転職における「ブランク」とは、いわゆる離職中の期間を指します。「転職の際にブランクがあると不利になるのでは?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。仕事にブランクが生じた場合は、その期間をどう過ごし、どのように説明するかが重要です。
今回は、転職活動でブランクが生じてしまった場合について知っておくべきこと、注意点、面接の際の回答例、ブランクが長期化した場合の対処法などを具体的に紹介していきます。
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1.「仕事の空白期間=ブランク」は転職で不利になる?
仕事のブランクに関しては、理由によって不利になる場合と不利にならない場合があります。まず、仕事のブランクが不利になる主な理由には、以下のようなことが挙げられます。
【ブランクが不利になる主な理由】
- 最新のスキルや知識が身に付いていない可能性があるから
- 仕事へのモチベーションが低いとみなされるから
- ブランクの理由によっては職場への適応力を疑われるから
上記の理由から、実際にブランク期間が不利になるパターンは主に以下のようなケースです。
【ブランクが不利になるケース】
- ブランク期間中、何もしていなかった
- 在職中に進められる転職活動をやらなかった
- 会社への不満などから、後先考えず前職を退職した
つまり、無計画さを感じさせる理由の場合は、採用担当者に不信感を与え、選考において不利になる可能性があります。
しかし、ブランク期間が生まれた理由によっては、選考において特に問題にならないこともあります。ブランク期間があっても不利にならないパターンは主に以下のようなケースです。
【ブランクが不利にならないケース】
- 在職時は多忙で転職活動ができなかった
- スキルアップ
- 出産、育児
- 病気療養
- 家族の介護
- 留学や資格取得などの勉強
いずれも「ブランク期間がある」という結論には変わりないですが、理由次第で採用担当者の納得度や、応募者に対する信用度は大きく変わります。
ブランク期間のある転職活動において大切なのは、「なぜブランク期間が発生したのか」という理由と「ブランク期間で何を得たのか」という点であり、それを適切に伝えることで、逆に好印象を与えられる可能性もあります。
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2.空白期間(ブランク)のボーダーラインとは
ブランク期間に明確なボーダーラインはありませんが、ひとつの目安としては3~6ヶ月程度と認識しておくと良いでしょう。
転職活動にかかる期間は、一般的に3ヶ月程度といわれています。従って、退職後から転職活動をスタートした場合、その程度のブランクは特に不自然ではありません。
「複数社選考が進んでいて、すべての結果が出てから決めたい」という場合は、さらに転職活動が長期化する可能性もあります。それを加味して考えれば、半年程度まではそれほど気にかける必要はないでしょう。
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3.採用担当者は空白期間(ブランク)がある人のどこを見る?
転職活動では、採用担当者が抱く不安や懸念点を解消できれば、採用の可能性はぐっと高まります。
では、ブランクがある求職者が応募してきた場合、採用担当者はどのようなところを見るのでしょうか。そのポイントを3つおさえておきましょう。
すでにブランク期間がある、もしくはこれからブランク期間が生まれそうという方でも、諦める必要はありません。
3.1.空白期間(ブランク)中に取り組んでいたこと
採用担当者が注視するのは、「ブランク期間に何をしていたのか」という点です。
ただ無計画にブランク期間を過ごしていたのか、それとも何かを得るために目的意識を持って過ごしていたのかによって、採用担当者が応募者に抱く印象は180度変わります。
そのため、ブランク期間中の過ごし方について質問された場合は、採用担当者に「意味のあるブランクだった」という印象を持ってもらえるような伝え方をすることが重要です。
「ブランク期間によって〇〇が得られた」という明確な意味付けができれば、採用担当者も納得するはずです。
ブランク期間中に何に取り組み、それを今後のキャリアにどう生かしていくのかという点を説明できるよう、あらかじめ振り返っておく必要性があります。
3.2.働く意欲があるかどうか
採用担当者は、ブランク期間がある応募者に対して「本当に働く意欲があるのか」を懸念しています。
その懸念を払しょくするためには、面接の場で「働く意思がないためにブランク期間が長期化しているのではない」「転職活動が長期化していても働く意欲は削がれていない」ということを理解してもらうための材料を提供する必要があります。
3.3.生活環境や健康状態に問題はないか
