
ついつい出ちゃう!ビジネスシーンで使用NGなワード集2
「敬語が苦手」という声をよく耳にしますが、正しい敬語は社会人の基本。今回は、相手の立場による敬語の使い分けをご紹介します。あわせて、「敬語の基本」もおさらいしておきましょう。
「敬語の基本」を押さえよう
■敬語の3分類
尊敬語:相手の動作・状態をじかに敬う言葉(相手が主語)
謙譲語:自分(身内)がへりくだることにより、相手を敬う言葉(自分が主語)
丁寧語:話し手が自分の品位を保つために使う丁寧な言い方
■敬語の2つの形式
添加形式:原形に助動詞等を"添加"することで敬語になる
交代形式:原形をまるごと変化("交代")させることで敬語になる
■敬語の格
下表の「格」とは丁寧さを表し、1→2→3の順番で格が上がります。つまり、「添加形式」よりも「交代形式」の方がより丁寧な敬語となるので、「交代形式」のあるものは、なるべく「交代形式」を使いましょう。
【例】「お客様が行く」(尊敬語)
「行く」(原形)→「行きます」(丁寧語)→「行かれます」(添加形式)→「お行きになります」(添加形式)→「いらっしゃいます」(交代形式)
【例】「私が行く」(謙譲語)
「行く」(原形)→「行きます」(丁寧語)→「行かせていただきます」(添加形式)→「参ります」(交代形式)
相手の立場による敬語の使い分け
■「尊敬語」と「謙譲語」の使い分け
【例1】他社の人に課長のことを話す場合:
×「〇〇課長は、間もなくいらっしゃいます」
〇「(課長の)〇〇は、間もなく参ります」
他社(自社以外)の人に対して、自社の社員の話をする際は、上司であっても「身内」と見なし、謙譲語の「参る」を使用します。また、「課長」は敬称に当たるため、「〇〇」と呼び捨てにするか、「課長の〇〇」と敬称は名前の前につけます。
【例2】課長の奥様に課長のことを話す場合:
×「〇〇は、間もなく参ります」
〇「〇〇課長は、間もなくいらっしゃいます」
例1同様、課長の奥様は「自社以外の人」ですが、ご家族に対しては尊敬語の「いらっしゃる」を使用します。敬称である「課長」も忘れずに!
■「敬語の格」の使い分け
【例1】部長に課長のことを話す場合:
△「部長、課長がお見えになりました」
〇「部長、課長が来られました」
「お見えになる」より「来られる」のほうが敬語の格は下です。部長に対して、部長より職位が下である課長の話をする際は、「来られる」を使いましょう。
【例2】課長に部長のことを話す場合:
△「課長、部長が来られました」
〇「課長、部長がお見えになりました」
例1の逆です。課長に対して部長の話をする際は、「お見えになる」(または「いらっしゃる」)を使いましょう。
言葉遣いの間違いは、年齢を重ねるとなかなか指摘してもらえません。今のうちに敬語の基本を押さえ、普段から正しい敬語を使うよう意識することで、しっかりと身につきます。間違うことを恐れず、どんどん使うことが大切なのです。
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ライタープロフィール

人見 玲子 (ひとみれいこ) 人材育成コンサルタント
株式会社コントレール代表取締役。短期大学を卒業後、JALのグランドスタッフとして10年間勤務。転職後、通信、金融業界で10年以上、幅広く人材育成業務に携わる。その間の研修講師としての登壇回数1000回、受講者数は2万人を超え、「本物の接客マナー」を身につけたスタッフを増やす。2013年独立起業。楽しくためになる、結果を出す研修講師として定評がある。
保有資格:「宅地建物取引士」、「AFP」、「キャリアコンサルタント」、「ワインエキスパート」(日本ソムリエ協会)
http://contrail-hrd.com/
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