「働きながら転職活動をするのは難しい?」、「在職中の転職活動で気を付けるべきことは?」。このように不安を感じている方も多いと思います。
在職中の転職活動は、収入が安定しているため、じっくりと時間をかけて転職先を吟味できることが最大の魅力です。
本記事では、働きながら転職活動をするメリット・デメリット、注意すべきポイントなどについて解説します。
併せて、転職活動の進め方もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
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1.転職活動は働きながら?辞めた後?
在職中または退職後のどちらから転職活動をはじめるべきか迷っている方も多いと思います。
そのような方にとっては、転職経験者の動向を見ていくことで、どのタイミングで転職するのが自分に合うのか判断しやすくなるはずです。
株式会社マイナビが発表した『転職動向調査2022年版』によると、在職中に転職した方の割合は73.1%と過半数を占めていることが分かりました。
一方、退職後に転職した方の割合は、2020年に35.9%、2021年に30.4%と減少傾向にあります。
新型コロナウイルスの影響により、リモートワークが増え、在職中でも転職活動をしやすくなったことも関係しているようです。
どちらのタイミングにもメリット・デメリットが存在するため、両面を踏まえた上で自分に合った転職活動をすることが大切です。
【関連記事】「転職回数は何回までなら大丈夫?回数の数え方は?」
2.働きながら転職活動をするメリット・デメリット
ここでは、働きながら転職活動をするメリット・デメリットをご紹介します。
「時間の余裕」や「金銭面・精神面の状況」など、あらゆる要素を見極めて無理のない転職活動を進めることが大切です。
2.1.働きながら転職活動するメリット
働きながら転職活動をすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下の4つの視点から解説します。
- 収入が安定している
- 時間をかけて考えることができる
- ブランクが発生しない
- 現職をそのまま続けることも可能
2.1.1.収入が安定している
金銭的な不安を感じにくいことが、働きながら転職活動をする最大のメリットと言えます。
退職後に転職活動を開始した場合、安定的な収入を得られないため、貯金を切り崩して生活費を捻出することになるかもしれません。
転職先がなかなか見つからず、転職活動が長期化してしまうと、精神的にプレッシャーを感じやすくなります。
また、金銭的な不安を抱えた状態では、気持ちに余裕が持てなくなってしまいます。
転職活動は、以下などの出費が発生するので月々の安定収入を得ながら挑んだ方が転職先などを冷静に判断できるかもしれません。
- 交通費
- 宿泊費(遠方の場合)
- 移動先での食事(時間調整のために入ったカフェの飲食代など)
- 面接時に必要となる身だしなみを整える費用(スーツ、靴、バック、美容院)
- 履歴書代、切手代
上記に加え、毎月の家賃や光熱費、食費などの「生活費×転職活動期間分」が発生するので、退職後の転職は金銭的に負担が大きいと言えるでしょう。
2.1.2.時間をかけて考えることができる
退職後に転職活動をはじめる場合、長期化を恐れ、転職先を妥協して選んでしまう可能性があります。
それに対し、在職中に転職活動を行えば、焦る必要がないので自分のペースで進められるでしょう。
「経済的な不安」「ブランクが長くなることへの不安」を感じながら転職活動を進めると、判断力が低下してしまう可能性もあります。
時間をかけてじっくり次の転職先を探したい方は、働きながら転職活動を行いましょう。
2.1.3. ブランクが発生しない
働きながら次の転職先を見つけることができれば、ブランク期間が発生しません。
ブランク期間とは、離職している期間のことを指し、採用担当者によっては、職務経歴書の離職期間を重視し、「離職期間が長い=働く意欲や能力が低い」と判断することもありえます。
一方で、在職中に時間を捻出し、転職活動をしている方は「リスクマネジメントスキルが高い」と評価されることもあります。
【関連記事】「転職でブランク期間があると不利?面接での回答例、長期化した場合の対処法」
2.1.4.現職をそのまま続けることも可能
転職活動を開始し、さまざまな企業に触れることで「現職の方がいいかもしれない」と思いとどまるケースもあります。
すでに退職してしまった場合、現職に戻ることは難しいでしょう。
