上司に年賀状を送るべき?--送る際の注意点とマナーを解説、文例もご紹介

ビジネススキル・マナー

一年の終わりが迫る12月。お正月に向けて年賀状の準備を始める社会人の方も多いと思いますが、上司に送る年賀状は友人に送るものとは違い、ビジネスマナーを踏まえたものである必要があります。

今回は、上司に送る年賀状の書き方や注意点について解説していきます。初めて送るという方はもちろん、送った経験があるという方も、あらためてマナーに沿った年賀状の送り方を見ていきましょう。

1.上司に年賀状を送るべき?

近年では、年末年始の挨拶をまとめて社内メールで済ませている会社も多いかと思います。しかし年賀状は、この1年間お世話になった感謝の気持ちを上司に伝えられる絶好の機会であり、来る新しい1年間での変わらない関係性をお願いしたり、やる気をアピールしたりといった役割もありますので、ぜひ送るとよいでしょう。
社内の上司全員に年賀状を送る必要はありませんが、日頃接点の多い上司には送るのが一般的なビジネスマナーといえます。

ただし会社によっては、儀礼廃止により年賀状のやりとりをおこなわないというルールが設けられている場合もあるため、事前に自社のルールを確認しておきましょう。

2.上司に送る年賀状の書き方を解説

上司に送る年賀状だからといって、難しく考える必要はありません。年賀状は書き方の型がある程度決まっているため、その型に沿って言葉を当てはめていきましょう。
下記がその流れになります。

1.新年を祝う挨拶

2.昨年(記載時点では本年)お世話になったお礼

3.今年(記載時点では来年)の抱負や支援のお願い

4.相手の幸せを祈念する言葉

5.日付

6.自分の名前、住所

郵便局やコンビニエンスストアにはあらかじめ印字された年賀状が販売されていますし、パソコンとプリンターがあれば宛名をきれいにプリントして送ることもできますが、上司に送る年賀状の場合は自筆がおすすめです。また、年賀状を自筆にする場合は、相手に感謝の気持ちが伝わるように心を込めて書くようにすると良いでしょう。

3.年賀状を書く際のマナー

年賀状には、最低限守るべきマナーがあります。せっかく出した年賀状で上司に悪い印象を与えてしまわないよう、しっかりとポイントを確認しておきましょう。

3.1.略称を使用しない

上司への年賀状は、略称を使用すると失礼にあたりますので、正式名所で記載するようにしましょう。
たとえば、上司の自宅住所が分からなく会社に年賀状を送る際には、「株式会社」「有限会社」「合同会社」など会社名を省略せずに書くのがマナーです。
もちろん、自宅住所に送る際も送り先のマンション名やビル名を省略せずに正式名所を記載しましょう。

3.2.縁起の悪い言葉は避ける

年賀状は、これから始まる新年を祝い、相手の幸せを願うものです。縁起の悪い言葉は避けましょう。たとえば以下のような言葉が挙げられます。

・失う

・去る

・病む

・落ちる

・疲れる

・滅びる

・倒れる

・衰える

・枯れる

・絶える

・破れる

なお、「去年」は「去る」が含まれるため、「昨年」や「旧年」に言い換えるようにしましょう。

3.3.句読点をつけない

年賀状のマナーでは、句点(。)や読点(、)をつけません。
終わりをイメージさせる、また昔の日本語には句読点がなかったという理由から、現代でも年賀状において「句読点をつける=マナー違反」という認識が根付いています。

ただし、句読点がないと読みにくい文章になってしまうこともあるので、スペースを空けたり改行したりするなど相手が読みやすくなるように配慮をしましょう。

3.4.カラフルなデザインは避ける

上司への年賀状は、イラストが豊富に描かれているものや家族写真がプリントされているものは避けるべきです。シンプルなデザイン、落ち着いた色合いの年賀状を選びましょう。

ただし家族写真入りの年賀状に関しては、上司と家族ぐるみの付き合いがある場合はその限りではありません。状況に応じて判断しましょう。

3.5.役職名は使わない

年賀状では、受取人が上司であっても役職名は使用しません。通常通り、名前の下に「様」と記載しましょう。

これに対し、取引先に送る年賀状の場合は別です。名前の上に一回り程度小さい文字で役職名を記載するのが一般的なマナーとされています。なお、相手方の役職が変わっている可能性も考えられるため、メールの署名などから確認をしておきましょう。

4.年賀状を送る際に注意したいポイントとは

年賀状の内容だけでなく、送る前や日付についても気を付けておきましょう。細かな気配りができると、上司があなたに抱く印象もきっとアップします。ぜひ参考にしてみてください。

4.1.一月一日に届くようにする

上司に送る年賀状は、一月一日の元旦に届くよう、郵便局が案内する期日(十二月十五日~十二月二十五日が目安)までにポストへ投函するようにしましょう。

一般的な年賀状のマナーとしては、一月七日の「松の内」までに届けられれば良いとされています。しかし、上司への年賀状の場合は一月一日の元旦に手元に届くのに越したことはありません。直前に慌てないよう、余裕をもって準備しておきましょう。

4.2.住所は直接聞く

上司に年賀状を送る際、住所は直接聞くのがマナーです。上司本人の知らない所で同僚などから入手するのはマナー違反のため注意しましょう。

また、住所を聞く際には「年賀状を送るため」という目的を必ず伝えましょう。万が一「気を使わなくて良いよ」などと断りの言葉を受けた場合は、上司の配慮を受け入れましょう。

5.実際の文例をご紹介

上司への年賀状で実際に使える文例を3つ紹介します。以下を適宜アレンジしながら書いていきましょう。なお、年賀状の基本形は縦書きとなります。

文例(1)

謹んで新年のお慶びを申し上げます

旧年中は大変お世話になり誠にありがとうございました

本年は旧年の経験を生かし益々精進して参ります

変わらぬご指導とご鞭撻の程何卒よろしくお願い申し上げます

皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます

20〇〇年 元旦

〒〇〇〇-〇〇〇〇

東京都■■■■〇-〇-〇

■■部 ■■■■

文例(2)

謹賀新年

昨年は公私にわたり大変お世話になり心より感謝申し上げます

まだまだ未熟ですがご期待に沿うべく本年も精一杯精進する所存です

本年のご家族皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます

20〇〇年 元旦

〒〇〇〇-〇〇〇〇

東京都■■■■〇-〇-〇

■■部 ■■■■

文例(3)

謹賀新春

旧年中は格別の御厚情を賜り厚く御礼を申し上げます

〇〇部長の側で学ばせていただいた経験により無事にプロジェクトを完了できました

誠にありがとうございました

本年は■■に向けて邁進いたしますので、引き続きのご指導ご鞭撻くださいますようお願い申し上げます

20〇〇年 元旦

〒〇〇〇-〇〇〇〇

東京都■■■■〇-〇-〇

■■部 ■■■■

6.まとめ

年賀状は、上司との良好な関係性の継続に一定の効果をもたらします。デジタルによるコミュニケーションツールが浸透し、手書きや紙の文化がすたれつつある今だからこそ、逆に丁寧で心のこもった印象を上司に与えるきっかけになる可能性があります。

ただし、ビジネスマナーを踏まえないと逆効果となりかねません。本記事の内容を参考に、失礼のない年賀状を送るよう心がけてください。

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