【内々定とは】内定との違いや取り消しになる場合、辞退する際の注意点

【内々定とは】内定との違いや取り消しになる場合、辞退する際の注意点

転職活動や就職活動において「内定」という言葉は身近ですが、「内々定」はあまり聞いた事がないという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、内々定の意味や内定との違い、取り消しになるケース、内々定を承諾・保留・辞退する際の流れなどを解説します。

「内々定」の意味を正しく理解していないと企業側との間に大きな誤解が生じる可能性もあるため、この機会にきちんと把握しておきましょう。

【関連記事】「【内定のお礼状】正しい書き方やポイント・注意点について解説(例文付き)」

1.内々定とは

内々定とは主に採用の場面で用いられるもので、内定のさらに前の段階を指します。

いわば「あなたに内定を出しますよ」という企業から応募者への予告です。

内々定という仕組みは、優秀な人材の獲得をより確実にするためにあります。

現行の新卒採用の制度では、就職活動解禁の6月1日から10月1日までの間は内定を出すことができません。

したがって、自社への入社意欲が高い学生でも、就職活動を進めている中で他社へ気持ちが移る可能性があります。

そのようなリスクを最小限に抑えるため、あらかじめ内々定によって採用を予告する流れが一般化しています。

1.1.内定との違い

内定との違いは、労働契約が成立しているか否かという点です。内定の場合、内定通知書の発行によって企業側に法的な責任が生じ、応募者が内定承諾書を提出することで労働契約の成立となります。

したがって、相応の理由がない限り企業が内定を取り消すことができなくなります。

一方の内々定には法的効力はありません。正式な内定通知の前に採用の意向を伝え、応募者に心づもりしてもらうために行うものです。

内々定の取り消しが発生しても、法的には企業に責任が生じることはないと考えることが一般的です。

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【関連記事】「【最終面接(役員面接)とは】他の面接にない特徴と合格ポイント、質問回答例10選」

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2.内々定が取り消しになる場合とは

法的効力をもたない内々定ではありますが、内々定の取り消しを繰り返していると企業イメージが悪化するリスクもあるため、理不尽な取り消しはないという認識で問題ないでしょう。

ただし、以下4点に該当する場合は内々定が取り消しされる可能性があります。

2.1.企業の業績が急激に悪化した場合

短期間で急激に業績が悪化した場合、内々定が取り消される可能性があります。

不測の事態によって当初の利益予測から大幅に下振れしてしまうと、人件費をまかなう余力を失ってしまうからです。

【関連記事】「「コロナで業績悪化」は転職理由になる!?-面接や応募書類での伝え方」

2.2.留年など学校を卒業できなかった場合

卒業予定者が留年などの理由によって学校を卒業できなくなった場合、内々定が取り消されることがあります。

2.3.病気や怪我をした場合

病気や怪我をした場合も内々定が取り消しになる場合があります。

完治まで数日程度の軽度なものなら問題ありませんが、長期の療養が必要な場合や生活に支障をきたすような場合は勤務が難しいと判断され、内々定が取り消しに至ることも考えられます。

2.4.虚偽の申告があった場合

経歴や賞罰などに虚偽の申告があった場合も内々定の取り消しの理由になります。

実際とは異なる学歴を履歴書に記載したり、犯罪・逮捕歴を隠していたりすれば、マイナスイメージをもたれてしまうため注意しましょう。

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【関連記事】「【学歴・職歴の正しい書き方】転職の際の書類作成の基本的なルールや注意点」

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3.取り消しになった時の対処法は?

