【出戻り社員とは】必要とされる背景や従業員・企業のメリット・デメリット

仕事の悩み・転職

「勢いで転職したけれども、やっぱり前の会社が良かった」と転職後に感じ、前職を懐かしむという方は少なくないようです。退職した会社に戻るのは難しいと考えている方もいらっしゃると思いますが、近年では「出戻り社員」として前職の会社へ復帰する方も増えていると聞きます。

そこで今回は、出戻り社員が求められる傾向にある背景や、出戻り社員として復帰する事のメリット・デメリットなどについて解説していきます。

【関連記事】「仕事を辞めたいと思ったら誰に相談すればいい?相談する相手や注意点を紹介」

1.出戻り社員とは?

出戻り社員とは、過去に在籍していた企業で再び雇用された社員のことを指します。

例えば、「10年間勤めたA社を退職しB社に転職したものの、B社退職から2年後に再びA社に正社員採用された」といったケースです。

出戻り社員となる経緯としては、主に以下のようなケースが挙げられます。

  • 他社に転職したが、前職の魅力を再認識し戻りたいと思った
  • 自営業やフリーランスとして活動していたが、経済的な安定を求めて正社員に戻りたいと考えた
  • 育児に専念するために退職したが、育児が落ち着くなどして復職できる環境が整った


上記は従業員から見た際のケースですが、人材が必要になった企業側から元従業員へ復帰を打診するケースもあります。

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2.出戻り社員が必要とされている!?その背景とは

出戻り社員が求められる傾向にあるとされる背景には以下の3つの要因があります。

2.1.労働人口の減少

近年の日本では少子高齢化に伴う労働人口の減少が問題となっています。このような状況下で即戦力の人材を確保したいと考えた場合、出戻り社員を採用する事は理に叶っているといえます。

2.2.優秀な人材の確保秀

新しい人材を採用できたとしても、前の会社と同じように活躍できるかというと、実際に業務をしてみないと本当に活躍できるかは未知数です。

その点、出戻り社員であれば自社内の働き方がわかっているため、即戦力として活躍してもらうことができることが期待できます。

2.3.働き方の多様化

働き方改革の推進や、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、働き方の多様化が加速しています。

企業側も本当に必要な人材を獲得するために働き方の幅を広げているため、以前の社内制度では働き続けることが難しかった元社員に再び働くチャンスが生まれるといったケースも見られます。

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【関連記事】「【年俸制(ねんぽうせい)とは】月給・日給制との違いやメリット・デメリット、注意点」