在職中に転職活動をしておけば「今の職場で経験を積んでから転職しよう」「資格を取得して、より高年収を狙おう」といった選択ができ、新たな目標設定にもつながります。
挑戦することもでき、後悔を防げるメリットもあるので、働きながらの転職活動を選択する方も多いのです。
2.2.働きながら転職活動するデメリット
在職中の転職活動はメリットの方が大きいですが、デメリットも存在します。
以下の4つの視点から在職中に転職活動をするデメリットについて解説します。
- 自分の自由時間が少なくなる可能性がある
- スケジュールの調整が難しい
- 即入社ができない
- 退職がスムーズにいかない場合もある
2.2.1.自分の自由時間が少なくなる可能性がある
働きながら転職活動をする場合、プライベートの時間を割く必要が出てきます。
納得のいく転職を成功させるためには、企業の分析や履歴書・職務経歴書の作成、面接を受けるなど多くの時間と労力を転職活動に費やす必要があります。
仕事終わりに履歴書を書く、土日に面接を受けに行くというように、自分の自由時間を転職活動に充てる必要があるので、疲れてしまう方もいるでしょう。
週5日間フルタイムで働いている方は、時間や体力の調整が難しいといった点から、退職後に転職活動をはじめた方が良いケースもあります。
2.2.2.スケジュールの調整が難しい
現職の業務をこなしながら転職活動をするため、スケジュール管理が困難になりやすい場合が多いです。
とくに、平日のみ面接を実施している企業の場合は、有給休暇を取得する必要があります。
「プライベートの時間を割く」「面接日を変更してもらう」「現職に迷惑がかかる」といった状態になり得るため、現職が忙しい方は退職後に転職活動をはじめた方が集中できるかもしれません。
2.2.3.即入社ができない
働きながらの転職活動では、入社時期をコントロールしにくいことがあります。
在職中に転職活動をして内定を獲得した場合、以下のような流れになると思います。
- 内定を獲得
- 現職に退職の意思を伝える
- 現職の引き継ぎのスケジュール調整をする
- 内定先企業へ入社時期の交渉をする
- 退職
現職で退職を引き留められたり、引き継ぎが長引いてしまったりすると、内定先にも再度入社時期の調整をしてもらう必要があります。
「有給休暇を消化したい」といった希望があれば、あらかじめ、まざまな要因を踏まえた上で逆算して内定先企業へ入社時期を伝えておきましょう。
2.2.4.退職がスムーズにいかない場合もある
企業から内定をもらい、現職で退職の旨を伝えたところ、引き留められる可能性があります。
「上司が仕事を辞めさせてくれない」「次の人員を確保できるまで在籍して欲しいとお願いされた」というケースもあるでしょう。
民法第627条によると、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。」とされています。
つまり、雇用期間に定めがない場合は、退職の申入れから2週間経てば雇用契約が終了するのです。
【関連記事】「【退職時の挨拶のマナーやポイント】スピーチやメールの例文もご紹介」
3.職場を辞めた後に転職活動をするメリット・デメリット
働きながら転職活動をするメリット・デメリットを紹介してきましたが、職場を辞めた後に転職活動をする場合は、どのようなメリット・デメリットが考えられるのでしょうか。
3.1. 職場を辞めた後に転職活動を行うメリット
職場を辞めた後に転職活動をはじめるメリットは次のとおりです。
- 転職活動の対策に時間をかけられる
- スケジュールの調整が可能
退職後に転職活動をはじめると、時間的余裕が生まれるため、多くの企業を吟味しやすくなります。
面接日の調整にも柔軟に対応でき、試験や面接対策、書類作成、企業リサーチなどの準備を入念に行えることもメリットです。
転職活動に集中して取り組めるため、転職の成功率が高くなるケースもあります。
3.2. 職場を辞めた後に転職活動をするデメリット
現職を辞めた後に転職活動をするデメリットとして考えられるのは以下の3つです。
- 収入の不安がある
- ブランク期間が生まれる
- 退職に伴う保険や税金の手続きが必要になる
在職中の転職活動は、給与が毎月振り込まれるので金銭的な安心感があります。
一方、退職後に転職活動をはじめると収入源が確保しにくいため、長期化を恐れて妥協して転職先を決めてしまう方も多いようです。
また、退職後すぐに転職できない場合は、保険や税金の手続きを自分で行わなければいけないため注意が必要です。
