最終学歴とは? 中退や在学中の場合はどうなる? 履歴書の書き方を解説

仕事の悩み・転職

学歴は、転職活動において履歴書を書く時など、人生の中で何度か振り返る機会のある自分の足跡です。

転職時には、応募資格において「最終学歴」が問われるケースが少なくありませんが、この「最終学歴」とはどの段階を指すのでしょうか。ここでは、「最終学歴」の定儀や、履歴書における学歴の正しい書き方などをご紹介します。

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はじめて転職する場合の7つのポイントを確認する。

1.最終学歴とは

まず、「最終学歴」とは具体的に学歴のどの段階を指すのかから見ていきましょう。

1.1.最終学歴の定義

最終学歴と聞くと、時系列的に最後の学歴というイメージが湧きますが、実はそれは間違いです。

卒業した「最も高い」段階にある学歴が最終学歴になります。必ずしも最後に卒業(または修了)した教育機関ではないため注意が必要です。

1.2.学歴の順番

では、「最も高い」段階とは何を根拠に比較すればよいのでしょうか?

一般的に、学歴のレベルは下から順に小学校、中学校、高等学校と続きます。

その上の高等専門学校(高専)、専門学校、短期大学の3つは学歴水準がほぼ同等とみなされ、その上に大学、そして最も高い段階にある学歴として扱われるのが大学院です。

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2.履歴書の書き方の注意点

次に、学歴を履歴書に書く際の注意点を見ていきます。

2.1.学歴は時系列順で記載する

学歴は時系列順に記載しましょう。一般的には中学校卒業から書き始め、高等学校以上は入学年月・卒業年月の両方を記載します。

この際、年は履歴書全体で元号か西暦で統一しましょう。

例えば、履歴書を書き始める際に記入年月日を西暦で記入した場合は、学歴の欄も西暦で統一します。

2.2.学部や学科・専攻も全て記載する

学歴を記載する際には学校名だけでなく、学部や学科・専攻も全て記載します。

特に高等学校の場合は、専門科がなく「普通科」のみの学校であっても記載を忘れないように注意しましょう。

また、学校名は省略せず正式名称で記載します。「○○高校」という言い回しも省略形なので使用せず、「○○高等学校」と記載しましょう。

学歴・職歴欄の書き方については以下の記事で詳しく説明しています。

【関連記事】「【学歴・職歴の正しい書き方】転職する際の書類の作成の基本的なルールや注意点」

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3.最終学歴の書き方のポイント

小学校、中学校、高校、大学以外にもさまざまな教育機関が存在しますが、それらは最終学歴に含まれるのでしょうか。

また、履歴書にはどのように記載すべきなのでしょうか。そのポイントを確認します。

3.1.中退・在学中の場合はどうなる?

冒頭で説明した通り、最終学歴とは卒業した最高の段階にある学歴を指す言葉であるため、難関大学等に合格し入学しても中退していた場合は学歴には含まれません。

ただし、中退をなかったことにすることは学歴詐称にもなるため、修学の情報として必ず記載しましょう。

記載する際には、学校名、学部・学科を記載し、続けて「中途退学」と書きます。進路変更や留学などの前向きな理由や経済的・身体的にやむを得ない理由の場合は、下の欄に簡単に理由を記載しましょう。

単位不足や意欲が低いと思われるようなネガティブな理由の場合は、採用選考の際のマイナスイメージにつながるため記入しなくてもよいでしょう。

また、在学中で卒業が近い場合には「卒業見込み」と記載します。いつ卒業するかもわかるように、卒業見込みの年月も正しく記載しましょう。

ただし、卒業するために必要な単位や出席が足りており、卒業できる見込みがしっかりある場合でないと「卒業見込み」は使用できないことに注意が必要です。

なお、一般的な就職活動の際には、教育機関を卒業してからの入職になるため「卒業見込み」という書き方で問題ありませんが、アルバイトなど通学しながら働く場合には「在学中」と記載します。

3.2.留学の場合はどうなる?

