転職活動をはじめるにあたり、「OB訪問をすべきかどうか」と悩む方は多いでしょう。特に一度社会人を経験している第二新卒の方々の多くは「自分にはもう必要ないのではないか」と思っているかもしれません。
しかし、この先後悔しない転職をするために、OB訪問はぜひしておくべきです。今回は、第二新卒が有利に転職を進めるためのOB訪問のポイントを解説していきます。OB訪問の目的からメリット、注意点まで網羅しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
1.OB訪問とは?
2.新卒と第二新卒のOB訪問の違いとは
3.第二新卒がOB訪問をすることのメリット
4.OBを見つける方法は?
5.第二新卒がOB訪問をする際に気をつけること
- 5.1.メールでのアポイントを基本とする
- 5.2.質問の質を重視する
- 5.2.1.社内の雰囲気
- 5.2.2.事業・業界
- 5.2.3.業務内容
- 5.2.4.待遇・福利厚生
- 5.3.キャリアセンターなどがない
- 5.4.社会人としてのマナーに気をつける
- 5.4.1.名刺の受け取り方
- 5.4.2.時間管理は確実に
- 5.5.OBへの感謝の意を伝える
6.まとめ
1.OB訪問とは?
OB訪問とはその名の通り、自分と同じ大学を卒業し企業で働いている先輩を訪ね、その業界や仕事内容、社会人としてのあり方などについて話を聞くものです。会社案内や募集要項だけではわからない生の情報を入手できることから、第二新卒にとって貴重な機会となっています。
一般的には自分の出身大学を卒業した先輩を訪問しますが、志望企業に先輩がいない場合は友人や知人に紹介してもらっても問題ありません。
1.1.OB訪問の目的
OB訪問の目的は、社会人として働く先輩のリアルな体験を聞くことで、企業や業界、社会に対する理解を深めることにあります。また、自分自身が転職し働くイメージを膨らませたり、モチベーションを高めたりする効果も期待できます。説明会や面接の場では聞きづらい質問も、OB訪問では比較的フランクに聞くことができるため、疑問や不安を解消する手助けともなります。
1.2.OB訪問が就職活動の主流だった時代も
かつての就職活動では、OB訪問こそが就職活動の主流だと言われた時代がありました。インターネットが普及していない時代に就職活動に役立つリアルな情報を得るためには、OB訪問を行うしか方法がなかったためです。
しかし、現代ではインターネットが普及し、就職活動サイトの活用が当たり前となっています。企業側もインターネットを介して積極的に自社の情報を発信しています。OB訪問をしなくても手軽に業界や企業の情報を得ることが可能となったことから、OB訪問を行う就活生は減少傾向にあります。
1.3.はじめる時期は?
OB訪問に明確な実施時期は定められていません。ただ、就職活動が本格的にスタートしてしまうと、やるべきことが増えたり精神的に余裕がなくなってしまったりする可能性があります。また、OB側とのスケジュール調整が難航することも考えられるため、OB訪問は転職活動を決意した後、なるべく早い段階からスタートすると良いでしょう。
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2.新卒と第二新卒のOB訪問の違いとは
ひと口にOB訪問と言っても、新卒が行うOB訪問と第二新卒が行うOB訪問とでは条件が異なります。主な2つのポイントを確認しておきましょう。
2.1.時間的余裕がない
在職中の第二新卒の場合、応募企業の選定や履歴書等の書類作成、面接対策などを働きながら行う必要があるため、休日も作業に追われるなど時間的余裕がなくなります。そのような日々の中で訪問するOBに合わせてスケジュール調整を行い訪問するとなると、時間的余裕がなくなるでしょう。
2.2.現場での経験がある
新卒は社会人経験がないのに対し、第二新卒は一度社会に出て働いた経験を持っているため、OB訪問をより有意義なものにできる可能性を秘めています。新卒のような漠然とした視点ではなく、より現実に即した視点でOBへの質問ができたり、状況を判断したりできる能力を持ち合わせているはずです。
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3.第二新卒がOB訪問をすることのメリット