退職後に転職活動をはじめるなら、集中的に進めて短期間で転職先を決めることが良いかもしれません。
【関連記事】「【仕事を辞めたいけどお金がない】転職先が決まらず退職する場合の注意点」
4.働きながら転職活動するための注意点
働きながら転職活動をする場合は、以下の3つを意識しましょう。
- 現職の仕事が疎かにならないように気を付ける
- 転職することを職場で他言しない
- 会社支給のPCを使用しない
3つの注意点について詳しく解説していきます。
4.1.現職の仕事が疎かにならないように気を付ける
働きながら転職活動を進める場合、現職の仕事が疎かになる可能性があります。
転職活動は、企業リサーチや書類提出、面接日の調整、面接実施など複数の工程があるため、片手間で行えないのが実情です。
転職活動に重きを置いて、現職の仕事を疎かにしてしまうと、周りに迷惑をかけてしまう可能性があります。
働きながら転職活動を行う場合は、仕事中は目の前の業務に集中し、業務時間外に効率よく進めることが大切です。
4.2.職場で転職することを他言しない
転職することは、家族や仕事とは関係のない友人など、限られた人に伝えるようにしましょう。
仕事に関係のある人に伝えてしまうと、職場で居づらくなってしまったり、辞める人だからといった理由で仕事に関する情報の共有が行われなかったりする可能性もあります。
また、転職活動を進めていく中で「現職の方が良いかも」「やっぱり辞めたくない」と思いとどまる方も一定数はいますので、後悔しないためにも転職先が決まるまでは公言しないようにしましょう。
4.3.会社支給のPCを使用しない
会社支給のPCを使用して、私用である転職活動をするのはマナー違反になります。
会社によっては、検索履歴などを抜き打ちでチェックしているケースもあるので、転職活動をしていることを知られてしまう可能性もあるのです。
また、労働基準法2条2号によると、労働者は就業規則や労働契約を厳守し、堅実に業務にあたることが義務付けられています。
会社で支給されているPCで転職活動を行わないように注意しましょう。
【関連記事】「20代必見!転職しやすい有利な資格おすすめ一覧(業種別)」
5. 働きながら転職活動するためのポイントやコツ
働きながら転職活動をするポイントやコツについてご紹介します。
これから紹介するポイントやコツを意識しながら転職活動に励むことで、転職の成功率を高められるでしょう。
5.1.有給休暇を利用する
平日の日中に面接日が決まることもあるため、有給休暇を有効活用しましょう。
在職している企業の業務時間に、面接を受けに行ったことが発覚してしまうと、就業規則違反と指摘されるケースもあります。
そのため面接日が決まったら、早めに有給休暇を申請しましょう。
5.2. 転職活動期間を設定しておく
いつまでに転職するのか、ゴールを明確にしておくことが大切です。
働きながら転職活動を行う場合、収入面が安定しているのでダラダラと長引いてしまうケースもあります。
「3ヵ月以内に転職する」「半年以内に自分に合う企業を見つける」など、自分の中で明確な目標を決めておきましょう。
5.3.転職エージェントを活用する
転職エージェントを活用することで、すき間時間でも効率よく転職活動を進められるでしょう。
転職エージェントを利用すれば、プロのキャリアアドバイザーから面接対策やスケジュールの調整、交渉代行などさまざまなサポートを受けられるので、内定獲得から退職までスムーズに転職活動を進められるでしょう。
【関連記事】「有給休暇の買取とは!? 買取可能なケースや金額の計算方法ついて解説」
6. 働きながら転職活動するなら転職エージェントを活用しよう
働きながら転職活動をする場合、転職エージェントの活用がおすすめです。
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内定率があがる可能性が高まるだけでなく、転職活動期間の短縮にもつながる可能性もあることもメリットです。
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7.まとめ
「自分に合う企業をじっくり選びたい」「転職に失敗したくない」という方は、働きながら転職活動を進めると良いでしょう。
転職エージェントを活用することで、応募書類の添削や模擬面接を受けられるため、転職成功確率を高められる場合があります。
プロのキャリアアドバイザーと共に、転職活動を進めて、自分の思い描くキャリアアップを実現させましょう。
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