実際に内々定を受けた企業から取り消しを受けた場合は、しかるべき機関に相談してみましょう。

例えば、厚生労働省が各都道府県に設置する「総合労働相談コーナー」では、労働に関するあらゆるトラブルの相談に対応しています。

相談は無料で、場合によっては助言にとどまらず具体的なアクションをとってくれます。

利用する場合はわかりやすく経緯をまとめ、提示できる書面やデータがあれば持参しましょう。

また、転職エージェントに相談するのも一つの手段です。転職エージェントは転職業界のプロ集団であり、転職に関するさまざまな事例を経験・保有しています。

それぞれの業界に精通したスタッフがいるので、より現実味のあるアドバイスが受けられるでしょう。

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4.内々定をもらった後の流れ

応募先企業から内々定をもらった後の流れを紹介します。

4.1.内々定の通知がきたら必ずお礼の連絡を入れる

内々定の通知が来たら、採用担当者に必ずお礼の連絡を入れましょう。

企業からの通知方法は、電話・メール・書面とそれぞれ異なりますが、お礼の連絡は先方の連絡手段に合わせるのが無難です。

以下の内容を参考にお礼の連絡をしましょう。

4.1.1.電話でのお礼の場合

電話で内々定のお礼を伝える際の流れは以下の通りです。

周囲が騒がしくなく、電話の電波状況が良い環境でかけるようにしましょう。

(1)代表番号に架電

私、御社の採用選考を受けさせていただいている○○と申します。

恐れ入りますが、人事部採用担当の○○様はいらっしゃいますでしょうか。

(2)採用担当者が電話口に出た後

お忙しいところ申し訳ございません。御社の採用選考を受けさせていただいている○○と申します。

先日は内々定のご連絡をいただき誠にありがとうございました。

御社は第一志望となりますので、内々定をお受けしたくご連絡いたしました。

一日も早く戦力となれるよう精進して参りますので、何卒よろしくお願いいたします。

4.1.2.メールでのお礼の場合

メールで内々定の連絡を受けた場合は以下のような形で返信しましょう。

件名:内々定承諾のご連絡(名前)
本文:
○○株式会社
人事部 採用担当 ○○様

お世話になっております。貴社の採用選考を受けさせていただいている○○でございます。

先日は、内々定のご連絡をいただき誠にありがとうございました。

今回の内々定をお受けしたく、ご連絡させていただきました。

第一志望である貴社より、大変光栄なご連絡をいただきうれしく思っております。

貴社の戦力となることを目指し精進して参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

署名

4.1.3.他の企業との兼ね合いで保留にしたい場合は?

他社の選考状況の兼ね合いで内々定の回答を保留にしたいという方もいるかもしれません。

どの程度の期間、回答を待ってくれるかは企業によるため一概にはいえませんが、一つの目安としては3~7日程度が妥当です。

電話もしくはメールで、

「○月○日まで内々定のご連絡への回答をお待ちいただくことは可能でしょうか」

と打診するようにしましょう。

そして、取り決めた日程までに必ず回答しましょう。

4.2.内定通知書を受け取る

新卒採用の場合は10月1日以降、中途採用の場合は内々定から1~2週間程度で企業側から正式に内定通知書が発行されます。

内定通知書の発行により企業側には法的な責任が生じることになります。

受け取った内定通知書は内容に誤りや疑問点がないかを確認し、大切に保管しておきましょう。

内定通知書に関する詳細については以下の記事もご覧ください。

【関連記事】「【内定通知書とは】採用通知書との違いや法的な位置づけ、受領後にすべき事」

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【関連記事】「【志望動機の締めくくり・例文付き】採用担当者に響くポイントや注意すべき点」

5.内々定を辞退する際の注意点

検討を重ねた結果、内々定を辞退するという結論に至った場合は、企業側に辞退の意向を伝えなければなりません。

その際に注意すべきポイントと伝え方の一例を紹介します。

5.1.連絡は早めにする

内々定の辞退を決めたら、なるべく早く採用担当者へ連絡しましょう。

企業側も辞退者が出る想定はしているものの、正式な連絡を受けない限りは入社の前提で準備などを進めています。

辞退者が発生すれば新たな人材確保に向けて再び動かなければならないため、できることなら辞退する旨は早く知りたいというのが企業側の立場です。

5.2.採用担当者に電話で直接伝えるようにする

内々定辞退の連絡は採用担当者に直接電話で伝えるようにしましょう。

メールでの連絡を好む方も多いでしょうが、採用担当者にこちらが意図しない解釈をされてしまったり、誠意が伝わりにくかったりするリスクがあるほか、メールそのものを見逃されてしまうリスクもあります。