留学した場合は、最低1年以上かつ学位取得またはそれを目指しての留学だった場合、学歴として記載することが可能です。

海外の教育機関に正規に在学して学位の取得や卒業を目指す正規留学や、籍は日本の学校においたまま、その学校が学術交流協定などを結んでいる海外の大学に一定期間通学する交換留学を1年以上した場合などが該当します。

語学留学と呼ばれるものは正式には「語学研修」に該当し、学歴とはみなされません。

また、1年未満の短期留学も学歴欄に記載することはできません。

ただし、これらの経歴は語学力などをアピールすることにもつながるので、自己PR欄などに記載することで印象を良くすることができます。

3.3.大学院の場合は「修了」と記載する

大学院の場合には「卒業」という表現を使いません。

「卒業」という言葉は、学歴においては「その学校の全課程を学び終える」と定義されています。小学校~大学については、この定義にのっとり「卒業」と表現できます。

一方、大学院は学校教育法では学校とは定義されていないため、大学院での学びを終えた際は「学業などの一定の課程を終えること」を意味する「修了」という言葉を使用します。

また、大学院の学びは主に修士課程(博士前期課程)と博士課程(博士後期課程)に分かれますが、博士後期課程を修了するには、博士論文の審査に合格し、博士の学位(博士号)を取得しなくてはなりません。

博士号の取得は非常に難易度が高く、3年間博士後期課程に在籍しても博士論文の審査に合格できないといったこともあります。

その場合は修了とは書けないため、「単位取得退学」または「満期退学」と記載することで、博士後期課程を終えていても博士号は取得していないということがわかるようにします。

3.4.フリースクールや予備校、職業訓練学校は含まれないことが多いので注意

近年学業のあり方も自由になり、正規の学校に通わずフリースクールに通うことを選択する方も増えてきました。

しかし、フリースクールは公的な学校とはみなされていません。

そのため、一般的に履歴書の学歴欄にフリースクールは記載しないことが多いです。

小中学生は義務教育のため、毎日フリースクールに通っていたとしても、本来の小中学校に籍があります。

そのため、学校に通わずに毎日フリースクールに通っていた場合も、履歴書に記載するのは小中学校になります。

高等学校についても同様の扱いとなり、籍を置いている学校があればその学校を履歴書に書くことができますが、学校を中退してフリースクールのみに通い「卒業」したとしても、高卒扱いにならないため注意が必要です。

ただし、フリースクールに通いながら高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)を受けて合格した場合には、学歴欄に書くことができます。

その場合は、「令和○年○月 高等学校卒業程度認定試験合格」と記載しましょう。単位修得等で合格予定の場合は「合格見込み」と記すことも可能です。

予備校についても同様に公的な学校とみなされていないため、学歴としては扱われません。

採用担当者は、履歴書の学歴欄に高等学校卒業から大学入学までに期間があいていた場合、浪人して受験勉強をしていたのだろうと推測することが多いです。

また、職業訓練校に通った場合ですが、職業訓練校は正確には仕事をする上で必要な知識・技術を身につけることを目的とした職業訓練「施設」にあたり、管轄は厚生労働省です。

そのため、学歴欄には記載せず、代わりに職歴欄に記載することが一般的です。

ただし、同じ厚生労働省管轄の職業訓練施設でも、省庁大学校という位置づけの「職業能力開発総合大学校」では4年間通学して学士の学位を取得できるコースもあります。

そのコースを卒業すれば大卒と同等の扱いになり、学歴としての記載が可能となります。

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【関連記事】「【職務経歴書のPCスキルの書き方】書き方の例やアピール方法について紹介」

4.最終学歴の書き方例

最後に実際に履歴書の学歴欄を記入する際の書き方例を紹介します。

4.1.高校卒業の場合

例)

