「自分には、どのような社風の会社が合うのか」「転職を考えている企業はどのような社風なのか知っておきたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
社風や会社の雰囲気は、自分と価値観が合うのか、馴染むことができそうかといった判断材料の一つになるので、入社を決める前に知っておきたいものです。
本記事では、社風の概要について具体例を挙げながら解説します。併せて、入社前に社風を確認する方法や、自分に合った社風を見極める方法をご紹介しますので、自分に適した会社
を鮮明にイメージできるようになるでしょう。
1. 社風とはどういう意味?
社風とは、それぞれの企業が持っている理念や、独自の雰囲気、空気感のことです。社員一人ひとりが企業の歴史や人間関係、仕事の進め方などを通してさまざまな捉え方をします。
そのため「あなたの会社はどんな社風ですか?」と聞かれると、同じ会社に勤めていても「アットホーム」だと答える人もいれば、「体育会系」と正反対な考えを答える人もいるでしょう。
主観的なものですので、どのように感じ取るかによって異なります。また、社風は経営者の方針や理念などを踏まえて培われていくため、時代とともに変化します。
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2. 社風にはどんなものがある?
社風の具体例として「アットホーム」「フラットな人間関係」「体育会系」などが挙げられます。
ここでは、企業の社風を例に挙げて解説するのでイメージが湧きやすくなるでしょう。また、自分にどのような社風が適しているのかを解説します。
2.1. 社風の具体例
社風は、同じ業界・業種であっても会社によって大きく異なります。ここでは、自動車メーカーに勤める従業員の口コミを参考に、各社の社風をまとめました。
T社 | チャレンジ精神が旺盛な意欲溢れる社風 |
---|---|
N社 | 自由な働き方・意見を持つ社風 |
H社 | 熱意があり技術力に注力する体育会系な社風 |
同じ自動車メーカーであっても、体育会系だったり、自由度が高かったりといった違いがあるようです。
「IT系企業なら風通しが良い」「スポーツ業界だから上下関係が厳しい」という業界ごとの先入観にとらわれずに入社前に各企業の社風を確認する必要があります。
2.2. 社風に良し悪しはないが合う合わないはある
社風は、働く人によって感じ方や捉え方が異なるので、一概に良い社風・悪い社風と断定することはできません。
しかし、前述でも説明したとおり、人によって捉え方や感じ方はさまざまです。
そのため、同じ企業でも、人によって合う・合わないということがあることは認識しておきましょう。
良し悪しはないものの「適性」はあるので、自分に合う社風の企業を選ぶことが大切です。
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3. 社風を確認する方法
入社前に企業の社風を完全に把握することは難しいでしょう。しかし、下記の7つの手段でさまざまな情報を入手できるので、社風を確認する際にお役立てください。
● 企業のホームページを見て理念や社史を確認する
● 口コミサイトやSNSをチェックする
● 面接で聞いてみる
● 会社説明会に参加して質問してみる
● インターンシップ制度を利用してみる
● OB・OG訪問で聞いてみる
● 転職エージェントに聞いてみる
3.1. 企業のホームページを見て理念や社史を確認する
はじめに企業のホームページで社風が自分に合っているか確認します。
おもに、企業理念や社史(会社の歴史のことを指し、創業の経緯や社員どうしの絆などが示されているページ)に目を通してみましょう。
ここ数年では、企業側が社風を求職者に伝えるために、下記のページを用意しているケースもあります。
● 現役社員が社風について語るコンテンツの掲載
● 社内イベントの模様などを写真や動画つきで掲載
● 経営層が企業理念や社風について執筆したブログを掲載
なかには、実際に働いている社員の様子や年収、福利厚生に関する情報を採用サイトに記載している場合もあるので企業のホームページを隅々までチェックしましょう。
3.2. 口コミサイトやSNSをチェックする
