作家でもなければライターでもない。けれど、私たちビジネスマンは日々のメールや報告書など、文章を書く機会が数多くあります。
「文章を書くのは苦手なのに!」「説得力のある企画書が書けたら、どんなにいいか!」と、日々悶々とした思いを抱えている方も多いはずです。
しかし、コツを抑えることでうまい文章を書くことはできます。
今回ご紹介する5つの裏ワザを実践すれば、今日からあなたも文章上手。いつもは厳しい部長からも評価が上がって、仕事が進めやすくなるかもしれませんよ。
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【関連記事】「ビジネスメールはどう書けばいい?書き方や文例、返信の仕方を解説」
うまい文章の特徴とは?
そもそも、読み手に「うまい」「説得力がある」と思わせる文章とは、どのようなものなのでしょうか。一般的に、うまい文章には以下のような特徴があります。
・導入にインパクトがあり、内容に引き込まれる
・言いたいことが明確で曖昧な表現がない
・冒頭から結末までの流れが自然
・例やエビデンスが記載されており、信頼性がある
・間違いや冗長表現がなく読みやすい
特にビジネスシーンで文章を書く場合は、ついつい難しい言い回しを使用したり、文章量が多くなったりしてしまうことがありますが、それはかえって逆効果です。説得力を高めるには、伝えたいことをより簡潔に、わかりやすく伝えることが大切です。
【関連記事】「エビデンスとは?業界・シーン別の正しい使い方を例文付きで解説」
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うまい文章のワザ1.結論を最初に書く
まず文章の冒頭で、結論を言い切ってしまいましょう。
「前置きが長い!」「で、結論は何なの?」
あなたは上司から、こんな注意を受けたことはありませんか。
「丹精込めて仕上げたのに~...」と嘆たくなるものですが、読んでもらえる文章づくりに欠かせないのは、読み手の気持ちに立って書くことです。それができていない文章は、何度書き直してもやり直しになってしまいます。
課長や部長などの上司ともなると、一日に膨大な量のメールや報告書を読んでいるはずです。となると、あなたがどんなに心を込めて丁寧な文章を書いたとしても、彼らはそれを最初から最後まで丹念に読み込んでくれるとは限りません。
そのため、見出しに結論を書くようにしましょう。次に、その結論を導くに至る理由や過程を、続く文章で説明していく順序が最適です。
言いたいことを初めに伝えておくことで、相手は報告の主旨を理解した状態で、その後の文章を読み進められます。たとえ忙しい上司でも、主旨が分かっていれば残りの文章から必要な情報を取捨選択しやすくなり、結果としてスムーズな理解につながるのです。
言い換えると、「結論は端的に」ということです。説得力がある人は、最初に結論というゴールを設定します。そのゴールまで、手を変え品を変え相手を誘導していくのが、うまい文章の基本的な考え方です。
【関連記事】「上司へのメール例文・テクニックを紹介!目上の人に送るマナーと4つのポイント」
うまい文章のワザ2.具体的なデータを使用する
文章の説得力を高めるためには、具体的なデータを示すことが大切です。
例えば、「Aの売り上げはBより多いので、Aを積極的に販売すべきです」という文章では、抽象的過ぎて説得力がありません。
一方、「Aを販売すべきです。なぜなら、Aの売り上げは〇円で、Bの売り上げの〇倍だったからです。また、昨年同時期と比べても〇%アップしており、特に〇歳以上の世代では今後も需要が見込まれます」など、具体的な数的データを使用することで、信頼性は一気にアップします。
これは、説得力のある話し方にも使える手法です。説得力のある人は、データや事実を会話の中で上手に活用しています。
【関連記事】「「定量」と「定性」の違いとは!?--ビジネスで活かせる「定量」「定性」分析」
うまい文章のワザ3.箇条書きを活用する
「それでは、次回の打ち合わせのテーマは次年度予算について。打ち合わせのゴールは予算の金額の大枠を決定すること。1月15日の13:00から、本社A会議室で開催します。参加者は田中部長、鈴木課長、佐藤係長、藤田さん、山口の5名です。当日までに必ず、各自の予算ドラフトを作成しておいてください。」
