近年、さまざまな分野で「ワークショップ」が開催されています。「ワークショップってどういう意味?」「参加した方がいいの?」「何をするところなの?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ワークショップとは何か、セミナーとの違いや種類、参加するメリットについて解説します。併せて、ワークショップ主催者の視点でのメリット・デメリット、進め方やポイントもまとめました。ワークショップに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
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1. ワークショップとは
ワークショップ(Workshop)とは、体験型イベント・講座のことを指します。
本来の意味は、「仕事場」「作業場」「工房」ですが、現在では参加者が主体的に参加するイベント・講習会というような意味を持っているようです。
業界のプロや特定の分野に興味・関心のある人たちが集まり、「体験しながら学ぶイベント」と認識しておくと良いかもしれません。参加者が主体性を持って、協力しながら作業し、課題をクリアすることが特徴です。
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2. ワークショップとセミナーの違い
ワークショップによく似た言葉として「セミナー」が挙げられますが、受講スタイルが大きな違いだと言えます。
セミナーでは参加者が「講義を聞く」というやや受け身ともとれる形式が一般的です。一方で、ワークショップは開催者と参加者の双方で1つのテーマを深掘りしていきます。
ここ数年では、ビジネスの分野でもワークショップが注目を集めており、社員の育成・スキルアップなどのセミナーや研修会に近い用途で開催されています。
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3. ワークショップに参加するメリット
ワークショップに参加することでどのようなメリットを得られるのでしょうか。ここでは参加者側の視点で5つのメリットについて解説します。
3.1. さまざまな意見・価値観を学べる
ワークショップでは、参加者を交えて意見交換ができるため、さまざまな価値観を学ぶことができます。
自分とは違った考え方、物事の捉え方を知ることができるため、視野が広がり多角的に物事を見ることができるようになります。
3.2. 当事者意識が高まる
ワークショップでは、テーマに対して参加者が主体となって発言・行動するため、当事者意識が高まることが多いです。
当事者意識が高まることで、学んだことや自分の役割に対して責任感が芽生えることも多いため、ワークショップ後に心理面や行動面に変化が出やすくなるでしょう。
3.3. コミュニケーション能力の向上につながる
ワークショップは、参加者同士が意見交換をするため、コミュニケーション能力の向上につながります。
初対面の人と話したり、複数人の前で発表したりする機会も多いので、場慣れすることも大きなメリットです。
円滑なコミュニケーションを図れるようになるため、積極的に参加することで対人関係で悩むことが少なくなる可能性もあります。
3.4. 達成感が得られる
ワークショップは、参加者全員で作り上げていくので、達成感や満足感を得られます。
周囲の人と協力して作品を作ったり、意見を出し合ったりすることがよい刺激となるでしょう。
また、ワークショップに参加をして「周囲と協力して作り上げることができた」という成功体験を積むことが可能ですので、自信や意欲が湧いてくるメリットもあります。
3.5. 理解を深められる
ワークショップは、「話を聞くだけ」「資料を見るだけ」ではなく、体験をするため知識を深く理解できます。
インプットと同時にアウトプットもしながら学べるので、記憶に残りやすいことが特徴です。
ワークショップで習得した技術やスキルは、すぐに自分のものにして仕事や日常生活で活用できるようになるでしょう。
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4. ワークショップの主催者側のメリット
ワークショップは、参加者だけでなく、主催者側にもメリットがあります。
例えば、商品や製品のアプローチやプロモーションがしやすくなったり、新商品開発におけるアイデアを創出できたりする点がメリットです。
参加者との距離感が近く、質問や疑問にすぐに答えることができる場合も多いので、開催する価値があります。
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5. ワークショップのデメリット
参加者は、会場に足を運ぶことで満足してしまう場合があります。
学んだことを活かして次のアクションへと促すことが目的で開催したのに、参加したというだけで満足感を得てしまい行動が止まってしまうケースもあるようです。参加者のモチベーションによって、成功できるか左右される点もデメリットと言えるでしょう。
また、ワークショップは「体験」を重視しているため、知識量と言う観点で考えると学びが少なくなってしまうこともあります。そのため、場合によってはワークショップよりセミナー形式の方が適していることがあります。
6. ワークショップの内容の具体例
ワークショップは、どのような業界・分野で開催されることが多いのでしょうか。ここでは、ワークショップの内容の具体例として、以下の5つをピックアップしました。
6.1. ビジネス
ここ数年、ビジネスの分野でワークショップが導入されるようになりました。セミナーや研修講座とは異なり、体験する要素を含むものを「ビジネスワークショップ」と呼んでいます。参加者は、成長を目的として主体的に取り組む姿勢が求められます。
例えば、新人研修や役員研修、業務改善の会議などをワークショップ形式にすることで、主体的な参加を促せるため取り入れている企業が多いようです。
6.2. ものづくり
ものづくりのワークショップは、人気の高いジャンルだと言えます。特に、アクセサリー作りやフラワーアレンジメントなどを体験できるワークショップが人気です。
