役不足の正しい意味や使い方とは?「力不足」との違いや例文を紹介

役不足の正しい意味や使い方とは?「力不足」との違いや例文を紹介

役不足とは、その人の能力に対して与えられた役目が軽すぎることを意味します。しかし、「役不足=力不足」と認識する人も多く、誤用されやすい言葉の1つです。

本記事では、役不足の正しい意味や使い方、力不足との違いなどを例文付きで紹介します。

ビジネスシーンで活用できるように、正しい意味や使い方を把握しておきましょう。

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1. 役不足の正しい意味

役不足とは、その人の能力・力量に対し、与えられた役目が不相応に軽いことを意味します。

しかし、「自分の能力に対して役目が重い」と真逆の意味でとらえている人も多いようです。

文化庁が実施した「国語に関する世論調査」によると、役不足を本来の意味ではなく「本人の力量に対して役目が重すぎること」として理解している人が過半数を占めていることが明らかになりました。

意味回答者の割合(平成24年度)回答者の割合(平成18年度)
(ア)本人の力量に対して役目が重すぎること 51.0% 50.3%
(イ)本人の力量に対して役目が軽すぎること 41.6% 40.3%
(ア)と(イ)の両方
2.5%
2.9%
(ア),(イ)とは全く別の意味
1.6%
0.3%
分からない
3.4%
6.2%


また、年齢別に見ると、30代、50代、60歳以上の人が本来の意味ではない「(ア)本人の力量に対して役目が重すぎること」と回答していました。

【出典】文部科学省「平成24年度「国語に関する世論調査」の結果の概要」
【出典】文部科学省「平成18年度「国語に関する世論調査」の結果について」

post1039_img1.png【関連記事】「知らないと赤っ恥!?今日から役立つビジネス用語集」

2. 力不足・分不相応との違い

力不足とは、その人の能力に対して役割が重すぎることを指すため、役不足とは反対の意味を持ちます。

役不足は、力不足と混同されやすいため、「役不足=能力より役割の方が重い」と認識され、誤用されるのでしょう。

続いて、分不相応とは、自分の立場や能力にふさわしくないことを表す言葉です。

役不足はふさわしくないものの対象が仕事の役割・役目であるのに対し、分不相応は、支出や生活、行動、持ち物などを指します。

また、金銭的に余裕のない人が贅沢をしている状態を表現するときに「分不相応」が使われる傾向にあります。

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3. 役不足と似たような意味を持つ言葉

役不足と似たような意味を持つ言葉を4つ挙げて、それぞれの正しい意味や例文を紹介します。

3.1. 不満足

不満足とは、心が満たされていないことを意味します。不満足は、役割や待遇などに関して、納得できない時に使用することが可能です。

例文)待遇が不満足であるため、辞退します。

3.2. 不十分

不十分とは、「不足している」「満足できない」ときに使う言葉です。

役不足と同じように「その仕事は彼女の能力に対して不十分だと思います。」といった使い方ができます。

役割と実力が見合わないときにも使えるので、役不足では誤解を招く可能性がある際には「不十分」という言葉を活用しましょう。

例文)その待遇では不十分だと思います。

3.3. 朝飯前

朝飯前とは、物事を簡単にこなせる状態を表す言葉です。「朝食前のわずかな時間かつ空腹で体力もない状態でもこなせる」ことを表しています。

自分の能力に見合わないほど簡単な業務を引き受けたときに、使うこともあります。

例文)この業務は私たちにとって朝飯前ですので、5分あれば完了します。

3.4. 不服

不服とは、納得できずに不満に思うことを意味します。相手の言動に対して、納得がいかないときに使う言葉です。

例えば、ビジネスシーンでは、自分の能力が正当に評価されずに、降格処分を受けたというような場合に「不服に思う」という表現をします。

例文)上司の決定に対して不服に感じています。

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4. 役不足の間違った使い方

役不足は、誤用されやすい言葉の1つですので、間違った使い方をする人も多いです。ここではよくある役不足の誤用について例文とともに解説します。

例文)私はまだ未熟なため、このような仕事は役不足だと思います。

例文)私には役不足ですので引き受けられません。

例文)このプロジェクトは私には役不足ですが、成功できるように尽力いたします。

上記のように力不足や荷が重い、実力不足といった意味合いで使う人も多くいます。反対の意味を持つため、ビジネスシーンで使用する際には注意をしましょう。

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5. ビジネスシーンで使う「役不足」の例文

役不足はビジネスシーンで使われる傾向にあります。ここでは、正しい活用方法を例文と一緒に紹介するので、「役不足」という言葉を発する前にチェックしておきましょう。

例文)このような仕事をお願いしてしまい、役不足で大変恐縮です。

例文)彼女にとってこの仕事は役不足です。

例文)私にこの仕事は役不足なため、お断りします。

役不足は下記のようなシーンで使うことができます。

● 実力よりも軽い仕事を依頼するとき
● 仕事が実力を下回っていると感じたとき
● 役職が不適切であると伝えるとき
● 正当な仕事を割り振って欲しいとき
● 与えられた仕事に不満を感じているとき

ビジネスシーンにおいて、不適切な仕事や役割を与えられることは珍しくありません。

自分が不満を感じているときはもちろんのこと、他者により正当な仕事を割り振りして欲しいときにも使える便利な言葉ですので、正しい使い方を押さえておきましょう。

【関連記事】「【例文付き】「ご査収ください」の意味と正しい使い方--類語や言い換え方も解説」

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6. まとめ

役不足とは、その人の能力に対して、役割が不相応に軽いことを意味します。

文化庁の調査によると、役不足を力不足として捉えている人の割合が過半数を占めていました。このように役不足は、誤用されやすい言葉の1つですので、目上の人に使う際には注意が必要です。

ビジネスシーンで活用できるように正しい意味と使い方を理解しておきましょう。

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