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DAY 2017.12.12 ライフ

アンガーマネジメントとは?怒りのタイプと沈め方のスキルを学ぼう

仕事中にイライラしてしまうことはありませんか?そのような「怒り」の感情をコントロールするスキルがアンガーマネジメント。自分の怒りのタイプとその沈め方を知れば、今よりもっとポジティブに仕事と向き合えるはずです。アンガーマネジメントについて解説します。

アンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントとは、人間が抱える混沌とした怒りや悲しみ、劣等感などを自分の中で整理し、その状況を客観的に見ることで、怒りなどの強い気持ちが生じても、それを適切にコントロールし、問題解決を図るというスキルのことを言います。

アンガーマネジメントを身に付けていないと、周りに八つ当たりしたり、自分を理解してくれない相手へ威圧的な態度を示したりなど、適切でない行動をしがちになります。特に、職場においては、さまざまな人間関係が行き交う場所ですので、このスキルを身に付けることで、大いに役に立つことでしょう。

心理学における「怒り」のメカニズムとは?

私たちが日常生活を送る中で、怒りを感じる瞬間は度々あります。怒りを感じると、自分自身も穏やかな気持ちではなくなってしまいます。しかし、怒りの感情は「自分を守るための感情」だと心理学の中ではいわれています。

怒りを発する前に、私たちは悲しみや悔しさ、不安などの感情を心の中に蓄積する仕組みを持っています。しかし、その容量を超えてしまうと、それらの感情を含んだ「怒り」として表にあふれ出てしまうのです。怒りの根底には、複雑に絡み合った悲しみや不安などという感情が存在します。そのため、これらの感情が容量に達しても、怒りを表現できないとストレスが溜まり、心身に悪影響を与えることになります。怒りは、心の中にある混沌とした思いを発散し、防衛反応の役割を持つという側面もあるのです。

アンガーマネジメントの意味

アンガーマネジメントとは、「怒りをコントロールするスキル」のことです。英語で言うと、「アンガー」は怒り。「マネジメント」は管理するという意味になります。アンガーマネジメントのスキルは、1970年代のアメリカで発祥し、怒りの感情と上手に付き合っていくメソッドとして注目されました。このメソッドが大切にしている点は、怒らないようにするのではなく、「怒るべき部分に怒り」、「怒る必要のない部分には怒らない」と区別をすることです。
怒りに対する適切な態度を取ることを目標とし、近年の日本でも、この考え方が注目され、企業研修などにアンガーマネジメントを取り入れる企業が増加しています。

アンガーマネジメントの効果

アンガーマネジメントを身に付けることで、家庭や職場など人と人の感情が触れ合う場所で、効果が発揮されることが期待されています。たとえば、小さな子どもの育児に奮闘する親は、子どもが言うことを聞かないと、すぐに叱りつけてしまいがちです。しかし、自分の怒りをコントロールする術を持っていれば、怒りを感じたときに即座に怒りを表すことが効果的ではないということが理解できるようになります。だからこそ怒りを感じても、その怒りをトーンダウンさせ、子どもがなぜ言うことを聞いてくれないのかを、穏やかに尋ねることも可能になります。

また、職場は仕事の納期や他者とのコミュニケーションなどが必要とされ、家庭以上にアンガーマネジメントのスキルが必要となることもあります。

たとえば、部下に依頼した仕事を確認したら、「他に急ぎの仕事があり、まだ対応できていません」といった返答があったとします。それを知ったあなたは、「納期が迫っているのに、なぜまだ対応していないんだ」と怒りを感じたとします。
しかし、アンガーマネジメントを身に付けていた場合、「部下に仕事を依頼しすぎた」「マネジメントが甘かった」といった別の視点を持つことができます。
自分の一方的な理想が絶対的ではないことを理解しつつ、「部下が仕事をしやすいように変えるには何が必要なのか」といった考え方の幅を広げることができ、怒りの感情を沈静化することもできるようになるのです。

【実践】アンガーマネジメント診断

怒りをコントロールするといっても、怒りを感じる理由は人それぞれです。そのため、アンガーマネジメントを身に付ける前に、自分がどのようなときに怒りを感じやすいかを理解することが重要です。アンガーマネジメント診断を行うことで、自分の怒りのタイプが見えてきます。

あなたの「怒り」はどんなタイプ?