3.出戻り社員のメリット

企業側従業員側それぞれの視点から考えられる出戻り社員のメリットについてご紹介します。

3.1.企業側

3.1.1.即戦力になりやすい

出戻り社員を採用することの最大のメリットは、即戦力になりやすい点です。

同じ会社ですでに実務経験があるため、短期間の研修、引き継ぎを行えば以前と変わらない活躍が期待できます。

ブランク期間があると今現在のやり方に慣れるまで時間はかかることもあるかもしれません。

しかし、社内事情を知り、既存社員との信頼関係を構築できている出戻り社員は重宝される可能性が高いです。

3.1.2.採用コストが削減できる

人材採用にかかるコストを削減できる点も、出戻り社員を採用するメリットの一つです。

求人サイトなどに広告を出す必要もなく、また採用後の教育コストも削減できるため、出戻り社員の受け入れは効率的な人材確保の手段といえます。

3.1.3. ミスマッチになりにくい

人材採用において懸念材料の一つとしてあげられる、ミスマッチの可能性が少ない点も、出戻り社員の採用のメリットといえます。

企業側は出戻り社員の仕事ぶりや人となりを、出戻り社員側は企業の社風や仕事のノウハウをそれぞれ理解していることが多いです。

したがって、ミスマッチにより業務に支障が生じたり、再び退職に至ったりというリスクが抑えられるでしょう。

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3.2.従業員側

3.2.1.すぐに採用してもらえる可能性が高い

出戻りをする従業員側のメリットの一つが、採用される可能性が高い点です。

企業側、出戻り社員側がお互いを理解していることが多いため、通常の採用プロセスよりも早い段階で進められる場合があります。

したがって、新規の企業へ転職活動するよりも短い期間で採用にたどり着ける可能性が高くなるでしょう。

3.2.2.自分が今まで学んできたノウハウが活かせる

同じ会社で培ってきたノウハウを活かせる環境で働ける点も、出戻り社員ならではのメリットです。

すでに実務経験があるため、多少のブランクがあったり業務プロセスに変化が生じていたりしても、すぐに慣れる可能性が高いです。

3.2.3.待遇が良くなる可能性がある

出戻り社員として再雇用される実質的なメリットが、以前働いていた時よりも好待遇を期待できる点です。

他業界などでの経験を経てスキルが向上していれば、評価に値する要素が増えていることになります。そうなればポジションや給与に反映される可能性があります。

また、「一刻も早く人材を確保しなければならない」という企業側の事情により好待遇が提示される場合もあるでしょう。

3.2.4.馴染みやすい

会社に馴染みやすい点も、出戻り社員のメリットです。

出戻り社員は社風や仕事の手法をすでに理解していることが多く、既存社員との関係性も構築された状況にあるケースが多い傾向にあります。

そのため、短期間で社内に馴染み、仕事をしやすい環境を構築できる可能性が高いといえるでしょう。

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【関連記事】「【マイペースの人に向いてる仕事10選】共通の特徴やおすすめする理由を解説」

4.出戻り社員のデメリット

いくつものメリットがある反面、出戻り社員にはデメリットもあります。それぞれを踏まえたうえで出戻り社員になるかどうかを判断しましょう。

4.1.企業側

4.1.1.他の社員のモチベーションが下がる可能性がある

出戻り社員の入社により、既存社員のモチベーションが下がる可能性があります。

例えば、出戻り社員と既存社員の関係性が良好でなかった場合、社内の雰囲気や業務進行に支障が生まれ、モチベーションが低下する可能性もあります。

4.1.2.再度退職する可能性がある

一度退職した経験のある出戻り社員に対して「また退職してしまうのでは」といった懸念を持ってしまう方もいると思います。

以前退職に至った原因が解消されていない場合は、企業側はこうしたリスクがあることを理解しておかなければなりません。

4.2.従業員側

4.2.1.以前と同じ職場環境とは限らない

勤務したことのある企業へ出戻りしたとしても、以前と全く同じ環境で働けるわけではありません。

別の部署に配属されたり、同じ部署でもメンバーが入れ替わっていたりする場合も十分にあり得ます。

そのため、以前とまったく同じ働き方を想像していると入社後に違和感や居心地の悪さを感じてしまう可能性もあります。

4.2.2.雇用条件が変わる可能性がある

雇用条件も以前と変わる可能性があります。一度退職した出戻り社員を好待遇で迎えれば、既存社員が不公平感を抱いてしまう可能性もあります。

したがって、企業側は既存社員とのバランスを見ながら出戻り社員の雇用条件を決定することになります。

【関連記事】「【安定した仕事や職業】"安定"の判断基準とメリット、転職方法について」

5.出戻り社員の再雇用事例

ここでは、出戻り社員の再雇用の事例を紹介します。

●A社

「たとえ退職したとしても、ひと時でも共に働いた社員は仲間や家族」という理念のもと、世界中の数十万人が所属するネットワークを構築しているA社。退職者同士が交流する場や、出戻りを希望・検討している人に向けた求人情報の掲載を行い、出戻り社員の再雇用をポジティブに捉え、実際に採用を行っています。

●B社

B社では、他社で経験やスキルを身につけてきた出戻り社員を「おかえりメンバー」と称し、採用を推進しています。社員としての出戻りにとどまらず、他社に籍を置きながら自社のプロジェクトに参加したり、逆に自社から他社のプロジェクトに参加したりと、柔軟な働き方を後押しする仕組み作りに力を入れています。

●C社

人事責任者が出戻り社員であるC社では、新卒・中途採用双方の強みを兼ね備えた出戻り社員を重宝しています。出戻り社員に期待するパフォーマンスをわかりやすく定義し、より優秀な人材の確保に向けた取り組みを実施しています。

【関連記事】「【人のためになる仕事がしたい】やりがいを実感しやすい仕事と転職方法」

6.出戻る場合は、会社とよく話し合うことが大事

以前の会社に出戻ることを検討している場合は、決断を焦らずに、まずは会社側と話し合いの場を設けてみましょう。

デメリットの項目でも触れたように、以前とまったく同じ条件、環境で働けるとは限りません。

また、他社での経験を経て出戻る場合、企業は以前よりも高い成果を期待している可能性もあります。

企業側と労働環境や雇用条件の確認などをすり合わせることは必須と考え、出戻り入社をした後に後悔してしまうようなことがないようにしましょう。

【関連記事】「【仕事を辞める理由】主な理由と悪い印象を与えずに退職するための伝え方」

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7.まとめ

以前の会社に出戻るというと、マイナスのイメージを抱く方もいるかと思います。しかし近年では、出戻り社員の再雇用が新たな採用手法としてポジティブに捉えられる傾向にあります。

企業側も、他社に転職するなど新たな道に挑んだものの悩んでいる人や、離れてから前職の良さを再認識した人たちが再び挑戦できる環境を広く提供し始めており、キャリアの選択肢が広がっています。

転職先として、あなたも一度その可能性を探ってみてはいかがでしょうか。


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