社内のリアルな声を把握するために、元社員の口コミをチェックできるサイトや、SNSの投稿が役立ちます。
「会社を辞めた理由」「退職を決意したきっかけ」などが匿名で記載されているので、内部情報を知ることができるのです。
ただし、ネガティブな情報のすべてを鵜呑みにすることは危険です。個人的な意見に耳を傾け過ぎると、自分に適した企業との出会いのチャンスを逃してしまう可能性があります。
複数の投稿や口コミを探して、共通する部分を見つけ、情報の真偽を確かめることが大切です。
3.3. 面接で聞いてみる
どんなにリサーチをしても情報を見つけることができないケースもあるでしょう。そのような場合には、面接で直接質問してみるのも一つの手段です。
例えば、「会社の方針でもっとも重要視していること」や「将来のビジョン」に関する質問をすることで社風について具体的に知ることができるかもしれません。
また面接は、面接官の人柄だけでなく、受付や社内の雰囲気でも感じ取ることができるので、社風を深く知れる場となるでしょう。
3.4. 会社説明会に参加して質問してみる
会社説明会は、社内の人に直接、社風を聞ける場として最適です。
企業理念や事業内容に併せて社風も聞いておくと、実際に自分が働く環境のイメージが湧きやすくなります。
職場の雰囲気について聞いたり、同世代の社員と会話をしたりすることで、入社後のミスマッチを防げるでしょう。
3.5. インターンシップ制度を利用してみる
インターンシップ制度とは、就業前に企業で「就業体験」をする制度のことです。インターンシップ制度を利用すれば、直接社風を体感することができます。
長期的なインターンシップではなく、「1day仕事体験」という1日で完結するものもあります。気になる企業がある方は、実際に働いて職場の雰囲気を掴んでみてはいかがでしょうか。
3.6. OB・OG訪問で聞いてみる
OB・OG訪問とは、興味のある企業で働いている大学などの先輩を訪ねて、企業研究に活かすことを意味します。
インターネットでの情報収集では、物足りない部分もあるでしょう。OB・OG訪問では、実際に働いている人に直接、仕事の実情や、人事担当者からは聞けないような内容など、リアルな情報を入手することが可能です。
プライベートな自分のこともよく知っている先輩であれば、職場の雰囲気や社風が自分に適しているかまで教えてくれる可能性があります。
3.7. 転職エージェントに聞いてみる
転職エージェントに相談をすると、企業独自のカルチャーや雰囲気、社風などの情報を得ることができます。
転職エージェントに在籍するキャリアアドバイザーは、求人票を掲載する企業と何度も打ち合わせをしたり、足を運んだりして内部情報を知り得ています。
過去に応募先企業へ転職した求職者の情報を保有しているケースもあるので、実際に働く人の声も聞ける点も嬉しいポイントです。
企業のホームページや人事担当者から得た情報とは異なる視点からアドバイスを受けられるので積極的に活用しましょう。
4. 自分にあった社風を見極める方法
自分にどのような「社風」が合うのかよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
自分に適した社風を見極めるためには、これまでのキャリアを振り返り、自己分析することが大切です。理想の社風について一度立ち止まって考える機会を作りましょう。
4.1. 自分の理想の社風を明確化してみる
まずは理想とする社風や働き方を明確にしてみましょう。
例えば、「フラットな人間関係の職場がいい」「年功序列ではなく年齢は関係なく実力に応じた評価をする企業がいい」など細かく理想像を挙げてみてください。
複数の企業像が挙がったら、その中から優先順位をつけていきます。紙やエクセルなどにまとめると視覚的に判断しやすくなるでしょう。
自分が身を置きたい理想的な環境を知ることができるので、転職候補先が定まってきます。
4.2. 業界・企業研究を徹底する
興味のある業界・企業について徹底的にリサーチしていく過程で、多くの企業の社風を知ることができます。
企業研究は、企業概要や強み、動向を把握し、経営者の考え方などをおもに調べます。それに加えて、実際に社員のリアルな声を聞き、現場で感じられる社風を知ることが大切です。