●平成××年3月 △△市立 ○○中学校 卒業
●平成××年4月 私立 ○○高等学校 □□科 入学
●平成××年3月 私立 ○○高等学校 □□科 卒業

4.2.大学卒業の場合

例)

●平成××年3月 私立 ○○高等学校 普通科 卒業
●平成××年4月 ○○大学 □□部 △△科 入学
●平成××年3月 ○○大学 □□部 △△科 卒業

4.3.大学院修了の場合

例)

●平成××年3月 ○○大学 □□部 △△科 卒業
●平成××年4月 ○○大学 大学院 □□研究科 △△専攻 博士前期課程 入学
●平成××年3月 ○○大学 大学院 □□研究科 △△専攻 博士前期課程 修了

4.4.短期大学・専門学校卒業の場合

例)

●平成××年3月 私立 ○○高等学校 普通科 卒業
●平成××年4月 ○○短期大学 □□学科△△専攻 入学
●平成××年3月 ○○短期大学 □□学科△△専攻 卒業

または

●平成××年4月 ○○専門学校 □□科△△コース 入学
●平成××年3月 ○○短期大学 □□科△△コース 卒業

4.5.中退・在学中の場合

例)

●平成××年3月 私立 ○○高等学校 普通科 卒業
●平成××年4月 ○○大学 □□部 △△科 入学
●平成××年○月 ○○大学 □□部 △△科 経済的事情のため中途退学

または

●平成××年3月 ○○大学 □□部 △△科 卒業見込み(または在学中)

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2回目以降の転職で気を付けるべきポイントを確認する。

5.学歴欄に書き添えてよいこと

退学の理由を学歴欄に一言書き添えるのと同様に、休学した場合もポジティブな理由であれば書き添えても良いでしょう。

例えば、「○○大学 □□部 △△科 休学」とした後に「〇年〇月~〇月まで語学留学のため」などと書くことができます。

また、志望する企業や業務と大学などでの研究テーマが関連している場合は、研究テーマや卒業論文のテーマを書いても良いでしょう。

ただし、こうしたものを書き添える場合は学歴欄が見にくくならないように注意し、内容が多くて見にくくなってしまう場合は自己PR欄に書きましょう。

なお、複数の大学を卒業しているなど最終学歴の候補が複数ある場合は、どの学校名を最終学歴として記載しても構いません。

状況によって使い分けましょう。

ただし学歴欄には、どれか1つではなく卒業した全ての学校名を記載しましょう。

6.企業から卒業証明書を求められたら

最終学歴を証明するために卒業証明書の提出を求められる場合があります。

卒業証明書は最終学歴を証明するための書類で、卒業証書とは別に発行されます。

従って、転職する場合は学校の窓口に問い合わせて発行してもらう必要があります。

卒業時に発行された証明書がまだ手元に残っていることもあるかもしれませんが、発行から3か月以内のものを提出するのが望ましいです。

企業によっては発行日の期間を定めている場合もあります。

窓口に直接出向いて発行してもらうこともできますし、学校のWebサイトで申請書をダウンロードして郵送してもらう方法もあります。

学校によって発行方法が異なりますので、よく確認しましょう。

また、郵送の場合は手元に届くまでに時間がかかることもあるので、提出期限に間に合うように、ある程度余裕を持って発行してもらうようにしましょう。

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7.まとめ

「最終学歴」という言葉には「最後の学歴」というイメージがありますが、実際には卒業または修了をした「最高の」段階にあたる学歴という意味であること、また学歴の中にも定められた順位があることを解説しました。

知識不足による意図せぬ間違いでも、最悪の場合、それが学歴詐称と捉えられてしまう可能性もあります。

自分が辿ってきた道筋を誠実に伝えるためにも、履歴書を書く前にしっかりとした知識をつけて臨みましょう。

また、今回は学歴に絞って紹介してきましたが、個人の魅力は学歴や職歴だけでは伝えきれません。

履歴書の自己PR欄や面接を通して、自分のもっている良さを最大限アピールできるように工夫しましょう。


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