GAFAと呼ばれるGoogle、Apple、Facebook、Amazon、のような世界的なIT企業が日本から生まれないのはなぜか、常に議論となってきました。そうした現状も踏まえ、現在の日本社会ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が唱えられていますが、では実際、ビジネスの現場で、DXは進んでいるのでしょうか。
スキルアップAI株式会社(以下スキルアップAI)では、デジタル庁発足のタイミングに合わせ、日本企業のDX推進状況についてアンケート調査を実施。調査は2021年8月にオンラインで実施し、スキルアップAIの講座やイベントの参加者コミュニティ、一般社団法人日本ディープラーニング協会や日本マイクロソフト株式会社のコミュニティ、SNSなどで広く呼びかけ、回答件数は175件でした。
今回は、同社のプレスリリースにもとづき、調査結果の一部をご紹介します。
(※各設問より、「その他」の回答数を除いています)
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1.「ひとまずDX推進部やDX推進プロジェクトを立ち上げたものの、うまく進捗していない」
「あなたの職場(会社員の場合は勤務先企業、フリーランス等の場合はクライアント)ではDXを進めるべきだと思いますか」との質問には、「はい」が170、「いいえ」が3、という結果になりました(回答数 173件)。
回答者の実に98%が勤務先企業(またはクライアント)でDXを進めるべきと回答しています。
「あなたの職場(会社員の場合は勤務先企業、フリーランス等の場合はクライアント)で具体的にDXが進んでいますか。最も当てはまる選択肢を一つ選んでください」との質問には、「はい」が61、「DXのプロジェクトは立ち上がっているが進んでいない」が59、「DXは進められていない」が52、「過去に失敗してから進捗が止まっている」が0、との回答が得られました(回答数 172件)。
スキルアップAIでは、「一つ前の設問でほとんどの人が「DXを推進するべき」と回答する一方で、実際にDXが進んでいると回答している人は3割強にとどまっています」とした上で、「「DXのプロジェクトは立ち上がっているが進んでいない」という回答も3割強あり、ひとまずDX推進部やDX推進プロジェクトを立ち上げたものの、うまく進捗していない状況が推察されます」と分析しています。
2.DXのプロジェクトが進んでいない理由、「人材不足とノウハウ不足」が多数
さらに、「あなたの職場でDXのプロジェクトが進んでいない理由は何だと思いますか。最も当てはまる選択肢を一つ選んでください」との質問には、「人材不足」が53、「ノウハウ不足」が40、「他に優先するプロジェクトがある」が1、「必要性が無い」が7、「予算不足」が3、という回答結果となりました(回答数 115件)。
(【画像出典】スキルアップAIプレスリリース)
「一つ前の設問では多くの企業で思うようにDXが進められていないことがわかりましたが、その理由については、人材不足とノウハウ不足を上げる声が多くありました。予算不足の回答がとても少なかったことから、各企業においてDX推進を重要課題と位置付け、必要な予算措置は行える状況であることが推察されます」(スキルアップAI)。
3.DXの成功に必要な要素は「DX推進のビジョン」が最多、「トップのリーダーシップ」「組織全体のITリテラシー」が続く
さらに、「あなたはDXの成功に必要な要素は何だと思いますか。最も当てはまる選択肢を一つ選んでください」との質問には、「DX推進のビジョン」が53、「トップのリーダーシップ」が39、「組織全体のITリテラシー」が37、「組織風土」が21、「専門的な知見を持った人材」が19、という回答結果でした(回答数 169件)。
DXの成功に必要な要素としては「DX推進のビジョン」を上げる声が最も多く、次いで「トップのリーダーシップ」「組織全体のITリテラシー」と続きました。
スキルアップAIは、「このことから、一部の担当者だけが知識や意識を持っているだけではDXは進まず、トップがビジョンを示し、リーダーシップを発揮するとともに、社員全員でそれを受け止めるための基礎的なITリテラシーを持つことが必要と考えられてることが推察されます」としています。
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4.「自社のDX推進を社内の人材を有効活用することで実施していきたい」
「あなたはDXのプロジェクトをどのように進めてほしいと思いますか。最も当てはまる選択肢を一つ選んでください」との質問には、「意欲のある人の自己研鑽を支援する形で人材育成」が80、「担当部署の人材を法人研修等で育成」が34、「外部の人材を受け入れて推進」が29、「外部の専門企業やサービスを導入」が16、との回答結果が得られました(回答数 159件)。
(【画像出典】スキルアップAIプレスリリース)
DXのプロジェクトの進め方については、「意欲のある人の自己研鑽を支援する形で人材育成」が最も多く、次いで「担当部署の人材を法人研修等で育成」でした。このことから、「自社のDX推進を社内の人材を有効活用することで実施していきたいと考えられていることが推察されます」(スキルアップAI)。