あらゆる角度から企業研究を行えば、自分がどのような社風の会社に転職したいのか見えてくるでしょう。
4.3. 自分が苦手と感じることは何か考えてみる
理想的な社風をピックアップしていくことも大切ですが、反対に自分が苦手と感じることは何かも考えて洗い出してみることも重要です。また、「これだけは妥協できない」という条件を決めておくのも良いでしょう。
例えば、「失敗する人はメンタルが弱い」「残業するのは当たり前」といった精神論を重視した社風の会社は避けたいなど、苦手な条件・譲れない条件を考えてみてください。
自分が耐えられないことを考慮し、マイナスの視点からリスク回避をするのも大切なポイントです。
【関連記事】「「向いている仕事がない」と感じるあなたに!自分に合った仕事の探し方や自己分析方法をご紹介」
5. 社風が合わないと感じたら
自分にぴったりな職場を見つけることは難しいものです。企業のホームページや面接官との会話のなかで社風をつかんだつもりでも、実際に入社してみたら雰囲気が異なるケースもあります。
ここでは、社風が合わないと感じたときの対処法を4つご紹介するので、試せるものがあればぜひ早めに手を打ちましょう。
5.1. まずは何が合わないと感じたのか考えてみる
どうして社風が合わないと感じているのかを深堀してみましょう。会社全体の社風が合わないと思っていたけど、より深く考えてみると「特定の人との相性が悪かっただけ」というケースもあります。
例えば、上司の性格がどうしても受け入れられない、合わないと感じた際に、「上司の性格=会社全体の社風」と捉えてしまっている場合もあります。苦手な人がいるだけで会社全体の社風を決めつけていないか慎重に考えてみてください。
原因によって対処法が異なるので、より正確にどのような部分が自分に合わないと感じているのか明確にしましょう。
具体的には、人間関係・仕事の進め方・価値観・雰囲気の4つの軸でミスマッチの部分を見極めることが大切です。
5.2. 上司や先輩に相談してみる
信頼のおける上司や先輩がいる場合は、社風が合わなくて悩んでいることを相談してみてください。自分では社風が合っていないと思っていても第三者から見ると、実は合っていると判断されるケースもあります。
例えば、会社全体の社風が合わないのではなく、自身のスキル不足が原因で馴染めなかったり、特定の従業員と馬が合わなかったりする場合もあるでしょう。
まずは自分のことをよく知る相手に相談をして、どうしたら解決できるのかアドバイスを受けてみるのも一つの手です。
5.3. 部署の異動を考えてみる
社風が合わないと感じる原因を追求し、信頼のおける上司や先輩に相談した結果、特定の人との相性が悪い・仕事内容が合わないといったケースもあります。
その場合は、部署異動をすることで、居心地がよくなる可能性があるので検討すると良いかもしれません。
会社の人事制度を確認して、他部署の空きに応募できる「社内公募制度」などがあれば、希望する部署へ応募してみましょう。社内公募制度などがない場合は、直属の上司に相談してみてください。
5.4. 無理をせずに転職を検討するのもあり
現職で自分が生き生きと仕事をしているイメージができないなら、転職を検討するのも良いでしょう。
また、社風が合わない・雰囲気に馴染めないのは自分の問題だと思い込み、無理をして周りにあわせていると心身に影響がでてくる可能性があります。
悩みが深刻化する前に、転職活動を開始し、選択肢を豊富に持っておくと安心感につながるでしょう。
【関連記事】「【仕事行きたくない】会社が嫌になる主な理由とNG行動、行くための方法」
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6. まとめ
企業にはそれぞれ独自の社風があり、社員一人ひとりの捉え方や受け止め方によって異なります。
会社全体の社風が自分に合わない場合、仕事の効率に大きく影響したり、ストレスを受けたりするので転職前に見極めることが大切です。
転職を検討している方は、給与や待遇などの基本的な条件に加え、転職候補となる企業の研究を念入りに行いましょう。
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