会社の代表電話には取引先や社内からの電話だけでなく、まったく付き合いのない会社からの営業電話もかかってきます。必要のない営業電話でも、会社のマイナスイメージにならないよう、きちんと対応しなければなりません。(Misa)
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1.意外に多い会社への営業電話
多くの会社の年度初めである4月から5月は、会社への営業電話が増える時期です。ニーズを想定した営業もありますが、新入社員研修を終えた新人営業にOJTを兼ねて電話をかけさせる会社も多いです。たとえば、求人広告を掲載すると、人材派遣や人材紹介、オフィス賃貸の営業電話が増えるのはよくあることです。人材ビジネスはともかく、オフィス賃貸は意外に思われるかもしれませんが、求人イコール事業拡大および増員、オフィス移転というストーリーを想定されるようです。
会社にかかってくる営業電話には、すぐには必要ないものや一方的で悪質な電話もあります。通常業務と並行して不必要な営業電話に応対するのは、時間のロスだけでなく、ストレスを感じる場合すらあります。
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2.営業電話を上手に断るポイント
営業電話をかけてくる人はマニュアルどおりに話していることが多いのですが、要点をぼかされていたり、わかりづらかったりします。単純にトークが上手でない可能性もありますが、担当者に取り次がせるためのテクニックである場合もあります。
営業電話の応対を任されている場合は、用件を明確かつ簡潔に聞き出すことが大切です。営業電話が頻繁にかかってくる窓口では、あらかじめ応対の方針を相談しておくとよいです。
担当者不在と答えると、何度でもかけてくる可能性があります。取り次げない電話を繰り返しかけられるのは、お互いにとってメリットがありません。何度かけても、担当者には取り次がれないことを理解してもらうのがベストです。毅然とした態度で、丁重にお断りすることがポイントです。
(1)誰宛て(窓口)にかけてきたのかを確認する
特定の担当者宛てにかけてきているのかを確認しましょう。
(2)用件を確認する
担当者の指名がない場合は具体的な用件を聞きます。
(3)必要がない旨を伝えて先方からの案内を断る
窓口担当者と事前に決めた応対の方針を説明し、今後の連絡は不要であると伝えましょう。必要になったときに連絡する旨を伝えて、担当者名、連絡先を控えておくとよいです。同じ会社の別の担当者から電話が入ったときに、以前も電話があったと、その人の名前を出してお断りすることができます。
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3.営業電話の見分け方
営業電話の中にはすぐに営業電話だとは気づかないような巧妙なものもあります。
営業電話とそうでない電話を見分けるポイントを解説します。
必要のない営業電話だと気づいたらすぐに断りを入れましょう。
(1)担当者の名前を知らない
「代表の方はいらっしゃいますか?」「○○ご担当の方をお願いします」などと人物名ではなく役職名のみで取り次ぎを依頼する電話は営業電話の可能性が高いです。
実際に取引がある相手なら担当者の名前を知っているはずだからです。
担当者と面識や約束があるかのように装う場合もあります。約束の有無や用件をきちんと確認しましょう。
また、人物名を出してきた場合でも一度保留にして担当者に確認し、不要な電話であればきっぱりと断りましょう。
(2)社名を言わない
会社名を名乗らずに話を続けようとする電話も営業電話の可能性が高いです。
こちらが会社名をたずねても「○○(大手企業)の関連で、こちらの地域を担当することになりました」などと大手企業の名前を出して回答を濁す場合もあります。
取引相手ならば必ず社名を名乗るはずなので、会社名を聞き出せない場合は営業電話と判断して良いでしょう。
(3)一方的に話を続ける
強引に話を進めようとする話し方はよくある営業電話の手法です。
こちらに話す隙を与えないパターンや、なかなか本題に入らず「○○なことありますよね?」などと質問を続けてこちらの同意を促し、サービス売り込みの流れに誘導するパターンがあります。
