ペンディングとは?ビジネスでの意味や使い方、言い換え表現を紹介

ビジネススキル・マナー

ビジネスシーンでよく耳にする「ペンディング」という言葉は、「保留」や「先送り」を意味し、業務の進行を一時的に止める際に用いられます。会議やプロジェクト管理、契約交渉など、さまざまな場面で活用される一方で、使い方によっては誤解を招くこともあるため注意が必要です。そこで、本記事では「ペンディング」の正しい意味や使い方を解説し、適切な言い換え表現をわかりやすく紹介していきます。

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1 ペンディングの意味とは?

「ペンディング」はビジネスシーンでよく耳にする言葉ですが、細かい意味を知らずに使用している方も多いのではないでしょうか。ここでは、ペンディングの正しい意味と、ペンディングを使うことでどういったニュアンスが伝わるのかを解説します。

1.1 日本語では「保留」「先送り」という意味

「ペンディング」は英語の「Pending」が語源の言葉であり、本来は「未定の」「未解決の」「宙ぶらりんの」という意味があります。

ビジネスシーンでは、「保留」「先送り」といった状態を指し、決定待ちや一時停止の案件がある場合に、「この案件はペンディングになっています」などの形で使用します。

1.2 「ペンディング」は日本語のネガティブな印象を和らげる

なぜ、「保留」「先送り」と言わず「ペンディング」を使うのでしょうか。それは、「ペンディング」が日本語のネガティブな印象を和らげてくれるからです。

例えば、日本語で「この案件は先送りにします」と伝えた場合、人によっては「後回しにされた」「放置された」と感じてしまうかもしれません。

一方、ペンディングは、単なる先送りではなく「戦略的保留」という意味で使用します。ペンディングを使うことで、「ただ先延ばしにするのではなく、慎重に考えながら進行したい」という前向きなニュアンスを伝えることができます。

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2 ペンディングの言い換え表現

「ペンディング」は「保留」「先送り」を意味する便利な言葉ですが、フォーマルな場面やカタカナ語に慣れていない相手には使用しない方が良い場合もあります。そんなときは、言い換え表現として以下のような言葉を使用しましょう。

  • 保留
  • 先送り
  • 未決定
  • 検討中
  • 調整中
  • 対応待ち
  • 持ち越し
  • 一時停止

3 ビジネスにおけるペンディングの使い方・例文

ビジネスにおいてベンディングはどのような使い方をされるのでしょうか。ペンディングになった背景ごとに、具体的な例文を紹介します。

3.1リソースの都合

予算や人員など、社内のリソースの都合で、すぐには結論が出せない場合や、期限を決めて状況を整理したいときに「ペンディング」が使えます。以下に例文を示します。

  • リソースの都合により、本件の開発はしばらくペンディングとします。
  • 予算の都合により、本プロジェクトは一時ペンディングになりました。
  • 予算の承認待ちのため、本プロジェクトは現在ペンディング中です。

3.2 内部調整

内部調整がつかず、決定や進行が一時的に保留されたときに「ペンディング」が使えます。以下に例文を示します。

  • 内部調整に時間がかかり、契約締結がペンディングになりました。
  • 内部調整が終わるまで、新規契約はペンディング中です。

3.3 外部要因

取引先との合意形成にもう少し時間を要したり、市況が変化したりと、外部要因で進行がいったん止まったときにも「ペンディング」が使えます。以下に例文を示します。

  • 取引先との交渉が続いているため、新契約の締結はペンディングの状態です。
  • 審査結果の通知が遅れており、現在申し込みはペンディングの状態です。
  • 現在の市場状況を踏まえ、新規事業の立ち上げは一旦ペンディングとします。

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4 ペンディングを活用できるビジネスシーン

ペンディングの詳しい使い方が分かったところで、実際どういったシーンで活用されているのかを解説します。

4.1 会議など意思決定が必要な場面

重要な案件や契約、プロジェクトの進行において、結論がすぐに出せず、追加の検討が必要な場合に用いられます。

意思決定の保留が発生した際は、その事実を柔らかく伝えつつ、関係者に進捗状況を共有しなければなりません。そんなとき、単なる先送りではなく、慎重に判断する姿勢を示すことができる「ペンディング」は便利な言葉です。

4.2 プロジェクトの進行管理

リソース確保や、スケジュール調整が必要なプロジェクトの進行管理においても広く使用されています。ペンディングを使用することで「進捗が止まっているが、今後再開の可能性がある」というニュアンスを伝えられます。

ただし、タスクの優先順位を調整しスムーズな進行を図るには、ペンディングの状況を明確にすることが重要です。

4.3 取引先との契約や交渉

契約条件の調整や社内の承認待ちなど、すぐに決定できない場合に「現在、契約はペンディング中です」といった形で用いられます。これにより、交渉が停止しているのではなく、引き続き検討中であることを伝えることができます。