「職場のリズムに適応できるか」「健康面で配慮する点はないか」といったことも、企業にとっての懸念点になります。
企業が人材を採用するにあたっては、「生活環境や健康状態が業務に影響を与えることなく、今後も安定して働けるのか」を確認したいと考えるのは自然なことです。そのため、現在の生活は安定しており、仕事を続ける準備が整っていることを伝える必要があります。
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4.一般的な空白期間(ブランク)の回答例
ここからは、ブランク期間について面接で質問を受けた際の具体的な回答の例文を紹介していきます。あくまでも一例なので、ご自身の状況にあわせてアレンジしてみてください。
4.1.怪我や病気の治療をしていた場合
(回答例1)
「在職中に体調を崩し医師から療養が必要だとの診断を受け、前職を退職し療養していました。しばらくじっくりと体を休められたので、現在は完全に回復しております。
離職中は治療が第一優先としつつ、「できる範囲で時間を有意義に使いたい」と思い、興味をもっていた〇〇について、体調と相談しながら知識を深めていました。
現在では、〇〇に相当する知識を得られているため、御社での今後の業務にも生かしていけるものだと思っています。」
(回答例2)
「自分の不注意から怪我を負ってしまい、しばらく安静にする必要がありました。完治するまでは体の自由が制限されてしまい仕事に取り組むことはできませんでしたが、現在は無事に完治したため、今後の業務には影響ありません。
療養中は、自宅でインターネットを使ったボランティア活動をしていました。〇〇を学びたいという学生に対して無償で講義を提供し、本人だけでなく親御さんにも喜んでもらっていました。」
4.2.産休や子育て、介護をしていた場合
(回答例1)
「子どもが生まれてから数年間は子育てに専念しようと前職を退職しました。現在は子育ても一段落し、主人や家族の協力も得ながら働ける環境が整ったため、今回御社を志望いたしました。
産休から育休中は、現役時の勘を失わないように、そして働ける状況になったら即戦力となれるように、〇〇について独学で勉強していました。一通りの知識は身についたので、近々資格試験を受験する予定です。」
(回答例2)
「実家の父が体調を崩し、しばらくの間自宅での世話が必要な状況となってしまいました。前職の会社からは色々と配慮をいただきましたが、迷惑をかけたくないという思いが強く退職を決意しました。現在、父の体調は回復し、日常生活を送れるようになりましたので、本格的に再就職を目指し御社を志望いたしました。
思いがけず家族の介護が始まってしまいましたが、その合間に自分のペースで取り組める資格の通信講座を受けていました。しばらく実務からは離れておりましたが、その間に知識を身に付けたので、現場で早く生かしていきたいと思っています。」
4.3.資格や留学など勉強をしていた場合
(回答例1)
「在職中〇〇の業務を行うにあたって、より専門的な知識の必要性を感じていましたが、業務が多忙でスキルアップの勉強や今後のキャリアについて考える時間が取れませんでした。
一度じっくり自分のこれからと向き合いたいと思い前職を退職し、専門の学校に通って〇〇の資格取得を目指しました。先日の試験で無事に資格取得できたため、御社の業務に今後活かしていきたいと思っています。」
(回答例2)
「外国人のお客様に満足していただけるようなサービスを提供できるよう、アメリカに語学留学していました。現地で生の英語と触れ合う時間が持てたことで、TOEIC〇〇点程度の英語力を身につけられました。
チャンスをいただければ、外国人観光客の多い店舗や海外の店舗で経験を積みたいと思っています。」
4.4.転職活動が長引いてしまった場合
(回答例1)
「前職在職中は不規則な勤務が続き、思うように転職活動を進められず、結果としてブランク期間が発生してしまいました。
この間、知人や友人から各業界の話を聞いたり、インターネットや本から情報収集を行ったりして、明確なビジョンをもって転職活動を進められるよう準備を整えていました。」
(回答例2)
「在職中は多忙だったため退職直後から転職活動を始めましたが、なかなか結果が出ませんでした。そこで再度自己分析やキャリアの棚卸しを行ったところ、自分が本当に挑戦したいのは〇〇の分野だと気づくことができ、御社に応募いたしました。
現場の感覚を失わないように、また新たなスキルの習得を目指して、〇〇でアルバイトをしながら転職活動を続けています。〇〇で得たスキルは、御社の△△の分野で生かせるものだと考えております。」
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5.マイナスな印象を持たれやすい空白期間(ブランク)の回答例
「リフレッシュのため旅行に行っていた」「特に何もしていなかった」など、マイナスな印象を持たれやすい場合があります。どのように回答すれば、空白期間が「自分にとって有意義な時間であった」「今後仕事をするうえで役に立つ期間だった」ことを伝えられるのでしょうか。回答例を紹介します。
