報連相の目的や重要性とは?ビジネスにおける報連相のポイントややり方を紹介

ビジネススキル・マナー

報連相(報告・連絡・相談)は、仕事を円滑に進めるために欠かせません。

今回は、報連相の目的や重要性、メリット・デメリットについて解説します。報連相をうまく取り入れるためのポイントや具体的な方法、注意点も紹介します。

報連相のポイントやコツを押さえて、仕事をしやすい人間関係や信頼関係を構築しましょう。

1. 報連相とは

報連相とは、「報告」「連絡」「相談」の頭文字をとったビジネス用語のことです。ビジネスシーンにおいて、迅速かつ的確に行うことが求められます。

いずれも、相手に伝える行為ですが、使用する場面や用途はそれぞれ異なります。

報告 仕事の進捗状況や結果、成果などを伝える
連絡 業務に関する情報や予定を伝える
相談 業務に関する質問や不明点、トラブルが発生した時に伝える

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2. 報連相の目的や重要性

報連相の目的や重要性を理解しておかなければ、自らの習慣として定着しづらくなります。報連相がどのような場面で必要なのかを把握したうえで取り組むために、目的や重要性を知っておきましょう。

2.1. 報連相の目的

組織やチームで目標を達成するために、それぞれが個別の業務を遂行します。経営層や管理職は、その業務の進捗状況を把握しておく必要があるのです。

適切な情報共有を行うために「報連相」が必要不可欠だと言えるでしょう。
具体的には、下記のような目的もあるので、日頃から報連相を意識することが大切です

● 業務を円滑に進められる
● 仕事の生産性が上がる
● コミュニケーションを活性化できる
● 緊急事態が発生した際に迅速に対応できる

2.2. なぜ重要?

複数人で目標に向かって業務を遂行するうえで、報告・連絡・相談は必要不可欠です。

報連相を怠ってしまった場合、状況を正しく把握できず、業務が滞ったり、トラブルにつながったりする恐れがあります。

日常的に報連相を行うことで、チームメンバーの意思疎通がとれて、業務効率も向上しやすくなるでしょう

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3. 報連相を行うメリット

報連相を行うことで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、5つの視点から報連相を行う利点について解説します。

3.1. 良好な人間関係を築ける

報連相を行うことで、日頃から積極的にコミュニケーションを図る習慣がつきます。そのため、社内外での関係者と円滑にコミュニケーションを取りながら業務を遂行できるようになるでしょう。

人間関係が良好になることで、チーム間でのコミュニケーションが活発化し、新たなアイデアが生まれたり、社員同士の距離が縮まり、会社に馴染みやすくなったりするメリットもあります。

3.2. 上司から適切なフォローを受けやすくなる

報連相を行うことで、上司が部下の行動を把握しやすくなるので、上司から適切なフォローをうけやすくなります。

会話をする機会が増えるため、悩み事や困っていることを正確に理解したうえで、必要に応じてサポートできる点もメリットの1つです。

部下へのフォローのタイミングや対応方法、接し方などを見極めやすくなるでしょう

3.3. チーム全体で業務の進捗確認ができる

それぞれの業務の進捗状況をチーム全体で把握することができるので、ミスやトラブルを未然に防ぎやすくなります

報連相が行われない場合、「〇月〇日までにこの業務に取り組めるはずだったのに、まだ進捗がない」など円滑に遂行できないケースもあるでしょう。

一方、報連相を徹底していれば、「○○さんが抱えている業務量が多いからサポートに入って予定どおりに業務を進めよう」というように調整ができます。

3.4. 言った言わないのトラブルが防げる

報連相が日頃からできていれば、さまざまな問題やトラブルを防ぐことができます。相談する習慣が身についていれば、トラブルが発生した場合でも、1人で抱え込まずに上司や先輩にすぐに報告し、迅速に対応することができるでしょう。

また、ChatworkやSlack、Microsoft Teamsなどのチャットツールを活用し報連相を行うことで、記録として残るため、ビジネスシーンでも起こりやすい「言った言わない」問題を回避できます。