怒りのタイプを知ることにより、具体的に何をどうコントロールすることが効果的なのかが見えてくることでしょう。
以下の12個の質問に点数で答え、最後の計算式に当てはめてみてください。

【質問】

  • Q1. 世の中には尊重すべき規律があり、人はそれに従うべきだ
  • Q2. 物事は納得いくまで突き詰めたい
  • Q3. 自分に自信があるほうだ
  • Q4. 人の気持ちを誤解することがよくある
  • Q5. なかなか解消できない、強いコンプレックスがある
  • Q6. リーダー的な役割が自分に合っていると思う
  • Q7. たとえ小さな不正でも見逃されるべきではない
  • Q8. 好き嫌いがはっきりしているほうだ
  • Q9. 自分はもっと評価されていいと思う
  • Q10. 自分で決めたルールを大事にしている
  • Q11. 人の言うことをそのまま素直に聞くのが苦手だ
  • Q12. 言いたいことをはっきりと主張すべきだ

【点数】

  • まったくそう思わない・・・1点
  • そう思わない・・・2点
  • どちらかと言うとそう思わない・・・3点
  • どちらかと言うとそう思う・・・4点
  • そう思う・・・5点
  • すごくそう思う・・6点

【計算式】

  • Q1+Q7 の合計点が1番高い→ 「公明正大」タイプ
  • Q2+Q8 の合計点が1番高い→ 「博学多才」タイプ
  • Q3+Q9 の合計点が1番高い→ 「威風堂々」タイプ
  • Q4+Q10 の合計点が1番高い→ 「外柔内剛」タイプ
  • Q5+Q11 の合計点が1番高い→ 「用心堅固」タイプ
  • Q6+Q12 の合計点が1番高い→ 「天真爛漫」タイプ

合計点数が1番高かったものが、あなたの怒りのタイプだと言えます。同じ合計点があった場合は、どちらの性質も持っている可能性があるといわれています。

■公明正大タイプ

【特徴】
自分の考え方や信念を大切にし、定めた目標に向かって努力するタイプです。正義感が強く、道徳心も高いので、他人から頼りにされるという長所を持ちます。しかし、それゆえにルール違反や規則に従わない人を見ると、怒りが沸き、公共の場でも迷わず介入する場合もあります。
【イライラを減らすコツ】
道徳観や規範を大切にするタイプであるがゆえに、周りのちょっとした不正も許せないことが短所だと言えます。自分の価値観と他人の価値観は違うのだということを意識しましょう。また、自分の中のルールや規則を押し付けることなく、他人の考え方を受け入れるという寛容さを身に付けましょう。

■博学多才タイプ

【特徴】
向上心が高く、何事も挑戦しようという前向きなタイプ。完璧を追求し、困難な状況下でも物事をやり遂げようとする点が長所です。しかし、完璧主義が災いして、自分にも他人にも厳しくなりがちです。優柔不断な人や考え方が違う人に対して、怒りを感じることが多いといわれています。
【イライラを減らすコツ】
物事に対して意欲的に取り組み、自分自身を成長させるのは素晴らしいことですが、周りには、それができる人ばかりではありません。白か黒ではなく、中間もあって良いのだという意識を持ち、価値観が違う人に対する視野を広げると良いでしょう。

■威風堂々タイプ

【特徴】
自分に自信を持ち、リーダー的素質を兼ね備えるタイプです。頼りがいのある雰囲気に憧れの目で見られるときもあります。しかし、プライドが高く、思い描いていた方向に物事が進まなかったり、自分への評価を低くされたりすると怒りやストレスを感じます。
【イライラを減らすコツ】
自分に自信があることはプラスにも働きますが、その自信がゆらいでしまうかのような出来事に遭遇することもあります。そのときに、「自分自身を否定された」と思うのではなく、その状況の「最善の判断が採用された」と捉えましょう。また、他の人が評価されたからと言って、自分自身の評価が下がるわけではありません。

■天真爛漫タイプ

【特徴】
自分の気持ちを正直に伝えることができ、行動力もあるため、人から羨ましがられる存在であることも多いタイプです。ただ、素直すぎてストレートな物言いをし、空気を読むことが苦手なので、制限がかかる状況に身を置いていると、不満やストレスを感じてしまいます。
【イライラを減らすコツ】
自分の気持ちに正直に、勢いで行動することも多いため、一旦立ち止まって考えたり、他人の意見を聞いたりすることを心がけることが大切です。また、自分の意見を伝えることが美徳とは限らないということもあります。一旦相手の意見に従う方が上手くいくケースもある、ということを意識しておきましょう。

■外柔内剛タイプ

【特徴】
外見は穏やかに見えますが、確固たる自分の意思を持っているタイプです。自分の決めたことはやり通すことを信条にしていますが、その雰囲気ゆえに、他人から何かを頼まれることも多くなりがちです。したくないことをしなくてはならなかったり、自分のルールに反している物事に出会ったりするとストレスの原因となり、ささいなことで怒りが生じることがあります。
【イライラを減らすコツ】
自分自身の信条を持っているため、それに合わない事を行うのが苦手です。しかし、自分の信条を緩やかにすることで、他人への怒りが軽減する可能性も高いです。また、誰かに何かを頼まれても、それを制限したり、自分のためのストレス発散法を見つけたりすることで、心が安定する場合も多いでしょう。

