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DAY 2018.03.08 ライフ

5分で理解!ストレスコーピングとは?分かりやすく解説します

「ストレスコーピング」とは、仕事や人間関係など様々な場面でストレスを感じたとき、上手にストレスに対処する方法です。過剰なストレスを溜め込むと、心の病へ陥ってしまう可能性があります。心身の健康を維持するためにも、「ストレスコーピング」を正しく身につけ、日々の生活で活用してみましょう。

ストレスのメカニズムとストレスコーピング

私たちは、日常生活を送る上でよく、「最近ストレスが溜まってしまって。」などという会話をすることがありますよね。ストレスとは、精神的に負担を負わせるもののことだと捉えられがちです。しかし、そもそもストレスとは、何かしらの外部からの刺激で、心身に負担が生じるもののことをいいます。また、これらのストレスに上手く対処する方法として、ストレスコーピングという技術があります。

そもそもストレスの構成要素とは?

ストレスには、3つの構成要素があるといわれています。1つ目は、ストレッサー。2つ目は私たちの認知(評価・解釈)、3つ目はストレス反応です。ストレッサーとは、ストレスのもとになるさまざまな刺激のことをいいます。この刺激は多岐に渡り、身体的な疲労や病気、引っ越しなどの環境の変化、劣悪な人間関係によるものなどが挙げられます。また、認知とは人の物事の捉え方のことであり、ストレッサーに対し、それをどの程度驚異的に感じるかで、ストレス状況が変わってきます。さらに、ストレス反応とは、ストレスを認知しその状況が続くことによって、心身がその防衛に耐えきれなくなり、さまざまな症状を引き起こすことをいいます。具体的には、自律神経の乱れや免疫力が低下するなどの身体的な反応、気分の落ち込みや集中力の低下など精神的な反応、過食などの行動反応があります。

ストレスコーピングとは?

ストレスコーピングとは、ストレスに上手く対処する方法として、考えられた技法です。個人の認知の方法に働きかけることで感情などに変化をもたらし、ストレスに対処する力を向上させる認知行動療法的観点を持っています。このストレスコーピングは、私たちがストレッサーにさらされたときに焦点を当て、それをどのように対処していくかという過程に目を向けます。その時点でストレスコーピングを行うことで、心理的・身体的負担を減らすことが可能になるといわれています。ストレスコーピングは、大きく分けると、「問題焦点型」「情動焦点型」「ストレス解消型」に分けることができます。

ストレスコーピングを行わずにいると、ストレスによって、うつ病などのさまざまな病気が引き起こされることが大いにあり得ます。また、行動面でも過食や飲酒を繰り返してしまうなどの影響が生じることもあります。

ストレスコーピングの種類

ストレスコーピングは、大きく分けて「問題焦点型」「情動焦点型」「ストレス解消型」がありますが、さらに細分化することができます。ストレスコーピングの種類について説明します。

問題焦点型

問題焦点型とは、ストレッサー自体に働きかけ、問題を解決しようという考え方をいいます。ストレッサーに直接働きかけることで、ストレッサーを変化させ、問題となっている点や課題を明確にするという方法です。

■問題焦点型コーピング

ストレスの原因となっている物事を、根本から解決することにより、ストレス自体をなくしてしまおうという対処法です。たとえば、いじめがストレッサーになっているのなら、その加害者に働きかけることで、問題となっている点を解決に向かわせるということをします。しかし、実行が難しい場合も多いことが難点です。

■社会的支援探索型コーピング

ストレスの原因となっている刺激や出来事に直面した際に、周囲の人に相談し、アドバイスを得ることで問題を解決しようという方法です。いじめの例で言うならば、加害者と被害者の共通の友人に相談を求めることが含まれます。

情動焦点型

情動焦点型とは、ストレッサー自体ではなく、ストレッサーが与えられることによって生じた感情を、コントロールする考え方です。個人に生じた激しい感情や苦しい感情などを抑え、それらが生じた原因への注意を緩和することが目的です。

■情動焦点型コーピング

ストレッサーにより、傷ついたり、悲しんだりした感情を、誰かに話をすることで表出させます。その気持ちを相手にしっかりと聴いてもらうことにより、感情の整理や発散をさせるという方法です。

■認知的再評価型コーピング

ストレッサーとなる原因を変化させるのではなく、ストレッサーに対する捉え方や考え方を修正するという対処法です。ストレッサーから感じる悪い点だけではなく、良い点も探し出してみたり、今まで気づかなかった価値を見いだしたりすることで、自分自身の認知のゆがみを変えていくという考えに立ちます。

ストレス解消型

ストレス解消型とは、ストレッサーを感じたときではなく、感じてしまった後に、ストレスを身体の外へ追い出したり、発散させたりする対処法です。この方法は、私たちがストレス解消のために無意識に行っていることも多いといわれています。

■気晴らし型コーピング

気晴らし型コーピングは、ショッピングに行ったり、美味しいものを食べたり、音楽を聴くなど自分が好きなことを行い、気分転換を図ることでストレスを解消する方法です。これは、特にめずらしいものではなく、私たちが日常的によく試す対処法だと言えます。

■リラクセーション型・その他コーピング

最近、リラクセーションという言葉をよく聞くようになりましたよね。リラクセーションもストレスコーピングの1つです。たとえば、感情が高ぶっているときに、体操などで身体の緊張を緩めていくと、感情も穏やかになっていきます。リラクセーションを日常生活の習慣にすると、ストレス耐性が高まるという効果もあるようです。

