正確な営業日報は企業に対し様々なメリットをもたらします。しかし、給与アップ研究所がこのほど実施した「営業日報管理に関する調査」によると、チームでの日報は「活動報告レベル」と答えた担当者が約4割に上ることがわかりました。
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調査は2022年11月18日~20日、「日報」運用がある企業(従業員数100人以上規模)に勤める、直属の部下が5人以上の営業部の課長・マネージャーを対象にインターネット上で行われ、111人から有効回答を得ました。
1.営業日報、約4割が「活動報告レベル」
マネジメントしているチームでは、どのようなレベルの日報になっているか尋ねたところ、「レベル2|活動報告レベル(例:商談内容等の営業活動の報告)」が最も多く38.7%でした。
以下、「レベル3|上司・会社に対する報告・連絡・相談レベル」が24.3%、「レベル4|具体的な期日や行動目標が設定され、部下自身で日次PDCAが回せるレベル(個人の行動改善レベル)」が20.7%、「レベル5|上司・会社側との相互やり取りが発生し、チーム・部署全体の改善が進むフィードバックシステムが機能しているレベル(チームの行動改善レベル)」が9.0%、「レベル1|就業時間管理レベル(例:業務内容の羅列)」が5.4%と続きました。
(【画像出典】給与アップ研究所プレスリリース)
「レベル1・レベル2・レベル3」と答えた人に、日報業務を遂行する中で課題となっていることを聞くと、1位「日報提出自体が目的となっており、形骸化している」(56.6%)、2位「日報記載時間そのものが業務時間の圧迫や残業に繋がっている」(26.3%)、3位「日報提出がまばらであり、ルールが守られていない」(21.1%)となりました。
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2.部下の業務、4割超が「スケジュール把握はしているが、MTGや商談のみ」
部下の業務の把握状況(レベル1~5)を質問すると、「レベル2|スケジュール把握はしているが、MTGや商談のみとなっている」が最も多く45.0%。次いで「レベル3|タスク・Todoレベルまでスケジュールを把握できている」が27.0%、「レベル1|スケジュール把握はしておらず、結果/成果のみを把握している」が14.4%となりました。
(【画像出典】給与アップ研究所プレスリリース)
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3.部下の目標設定、6割超が「会社・上司と部下が双方協議」
部下一人ひとりに合わせた目標設定状況については、「レベル4|会社・上司と部下が双方協議し、合意された目標(成果)が設定されている」が30.6%、「レベル5|会社・上司と部下が双方協議し、合意された目標(成果と行動プロセス)が設定されている」が21.6%などとなり、6割超が会社・上司と部下が双方協議して合意された目標が設定されていると回答しました。
(【画像出典】給与アップ研究所プレスリリース)
また、部下の目標設定について、「個別に目標設定をしていない」「会社・上司から一方的に個別目標が設定されている」と答えた人のうち、「目標設定における部下の納得性は、仕事・業務のパフォーマンスを向上させる」と考えている人は71.1%に上ることがわかりました。
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4.まとめ
今回の調査では、半数以上の企業が「日報提出自体が目的となっており、形骸化している」といった課題を抱えていることが判明しました。企業を取り巻く環境が大きく変化している中、社員一人ひとりの生産性向上を図るためには、正確な業務管理や日報作成が求められているのではないでしょうか。
(【記事出典】給与アップ研究所「営業日報管理に関する調査」プレスリリース)
(記事執筆:御木本千春)