ペンディングを使用する際は、適切なタイミングで契約や交渉を再開できるよう、取引の進捗状況を明確にしたり、関係者間の認識を統一したりする必要があります。

4.4 業務の優先順位付けをする際

限られたリソースの中で、優先度の高い業務を先に進めるため、緊急性や重要度が低い業務を一時的に保留することがあります。

その際、「このタスクは現在の最優先事項ではないため、ペンディングとします」といった形で用いられます。これにより、チーム内で業務の進行状況を共有し、効率的に作業を進めることができます。

4.5 クレームやトラブルの対応時

クレームやトラブルなどの対応において、すぐに解決策を提示できない場合や、追加の調査が必要な場合に「本件は現在ペンディング中です」といった形で用いられます。

迅速な対応が求められるこれらの場面で「保留」「先送り」といった言葉を使うと、対応を後回しにしているとして問題が大きくなってしまう恐れがあります。そのため、対応が止まっているのではなく、進行中であるという意図を伝えることが大切です。

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5 ペンディングを使用する際の注意点

ペンディングは非常に便利な言葉ですが、使用方法を間違えると相手に失礼な印象を与えてしまう可能性があります。ここでは、ペンディングを使用する際の主な注意点を5つ紹介します。

5.1 背景や理由を説明する

ただ「この案件はペンディングです」と伝えるだけでは、背景が分からないため、関係者の不安や混乱を招く可能性があります。

ペンディングを使用する際は、「予算の承認待ちのため、このプロジェクトはペンディング中です」といったように、具体的な背景や理由を説明し、適切な判断のもとで保留が実行されたことを示すことが重要です。

5.2 期限と次のアクションを明示する

ペンディング中であることを伝えたら、「この決定は来週までに再評価し、次の会議で結論を出します」「次のステップとして、関係者に追加資料を送付します」など、具体的な期限や次のアクションを明示するのが適切です。

これにより、ペンディング状態が一時的なものであることが理解され、効率的な業務運営が可能になります。

5.3 頻繁かつ安易な使用は避ける

あまりに多くの案件やタスクをペンディング状態にしてしまうと、実際には「先延ばし」や「決断回避」と受け取られることがあり、信頼性や進行スピードに影響を及ぼす可能性があります。

また、頻繁に使うことで関係者に不安を与え、チームのモチベーションを低下させてしまうことも考えられます。そのため、ペンディングは慎重な判断が必要な限られたシーンにのみ使用することが大切です。

5.4 相手の意向も考慮する

相手が早急な決定を求めているにもかかわらず、「ペンディングにします」と一方的に伝えるのは、相手の期待を裏切る行為であり絶対に避けなければなりません

特にビジネスの場面では、決定を保留にすること自体が不安や不満を与える可能性があるため、相手の立場や状況に配慮した伝え方が求められます。

どうしてもペンディングが必要な場合は、相手の意向を尊重しつつ、理由や期限をしっかり説明し、納得を得ながら適切なタイミングで進行できるよう努めましょう

5.5 進捗状況を定期的に確認する

保留された案件やタスクは、時間が経つと忘れられたり、状況が変化したりする可能性があります。そのため、定期的に状況を確認し、次のアクションや期限の再設定を行うことが大切です。

進捗確認を行うことで、ペンディング状態が長期間続くことを防ぎ、円滑な進行を促進できます。また、関係者に対しても「進行中である」という意思を示し、安心感を与えられます。

6 ペンディングと混同しやすい類語

ペンディングと混同しやすいカタカナ言葉として、「キャンセル」や「リスケ」が挙げられます。これらの言葉の意味と、「ペンディング」との違いについて解説します。

6.1 キャンセル

キャンセルとは、「終了」「取り消し」という意味であり、決定や計画を完全に取り消すことを指します。例えば、プロジェクトを中止する場合の「キャンセル」は、再開する意図はありません。

一方、ペンディングは「保留」「一時的な停止」という意味であり、再評価や確認が行われた後は、進行が再開になる可能性があります。

つまり、キャンセルが「完全に中止すること」であるのに対し、ペンディングは「後で再開する可能性がある保留状態」を意味します。

6.2 リスケ

リスケとは「リスケジュール」の略語であり、予定していた日程やスケジュールを変更することを指します。具体的には、「機材トラブルのため、本日の打ち合わせを明日にリスケします」といった形で使用します。

ペンディングも予定が変わるという点では同じですが、あくまでも「保留」「先送り」を示す言葉であり、リスケのように「予定の変更、調整、組み直す」という意味はありません

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7 まとめ

ペンディングとは、ビジネスにおいて「保留」や「未決定」の状態を指します。例えば、プロジェクトや契約、タスクなどが進行しているものの、最終的な判断が未定な場合に用いられます。

ペンディングには、「単なる先延ばしではなく、慎重に検討する」というニュアンスがあるため、日本語のネガティブなイメージを和らげる効果もあります。ただし、ペンディングを使用する際は、理由や期限、次のアクションを明示し、進捗確認を定期的に行うことが重要です。

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