■用心堅固タイプ

【特徴】
真面目な性格で、物事を自分自身で客観的に判断できるタイプです。慎重に行動するため、冒険は好みませんが、周りに頼ることが苦手なため、ストレスが溜まることが多いのが特徴です。また、他人にレッテルを貼りがちで、自分と比較することで、ねたみや怒りの感情を感じることもあります。
【イライラを減らすコツ】
冷静に物事を見ることは大切ですが、他人を信用することができないと交友関係がスムーズに進まないことが多々出てきます。他人への思い込みを避け、時には周りに頼ることを心がけると、他人との距離も縮まり、楽になることができるでしょう。

今日からできるアンガーマネジメントの3つのテクニック

自分の怒りのタイプが理解できたら、その怒りを上手にコントロールするためのテクニックを獲得して行きましょう。アンガーマネジメントのテクニックは、「衝動」「思考」「行動面」に焦点を当てた消化方法があります。

テクニック1:イライラしたら6秒待つ

怒りは衝動的に出現しがちですが、この衝動性をコントロールすることで、ストレスを避けることが可能となります。怒りが生じたとき、そのピークは6秒だと言われています。そのため、6秒を過ぎると、怒りの衝動性は収まってきます。怒りを感じたとき、6秒以内に行動を起こしてしまうと、「物に当たって壊す」「相手に酷い言葉を言ってしまう」など後悔する結果となってしまうのです。

しかし、怒りを感じたときに6秒待つということは大変なことでもあります。慣れるまでは、その6秒をやり過ごすために、怒りの詳細を紙に書き出すことがおすすめです。また、深呼吸をして心を落ち着かせたり、その場を一旦離れるなどの行動をするのも良いでしょう。

テクニック2:「~するべき」の境界線を広げる

怒りが生じたときに、6秒間待つことができるようになったら、次のステップに進みましょう。
私たちは、怒りを感じるときに感情面だけではなく、思考面も密接に関連していると言われています。なぜなら、私たちの多くは、「~するべき」という自分の中の価値観を持っており、他人がその考えと異なっていると、怒りを覚えるものなのです。

そのため、自分が考える「~するべき」と他人が考える「~するべき」には、ギャップが存在し、理解することが重要です。そして、相手の価値観に対して、自分と違う考え方もあることを発見し、何もかも100%を求めないという考え方を持つことが大切です。

テクニック3:自分でできることに注力する

怒りを感じたときに、「6秒待つ」と「~するべき」という自分の価値観の境界線を広げることができるようになったら、自分の行動面に気を配ることに注力することが重要です。
つまり、自分で行動できることにのみ目を向け、自分の力で行動のコントロールができない事柄には、エネルギーを使わないようにするのです。

たとえば、何らかの事故で電車が遅れると、イライラすることもあるでしょう。しかし、これは自分でコントロールできる問題ではありません。自分の力でコントロールできない事柄に怒りを感じても、無駄なエネルギーとなります。このことをスムーズに理解できるようになれば、怒る必要がない場面では怒らないということができるようになります。

「アンガーマネジメント」おすすめの本

アンガーマネジメントを獲得する際には、文字で理解することも効果的です。アンガーマネジメントに関する出版物はさまざまなものがありますので、初めて学ぶ方にも分かりやすい本をご紹介します。

アンガー・マネジメント―アメリカ・エグゼクティブの間で爆発的に普及!イライラ、ムカムカを一瞬で変える技術 安藤俊介著

ストレスが多いビジネスマン向けに、アンガーマネジメントを学び、そのスキルをさまざまなシーンで発揮できることを目的とした著書。怒りを感じたとき、自分の気持ちの伝え方や、それをどうやって相手に正しく伝えれば良いのか、などのセルフマネジメント法が記載されています。
怒りの日記の付け方も掲載されており、実用的な1冊です。

いつも怒っている人も うまく怒れない人も 図解アンガーマネジメント 戸田久実著

怒りをコントロールするアンガーマネジメントについて、図解を入れて分かりやすく解説した当著書。上記の本に比べ、ビジネスマンだけを対象とせず、老若男女の幅広い世代に対応できる内容となっています。字が大きめで挿絵が多いことから、忙しい方でも短時間で読むことができてしまうのも嬉しいですね。「イライラが解消した!」と読者の喜びの声も高い評判の本です。

まとめ

私たちには、喜怒哀楽の感情があります。それは生きるうえで必要な感情で、ときには怒りも重要なエネルギーとなり得ることもあるといわれています。しかし、不必要な怒りは、自分の気持ちを苦しめるだけではなく、他人との関係も壊してしまうことが多いものです。アンガーマネジメントを身に付け、上手に怒りをコントロールし、自分も他人もストレスが溜まらない生き方を目指しましょう。

ライタープロフィール

久木田(くきた)みすづ 精神保健福祉士・社会福祉士

福祉系大学で心理学を専攻。
卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんや、その家族に対するカウンセリング、ソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。
現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。