このようにダラダラと書かれた会議の案内文...読んでいてウンザリしてしまいます。そこで有効なのが、たくさんの情報を一気に伝えられる「箇条書き」です。上の文章を箇条書きに直した例文は以下の通りです。
会議の開催要項
・日時 1月15日13:00~14:00
・場所 本社A会議室
・議題 次年度予算の大枠の決定
・参加者 田中部長・鈴木課長・佐藤係長・藤田さん・山口
・依頼事項 各自の予算ドラフトを作成の上、当日持参してください。
いかがでしょうか?文章で読むより、整理されて見やすくなったのではないでしょうか。せっかくですので、箇条書きのメリットも箇条書きで挙げてみましょう。
箇条書きのメリット
・情報が一覧できて読みやすい。
・重要なことが強調される。
・優先順位が整理される。
・自然と一文二義までの短く読みやすい文章が多くなる。
箇条書きを使うことで、どこに埋もれたかわからなくなっていた要点を、わかりやすく掘り起こすことができます。読み手の反応は、次のようにみるみる変わってくるはずです。
読み手の反応
1. 箇条書き部分さえ読めば大体のことが理解できそうだ。
2. 飛ばし読みでサラッと読めちゃうね。
3. その分、要点についてじっくり考える時間ができるぞ。
4. この人はこの仕事の重要なところがわかっていて頼もしい。
【関連記事】「打ち合わせの後などビジネスで使えるお礼メールのマナーや書き方【例文付き】」
うまい文章のワザ4.5W1Hを使ってチェックする
結論を最初に書いて、具体的なデータを裏付けとして記載し、情報の多い箇所は箇条書きにして、さあこれで報告書完成!...と勢いに乗って提出する前に、その報告書、本当にそのまま出して大丈夫かを確認しましょう。
集中力が高まってノリにノッてる自分の文章、しっかり書いているつもりでも往々にしてヌケやモレがあるものです。
そこで活用したいのが「5W1H」を使ったセルフチェック。5W1Hとは、
・いつ(when)
・どこで(where)
・なぜ(why)
・誰が(who)
・何を(what)
・どのように(how)
の略です。
ただし、これらを全て網羅するのは簡単ではありません。企画書の場合、いつ企画を実行するのかが明確でなかったり、企画内容は決まっていてもどのように進めていくのかはまだハッキリ打ち出せなかったりと、すぐに答えが出せない問題が必ずあるはず。
けれど、そこは逃げてはいけません。頭を振り絞り、周りの協力を得て、全力で5W1Hを埋めていきましょう。
そうやって脳に汗をかいて考えている過程こそが「説得力のあるウマイ文章」を生み出す土台になります。この壁を乗り越えた先でようやく、あなたの企画書は強い根拠をもって上司の心を動かせるものになるはずです。
この過程を経ずにつくった安易な企画書を提出しても「やり直し!」と突っ返されてしまうかもしれません。上司と自分の貴重な時間を無駄にしないためにも、最後のチェックまで手を抜かないようにしましょう。
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うまい文章のワザ5.A4用紙一枚にまとめる
企画書や報告書は1ページあたりの密度が薄く、中には10Pを超える場合もあります。しかし、読み手の立場になると、多過ぎる文章を隅から隅まで読むのはとても大変です。
「その件は5ページ目に書いておりまして」、「その理由は...つぎのページを開いてください!」など、説明の流れを止めなくてはならないこともしばしばです。
結局のところ、ページ数が多いのは、要点をまとめきれていない文書だと言えます。自分が言いたいことを全部入れ込もうとして、相手に負担や無駄を強いる、思いやりのない自分勝手な文章なのです。
一方、A4用紙1枚なら、あなたの言いたいことが全部ひと目で見渡せます。ぜひ、このA4にすべてを詰め込んでください。
もしも収まらなければ、不要な部分を削りましょう。「これ以上削るところがない」と感じることもありますが、文章のメインテーマと徹底的に向き合うことで、必ず削る余地は見えてくるはずです。
削って削って最後に残された文章こそ、どうしても伝える必要があった本当に説得力のある文章です。薄い内容や本題と関係の薄い内容をダラダラと書き連ねても、何の意味もありません。
いかがでしたか?これら5つのコツを実践すれば、あなたの文章は見違えるように読みやすく、説得力のあるものに生まれ変わるはずです。
ぜひ、今日から試してみてください!