就職や転職活動において複数社から内定をもらった場合、入社を決めた企業以外には内定辞退を伝えなくてはいけません。内定辞退はやむを得ないことではありますが、大切なのは企業にどう内定辞退を伝えるかです。理由を正しく伝えないと、相手企業へ大きな迷惑をかける可能性もあります。
そこで、今回は内定辞退の理由を聞かれた際の注意点や、実際の例文を詳しく解説します。内定辞退の伝え方で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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1.内定辞退の理由は詳しく伝えるべき?
内定辞退を申し出たときは、企業から理由を聞かれることがあります。その場合、全てを正直に言う必要はありませんが、大まかな理由は伝えるのが適切です。
人によって理由はさまざまですが、「他社の方が条件が良かったから」「希望の職種ではなかったから」など、伝えにくいケースもあるでしょう。しかし、言いたくないからといって、はぐらかしたり嘘をついたりするのはNGです。
辞退を申し出る際は、相手企業に対して内定をいただいたことへの感謝の気持ちと、期待に沿えないことへの謝罪の気持ち帯を表しながら、簡潔に理由を述べましょう。
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2.内定辞退の理由を伝える方法
内定辞退の理由は、具体的にどのような方法で伝えれば良いのでしょうか。
2.1.必ず電話で直接伝える
内定辞退は、電話で直接伝えるのが基本的なマナーです。辞退を決めた場合は、採用までに時間と労力をかけてくれたことに対しての感謝を自分の声で伝えることが大切です。
また、電話であれば辞退の意思を確実に伝えられるので、誤解や行き違いが生じるリスクを減らせます。辞退を受けた企業もスムーズに次の対応を行えるでしょう。
電話での内定辞退の申し出については、以下記事で詳細に解説しています。
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2.2.より丁寧に伝えるならメールも送る
電話で伝えた後、改めてメールを送ることでより丁寧な印象を与えられます。また、担当者が不在で電話がつながらない場合は、まずメールで伝えてから後ほど改めて電話するという方法もあります。
メールは送付した日時や内容が残るため、内定辞退の意思を伝えたことの証明にもなります。
ただし、メールの場合、送信時のトラブルやフォルダの振り分け設定によっては読んでもらえない可能性があります。さらに、担当者が忙しく見落とされてしまうことも考えられるので、メールはあくまでも電話の補助的な役割であることを意識しましょう。
メールでの内定辞退の申し出については、以下記事で詳細に解説しています。
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3.内定辞退の理由を伝える際のマナー
内定辞退の理由を伝える際には、守るべきいくつかのマナーがあります。ここでは4つの基本マナーを紹介します。
3.1.辞退を決めたらできるだけ早く伝える
内定辞退を決断したら早めに連絡をしましょう。会社説明会や面接の場で何度も顔を合わせ会話をしてきた担当者に内定辞退を伝えることは心苦しい、気まずいと思うかもしれません。
しかし、企業側はあなたが入社する前提でさまざまな準備を進めているため、内定辞退となれば別の人材確保へ向けて早急に動き出さなければなりません。先方に大きな負担をかけることのないよう、辞退をする場合は内定後遅くても1週間以内には伝えるようにしましょう。
3.2.企業が忙しい時間帯の連絡は避ける
連絡する時間帯には注意が必要です。始業直後や終業直前は企業の担当者が忙しく動き回っている可能性が高いため、始業後・終業前の30分程度は避けて電話をかけるようにしましょう。
また、一般的に12時~13時の時間帯とその前後は昼食休憩としている企業が多いので、その時間帯も避けた方が良いでしょう。
3.3.理由は簡潔にまとめる
内定辞退に至った理由は、簡潔にわかりやすく伝えましょう。必要以上に詳しく話しすぎると、言い回しによっては企業に対して否定的な印象を与えたり、不要な議論を招いたりする可能性があります。
また、嘘をついたりあいまいに伝えたりすると、深い理由を追求されて話のつじつまが合わなくなり、さらに気まずくなってしまう恐れもあるので注意しましょう。
3.4.感謝と謝罪の気持ちを伝える
内定辞退の理由を伝える際に大切なのは、内定をもらった感謝と辞退となることへの謝罪の気持ちを素直に伝えることです。変に繕ったりせず正直な気持ちを伝えれば、辞退を受け入れてもらいやすくなるでしょう。
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4.内定辞退の理由を伝える際の注意点
ここからは、内定辞退の理由を伝える際の主な注意点を3つ紹介します。
4.1.ネガティブな発言はしない
内定辞退をする会社に対して、「会社の良くない一面を見てしまった」「他社の方が仕事内容が良かった」などのネガティブな発言は、相手に不快感を与えてしまいます。
企業にとってマイナスな理由の場合は、「自分の将来について熟考した結果」「〇〇を諦めきれず」など、別の表現に言い換えることが大切です。くれぐれも自分の本音をそのまま伝えてしまうことのないよう注意しましょう。
