資格取得のための効果的な勉強方法とは？資格ごとの難易度についても紹介

「資格取得のための勉強方法が分からない」「どの資格を取ればいいのか分からない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、資格を取得するメリットや種類、試験に合格するための効果的な勉強方法を紹介します。

併せて資格ごとの難易度や、勉強をする際のポイント、選び方についてもまとめました。自分にとって必要な資格や、取得するために何をすべきかが明確になるでしょう。

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1. 資格を取得するメリット

資格を取得することには大きなメリットがあります。ここでは、資格取得で得られるメリットを4つ紹介します。把握しておけば資格勉強のモチベーションを高く保つことができるでしょう。

1.1. スキルや能力の証明になる

資格は、その人自身のスキルや能力の証明になります。そのため、転職や営業などで自分をアピールするときに有利になります。

また、資格を取得することで能力を裏付ける根拠になる点もメリットといえます。

例えば、「私は情報システムやセキュリティ関連のIT知識を身につけています」よりも「私は、ITパスポートを取得しているため、IT関連と情報処理に関する基本的な知識はすでに有しております。」と伝える方が説得力が高まります。

1.2. スキルアップにつながる

資格を取得すれば、ある特定の分野の知識が身に付き、自分の能力を向上させることができます。

現在持ち合わせていない知識や技術を新たに手に入れることができるので、個人の成長はもちろんのこと、チームや組織、会社全体を大きく変革させられる可能性があるのです。

一口に「資格」といっても、さまざまな種類があり、得られるスキルも多岐にわたります。知識や技術だけでなく、経験やマインドといった部分も成長できる可能性があるので、自分に必要性の高いものを見極めることが大切です。

1.3. キャリアアップを目指せる

資格を取得し、現状よりも高いスキルが身に付けば、キャリアアップにつながる可能性があります。企業が求めるスキルや技術を習得することで、よりよい条件で活躍できるかもしれません。

会社の制度として、資格の取得によって昇進や昇給などができれば、モチベーションアップにつながるでしょう。

キャリアアップにおすすめの資格も存在するので、昇進や昇給を目的としている方は、参考にしてみてください。

1.4. 仕事の幅が広がる

スキルアップをすることで、普段こなしていた業務を効率的に行えるようになる可能性が高まります。さらには、パフォーマンス向上効果も見込めるため、ワンランク上の業務も担当できるかもしれません。

専門性を高めて仕事の幅が広がれば、会社からの信頼を勝ち得ることができるので、新しい仕事のチャンスをもらえる可能性もあります。

また、挑戦したい仕事や部署への異動を打診する発言力を得られるケースもあります。

転職を検討している場合は、特定の資格を応募条件として設けている企業への応募も可能になるので、視野を広げられる点が大きなメリットです。

【関連記事】「社会人が若いうちに取るべき資格は? 転職やキャリアアップにおすすめの資格13選！」

2. 資格の種類

「資格」は、大きく4つの種類にわけられます。

国家資格は、国の基準に基づいて認定されており、資格の信頼度が比較的高い傾向にあります。なお、技能レベルを評価する国家検定制度である「技能検定」も、国の法律に基づいて設定されています。

公的資格は、文部科学省や経済産業省などの特定の官庁や大臣が認定する資格です。民間資格とは、民間企業や団体などが社会のニーズにあわせて独自の審査基準を設けて任意で認定する資格を指します。

国際資格は、複数の国家の合意により定められる資格で、取得すれば海外でも通用するスキルを有していることの証明になります。

資格の種類の特徴と実施している団体・組織を知ったうえで、取得すべき資格を検討しましょう。

【出典】厚生労働省「技能検定制度について」

【関連記事】「20代必見！転職しやすい有利な資格おすすめ一覧（業種別）」

3. 資格取得のための勉強方法

資格の取得を目的とした勉強方法を6つ紹介します。学生時代の受験勉強とは異なる部分もあるので、これから資格の取得を目指している方はチェックしておきましょう。

3.1. 過去の問題を解く

過去の問題(過去問)を活用すると、効率的に資格試験の勉強を進めることができます。過去問を解けば、問題量や出題形式、難易度、時間配分など試験全体の傾向をつかむことができるでしょう。