3.5. それぞれにあった仕事が割り振られる

報連相を行うことで、部下の得意不得意を明確に把握できるメリットもあります

例えば、特定の業務に関する相談が多かった場合、その業務に対して苦手意識を持っている可能性が高いと判断できるでしょう。

反対に順調な報告が多ければ、その業務が得意である可能性が高いと言えます。部下の得意不得意をしっかり理解しておけば、適材適所に合わせて人員を配置しやすくなり、強みを生かして業務を遂行できるようになるでしょう。

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4. 報連相を怠ることで起こるデメリット

報連相を怠ることでどのような問題が起こるのでしょうか。ここでは、4つの視点から報連相不足で起こり得るデメリットについて解説します。

4.1. 業務が滞ってしまう・遅延が発生してしまう

報連相を行う習慣がついていなければ、状況を把握しづらく、業務が滞ってしまい、遅延が発生する可能性があります

頻繁に社員同士が連絡を取り合い、進捗状況を確認していれば、業務の現状を把握しやすくなるでしょう。

報連相を徹底し、業務の進捗状況を把握できていれば、遅延しそうな業務に対して手の空いている社員がフォローに入ることができます。しかし、報連相ができていなければすべてを1人の社員で抱え込むことになってしまいます。遅延が生じやすく、トラブルにつながるリスクもあるのです。

4.2. 何が原因で問題が起こったのか分からなくなる

報連相を行わない場合、どの場面で問題が発生したのか把握しにくく、原因が分からなくなります

原因を明確にできなければ、問題を解決するまでに時間がかかったり、関係者以外を巻き込んでしまったりするケースもあります。

原因の解決策が立てられなくなるので、報連相を習慣化させてトラブルを未然に防ぐようにしましょう。

4.3. 人間関係の悪化につながる恐れがある

報連相を行わなければ、社員同士で情報共有する機会が少なくなり、チームの連携が取れなくなります

意思疎通が図れず、相手が何を考えて行動に移しているのか分からないため、人間関係の悪化につながる恐れもあるのです。

チームとして機能を果たさなくなる可能性もあるので、小さなことでもお互いに伝え合えるように雰囲気づくりをしましょう。

4.4. 大きなトラブルにつながる可能性がある

報連相をおろそかにしていると、大きなトラブルに発展してしまう可能性があります

例えば、業務でミスが発覚した時にすぐ対処していれば解決できたものの、放置したことが原因で大きな損失を生むケースもあるでしょう。

取引先との信頼関係を損ない、契約が破棄になれば数億単位の取引がなくなる恐れもあります。

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5. 報連相をする際のポイントや注意点

報連相を行う際には、いくつかポイントや注意点を押さえておかなければなりません。5つの項目をチェックしたうえで、効率的に報連相を行う習慣づけをしましょう。

5.1. タイミングや相手の状況を考える

自分が伝えたいときに報連相を行うのではなく、相手の状況を見て適切なタイミングで実行するようにしましょう

例えば、ミスやトラブルが発生した時は、迅速に伝えることが求められますが、それ以外なら相手の都合を考慮したうえで行います。

上司が忙しそうな時間帯を避けて、朝礼後や昼休みがはじまる前など余裕のある時に行うことが大切です。

5.2. ミスやトラブルが発生したらすぐに報告をする

ミスやトラブルが発生し、緊急性が高いと判断される場合は、すぐに報告をしましょう。迅速に対応することで、大きなトラブルに発展せず、未然に防げる可能性もあります。

ただし、前述のとおり相手の状況によっては、すぐに報告や相談ができない場合もあります。

その場合は、口頭ではなくチャットなどで内容を簡潔に伝えておくと良いかもしれません。また、余裕のある時に「声をかけても良いタイミング」を聞いておけば、今後に活かせるでしょう。

