飲食料品の値上げが続いています。東京商工リサーチによると、2023年に入ってから主要メーカー200社の値上げは、出荷分だけで3万797品に上ることがわかりました。8月も、東京土産の定番「東京ばな奈」や真夏の風物詩「北海道あずきバー」などが値上げされます。
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「価格改定・値上げ」調査は、国内の主な飲食料品メーカー200社を対象に、2023年1月以降の出荷・納品分で価格改定を公表した商品について調べたもの。1回の値上げで複数商品の値上げが行われる場合の値上げ幅は、平均値を集計しました(値上げ・価格改定は、2023年7月26日公表分まで)。
1.ベストセラー商品や人気土産が続々値上げ
200社のうち、2023年1月以降の出荷・納品分の値上げ(見込みを含む)を公表したのは163社(構成比81.5%)で、対象品目は3万797品。前回調査(2023年6月、2万9,372品)から1カ月で1,425品増加しました。
(【画像出典】東京商工リサーチプレスリリース)
8月の値上げは27社・938品で、5月(756品)以来、3カ月ぶりに1,000品を下回りました。
しかし、ベストセラー商品の「北海道あずきバー」「メロンボール」(井村屋)や「柿の種」(亀田製菓、内容量変更)、人気の東京土産「東京ばな奈(シリーズ)」(グレープストーン)などについて、価格の見直しが実施されます。
さらに、9月には「ガツン、とみかん」(赤城乳業)の値上げが予定されており、同調査では「身近なアイスクリーム類が段々と高嶺の花になりつつある」と見ています。
(【画像出典】東京商工リサーチプレスリリース)
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2.分類別では「調味料」が最多
値上げが公表された3万797品を分類別にみると、「調味料」が最も多く8,654品(28.1%)。調味料は、醤油や味噌、麺つゆ、鍋つゆ類も軒並み値上げされ、品目数は毎月増加しています。
また、だし原料の煮干し(カタクチイワシ)、カツオ節、サバ節は昨秋以来、原材料不足が長引いているそうです。
次いで、「加工食品」が7,824品(25.4%)、「飲料・酒」が5,661品、「冷凍食品」が2,557品となりました。
(【画像出典】東京商工リサーチプレスリリース)
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3.値上げ理由、「原材料」高騰がトップ
値上げ理由については、「原材料」高騰が2万8,798品(93.5%)でトップ。以降、「資源・燃料」が2万5,320円(82.2%)、「物流」が2万346品(66.0%)、「資材・包材」が1万9,188品(62.3%)と続きました。
(【画像出典】東京商工リサーチプレスリリース)
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4.まとめ
東京商工リサーチは今回の調査結果について、「今後も食品メーカー、消費者の双方とも消耗戦の厳しい環境が続く。原材料高騰や円安、エネルギー高騰の長期化などの懸念材料は多く、夏以降も値上げ品目数は高水準で推移しそうだ」と分析しています。
(【記事出典】東京商工リサーチプレスリリース)
(記事執筆:御木本千春)