4.2.入社予定の会社名は伝えない
他社に入社する場合、内定辞退する会社には入社予定の会社名を伝えないようにしましょう。
もし仮に、入社予定の会社が内定辞退する会社の取引先だった場合は、トラブルにつながる可能性があります。万が一、会社名を聞かれた場合は、業種や職種のみに留めておくのが無難です。
4.3.あいまいな回答をしない
場合によっては、内定辞退を考え直すよう引き留められるかもしれません。しかし、内定辞退を決めているのであれば、あいまいな回答をしないことが大切です。
企業は採用活動に多くの時間と労力をかけており、内定者の意思が決まらないままだと次の採用対応がしにくく、他の応募者にも影響が及ぶ可能性があります。先延ばしにした結果、辞退となれば結局企業に迷惑をかけることになりかねません。
そのため、内定を辞退するつもりであれば、あいまいな回答や先延ばしは避けて明確な意思を示しましょう。
5.【理由別】内定辞退の例文
ここからは、内定辞退理由の具体例を紹介していきます。いずれのケースにおいても、先方に対するネガティブな内容は伝えないように注意しましょう。
5.1.他社から内定をもらった
あまり詳細を伝えたくない場合は、シンプルに他社から内定をもらえたということだけを伝えましょう。
御社から内定をいただいたのと同時期に他社からも内定を頂戴し、自分の将来について熟考した結果、誠に勝手ながら御社の内定は辞退させていただく結論となりました。
担当者様の貴重なお時間の中でご選考いただいたにもかかわらず、ご期待に沿えない結果となりましたことをお詫び申し上げます。
5.2.職種が希望に合わない
自身が希望していた職種での採用が叶わなかった場合、他社で希望職種での内定がもらえたことを理由として伝えましょう。
この度、別の会社より兼ねてから希望していた〇〇職での内定をいただきました。御社での業務も非常に興味深く魅力的に感じていたため最後まで悩みましたが、やはり以前より熱意を感じていた〇〇職を諦めきれず、御社の内定辞退を決断いたしました。
このような結果となりましたことを心よりお詫び申し上げます。
5.3.適性がない
選考過程で自分の適性についてあらためて考え、別の企業に就職を決める場合は、以下のように回答できます。
就職活動を行いながら自分を深く見つめ直した結果、自分の適性をより生かせる別の会社でお世話になることを決断いたしました。
多くの時間をかけて選考いただいたにもかかわらず、このような結果となってしまい誠に申し訳ございません。
5.4.別の業界に興味がわいた
業界を理由にする場合、希望する業界と異なると伝えてしまうと「なぜうちを受けたんだ」と思われる危険性もありますが、以下のような回答を用意すると納得してもらいやすいでしょう。
御社の〇〇事業に魅力を感じ志望させていただいておりました。
しかし、今回転職活動でさまざまな業界を見ていくうちに、自分は本当は〇〇業界に興味があり、その世界を突き詰めたいと思っていたことにはじめて気が付きました。
時間を割き選考いただいた御社には大変申し訳なく思っておりますが、今回の内定は辞退させていただく決断をいたました。
5.5.やむを得ない家庭の事情がある
育児や介護など、やむを得ない家庭の事情で内定を辞退する場合、詳細を説明する必要はありません。「家庭の都合により」と簡潔に伝え、感謝と謝罪の気持ちをていねいに述べましょう。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変ありがたく光栄に存じておりましたが、家庭の事情により、やむを得ず内定を辞退させていただくこととなりました。
貴社には選考の過程で多くのご配慮をいただき、心より感謝申し上げます。ご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げるとともに、今後の貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
6.「第一志望」と伝えていた場合の対処法
面接官から「弊社の志望度はどのくらいですか?」という質問を投げかけられ、「御社が第一志望です」と答えた方もいらっしゃると思います。その場合、内定辞退を伝えた時に採用担当者からその点を指摘される可能性もあります。
万が一指摘された場合は、「あくまでも御社が第一希望ではあったものの、就職活動を進めるうちに心境に変化があった」という趣旨を伝えるようにしましょう。
具体的には、以下のポイントを参考に回答するといいでしょう。
- 当初は第一志望だった
- 就職活動を進めるうちに、別の業界に興味を抱いた
- 本当に自分が目指したい姿が明確になった
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7.まとめ
転職活動をしている以上、内定辞退は誰にでも起こり得ることです。また、企業側も内定者から辞退者が発生するのは想定しているため、過度に罪悪感を持つ必要はありません。
しかし、だからと言って企業側に不快感を与えるような自分勝手な言動をすることは避けるようにしましょう。選考に費やしてくれた時間や労力、コストに対するお詫びの気持ちを忘れずに、最後まで誠意を持った対応を心がけましょう。
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