国をあげて、企業のデジタル化が推進される一方、デジタル化やリモートワーク普及による望ましくない副産物として、人間関係の希薄さによるストレスや生産性低下も指摘されています。職場の人間関係の希薄さの原因や、希薄さから生じるデメリットを解説します。(Misa)
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1.リモートワーク、デジタル化が生む人間関係の希薄さ
1.1.リモートワークの普及が急だった結果、コミュニケーションが仕事に偏る
コロナ感染拡大の影響で、リモートワークは急激に導入されました。あまりにも急だったので、リモートワークの環境やルールをあわてて整備し、業務に支障をきたさないことが優先されました。
その結果、職場のコミュニケーションが仕事上の用件や必要事項の連絡や共有に偏りました。
1.2.プライベートのつながりもネット経由が増加、人間関係が希薄に
同じようにプライベートのつながりもソーシャルメディアやインターネット越しのコミュニケーションに頼りがちになりました。
仕事でもプライベートでも、人とのコミュニケーションのインターネットへの依存度が高まり、直接的な人間関係の希薄さが生まれました。
この変化は、職場の一体感やパートナーシップにも影響を与え、多くの企業で新たな問題として注目されはじめています。
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2.人間関係の希薄さによるストレスや生産性低下は大規模な組織ほど深刻
人間関係の希薄さによるストレスや生産性低下への影響は、意外にも規模の大きい組織ほど重くみられているようです。
2.1. 対面のコミュニケーションが減少し、新人がなじめないなどの問題
対面でのコミュニケーション機会が減少することで、お互いの人となりや考え方が伝わりにくくなっています。
すると、新たに入社した人や部署異動した人がなじめないなど、心理的な距離が縮まらないため、チームの一体感や連帯感は生まれにくくなります。
2.2.慣れないコミュニケーションで気を遣いつづけるストレスが生産性の低下に
もともとの人数が少なく、人事異動や人材採用が少ない中小企業よりも、組織が大きいほどネガティブな影響も大きくなりやすい、ということかもしれません。
慣れないコミュニケーションで気を遣いつづけるストレスや、認識の齟齬(そご)からくる意見のくい違いなども増えてきたようです。
これらが生産性の低下に影響していると考えられます。
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3.人間関係を築くために効果的なコミュニケーション
3.1.コミュニケーションの形が多様化したからこそ人間関係の構築は大切
人間関係を築く努力は、リモートワークやデジタル化時代においても重要です。
むしろ、コミュニケーションの形が多様化したからこそ、より意識して取り組むべきといえます。
3.2.仕事への思いや考え方のクセを共有しあうことが効果的
相互理解や信頼関係を築くためには、仕事への思いや考え方のクセを共有しあうことが非常に効果的です。
お互いの考え方が理解できていると、発言の意図をくみとりやすくなり、認識の齟齬を減らせるようになります。
つまり"気心が知れた"状態ですが、仕事でかかわりが深い人と、そういう信頼関係ができるとぐっと仕事がしやすくなります。
3.3.手軽にできて、意外に効果が高いのが日常の雑談
また、社内行事や研修、チームビルディング活動を行うと、チームメンバー同士の一体感を育むことができます。
こうした活動は事前準備やコストにも時間がかかりますが、手軽にできて、意外に効果が高いのが日常の雑談です。
コミュニケーション不足解消のために、雑談タイムを定例化する会社も増えているようです。コストもかからず、今日からでも実践できますね。
こうした取り組みによってコミュニケーション不足が解消されれば、人間関係の希薄さの改善が期待できます。
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原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、ビジネス系を中心に、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。