ビジネスにおいて「イニシアチブ」とは、自ら率先して行動しリーダーシップを発揮することを指します。イニシアチブをとることは、ビジネスで成功するための重要な要素です。この記事では、イニシアチブの具体的な意味を掘り下げ、ビジネス・政治・スポーツシーンで実際にどう活用されているのかを解説します。記事後半ではイニシアチブの重要性やイニシアチブをとる方法もまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
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1 イニシアチブとは
「イニシアチブ」は「主導権」を意味する言葉です。多くの人が集まる組織や団体の中でよく使用される言葉ですが、具体的な意味を理解していない方も多いのではないでしょうか。ここでは、ビジネスと英語におけるイニシアチブの詳しい意味を解説します。
1.1 ビジネスにおける「イニシアチブ」の意味
ビジネスにおいてイニシアチブは、「主導」「先導」「率先」「自発」を意味し、「主導権を握り、行動を起こすこと」を指します。他者を待つのではなく、自ら提案して行動するのがイニシアチブです。
ビジネスシーンでは変化に迅速に対応し、自ら行動する姿勢が求められるため、イニシアチブが重要視されています。イニシアチブには、そのほかにも「構想」「戦略」「計画」「やる気」という意味があるため、シーンに合わせて使い分ける必要があります。
1.2 英語の「initiative」の意味
イニシアチブは英語で「initiative」と表記し、「先導」「手始め」「企業心」「独創力」「主導権」などの意味があります。「イニシアティブ」と発音しますが、「イニシアチブ」とは表記の違いだけで意味に違いはありません。
2 イニシアチブの類語
ここでは、イニシアチブと同じような意味を持つ類語を紹介します。イニシアチブとよく似ていても、若干意味が異なる言葉もあるため使用の際は注意しましょう。
2.1 リーダーシップ
目標を達成するために、他者を導く能力や行動を指します。リーダーシップは他者を導くことに重点が置かれており、チーム全体の成果が常に意識されます。
一方、イニシアチブは個人の積極性を示す言葉であり、自己主導的な行動に焦点があてられています。リーダーシップが必要とされる場面ではイニシアチブも重要ですが、イニシアチブは必ずしもリーダーシップを伴うわけではありません。
2.2 主導
物事の方向性を決定し、他者を導くことを指します。具体的には、主導的な立場にある人が中心となって物事を進め、影響力を持つことです。
イニシアチブも自らが自発的に行動するという点では同じですが、主導が他者を引っ張る側面が強いのに対し、イニシアチブは自分から進む姿勢を示すという点で若干の違いがあります。
2.3 率先
率先はイニシアチブと同様、リーダー的立場でなくとも自ら進んで行動することを指します。ただし、実際に一歩先に進んで見本を見せ、他者を追随させようとする意思を含んでいる点は、イニシアチブと異なっています。
2.4 積極的
物事に対し前向きに取り組むことを指します。個人が物事に進んで関わったり、自ら新しいことにチャレンジしたりする姿勢を意味します。
積極的もイニシアチブも、自発的に行動を起こすという点では共通していますが、積極的が個人の行動に焦点を当てることが多いのに対し、イニシアチブは個人に加えて組織や団体の行動も含んでいる点が若干異なります。
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3 イニシアチブの対義語
イニシアチブとは反対の意味である対義語には、以下のような言葉が挙げられます。
- 追従
- 追属
- 従属
- 受け身
これらの言葉には、いずれも「自ら行動せず、他者の指示や状況に従って行動すること」「主体的な意思を持たず、他者の後について行くこと」といった意味があるため、イニシアチブの対義語として使用できます。
4 ビジネスシーンでの「イニシアチブ」活用例
ここからは、実際にビジネスシーンでイニシアチブがどのように活用されているのかを見ていきましょう。それぞれ具体例を挙げながら説明します。
4.1 イニシアチブをとる
