2022年10月、岸田首相がリスキング支援に今後5年間で1兆円を投じると表明して以降、より頻繁に「リスキング」という言葉を耳にするようになりました。しかし、NEWONEが実施した調査によると、リスキリングへの意識について、二極化する傾向がみられることがわかりました。
【関連記事】「岸田首相肝いりの"リスキリング"、実践している人の18.9%が「転職のため」」
リスキングに関する調査は2022年12月9日~11日、インターネット上で行われ、800人から有効回答を得ました。
1.リスキング実施率、30代男性で半数を超える
リスキリングに興味があるという人に、現在具体的に何かしているか尋ねたところ、「やっている」と答えた割合は、20代男性37.0%、30代男性51.6%、40代男性14.3%、50代男性35.4%、20代女性21.2%、30代女性35.5%、40~50代女性22.2%となり、30代男性で半数を上回りました。
(【画像出典】NEWONEプレスリリース)
【関連記事】「【社会人におすすめの勉強】勉強内容や勉強方法の選び方、メリットと注意点」
2.リスキングを始めた理由、1位「現在の仕事を広げるため」
リスキリングを始めた一番の理由を調べると、1位「現在の仕事を広げるため」(39.1%)、2位「長く働き続けるため」(10.9%)と続き、ともに20代男性で高い数値となりました。3位は「昇格・昇給のため」(7.8%)でした。
(【画像出典】NEWONEプレスリリース)
【関連記事】「【社会人におすすめの資格とは】資格の選び方や働きながら合格するコツを紹介」
3.リスキングに踏み出せない理由、男性の約6割が「時間がない」
一方、リスキリング消極派に、やりたいが一歩踏み出せない理由を聞いたところ、男性は、全年齢において約6割が「時間がない」と回答。また、30代男性の6割が「なんとなく恐怖がある」と答えたことが明らかになりました。
女性は、「自信がない」との回答が顕著で、20代の66.7%、40~50代女性の50.0%を占めました。
(【画像出典】NEWONEプレスリリース)
【関連記事】「【社会人の勉強時間】週全体の勉強時間は7分!? 勉強すべき理由と時間の作り方」
4.リスキングをやらない理由、「自分の仕事はなくならない」
リスキリングをやらない理由を問うと、「自分の仕事はなくならない」「自分の会社はつぶれない」「将来にわたっても給料の心配はない」「現在の仕事で満足しているから」などが数字を集めました。
詳細をみると、20代・30代は「自分の仕事がなくならない」が多い傾向にあったほか、40代は「時間がない」が高めの16.1%、50代は「そのまま定年でいける」が高めの傾向がみられました。
(【画像出典】NEWONEプレスリリース)
【関連記事】「【リスキリングとは】リカレント教育との違いやメリット、事例も紹介」
5.まとめ
今回の調査結果を受けて、NEWONE代表取締役の上林周平氏は、
「リスキリングとは、技術的失業と呼ばれるテクノロジーの発展に伴い無くなる仕事がある中で、失業なき成長産業への労働移動が主たる目的です。
本人任せの状況から、2023年は企業主導でリスキリングを推奨し、異動や職種転換が進むでしょう」
と分析しています。
続けて、
「そうすると、現状の『時間がないから』という理由は減少傾向となり、一人ひとり変化をすることへの前向きさが問われることが予想されます」
とコメント。
その上で、
「個人で見たときに、リスキリング時代に上手く対応するためにも、まずは変化することに前向きなマインドを作ることが何よりも大事です」
と話しています。
(【記事出典】NEWONE「リスキリング」に関するネットアンケート調査プレスリリース)
(記事執筆:御木本千春)