一旦相手の話を遮ってでも、なるべく早いタイミングで用件を確認することが重要です。
「営業電話ではございません」「説明だけさせてください」と説明を続けようとしてきても、必要ない旨をはっきり伝えて断りましょう。
中にはこちらの不安を煽るような言葉を並べてくる場合もあるので、不安なときは自己判断せずに一度周りの人に相談しましょう。
(4)電話口から複数の話し声が聞こえる
電話口の向こうからガヤガヤと複数の話し声が聞こえる場合は、営業専門のコールセンターからかけてきている可能性が高いです。
こういった場合は、話の内容に関わらず営業電話であると判断しやすいかもしれません。
4.営業電話を断る時に使えるフレーズ
会社に入ったばかりの新人の方など、電話応対に慣れていない方は咄嗟に言葉が出てこず相手のペースに飲まれてしまうこともあるでしょう。
そこで、あらかじめ覚えておくとよいフレーズを以下にまとめました。
(1)「恐れ入りますが、(具体的に)どのようなご用件でしょうか?」
用件を言わない場合もしくは詳細を濁す場合は、なるべく早い段階で具体的な用件を聞き出すことが大切です。
「恐れ入りますが」「失礼ですが」といったクッション言葉を使って丁寧な対応を心がけましょう。
(2)「申し訳ございませんが、弊社では新規のお取引は控えさせていただいております(そのようなご提案は一切お断りしております)」
相手にチャンスがあると思わせないためにも、はっきりと「不要である」という意思が伝わる言葉を使いましょう。
否定とも肯定とも取れる「結構です」といった曖昧な表現はあまり使わない方が良いでしょう。
(3)「必要な場合はこちらからご連絡させていただきますので、今後のご連絡は不要です。お名前とご連絡先を教えていただけますか?」
今後の連絡は不要であることを伝え、繰り返し電話がかかってこないようにしましょう。
(4)「ありがとうございました(失礼します)。」
営業電話はできるだけ話を続けようとしてくることが多いです。
こちらから話を終わらせる言葉を言うことで、通話を終了させることができます。
5.しつこい営業電話は法律違反になる?
会社名を名乗らなかったり、しつこく電話をかけてきたりする営業電話はよくあります。
以下のような営業電話は法律に違反している可能性があります。
前述の通り、話が長くなる前に具体的な要件を聞いたり、はっきりとお断りするなど、角が立たないよう上手に対応しましょう。
- 社名や担当者名を名乗らずに商品を勧める
- 「営業電話ではない」と言いながら一方的に話を進めようとする
- 断っても無理に話を続けたり、何度も電話がかかってくる
- 早朝や深夜にかけてきたり、威圧的な態度で相手に迷惑だと感じさせる
6.営業電話への対応はデメリットをもたらしがち
不要な営業電話に対応することは時間のロスになるだけでなく、作業を中断して電話に出ることで集中力の妨げにもなります。
また、前述の通り4月から5月は特に会社への営業電話が増えるため、1日に複数の営業電話を受ける可能性があります。
営業電話を受けてしまっても、ロスタイムをなるべく減らせるような対応を心がけましょう。
ただし、営業電話もビジネス電話の一つです。
早く切ろうとするあまり相手を不快にさせてしまうような対応をすると、後述するようにクレームに繋がる場合もあるので注意してください。
7.営業電話を逆クレームにしないために
営業電話をかけてきた人に暴言を吐いたり、喧嘩腰になったりするのは絶対にやってはいけないことです。礼儀やマナーの問題だけでなく、電話の向こうにいるのは、将来のクライアントやユーザーとなる可能性もある、会社もしくは個人だからです。
もう一点、昨今では誰でもSNSなどで誹謗中傷を発信することができます。営業電話の応対ひとつが、会社のイメージダウンにつながる可能性があります。自分の言葉が会社の評価を左右する可能性があることを自覚しましょう。
あまりにも頻繁にかかってくれば、迷惑に感じるのも当然です。発想を切り替えて、営業電話への応対を楽しんだり、営業トークを参考にしたりする余裕をもてるとよいですね。
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原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。