「○○Payが増えすぎて、違いが良く分からない」<br>ーキャッシュレス決済調査

「○○Payが増えすぎて、違いが良く分からない」<br>ーキャッシュレス決済調査

リビング新聞グループのシンクタンクであるリビングくらしHOW研究所は、実店舗での買い物に現金以外の決済方法を利用している全国の1360人を対象に、利用しているキャッシュレス決済方法や、キャッシュレス決済利用者が感じるメリットやデメリット、キャッシュレス決済について疑問に思うことや不満に思うことなどについて聞いた調査結果を発表しました。

フルタイムは交通系、パート・アルバイトは流通系利用が多い

経済産業省が2018年4月に発表した「キャッシュレス・ビジョン」では、2025年までに日本国内のキャッシュレス決済率を40%にするという目標が打ち立てられました。2015年の時点でキャッシュレス決済の普及状況を海外と比較すると、韓国の89.1%を筆頭にキャッシュレス決済が進んでいる諸外国は40~60%台なのに対し、日本は18.4%。あと6年で約3倍に増やしていこうという国の後押しもあり、ここ数年、スマホ決済を中心としたサービスが続々登場しています。では、女性たちの利用実態はどうでしょうか?

利用手段は「クレジットカード」が86.3%とトップ。次いで「流通系電子マネー・カード式」44.6%、「交通系電子マネー・カード式」41.9%が続きます。働き方別に見るとフルタイムに「交通系電子マネー・カード式」、パート・アルバイトに「流通系電子マネー・カード式」利用が多いのが特徴となっています。

現金とキャッシュレス決済、利用比率はほぼ半数ずつ

スマホ決済、QRコード決済利用者はそれぞれ、全体ではまだ10%に満たないものの、支払い方法で、現金とキャッシュレス決済、どちらの方が多いかは、ほぼ半数ずつという結果になり、「日常の生活の中に少しずつ、キャッシュレスの波は入り込んできているようです」(リビングくらしHOW研究所)。また、キャッシュレス決済が「現金≧キャッシュレス」の人に、もっとキャッシュレス決済を利用したいかと聞いたところ、半数が「もっと利用したい」と前向きな意向を示しました。

使える店が限られる、セキュリティが心配...

カード式電子マネーのメリットは、「キャッシュバックやポイントがたまる」「会計がスムーズ」が半数を超えました。デメリットは、「店によって使える電子マネーが違う」が約6割でした。そのほかセキュリティ関連の心配が続き、「残高管理がしにくい」「つい、お金を使い過ぎてしまう」も約1/4にのぼりました。

スマホ決済利用者が挙げたデメリットでも、「使える店が限られる」「スマホ特有のトラブルやセキュリティ問題」が続くものの、「残高管理がしにくい」は11.0%にとどまりました。

そのほか、キャッシュレス決済について疑問や不満に思うこととして、「いろいろ種類があり過ぎて、考えるのも面倒くさい」(45歳)、「○○Payが増えすぎて、違いがよく分からない」(42歳)、「いろいろな交通系カードやスマホ決済が混在していて、煩雑で分かりにくい。クレカさえ使えれば十分だと思う」(31歳)、「携帯をなくした時に悪用されたらと思うと不安。安全面が確認できたら使いたいと思う」(39歳)、「身に覚えのないスマホ請求が来たというニュースを見た。安全面での対策を知りたい」(42歳)、「使える店が限られる。ポイントカードもスマホで完結させたい。明細を明確に表示してほしい」(42歳)、などの意見がありました。

利用可能店舗が増え自分に合ったサービスが選びやすくなる、しっかりとしたセキュリティ対策、お金の管理が心配という心理的ハードルの払しょく、この3つがキャッシュレス決済普及のカギといえそうです。

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