。
もしも、業務内容や担当業務が負担になっている場合は、上司や人事担当者に相談し、業務量の調整や異動、配置転換などの可能性を確認してみることも一つの方法です。
また、社内の人には話しづらかったり、労働条件について不安があったりする場合は、各都道府県の「総合労働相談コーナー」や、厚生労働省の「労働条件相談『ほっとライン』」など外部窓口への相談も検討しましょう。
6.4. 働き方に悩んだら転職エージェントへの相談も一つの選択肢
体調不良の原因が現在の働き方や職場環境にあると感じるものの、「本当に転職したほうがよいのか分からない」と悩む方も少なくありません。そのような場合は、一人で結論を出そうとせず、転職エージェントに相談してみることも一つの選択肢です。
株式会社マイナビが運営する「マイナビ転職エージェント」では、現状の悩みや希望する働き方を整理しながら、今の職場で改善できることはないか、あるいは環境を変えたほうがよいのかについて客観的な視点からアドバイスを受けられます。
また、「残業時間を重視したい」「在宅勤務制度の有無を確認したい」「業務内容や担当範囲を詳しく知りたい」など、転職先を選ぶうえで重視したい条件を整理するサポートを受けられます。ただし、実際の残業時間、在宅勤務の利用条件、業務量、担当範囲などは、企業、職場、配属先、役割、時期によって異なるため、求人票や面接などを通じて確認することが大切です。
相談した結果、「現職でもう少し様子を見よう」という結論になることもあれば、自分に合った求人を紹介してもらえる場合もあります。まずは自分にとって無理のない働き方を見つけるための相談先として、「マイナビ転職エージェント」の活用を検討してみましょう。
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7. まとめ
体調不良が続いている場合は、まず心身の回復を優先しましょう。必要に応じて医療機関を受診し、生活習慣や働き方を見直すことも大切です。もしも、職場環境が体調に影響している可能性があると感じる場合は、上司や社内相談窓口、産業医への相談、あるいは公的相談窓口の活用も検討してみましょう。
それでも状況の改善が難しく、「今の働き方を続けるのは難しい」と感じるのであれば、一人で抱え込まず、転職エージェントに相談することも選択肢の一つです。転職を決めていない段階でも、現在の悩みや希望する働き方について客観的なアドバイスを受けることができます。
体調を崩したときは無理をせず、自分の心身と向き合いながら、安心して働ける環境づくりを目指していきましょう。
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