「イニシアチブをとる」という表現は、膠着した会議や課題の多いプロジェクト遂行の際によく使用されます。イニシアチブをとる人が方向性を定め、チームの成功に向けた流れを作る重要な役割を果たします。
- 彼はプロジェクトでイニシアチブをとり、チーム全体をまとめた
- リーダーとして、イニシアチブをとることが求められる
- 経営改善のため、トップがイニシアチブをとって変革を進めている
- 会社のビジョンを明確にするため、経営陣がイニシアチブをとるべきだ
- 変化を恐れず、若手社員がイニシアチブをとって意見を発信した
4.2 イニシアチブをもつ
「イニシアチブをもつ」は、他人に先んじて行動し、物事を主導することを指します。ただし、「イニシアチブをとる」よりも、やや強固で圧力が強い印象を与えます。
- チーム全員がイニシアチブをもつことで、スムーズな進行が実現できた
- 部門間の調整でもイニシアチブをもつ姿勢が信頼を得ている
- 新人の育成にもイニシアチブをもつ姿勢が重要だ
- チームリーダーは、常に全員の意見を尊重しつつイニシアチブをもって進める
- 部下たちは上司のイニシアチブをもつ姿勢に刺激を受けている
4.3 イニシアチブを発揮する
「イニシアチブを発揮する」とは、他者を巻き込みながら積極的に行動し、周囲をリードしていくことです。「リーダーシップを発揮する」と同様の意味で使用されます。
- 彼は困難な状況でも冷静にイニシアチブを発揮し、全員を引っ張った
- 会議ではイニシアチブを発揮して議論をリードした
- 問題が発生した際、彼女は迅速にイニシアチブを発揮し、解決に向けた行動を取った
- 上司の指示を待たず、彼は自主的にイニシアチブを発揮し、作業を効率化した
- プロジェクトの遅延を防ぐために、彼は進捗管理でイニシアチブを発揮した
4.4 戦略的イニシアチブ
「戦略的イニシアチブ」とは、企業が目標を達成するために立案・実行する具体的な施策のことです。ここでのイニシアチブは、「構想」「戦略」「計画」といった意味があります。
- 当社は成長市場におけるシェア拡大を目指し、戦略的イニシアチブを打ち出しました
- 戦略的イニシアチブの一環として、新製品の開発と販売チャネルの強化を進めています
- チームは戦略的イニシアチブに基づき、デジタルマーケティングの施策を実行しました
- 戦略的イニシアチブを立案し、次の四半期に向けたリソースの配分を見直しました
- 戦略的イニシアチブのもと、サステナビリティへの取り組みを企業全体で強化しています
5 ビジネスでイニシアチブが重要視される理由
ビジネスでは、なぜイニシアチブが重要視されるのでしょうか。ここでは主な理由を3つ紹介します。
5.1 問題の早期発見や解決につながる
イニシアチブをもつ人は、自分から進んで行動し周囲の状況をよく観察します。問題を早期に発見して対策を講じられるため、トラブルが大きくなる前の迅速な対処が可能となります。
また、困難な問題に直面した際、イニシアチブをとる人が現れることで進むべき方向性が決まり、問題解決が早まる可能性もあります。このように、イニシアチブは組織全体の柔軟性や対応力を高める要素として非常に重要です。
5.2 組織が活性化しやすくなる
例えば、膠着した会議にイニシアチブをとる人が現れると、議論の方向性が変わったり他のメンバーが刺激を受けたりして、積極的な意見が交わされるようになる場合があります。
さらに、チーム全体の士気が下がっている場面でも、イニシアチブをとる人の行動が周囲を前向きにして、組織の活性化が促進される効果も期待できます。
5.3 ビジネスチャンスが広がる可能性がある
イニシアチブをとる人の積極的な行動や迅速な意思決定が、ビジネスチャンスを広げる可能性があります。また、イニシアチブをとる人はリスクを恐れず新しいことに挑戦する傾向があるため、革新的なアイデアが生まれることも期待できます。
さらに、企業の中にイニシアチブを取る人がいることで全体が前向きになり、社員自らが率先してビジネスチャンスを探すようになるでしょう。
6 ビジネスでイニシアチブをとる方法
イニシアチブには多くのメリットがあることがわかりましたが、実際にイニシアチブを発揮するにはどうすればいいのでしょうか。ここでは、ビジネスでイニシアチブをとる具体的な方法を5つ紹介します。
6.1 積極的にアイデアを提案する