誤解を防ぎ、今まで対応していただいたことへの感謝の気持ちを伝えるためにも、できる限り電話で連絡するようにしましょう。

5.3.伝え方は慎重に

内々定の辞退を伝える際は、慎重に行いましょう。

たとえあなたが他社へ入社しても、この先の長い社会人生活では、いつどのような形で内々定を辞退することにした企業と関わりが生まれるかわかりません。

現在のことだけでなく先々を見越し、ビジネスパーソンとして恥ずかしくない対応を心がけましょう。

【関連記事】「内定辞退の理由をトラブルなく伝えるには!?--具体例をご紹介」

5.4.内々定辞退の伝え方の例

内々定辞退の連絡時に使える例文について電話・メールそれぞれご紹介します。

マナーとしては電話連絡が望ましいですが、何度電話しても採用担当者が離席していたり、あらかじめメールで連絡を指定されていたりする場合は、電話にこだわる必要はありません。

5.4.1.電話での例

先方の受け答えにより話しの流れが変わる可能性はありますが、以下の趣旨を伝えられれば問題ありません。

(1)代表番号に架電

私、御社の採用選考を受けさせていただいている○○と申します。

恐れ入りますが、人事部採用担当の○○様はいらっしゃいますでしょうか。

(2)採用担当者が電話口に出た後

お忙しいところ申し訳ございません。御社の採用選考を受けさせていただいている○○と申します。

数分程度、お時間を頂戴してもよろしいでしょうか。

(3)内々定辞退の旨を伝える

先日は内々定のご連絡をいただき誠にありがとうございました。

せっかくのご縁を頂戴した中で大変恐縮なのですが、本日は内々定の辞退の意向をお伝えしたくご連絡させていただきました。

(4)理由を聞かれた場合

今回、転職活動を進める中で、自分の適性や実現したいことについて真剣に自分と向き合い考えてきました。

その結果、別の業界に身を置く決断をし、このような結論に至りました。

(5)締めの挨拶

選考に際して多大なお時間と労力を割いていただいたにもかかわらず、ご迷惑をおかけする結論に至ってしまい誠に申し訳ございません。

そして、本来であれば直接うかがってお伝えすべきところ、電話でのご連絡となりましたことも併せてお詫び申し上げます。

この度は、誠にありがとうございました。

【関連記事】「内定辞退メールのポイントと例文をご紹介!押さえるべきマナーをチェック!」

5.4.2.メールでの例

やむを得ない事情がある場合や採用担当者に指定されている場合に限ってはメールでの連絡も可能です。

以下の文面を参考にメールを作成しましょう。

件名:内々定辞退のご連絡(名前)
本文:
○○株式会社
人事部 採用担当 ○○様

お世話になっております。
先日は内々定のご連絡をいただき誠にありがとうございました。

大変光栄なご連絡をいただいたところ恐縮ですが、検討の結果、
今回の内々定は辞退させていただきたくご連絡いたしました。

○○様をはじめとし、貴社の皆さまの貴重な時間をかけて選考いただき、
さらに内々定というご縁までいただいたにもかかわらず、
このような結論になりましたことをお詫び申し上げます。

そして、本来であれば直接お詫び申し上げるべきところ、
メールでのご連絡となり誠に申し訳ございません。

何卒ご了承いただきたくお願い申し上げます。

末筆ではありますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。

署名

【関連記事】「電話で内定辞退をする時に気を付けるべきポイントとは? 例文を使って解説!」

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6.まとめ

内々定に法的な効力は生じないものの、必要な対応はスピーディーかつ確実に行うことが大切です。

企業側からの連絡を放置したり、ビジネスマナーが守られていなかったりすると、社会人としての基礎スキルを疑われてしまいます。

せっかく内々定を獲得しても、採用担当者の心証を害することにはデメリットしかないので、マナーと誠意をもった振る舞いを意識しましょう。


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