まずは、数年分の過去問を一通り解いて、自分の弱点を洗い出します。次に間違えた問題をノートに書き出して、解答や解説を読み込み、解き直して理解度を深めましょう。

過去問を繰り返し解いて、新たな弱点を可視化し、1つずつ潰していくことがポイントです。過去問が入手できる資格試験であれば、積極的に活用しましょう。

3.2. 参考書を活用する

参考書を活用することで、新しい知識をインプットできます。資格を取得するための参考書は、馴染みのない専門用語が多く、理解するのに時間がかかってしまうでしょう。

そのため、はじめはサッと目を通して全体像を把握するイメージで読み進めます。参考書を一通り読み終えたら冒頭に戻り、再度目を通してみると、難しく感じた用語が頭にスムーズに入ってくるはずです。

このように何度も繰り返し参考書を読むことで、少しずつ専門的な知識や難しい用語もインプットできるようになります。

3.3. 動画で学ぶ

文字情報だけでインプットに頼るのも良いですが、動画や音声教材があればさらに記憶に残りやすくなるでしょう。

動画は、スマートフォンで簡単に視聴できるため、移動中や身支度の間、家事をしながらでも学習することが可能です。

帰宅後の〇時～〇時までは参考書や過去問を使用して勉強し、それ以外の時間に動画学習をするといったように、時間を決めて使い分けるとよいでしょう。

3.4. 模擬試験を受けてみる

資格によっては、本試験前に模擬試験を実施しているケースもあります。難易度や試験時間、問題量など本試験を想定した内容となっているので、合格ラインに達していれば、安心して本番を迎えられるでしょう。

反対に合格ラインに届いていない場合は、苦手な分野や単元を絞って集中的に学習することができます。

模擬試験を受けることで、資格勉強の進捗状況を可視化できるので積極的に活用しましょう。

なお、模擬試験を実施していなかったり、試験会場が遠方で受験できなかったりする場合は、過去問で模擬試験のような状況を作って挑戦してみるのも1つの手です。

3.5. 資格スクールや予備校に通う

「自分ひとりでは誘惑に負けてしまう」「何としてでも合格したい」という方は、資格スクールや予備校、通信講座の受講を検討しましょう。

ここ数年では、さまざまな団体や企業から通信講座やスクールなどのサービスが提供されています。

自宅で気軽に受講できるオンラインサポートを設けている講座やスクールもあるので、不安な方は活用してみてはいかがでしょうか。

3.6. セミナーや勉強会に参加する

セミナーや勉強会に参加することで、その分野に精通したプロフェッショナルや、実務経験を積む講師から指導を受けられます。

「独学では難しい」「スクールや予備校に通う余裕がない」という方は、単発で行われるセミナーや勉強会、講習会などに参加してみると良いかもしれません。

また、セミナーや勉強会で出会えた人は、同じ目標に向かって努力をしているので、情報共有し合える仲になれる可能性もあります。

【関連記事】「社会人が勉強するのはしんどい？おすすめの資格や勉強方法を紹介」

4. 資格の勉強をする際のポイント

資格の勉強は、手あたり次第に進めてしまうと失敗する傾向にあります。

とくに社会人が働きながら資格取得を目指すなら、戦略的に進める必要があるので、6つのポイントを押さえて資格勉強に励みましょう。

4.1. 1日の勉強時間を決めておく

1日の勉強時間と勉強するタイミングをあらかじめ決めておくことが大切です。

無計画で気の向くままに勉強に取り掛かっても、インプットした知識は定着しにくいです。資格の勉強は、反復的に行う必要があるので、習慣化させて計画的に進めましょう。

例えば、「夕食と入浴を済ませたら、寝る前の時間を使って毎日3時間勉強する」というように日常生活に組み込むことが重要です。

勉強を後回しにしてしまう人は、自分で決めたルールを守れるようにご褒美を用意するのもよいかもしれません。

4.2. 目標を設定しておく

「〇〇の資格試験に合格する」といった最終目的だけではなく、その前の段階で小さな目標をいくつか立てておきましょう。

具体的には、中間目標として「〇月〇日に模擬試験を受けて〇点を獲得する」「〇月〇日までに過去問のミスを減らして合格ラインに達する」など、現実的な目標を立てておきます。

最終目的だけだと途中でモチベーションが低下したり、進捗状況を正しく把握できず軌道修正できないままで試験日を迎えてしまう可能性があるため、中間目標を掲げておきましょう。