5.1.旅行に出かけていた場合
(回答例)
「以前から興味のあった世界各国の文化や価値観を学ぶため、一定期間、海外を旅行していました。この経験を通じて、適応力や視野の広がりを実感し、改めて働く意欲が高まりました。
特に、異文化の中でのコミュニケーション能力や問題解決力が鍛えられたと感じています。現在は仕事に集中できる環境が整っており、これまでの経験を活かしながら御社で貢献したいと考えています。」
5.2.特に理由がない場合
(回答例)
「転職は今回で最後にしたいとの思いから、後悔のない転職活動をしようと考え、今後のキャリアビジョンを慎重に検討しながら転職活動を行ってきました。
無意識のうちに身に着いた固定観念を取り払うためにも、在職中に参加できなかったセミナーや異業種交流会に参加して新たなスキルを学んだり、異業種の方との交流を深めたりしていました。」
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6.空白期間(ブランク)を説明する際の注意点
面接で空白期間(ブランク)を説明する際に、注意すべき点を紹介します。「印象を良くしようとした結果、逆に不信感を与えてしまった」ということのないよう、あらかじめチェックしておきましょう。
6.1.嘘をつかない
面接では、ブランク期間が自分にとって必要な期間であったこと、またブランク期間で得たものを転職先で生かしたいと考えていることを、採用担当者に理解してもらうことが重要です。
しかし、それを強調するあまり嘘をつくようなことはないようにしましょう。たとえその場を繕えたとしても、過剰なアピールは将来の自分の首を絞めることにつながりかねません。
また、もしも採用後に面接時の嘘がバレてしまった場合は、その後あなたの評価は急降下してしまいます。
あくまで事実をベースとしたエピソードによって、採用担当者に理解、共感してもらえるような回答を用意しましょう。
6.2.前職の愚痴や悪口を言わない
例えば、「前の会社の環境が悪かったので、転職がより慎重になりました」「上司と合わなかったので、人間関係が良好な職場を探していました」などの発言は、言い訳や責任転嫁と捉えられ、ネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。
企業は、課題に対して前向きに対処できる人材かどうかを見ています。そのため、前職で嫌なことがあったとしても、それを伝えることはせず、「新しいキャリアを考える時間が必要だった」など主体的な理由を伝える方が好印象につながります。
7.空白期間(ブランク)が長期化してしまった場合の対処法
介護や育児、病気など理由によっては、ブランク期間が3年以上とかなり長期化してしまうこともあります。しかし、ブランク期間が長いほど転職においては不利になることが多い傾向です。
なぜなら、企業側が「働いていない期間は何をしていたのだろうか?」「知識やスキルは衰えていないだろうか?」などの不安を抱え、採用を躊躇する可能性があるからです。
そこで、ここからは空白期間(ブランク)が長期化してしまった場合の対処法について解説します。
7.1.書類選考のない企業に応募する
ブランク期間が長い場合、面接まで行けずに書類選考の時点で落とされてしまう可能性も高くなります。
こういった場合、書類選考のない企業に応募するのもひとつの方法です。面接でブランクが発生した理由や自分のスキルが会社の力になることをうまく伝えることができれば、採用される可能性も高まるでしょう。
7.2.転職エージェントを利用する
書類選考がない企業でも面接はあるので、やはりブランク期間について一度は説明しなくてはなりません。
どうしても心配という方は、転職のプロに相談するのが1番です。転職エージェントの「マイナビエージェント」では、人材紹介のプロであるキャリアアドバイザーが、履歴書の添削や模擬面接などを無料でおこなってくれます。
ブランク期間をカバーするための最適なアドバイスを得ることもできるので、1人で不安を感じながら転職活動をおこなうより、採用をもらえる確率はぐっと上がります。
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8.まとめ
転職におけるブランク期間について、そのブランクをプラスに変える方法や面接での回答例などを紹介しました。
ブランク期間がある転職を成功に導くポイントは、「ブランクがあったからこそこれだけ成長できた」「ブランク期間の経験をぜひ業務に生かしたい」という熱意を企業に伝えることです。
そのためにも、ブランク期間を少しでも意味のあるものにできるよう、計画的に毎日を過ごすようにしましょう。
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