給与明細の正しい見方は?項目ごとにチェックのポイントを解説

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給与明細をもらっても、手取り額を確認するだけで、机の引き出しの中にしまい込んでしまう人は多いようです。しかし、一生懸命働いて得た報酬ですから、自分自身でも内容を見て間違いがないことを確認しておくことは必要です。本記事では、給与明細の基本的な見方をわかりやすく解説します。正しい見方をマスターして自分の給与をしっかり把握しましょう!

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1.給与明細は正しい見方を知ることが重要

給与明細とは、給与の支払の際に勤務先から従業員に渡される、給与の根拠となる情報が記載された通知書のことです。公務員、一般企業の正社員、派遣社員、アルバイトやパートなど、雇用形態に関わらず給与をもらっている人には渡されます。

給与明細の発行は法律で義務付けられており、書面あるいは電子データで交付されることになっています。電子データの場合は、勤務先で導入しているシステムにログインしてWeb上で確認できるようになっているでしょう。

ただし、情報の記載形式は特に定められておらず、企業や組織によってテンプレートが異なります。そのため、基本的な構成要素を知って自分の給与明細と照らし合わせ、どこに何が記載されているのかを理解して正しい見方を身に付けることが重要です。

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2.まずは締め日と支給日を把握する

給与明細の詳しい内容を確認する前に、まずは「締め日」と「支給日」を把握しておきましょう。

締め日とは、給与計算の期間の区切りの日付、支給日は給与が支払われる日付のことです。例えば月払いの給与で締め日が月末、支給日が翌月25日の場合、前月1ヶ月分の給与がその月の25日に支払われることになります。

締め日や支給日は企業や組織によって異なるため、自分が今見ている給与明細の内容はいつからいつまでの期間のもので、いつ支払われる給与についてなのか、しっかりと理解しておくことが大切です。

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3.給与明細はここを見る!重要な3つの項目

給与明細にはいろいろな項目がありますが、重要な項目は「勤怠」「支給」「控除」の3つです。それぞれの項目の見方と、チェックしておきたいポイントを紹介していきます。

1.勤怠...1ヵ月間の勤務日数、勤務時間などに関係する項目
2.支給...基本給や手当、残業代など、支払われるお金に関係する項目
3.控除...厚生年金や健康保険、税金など、給与から引かれるお金に関係する項目

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4.「勤怠」を見るときは間違いがないかをチェック!

「勤怠」には、1ヵ月間の出勤データがまとめられています。項目には「出勤日数」「残業時間」「欠勤日数」「遅刻早退回数」「有給日数」「有給残日数」などがあるので、それぞれ間違いがないか確認しましょう。

特に間違いが起こりやすいのは「残業時間」です。計算間違いをしていないか、確認が必要です。残業時間は1分単位で計算し、まとめて支払うのが原則ですが、勤務先によっては計算方法が違うケースもあります。よくわからない時は、勤務先での計算方法も確認しておきましょう。

また、見落としがちなのは「有給日数」です。身内に不幸があって休んだ場合、その休みが有給になるのか、それとも欠勤になるのか確認しておきましょう。就業規則で細かく定めている企業が多いので、勤務先のルールを確認しておくと安心です。

5.「支給」を見るときはモレやヌケがないかをチェック!

「支給」には、その月の給与で支払われるお金の額がまとめられています。項目には「基本給」のほか、「残業手当」「役職手当」「家族手当」「住宅手当」「通勤手当」「出張旅費」「その他手当」などがあります。

ここで確認しておきたいのは手当の支給漏れです。経理担当者が異動した場合や、給与の計算システムが変わったときなどには、手当が漏れている場合があります。給与明細をもらったら、決まった金額が支給されているかチェックしておきましょう。また、定期昇給があった場合には、その金額が基本給に反映されているかも要チェックです。

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6.「控除」を見るときは引かれている理由をチェック!

「控除」にはその月の給与から差し引かれるお金の額がまとめられています。項目には「健康保険料」「厚生年金保険料」「介護保険料」「雇用保険料」などの社会保険料や、「所得税」「住民税」などの税金、「労働組合費」「財形貯蓄」「欠勤控除」などがあります。なぜ引かれているのかわからない項目がある場合は、その理由を調べましょう。

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7.社会保険料について理解を深めよう!

■健康保険料
健康保険の保険料です。健康保険は病気やけがなどの医療費負担を軽くするための制度で、加入すると「健康保険証」がもらえます。4月から6月の3ヵ月間の給与をもとに、保険料を計算するための基準額「標準報酬月額」が決まり、それに応じた保険料を支払います。給与から引かれているのは実際の保険料の半分で、残り半分は会社が支払っています。

■厚生年金保険料
厚生年金の保険料です。日本では年金への加入が義務付けられていて、会社員の場合は厚生年金に加入します。保険料は健康保険と同様に「標準報酬月額」をもとにして決め、半分は会社が支払っています。

■介護保険料
介護保険の保険料です。介護が必要な高齢者を社会全体で支えるため、40歳から64歳まで介護保険料を負担します。保険料は健康保険と同様に、「標準報酬月額」をもとにして決まります。

■雇用保険料
雇用保険の保険料です。雇用保険に加入していると、失業した時に給付金が支払われたり、キャリア形成のための支援を受けられたりします。保険料は給与の額によって変わります。

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8.最後に総支給額・差引支給額・課税対象額をチェック!

勤怠・支給・控除の各項目が正しく記載されていることが確認できたら、念のため最後に総支給額・差引支給額・課税対象額に間違いがないか計算しておきましょう。

1.総支給額...基本給とすべての手当を合計した金額
2.差引支給額...実際に支払われる金額(総支給額-控除額)
3.課税対象額...総支給額から非課税項目と社会保険料を差し引いた金額

非課税項目には、通勤手当や旅費、祝金や見舞金などが含まれます。これらの金額は課税対象額に含まれませんので注意しましょう。

また、アルバイトやパートの方で扶養内で働きたいという場合は特に、総支給額や課税対象額の確認が重要です。一定の金額以下になっていれば源泉徴収や自身での保険料支払いの対象から外れます。

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9.給与明細に間違い発見!そんなときは?

給与明細に間違いがあったり、不明なことがあったりしたら、上司に相談して対応してもらいましょう

その時には、言葉遣いや態度に注意が必要です。給与が実際よりも少なく支給された場合、ついつい感情的な言い方をしてしまいがちですが、横柄な態度は印象を悪くしてしまいます。どこがどう違うのか事前に整理して、落ち着いて分かりやすく伝えましょう

給与明細は、自分の働きの成果が記載されているものです。記載されている内容を理解して、働くモチベーションにつなげていきましょう。


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斉藤 勇(ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士)

オフィスISC代表。保険や貯蓄、住宅ローンなど、お金にまつわる疑問や悩みごとの相談に応じている。不動産取引では不動産投資を通じて得た豊富な取引経験をもとに、売り手と買い手、貸し手と借り手、それぞれの立場でアドバイス

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