4.3. 取得までのスケジュールを引いておく

「資格を取得する」というゴールから逆算して、スケジュールを立てれば、計画的に勉強を進められます。

まずは、合格ラインに達するために必要な勉強時間を算出し、1日の目安となる学習時間を設定しましょう。次に1週間単位で学習目標を決めておきます。

1日あたりの学習時間は、その日の体調や仕事の忙しさなどに応じて変動しても良いですが、週ごとの学習目標にズレが生じないように心がけましょう。

4.4. 完璧を求めすぎない

資格の勉強をする際に、完璧を求めすぎると効率が悪くなる可能性があります。

例えば、「各分野で満点を取らなければ次の章に進めない」というように、完璧な理解を求めてしまうと時間が足りなくなる可能性が高いです。

また、確実に満点を取ると決めた場合、達成できなかった時に、理想と現実のギャップに苦しみ、モチベーションが下がる可能性もあります。

満点を目指すのは問題ありませんが、資格の勉強期間中はスケジュールに合わせて柔軟に対応しましょう。

4.5. 分からないままにしない

資格取得の勉強中は、完璧主義に固執しない方が良いと述べましたが、かといって分からない部分を放置したまま進むのはよくありません。

分からない部分や苦手なところは後回しにしたり、その分野での高得点を諦めたりしがちです。しかし、どの分野も内容がつながっている場合があるので、1つのジャンルを諦めてしまうと各章・各分野で解けない問題が出てくる可能性があります。

理解できなかった分野を再度学習して、習得できるような余裕のあるスケジュールを立てておきましょう。

4.6. 適度に休憩をとる

資格の取得に向けて、多くの人は「平日は〇時間、土日は〇時間勉強する」というように計画を立てるかと思います。

余裕のない計画を立ててしまうと、挫折につながるので、休憩時間もスケジュールに含めることが大切です。

適度な休憩は、脳と身体をリフレッシュさせることができるので、モチベーションや集中力アップにもつながるでしょう。

【関連記事】「社会人が若いうちに取るべき資格は? 転職やキャリアアップにおすすめの資格13選！」

5. 資格別の難易度

ここでは、おすすめの資格とそれぞれの特徴や難易度について解説します。どの資格を取得すべきか迷っている方は、難易度と自分が確保できる学習時間、必要なスキルなどを照らし合わせながら検討しましょう。

5.1. 簿記

簿記とは、企業の経営活動を計算・整理して帳簿に記録する技術のことを指します 。資格の正式名称は、「日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験」です。

経営成績や財政状態を明らかにする技能のことで、業種・業態問わずさまざまな企業で必要とされます。なお日商簿記には、初級・3級・2級・1級という4つの級に分けられており、受験資格はとくに設けられていません。

商工会議所の受験者データ（統一試験）によると、直近の3級合格率が34.0％、2級は21.1％、1級は10.4%となっています。

【出典】商工会議所「受験者データ（統一試験）」

5.2. ファイナンシャルプランナー（FP）

ファイナンシャルプランナー（FP）は、税金・保険・投資・住宅ローンなどライフプランに関するお金の知識を証明できる資格です。

認定機関である日本FP協会の公式サイトでは、ファイナンシャルプランナー（FP）のことを「家計のホームドクター」のような存在と記述しています。

ファイナンシャルプランナー（FP）は、3級・2級・1級の3つの級に分類され、2023年5月の合格率は下記のとおりです。

1級は、年に1度（9月）に実施されるため、2022年9月のデータを記載しております。

【出典】日本FP協会「実施試験結果データ（受検者数、合格者数等）」

5.3. 行政書士

行政書士とは、行政手続きを専門とする法律関係の国家資格です。

行政書士は、官公庁に提出する書類などの作成業務や、書類提出手続きの代理業務、相談業務などを担います。

「最近10年間における行政書士試験結果の推移」によると、合格率は令和2年度以降高くなっていることが分かりました。

【出典】行政書士試験「最近１０年間における行政書士試験結果の推移」

5.4. 医療事務

医療事務とは、病院やクリニックなどの医療機関で受付・会計・診療報酬請求業務を担う仕事です。

医療事務は民間資格にあたり、「医療事務技能審査試験（メディカルクラーク(R)）」や
「医療事務管理士（技能認定振興協会）」などさまざまな種類が存在します。

医療事務管理士（技能認定振興協会）の合格率は、50％前後と記載されています。各資格によって難易度や身に付くスキル、特徴が異なるので、リサーチを行ったうえで検討しましょう。

【出典】技能認定振興協会「医科 医療事務管理士®技能認定試験」

5.5. 中小企業診断士

中小企業診断士とは、中小企業の経営課題に対して診断や助言を行う専門家です。

国家資格ですので「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣によって登録されます。運営管理や企業経営理論のほか、財務・会計などに関する専門知識を身につけることができます。

「中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移」によると、直近4年間の第一次試験の合格率は、28.9%〜42.5%、二次試験で18.3%〜18.7%で推移しています。