OB訪問を選考プロセスに組み込んでいる企業もありますが、第二新卒のOB訪問は基本的には自主的に行うものです。「それなら面倒だしやらなくてもいいかも」と思う方もいるかもしれませんが、それは少々もったいない選択かもしれません。
ここでは、第二新卒がOB訪問するメリットについて解説していきます。
3.1.企業の雰囲気を新卒と違った視点で捉えられる
第二新卒は、すでに企業の一員として実務を担った経験を持っています。そのため、見るもの聞くものすべてが初めてという新卒とは異なり、物事の二面性を理解した上で企業の雰囲気を見極める力が備わっているはずです。OBから聞く話と自分自身の体験が融合されることで俯瞰して状況判断できるようになり、幅広い思考の中から新たな気持ちや選択肢を得ることができます。
3.2.面接で有利になる可能性がある
OB訪問の実施により、選考で有利になる可能性があります。企業の人事担当者がOB訪問を受けた社員に対して第二新卒の印象や評価を確認するためです。
会社説明会や面接といったかしこまった場以外での第二新卒の振る舞いや発言は、その人本来の素質が現れやすいものです。そのため、OBから好印象をもってもらえれば、選考のプラスとなることも大いに考えられます。
3.3.社員の本音が聞ける
会社説明会や面接の場面でも現場にいる社員の声を聞ける機会はありますが、どうしても形式的な内容となってしまいます。その反面、OB訪問の場では、OB側も第二新卒側も近い距離でフランクに話すことができます。上司や人事の前では言いにくい本音がポロっと出ることもあるかもしれません。
また、「どうしてもこの企業の一員になりたい」という情熱がOB側に伝われば、より深い情報を教えてくれる可能性もあります。
3.4.OBを通じても社員の雰囲気が分かる
インターンなどの制度があれば別ですが、基本的には入社するまで職場環境を体験することも多くの社員と接することもできません。そのため、会社案内の記載や説明会、面接時の話をもとに、自分の頭の中で会社や社員の雰囲気を想像するしかありません。
しかし、OB訪問を通じてその会社で働く社員と接することで、OBの人柄や言葉、振る舞いなどのリアルな情報が得られますし、その人を介して他の社員の雰囲気も感じられます。
4.OBを見つける方法は?
新卒は大学の紹介でOB訪問ができる場合が多いです。
しかし、大学の紹介は在学生優先のことが多いため、第二新卒などの既卒者は紹介を受けにくい可能性があります。
「では、どのようにOBを探したらいいの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
ここでは、第二新卒など既卒者がOB訪問をしたい場合はどのように探したらいいのか説明していきます。
4.1.志望先の企業に相談する
志望している企業に直接連絡し、OBを紹介してもらう方法があります。
OBが在籍していないなど断られてしまう場合もありますが、社員面接や見学など別の方法で志望企業を知ることができるかもしれません。
また、OB訪問をしたいと積極的に企業へ連絡することで、意欲の高さを表せるので好印象につながる可能性もあります。
4.2.先輩や知人に相談する
志望している企業に先輩や知人が勤めていれば、OB訪問をお願いしてみましょう。
信頼関係ができている間柄であれば、より詳しい話を聞いて実際に働いている環境を想像しやすくなります。
志望先に知人がいない場合も、人脈をたどることで紹介してもらえる可能性があります。
働いている方の生の声を聞きたいと考えている方は、積極的に人脈を活用してみましょう。
5.第二新卒がOB訪問をする際に気をつけること
訪問に応じてくれるOBに対して不快な思いを与えないよう、そしてOB訪問の機会を有効活用できるよう、第二新卒側は配慮と準備が必要です。第二新卒が実際にOB訪問を行う際に注意すべきポイントを見てみましょう。
5.1.メールでのアポイントを基本とする
OB訪問のアポイントはメールで取るのが基本です。電話の場合、目の前の業務を中断させてしまうことになり、迷惑となる可能性があります。
5.2.質問の質を重視する