イニシアチブを取るには、失敗を恐れず積極的に自分のアイデアを提案することが大切です。膠着した場面で声を挙げるのは勇気がいることですが、そんなときこそイニシアチブが求められます。
新しいアイデアを提案することで他のメンバーに刺激を与え、問題を打破するきっかけになるかもしれません。まずは、自分の考えをしっかり持ち、状況に応じた解決策や新しい方向性を示すことを意識しましょう。
6.2 問題には迅速に対応する
迅速な対応はトラブルの拡大を防ぎ、解決策を早期に見出すことにもつながります。また、素早い行動は他のメンバーに良い印象を与え、チーム内での存在感を高めることもできるでしょう。
さらには、チーム全体の士気をアップさせたり、企業の利益に貢献したりする効果も期待できます。周囲からの信頼を得られる迅速な対応は、イニシアチブを発揮する上で不可欠な要素と言えます。
6.3 質問を予想し回答を準備する
会議やプレゼンテーションでイニシアチブをとりたい場合は、想定される質問の回答をあらかじめ準備しておきましょう。相手の質問に対して自信を持って答えられれば、信頼性を高め、主導権を握ることができます。
また、常にこういった準備をしておくことで、予想外の質問にも柔軟に対応できるようになり、より建設的な議論に発展させることも可能です。
6.4 新しいスキルや知識を習得する
時代の変化に対応するためには、常に最新の知識や技術を習得し続ける必要があります。新しいスキルを身につけることで、自分自身の能力を高め、アイデアの幅も広げられるでしょう。
また、豊富な知識は自信にもつながり、他者に対して説得力を持って提案を行えるようになります。「イニシアチブをとって周囲から認められたい」「イニシアチブを発揮して活躍の場を広げたい」という方は、学び続ける姿勢を持つことが大切です。
6.5 リスクマネジメントを徹底する
イニシアチブをとった結果、「思ったような成果があげられずに損失を出してしまった」「反対意見が多くて逆に孤立してしまった」というケースもあります。実際このようなリスクを恐れて、イニシアチブを発揮できないという方も多いかもしれません。
そのため、イニシアチブをとる際に想定されるリスクを事前に把握し、あらかじめ対策を講じることが大切です。リスクマネジメントを徹底することで、失敗を恐れず思い切って行動を起こすことができます。
7 政治とスポーツでの「イニシアチブ」活用例
イニシアチブは、ビジネスシーン以外でも活用されています。ここでは、「政治」と「スポーツ」におけるイニシアチブの活用例を紹介します。
7.1 政治における活用例
政治におけるイニシアチブは、特定の政策を推進するための「構想」や「提案」を指します。また、立法に関する提案を国民が発起し、それを政治的に実現しようとする「国民発案」という意味もあります。具体的な活用例は以下のとおりです。
- 政府は、環境問題に対処するために新たなイニシアチブを打ち出した
- 野党は、経済政策に関する新しいイニシアチブを提案した
- 首相は、雇用創出を目指す新しいイニシアチブを発表した
7.2 スポーツにおける活用例
スポーツにおいては、「試合で主導権を握ること」「有利な状況になること」「攻撃的な姿勢で積極的に攻めること」などの意味があります。また、ビジネスと同じく「主体性」という意味で使用されることもあります。具体的には、以下のように使用されます。
- 先制点を奪ったことで、試合のイニシアチブを握った
- 早めにイニシアチブをとることが勝利の鍵である
- レギュラーになるには、イニシアチブを持ち続けなければならない
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8 まとめ
イニシアチブとは、自発的に行動を起こす能力や姿勢を指します。ビジネスにおいては、問題の早期解決や組織の活性化のため、イニシアチブが重要視されています。
組織の中で存在感を発揮するには、失敗を恐れず新しいアイデアを提案したり、質問の答えを事前に準備したりして、イニシアチブをとっていくことが重要です。組織に刺激を与え、業務を効率的に進めるためにも、自信を持ってイニシアチブを発揮しましょう。
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