【出典】J-SMECA 中小企業診断協会「中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移」

5.6. 宅地建物取引士

宅地建物取引士とは、公正かつ円滑な不動産取引をサポートする専門家を指す国家資格です。おもに、不動産の売却や賃貸契約などの業務を担うことができます。

不動産適正取引推進機構が公表している「令和４年度宅地建物取引士資格試験結果の概要 」によると、合格率は17.0％（男 16.6％、女 17.9％） だと分かりました。

宅地建物取引士は年間約20万人が受験する人気資格ですが、合格できるのは3万人ほどです。

【出典】不動産適正取引推進機構「令和４年度宅地建物取引士資格試験結果の概要 」

5.7. ITパスポート

ITパスポートは、ITに関する基本的な知識を証明できる国家試験です。

ITに関するスキルに加え、ビジネス用語や経営知識も身に付くので、取得を目指すビジネスパーソンも多くいます。

合格率は、令和3年度は52.7％、令和4年度は53.4％と過半数を占めているので、比較的難易度の低い資格だと言えるでしょう。

【出典】IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「情報処理技術者試験統計資料」

5.8. Microsoft Office Specialist（MOS）

Microsoft Office Specialist（MOS）とは、Word、Excel、PowerPointなどの操作スキルを証明できる国際資格です。

取得することで業務の効率化につながり、就職・転職時に有利になる可能性がある点がメリットと言えるでしょう。

MOSの合格率は非公開ですが、大手通信教育講座のデータによると一般レベルは約80％、上級レベルは約60％とされています。

5.9. 社労士

社労士とは、企業で採用から退職までの労働・社会保険などに関する問題、年金相談といった業務を担う専門家です。

社会保険労務士試験の受験資格は、学歴や実務経験、厚生労働大臣が認定した国家試験合格といった3つの受験資格が必要になります。

厚生労働省が公表する「第52回社会保険労務士試験の合格者発表」によると、34,845人が受験し、合格率は6.4％ときわめて低い数値となっています。

【出典】厚生労働省「第52回社会保険労務士試験の合格者発表」

【関連記事】「履歴書に書く資格がない場合の対処法、資格がなくてもアピールする方法」

6. 資格の選び方や注意点

自分の環境や状況、目的に合わせた資格を選ぶことが大切です。ここでは、資格の選び方や注意点を4つに分けて紹介します。

6.1. 今の仕事に必要な資格か考える

スキルアップやキャリアアップを資格取得の最終目的としている方は、今の仕事に必要であるかを確認しておきましょう。

また、会社によっては、「有資格者＝給与が上がる」という制度を導入していないケースもあります。会社が求める資格であるのかを事前に調べたうえで挑戦しましょう。

6.2. 自分が将来どうなりたいか考える

自分が理想とする将来像から逆算して、必要なスキルを身につけるのも1つの手段です。

例えば、現在は経理事務として働いているけれど、将来的には医療事務員になりたいという場合は、医療事務の資格取得を目指すと良いでしょう。

また、現職と大きくかけ離れていても、資格を取得することで転身できる可能性もあります。まずは3年後の自分の姿を想像しながら、理想像を紙に書き出して言語化してみると、必要な資格が見えてくるかもしれません。

6.3. 資格の難易度や勉強時間はあるか考える

取得する資格によって、難易度や必要な学習時間が異なります。自分がどれくらいの時間を資格の勉強に充てられるのかを考えてから、現実的に可能なものを選択しましょう。

また、これまでに資格を取得した経験がない方は、短期間で合格できるものを選ぶと良いかもしれません。

資格の難易度が高くなれば、その分参考書やスクールなどの費用、受験費用も高額になる可能性があるので併せて確認しておきましょう。

6.4. 資格を取得するための方法を調べる

実務経験の有無や、短大・大学卒業以上など取得条件が設けられている資格もあるので注意しましょう。

資格によっては試験日が数年に一度しか設けられていなかったり、試験会場が遠方で行くのが困難だったりするケースもあります。

また、資格取得後も定期的な登録手続きが必須、あるいは継続学習で単位を取得する必要があるなど、更新に費用が発生するかもしれません。

資格の勉強をはじめる前に、要件や条件を満たしているのかをチェックすることが大切です。

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7. まとめ

資格を取得することで、スキルアップやキャリアアップにつながり、理想の働き方を実現できる可能性があります。

まずは理想とする将来像を明確化させて、自分に適した資格を見つけることが大切です。

資格取得のための勉強は、中間目標を立てて計画的に着手し、効率的かつ着実に合格を目指しましょう。

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