ショッピングモールや児童館、公民館などをイベント会場として、子どもも気軽に参加できる「工作ワークショップ」が実施されています。
6.3. 教育
高校生や大学生など学生を対象とした「キャリア教育」「グローバル教育」といったワークショップが開催されています。インプットとアウトプットを繰り返し行うため、学習効果が期待されているようです。
また、子育て中の保護者や子育て支援スタッフを対象に開催される「子育てワークショップ」も注目を集めています。内閣府の「開催報告 ワークショップ(ワールドカフェ方式)」では、「ママ友・パパ友の作り方」「育休中の不安解消」「子どもの居場所づくり」といったテーマでワークショップが開催されています。
6.4. アート・芸術
ワークショップが普及する一端となったのは、演劇ワークショップの広まりでした。このように、アートや芸術分野でも体験型のワークショップが導入されています。
近年では、アートの知識や技術がなくても、芸術家のように作品作りを楽しめると多くの人が参加しているようです。
プロの見本を見たり触れたりして、指導を受けながら作品作りができるので、大人向け・親子向けなど対象者を絞って開催される傾向にあります。
6.5. まちづくり
地域運営組織がまちづくりに関するテーマで開催するワークショップです。
実際に開催された例を挙げると、京都市では「地域内の危険箇所の確認」や「地域のいいところを見つけ出す」といったテーマでワークショップが開催されました。
「まちを歩きながら課題を発見し、改善案を考える」といったまちづくりを、自分事として捉えられるようです。
7. ワークショップの進め方やポイント
ワークショップを開催する際には、進め方やポイントを押さえて事前準備を念入りに行いましょう。ここでは、ワークショップ主催者の視点で進め方やポイントをまとめたのでご確認ください。
7.1. 開催する目的・目標を明確にする
ワークショップの開催が決定した際には、目的や目標を明確化させて、企画内容を固めましょう。参加者に対して何を求めているのか考えることでゴールを設定でき、軸がぶれにくくなります。
また、企画内容によってターゲット層や定員、場所などが大きく異なります。ワークショップは参加型ですので、参加者が主体的に楽しく学べる企画にすることが大切です。
例えば、一緒にハンドメイドをしたり、スキル演習を実施したりと参加者が満足できる企画を含めるようにしましょう。
7.2. 必要な場所・物をそろえる
ワークショップを開催する目的や目標を明確にしたうえで企画が定まったら、場所や開催日時を決めて、必要な物を用意しましょう。ターゲット層が参加しやすい時間や場所をよく考えてから集客をすることが大切です。
特にオフライン型のワークショップの場合は、会場を確保したり、必要な物をそろえたりと事前準備に時間と労力がかかるため、余裕を持った準備期間が必要です。
7.3. 適切な規模やグループ構成を考える
ワークショップの規模やグループ構成も、成功を左右する重要な要素です。特に初めてワークショップを開催する場合、参加人数を多くし過ぎてしまうと開催者側の目が届かず、参加者の満足度を損なってしまう可能性があります。
また、グループの人数は5~6人程度が望ましいとされています。ワークショップの内容にもよりますが、特に意見交換などを行う形式の場合は多すぎず、少なすぎない5~6人で設定するべきでしょう。
7.4. スケジュール設計と時間管理を徹底する
セミナーであれば、主催者側が一方的に進行していくことが多いですが、ワークショップの場合は参加者自身が作業を行うので、時間管理が難しくなります。参加者が作業に没頭してしまったりして、予定よりも時間が押してしまうことも多々あります。
あらかじめ想定を超えて時間がかかる可能性も考慮しながら、細かくスケジュールを設定し、当日も常に時間に意識を配りながら進行する必要があります。きちんとゴールにたどり着けるよう、時間配分と進行の仕方を工夫しましょう。
7.5. 積極的になれる雰囲気作りをする
ワークショップは、参加者が主体となって発言や行動をしてもらう必要があります。
そのため、参加者にリラックスしてもらえるように、発言しやすい環境・雰囲気づくりを意識しましょう。ワークショップの内容にあわせて、会場や机の配置、BGMなどを選ぶようにします。
7.6. 個人ワークからはじめる
ワークショップは個人ワークからはじめれば、参加者の発言量を調整できたり、緊張を和らげたりすることが可能です。
出だしから積極的に発言するように促されても、心の準備ができず困ってしまう方もいるでしょう。反対に、人前で発言することに慣れており、強い意見を述べたり発言量が多かったりする方もいます。
そうなると参加者の公平性を保ちにくくなるので、はじめは一人で考えて付箋や紙に意見を書き出すなど、個人ワークからスタートしてみましょう。
7.7. ファシリテーターを配置する
ファシリテーターとは、会議や商談において中立的な立場で参加者に発言を促したり、意見をまとめたりする人のことを指します。
ワークショップは通常の会議と違い、参加者と主催者の双方向の発言を引き出す必要があるので、進行の難易度が高いといえるでしょう。特に、個人ワークからグループワークへ切り替えた際に、場の雰囲気が重たくなるケースもあります。
ファシリテーターは状況に応じて軌道修正をする役目を持つため、必要に応じて配置した方が良いでしょう。
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8. まとめ
ワークショップとは、参加者が主体となる体験型イベント・講座のことです。開催者と参加者の距離が近く、お互いに多くのメリットを得られます。従来のセミナー形式の講義よりも自らを表現できる時間を過ごせる可能性が高いので、積極的に参加・開催すると自己成長につながるでしょう。
なお、ワークショップを開催する際には、目的とゴールを明確化したうえで企画を検討して、主軸がぶれないことが大切です。しっかりと準備をして、参加者の満足度の高いワークショップを開催しましょう。
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