【再就職手当(早期就職手当)とは】申請方法や受給条件について解説

【再就職手当(早期就職手当)とは】申請方法や受給条件について解説

再就職手当は離職後にいくつかの条件を満たせば受給できる手当であり、このさき離職する可能性がある方はもちろん、多くの方にとっても知っておいて損はありません。

そこで今回は、再就職手当の仕組みメリット支給条件申請方法などを解説していきます。

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1.再就職手当とは?その目的について

再就職手当とは、離職後、一定期間内に新たな就職先が決定した場合に支給される手当です。定められた期間内に新たな就職先が決定し、ハローワークで所定の手続きを行った人が対象となります。

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1.1.再就職手当の目的

再就職手当の目的は、早期の再就職を促すことにあり、離職後に条件を満たした場合に受給できます。

中には再就職までの期間を引き延ばし、失業手当をなるべく長く受給しようと考える方もいるかもしれませんが、それが常態化すれば、離職者の労働意欲が低下したり、失業者数の増加を助長したりすることになりかねません。

そのため、再就職時のお祝い金のような位置づけとしての再就職手当が用意されています。支給額は離職期間により変動し、短いほど高額となります。

1.2.失業手当との違い

失業手当は、離職者の再就職が決定するまでの生活や転職活動を支援する意味で支給される手当です。その原資は雇用保険となるため、在職中に雇用保険に加入していることが条件となります。

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2.再就職手当のメリット

再就職手当は離職者を支援する制度であり、以下のようなメリットがあります。

2.1.家計の補填となる

再就職手当が受給できると、家計の補填となるメリットがあります。

失業手当を受給していたとしても、金額は前職の給料には及ばないため、金銭的な不自由さを感じることは否めないでしょう。

しかし、再就職手当が受給できれば、再就職先で再就職先で給与が支給されるまでの期間の支出を補填できるでしょう。

2.2.再就職へのモチベーションとなる

離職し失業している状況だと、「自分を必要としてくれる会社はあるのだろうか」「あと何社応募すれば内定がもらえるんだろう」などと不安にかられ、逆に投げやりになってしまう方もいるかもしれません。

しかし、再就職手当は離職期間が短いほど受給額が増えるため、不安なときに心を奮い立たせるきっかけになります。

2.3.再就職する際の諸費用の原資になる

前職とは違う業種、職種へ再就職する場合、通勤服や持ち物を揃えたり、基礎的な知識を学んだりする必要があります。再就職手当が受給できれば、それらの準備に充てることができます。

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3.再就職手当の受給条件

再就職手当を受給するための条件は以下の9点です。

3.1.受給手続き後、7日間の待機期間満了後に就職していること

再就職手当の受給手続きを行ってから7日間の待機期間満了を経て就職している必要があります。待機期間は失業状態の証明のために設けられているため、失業認定を受けていない日や仕事をした日は含まれません。

3.2.所定給付日数の3分の1以上あること

失業手当の残日数が、所定給付日数の3分の1以上ある場合に再就職手当受給の対象となります。失業認定日から就職日前日までの日数で判断されます。

3.3.退職した職場への再就職ではないこと、また密接な関わりがないこと

再就職手当は前職とは異なる企業への再就職に対して支給されます。ただし、たとえ違う企業でも、前職のグループ企業であったり、前職と再就職先に資本関係があったりする場合は対象外となります。

3.4.ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職すること

自己都合退職の場合、待機期間終了後1ヵ月間は、ハローワークや職業紹介事業者の紹介による就職活動を行う場合に限り再就職手当の対象となります。

3.5.再就職先で1年以上の勤務が確実であること

再就職先で向こう1年以上雇用されることが見込める場合に限り対象となります。ただし、1年未満の有期契約の場合でも更新が見込める場合は再就職手当の支給対象としてみなされます。

3.6.雇用保険の被保険者になっていること

再就職手当の受給は再就職先の雇用保険に加入することが原則です。

3.7.過去3年以内で、再就職手当や常用就職支度手当の支給を受けたとがないこと

過去3年間において再就職手当や常用就職支度手当の支給を受けた経験がない人に限られます。

3.8.受給資格決定前から再就職先で内定が確定していないこと

再就職先の内定がハローワークへの求職申込み以降に確定したものでなければなりません。再就職先が決まった上で前職を退職している場合は再就職手当の支給対象外です。

3.9.再就職手当の支給決定の日までに離職していないこと

再就職後、再就職手当の支給決定日より前に再び退職した場合は、支給決定が無効になります。

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4.再就職手当はどれくらい支給されるのか

再就職手当の支給額は、失業保険の基本手当日額に支給算日数ごとの給付率を乗算して算出されます。基本手当日額は、以下の計算式で求められます。

基本手当日額=退職直前6ヵ月間の給料合計額÷180日×給付率

4.1.給付率

上記計算式にある再就職手当の給付率は、就職日前日時点における失業保険の基本手当残日数によって変動します。所定給付日数の3分の2以上ある場合は70%、3分の1以上ある場合は60%です。

この数値からもわかるように、残日数が多い人が給付率は高く、再就職手当の金額を多く受給できます。

4.2.計算式

上記を踏まえ、再就職手当の算出は以下の計算式によって求められます。

●所定給付日数の3分の2以上の場合

所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額

●所定給付日数の3分の1以上の場合

所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額

【例】

失業保険の基本手当残日数が3分の2以上残っている段階で再就職が決まった場合

支給残日数70日×給付率70%×基本手当日額5,000円=24万5,000万円

5.再就職手当の申請方法

再就職手当の申請は以下の手順に沿って進めていきましょう。

5.1.再就職先で採用証明書をもらう

まずは再就職先で採用証明書を作成してもらう必要があります。人事担当者や直属の上司へ依頼しましょう。

採用証明書の用紙は、雇用保険手続きの際に配布される「受給資格者のしおり」に含まれています。紛失した場合はハローワークのホームページ上からダウンロードして印刷します。

5.2.ハローワークに採用証明書を提出する

作成してもらった採用証明書を管轄のハローワークへ提出します。その際には、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定報告書」の提出も必要です。

5.3.再就職手当支給申請書などの書類を受け取る

採用証明書の提出と同時に、再就職手当支給申請書などの書類を受け取ります。

5.4.申請書の事業主欄・受給者記入欄を記入する

再就職先で、再就職手当支給申請書の事業主欄を記入してもらいます。このタイミングで、前職と密接な関係がない企業であることを証明する書類への記載も依頼しましょう。

そして、受給者記入欄を自らで記入し、申請書を完成させます。

5.5.ハローワークに書類を提出する

ハローワークに再就職手当支給申請書を提出します。同時に、雇用保険受給資格証や前職との関係がないことの証明書類、再就職先での勤務実績の証明書類も提出が必要です。

直接ハローワークに出向く時間がない場合は、郵送でも手続きが可能です。

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6.まとめ

再就職手当は、退職後の空白期間が少ないほど受給額が高くなります。受け取った手当を生活費に充てて安心感を得たり、新しいスーツやビジネスバッグの新調や学びに投資したりすれば、再就職先での仕事に対するモチベーションも上がるでしょう。

あなたが前職で頑張った結果の手当なので、ぜひ有効活用してください。


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