5.3. 結論から伝える

報連相に限らず、ビジネスシーンにおいては結論から伝えることが大切です

結論から先に述べなければ、長々と締まりのない話になってしまい、結局何が言いたいのか分からなくなってしまいます。

「○○の件ですが、期日が間に合いそうにないので相談させてください」というように結論を伝えれば、相手が状況を瞬時に把握することが可能です。

そのうえで理由や経緯、意見などを相手から問われた場合、丁寧に答えるようにしましょう。

5.4. 事実のみを伝える

トラブルが発生したことを上司に伝える際には、言い訳をしたくなることもあるかと思いますが、なるべく事実のみを述べるようにしましょう

その理由は、「私が思うに~」「噂によると~」といった主観的な内容が含まれると、適切な判断を下しにくくなるからです。

言い訳や感情に基づく感想はなるべく避けて、必要な情報を簡潔に伝えることが大切です。

ただし、相手から求められたときには自分の思いを冷静に伝えましょう。私情を挟んだり、感情的になったりすると、対応の遅れにつながる可能性があります。まずは一度気持ちを落ち着かせたうえで伝えるようにしましょう。

5.5. 言葉の使い方に気をつける

報連相を行う際には、親しい間柄でも言葉の使い方に気を付けるようにしましょう

例えば「納期に間に合わない」「クレームが発生した」という事態を報告する際に、謙虚な言葉や態度でなければ、サポートしたいという思いが薄れてしまうかもしれません。

また、略語や「でも」「だって」というような言葉を乱用すれば、本質が伝わりにくくなります。

報連相を行う際には、相手の貴重な時間を割いてもらうことになるので、日頃から言葉の使い方に気を付けて、謙虚な姿勢で接することが大切です。

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6. 報連相のやり方の例

「報告」「連絡」「相談」の具体的なやり方を例文つきで紹介します。

6.1. 報告の仕方

「○○の件について報告したいのですが~」というように要件や目的を先に伝えましょう

相手の都合が合わなければ、状況にあわせて日程を調整してもらえるはずです。また、報告するうえで必要な資料や図がある場合は、併せて提示するようにします。

【例文】

○○についてご報告させていただきます。
○○株式会社の○○様(担当者)より、〇日までに△△の依頼を受注いたしました。
私は〇日から着手できるので、引き受けさせていただきます。

6.2. 連絡の仕方

連絡をする際には、はじめに「伝えるべきこと」「伝えなくてもいい情報」を整理します

伝えることが多い場合は、5W1H(いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ・どのように)に沿って情報をまとめておきましょう。

なお、伝える際には、「○○会議について報告させていただきます」「現在の進捗状況を報告いたします」というように結論から述べることが大切です。

【例文】

現在の進捗状況についてご報告いたします。

〇月〇日納期の△案件ですが、現在10本中8本完了しております。
引き続き、1日1本のペースで進めるため、期日の3日前までには完了する予定です。

6.3. 相談の仕方

相談は、報告や連絡よりも時間を要する可能性があるので、「○○について相談したいので、お時間をいただけますでしょうか」と相手のタイミングを伺うようにしましょう

結論から先に伝えて、どのようなアドバイスが必要なのかまで述べると相手も理解しやすくなります。

具体的には、「〇〇の業務を効率的に進めるコツを教えて欲しい」「商談のときに緊張するので、克服法が知りたい」など明確に伝えるように意識してみてください。

また、「予想の3倍以上の来客があった」「予定よりも2時間超過した」などと具体的な数字を使うことで相手に状況が伝わりやすくなります。

【例文】

○○について相談したいので、お時間をいただけますでしょうか。
○○の業務は予定よりも2時間も超過してしまうため、効率的に進めるコツをお聞きできればと思っております。

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7. まとめ

報連相とは、「報告」「連絡」「相談」の頭文字をとったもので、仕事を円滑に進めるために習慣化させておく必要があります。

的確に報連相を行うことができれば、大きなトラブルを防いだり、コミュニケーションを活発化できたりとさまざまなメリットがあるのです。

報連相は、相手のタイミングを見計らい、結論から述べるようにしましょう。

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