種類別!ストレスコーピングの実践方法

ストレスコーピングの種類について、大まかにお話ししてきましたが、日常生活でそれらを取り入れるには、具体的にどのような実践をすれば良いのでしょうか?種類別に見て行きましょう。

問題焦点型コーピングの実践方法

問題焦点型コーピングは、ストレッサーそのものに焦点を当て、それを変化させるように働きかけることで、問題を解決したり、対策を立てたりする方法です。そのため、状況さえ整っていれば、一番スムーズに解決できることが多いとされています。たとえば、アパートの隣の住人の騒音がうるさく、睡眠不足でストレスを抱えているという場合に、隣の住人に、「睡眠が妨げられているので、夜は静かにしてほしい」と丁寧に直接伝え、相手に理解してもらうことで問題を解決するという方法が挙げられます。ただ、直接ストレスの源となっている原因にアプローチする必要があることから、状況や立場によっては実践することが難しい場合もあります。

社会的支援探索型コーピングの実践方法

社会的支援探索型コーピングの実践方法としては、何かしらのストレスに直面し、困っているときに、その状況について上司や同僚、家族や友人などに相談したり、アドバイスを求めることが挙げられます。1人で問題を抱え込むよりも、相談できる相手に対して、ストレス状況について話し合うことで、解決法や対策が見出されることもあるといわれています。

情動焦点型コーピングの実践方法

ストレスの原因となっている問題自体を取り除くことは難しいにしても、家族や友人などの親しい人やカウンセラーなどに話を聞いてもらうことで、自分の感情を素直に表現でき、ストレスを発散させることが可能となります。また、それを通して、気持ちの整理がつくことも多いとされています。

認知的再評価型コーピングの実践方法

ストレスを感じていると、ストレッサーを今までのまま受け入れることは難しいものです。そのような場合には、直面している問題に対する考え方を変えることで、新しい発想や見方ができるようになることも多いといわれています。そうすることで、新しい適応方法を探すことが大切です。たとえば、上司に怒られたことでストレスを感じていても、「上司が自分に注意をしてくれたのは、自分のことを大切に思ってくれているからこそだ」という考え方に修正することで、ストレスの量を軽減することができるかもしれません。

気晴らし型コーピングの実践方法

気晴らし型コーピングは、手軽に行うことができ、こまめに実施することも可能です。ストレスを感じたとき、親しい友人とカラオケに行き、大好きな歌を歌うことでストレス発散をさせたり、近場でも構わないので、泊りがけで温泉旅行に行き、日常生活から離れて気持ちをスッキリさせることも良いでしょう。

リラクセーション型・その他コーピングの実践方法

リラクセーション型コーピングとは、ヨガを行ったり、ストレスに効果的な呼吸法や自律訓練法を実践したり、アロマなどを使って、ストレスに対処する方法です。特に、身体に現れる肩こりや頭痛などのストレス反応に効果が高いといわれています。なかでも、有効なのが呼吸法のひとつである腹式呼吸です。腹式呼吸を2分程度行うことで、自律神経のバランスを整えることが期待できます。

ストレスコーピングを実行するときの2つのポイント

ストレスコーピングは、ストレスを軽減させるために有効な方法として注目されています。より高い効果を得るために、ストレスコーピングを実行するときの2つのポイントをご紹介します。

問題全体を把握するために人へ相談する

私たちがストレス状態にあるときは、心身のバランスが崩れ、正常な判断ができない場合も多いものです。そのため、ストレスコーピングを実践しようと思っても、頭の中が整理できずに、どのように進めて良いのか現状を客観的に把握できないこともあるといわれています。

ストレスコーピングを実践する前は、家族や親しい友人、カウンセラーなどの専門職者に、自分が現在苦しんでいるストレス状況を伝え、じっくりと話を聞いてもらいましょう。そうすることで、第三者の意見を参考にできますし、冷静に自分の抱えている問題を整理するきっかけにも繋がります。

問題を解決したいという意識をもつ

ストレスを抱えており、それを何とかしたいと思っていても、ただ漠然と感じているだけでは前向きな解決には至らない場合もあります。ストレスコーピングを実践するには、「自分自身が問題を解決するのだ」という強い意志を持ち、感じているストレスをしっかりと自覚することが大切です。曖昧な気持ちではなく、素直にストレス対策に向き合おうという気持ちが、効果の有無を左右することも覚えておきましょう。

私たちの日常生活には、人や物、環境など多種多様なストレッサーが存在しています。私たちがそのストレッサーを受けストレスを感じてしまうことは、決してめずらしいことではなく、当たり前のことだとも言えるのです。「ストレスを感じるのは、自分が弱いせいだ」と考えずに、ストレスのメカニズムをしっかりと理解し、上手にストレスコーピングを活用することで自分の心と身体を守っていきましょう。

監修者プロフィール

工藤倫子
CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)
国家資格キャリアコンサルタント
産業カウンセラー
全米NLP協会認定プラクティショナー

1993年大手化粧品メーカー入社。営業全般にわたる経験と知識を習得。その後3年間の専業主婦期間を経て、キャリアカウンセラーとして2004年人材開発会社入社。
年間100校以上の学校で講演活動をするなど、若者の就職支援に携わる。
2010年キャリアカウンセラーとして独立。教育現場を対象としたキャリア教育事業を国内外で精力的に展開。キャリアカウンセラーの育成、企業や行政機関での講演・研修など業務は多岐にわたる。これまでの講演・セミナー受講者は5万人を超える。
2012年青森県総合計画審議会委員「教育・人づくり部門」就任。
電子書籍「何も持っていない」と思っているあなたへ出版。二児の母でもある。