「いざOB訪問しても、具体的にどんな質問をしたらいいか思い浮かばない」と悩む第二新卒の方もいるかもしれません。しかしOBの方も忙しい中時間を割いてくれているので、何が聞きたいのかよく分からない曖昧な質問を繰り返すことは失礼にあたります。自分がOB訪問で得たいものを明確化し、的確な質問を用意しておきましょう。
ここでは、OB訪問で聞きたい質問の一例を紹介していきます。
5.2.1.社内の雰囲気
「社員のみなさまの仕事の取り組み方について教えてください。」
「先輩や上司とは、どのようなコミュニケーションを取っていますか?」
5.2.2.事業・業界
「御社の経営理念を拝見し、御社での事業とはつまり〇〇を実現することではないかと考えました。私の考え方は御社の目指す形と合致していますか?」
「御社の〇〇という業界について、私なりに研究していました。ぜひフィードバックをいただけませんでしょうか?」
5.2.3.業務内容
「〇〇先輩が最もやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?」
「私は将来的に〇〇を実現する仕事がしたいと考えています。御社ではそれが実現できる環境がありますか?」
5.2.4.待遇・福利厚生
「現在の待遇や福利厚生に対して〇〇先輩のお考えを聞かせてください。」
「有給休暇が消化しきれる環境ですか?」
5.3.キャリアセンターなどがない
OB訪問の相手先は学校ではなく企業のため、キャリアセンターなどが設置されていない場合もあります。そのため、アポイントや問い合わせなどは人事部に直接連絡する必要があることを覚えておきましょう。
ただし、大学によっては既卒者に対する就職支援を行っており、OB訪問を斡旋してくれるケースもあるようです。支援を受けたい方は、一度出身大学に問い合わせてみましょう。
5.4.社会人としてのマナーに気をつける
経験が浅いとはいえ、一度社会人を経験している第二新卒に対しては、OBも最低限の社会人としてのマナーの厳守を期待しています。マイナスな印象を与えないよう、社会人として最低限守るべきマナーを確認しておきましょう。
5.4.1.名刺の受け取り方
OB訪問の場面では、OBから名刺を受け取る場面もあるでしょう。名刺交換の経験がない方はもちろん、経験がある方も、あらためてマナーを確認しておきましょう。正しいマナーが身に着いていれば、OBも好印象を抱いてくれるはずです。
5.4.2.時間管理は確実に
OB訪問のアポイント時間は厳守しましょう。OBは、自分の仕事を中断してあなたの対応をしてくれるのです。そのことを実感し感謝の気持ちを持てていれば、遅刻するような事態には陥らないはずです。前日までに、訪問時間や訪問場所の確認、スーツの準備などを済ませ、当日は電車遅延などのトラブルを想定し時間に余裕を持って行動しましょう。
5.5.OBへの感謝の意を伝える
忙しい業務の中、自分のために時間を割いてくれたことに対して、誠心誠意感謝の気持ちを伝えましょう。
お礼は訪問時に対面で伝えるのはもちろんですが、OB訪問からの帰宅後にもあらためてメールも送るようにしましょう。実施した時間帯にもよりますが、可能であれば当日中の相手の終業時間までに、難しい場合は翌日午前中までには送ると好印象です。
その際、題名は「OB訪問のお礼(名前)」と分かりやすく記載し、本文も簡潔に用件をまとめるようにしましょう。
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6.まとめ
OB訪問は、今後の自身の進路を明確化するためにも有効な手段です。今現場にいるOBだからこそ話せる実体験を聞くことで、業界や企業を深く知り、自分の中の悩みや迷いを払拭するきっかけにすることができます。理想の転職を実現するために、目的意識を持ってOB訪問を行いましょう。
ただし、OB訪問は選考の場ではないということを覚えておかなければなりません。面接のような一問一答形式ではなく対話をしようとする意識を持ち、自分の気持ちや考えを伝えたり、OBの気持ちを考えながら成功談や失敗談を引き出したり、というコミュニケーションを味わうことが一番の醍醐味。そうすることで、OB訪問はより有意義なものとなるはずです。
ぜひ、OB訪問を活用して第二新卒の転職をより有利に進めてください。
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