ポートフォリオの作り方やポイントを紹介!基本構成から注意点について

ポートフォリオの作り方やポイントを紹介!基本構成から注意点について

これまでの成果物や自身のスキルを集約した「ポートフォリオ」は、クリエイター職の方などにとって欠かせない営業資料の一つです。

本記事では、ポートフォリオの概要やメリット・デメリット、作り方、注意点について解説します。選考担当者に良い印象を残すためのポイントや、最低限必要な項目もまとめました。

本記事を参考に、自身のスキルや実績を最大限にアピールできるポートフォリオを作成しましょう。

1.ポートフォリオとは?目的やメリットついて

ポートフォリオは、直訳すると、「紙ばさみ」や「書類入れ」、「書類などを運ぶケース」といった意味になります。

業界によって使われる意味が異なり、金融業界では「金融資産・商品の組み合わせ」のことを指します。また教育機関では、子どもや学生の学習記録や指導記録を、今後の学習や指導に役立てるためにまとめるものを指します。

今回紹介するポートフォリオは、転職活動などで自身の実績をアピールするためにまとめた資料のことを指します。

マーケターやエンジニア、デザイナーなどの職種は、転職の書類選考や新規案件への応募時に企業からポートフォリオの提出を求められることがあります。

ポートフォリオは、クリエイターなどにとって履歴書や名刺と同じくらい必要性の高いコンテンツだといえるでしょう。

1.1.ポートフォリオを作成する目的

ポートフォリオは、応募先企業に自分の経歴やスキルを実績つきで分かりやすく伝えることが最大の目的です。

ポートフォリオを提出することによって、応募先企業にとって自分のスキルや技術力がどのように役立つのかを示すことができます。

基本的に選考担当者は、応募者の選定にあまり多くの時間をかけられないことも多いため、複数の応募者の提出書類をじっくりと比較することができない場合もあります。

そこで一目で実績やスキルが分かるように工夫を施したポートフォリオを提出できると、担当者の目に留まりやすくなります。また、採用後のミスマッチの可能性も減らせます。

1.2.ポートフォリオのメリット

ポートフォリオを作成するメリットは下記の3つです。

● 技術力のアピールにつながる
● 自身のスキルレベルを伝えられる
● 差別化を図れる

主に、フリーランスなどの方にとっては新規案件を獲得できるチャンスが増えたり、就職・転職の際に有利になる場合があることがメリットだと言えます。

ポートフォリオに自身の成果物を掲載すると、視覚的にスキルや実績を判断しやすくなるので新たな受注を獲得しやすくなるでしょう。

また、クリエイター同士でつながりを持ち、共同作業で業務を遂行し、それぞれの足りない部分を補うことができるイメージを持ってもらいやすい点もメリットといえます。

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【関連記事】「履歴書のコピー・使い回しはNG! 理由と履歴書作成時のポイント」

2.ポートフォリオの基本項目

ポートフォリオの内容には、厳守すべきルールなどは設けられていないことが多いです。そのため、自由に自分のセンスや技術力を表現するチャンスといえます。

ただし、下記の6つの構成要素は、最低限必要な要素だといえるでしょう。

● 目次
● 自己紹介・プロフィール
● スキル・資格・技術力
● 実績・作品紹介
● 将来の展望
● 連絡先・サイトURL

2.1.目次

ポートフォリオは自分自身を相手に伝える一冊の本だと捉え、目次を付けておくとよいでしょう。

はじめに目次が表示されると、ポートフォリオの全体像をつかむことができます。その結果、最後まで読んでもらえる確率が高くなるでしょう。

また、応募が殺到するような人気案件に応募し、ポートフォリオを提出する場合、選考担当者は細部まで内容を確認することができないかもしれません。

目次があれば、気になる項目だけを素早く確認できるため、選考担当者にとっても「魅力を感じやすいポートフォリオ」に仕上がります。

2.2.自己紹介・プロフィール

ポートフォリオの冒頭には、自己紹介・プロフィールを記載するのが一般的です。ポートフォリオ制作者がどのような人物であるか、一目で把握できるように箇条書きなどを用いてまとめましょう。

自己紹介・プロフィールに含めておきたい項目

● 氏名・職種・生年月日・略歴
(※可能であれば履歴書と同様に顔写真も貼り付けられるよいでしょう)
● 職務経歴概要
(※職務経歴書のようなイメージです)
● 自己PR
● スキルアップのための取り組み

2.3.スキル・資格・技術力

使用ソフトや対応できる言語などのスキルレベルを明記しましょう。具体的なツール・言語を挙げて、使用歴・使用頻度なども記載しておくと、仕事が依頼できる範囲を把握しやすくなります。

ディレクターやWebライターなど使用ソフトや言語に言及できない場合は、この項目を省いても構いません。

ただし、WordPressなどのCMSの操作経験、簡単な画像制作の有無、連絡手段で活用しているツールを記載しておくと、打ち合わせの際に一から確認しなくても良いのでスムーズに進めることができるでしょう。

2.4.実績・作品紹介

「ポートフォリオ=作品集」というイメージを持つ方も多いと思います。そのため、具体的な実績や作品紹介を掲載できるとよいでしょう。

しかし、沢山の作品や実績をみてほしいからといって、1ページの中にいくつも詰め込んでしまわないように注意しましょう。基本は「1ページに1〜2作品」です。また、一つの作品に対して、作品説明文(ディスクリプション)を記載することも大切です。

主に、作品タイトル(Webサイトの場合はURL)・作品のスクリーンショット・クライアント名・制作年月日などの基本的な情報を記載しておきます。

併せて、作品のコンセプトや使用ソフトなど、応募企業にとって必要だと思われるポイントを記載するとよいでしょう。

2.5.将来の展望

将来の展望を明記し、方向性が応募企業と合致していれば、採用される確率が高くなる可能性があります。

選考担当者は、求職者に対して「どのようなキャリアプランを持ち、どんな風に自社に貢献できるのか」また「入社後は長く在籍してくれるのだろうか」という判断基準を持っていることが多いです。

そのため、選考担当者が持つ不安を払しょくするために、将来の方向性と応募先企業の未来がマッチしていることを伝えましょう

2.6.連絡先・サイトURL

ポートフォリオを確認した選考担当者がどこに連絡をすれば良いのか一目でわかるように連絡先を記載しておきましょう。

また、別のポートフォリオサイトや、自身で立ち上げて運営しているサイトがあればURLを記載しておくと、ほかの求職者との差別化にもつながります。

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【関連記事】「最終学歴とは? 中退や在学中の場合はどうなる? 履歴書の書き方を解説」

3.Webと紙はどちらが良い?

ポートフォリオは、紙媒体とWebサイトの両方とも用意しておくことをおすすめします。

紙媒体とWebサイトは、異なる魅力を持っているので、メリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。応募企業の選考担当者にあわせて使い分けることが大切です。

3.1.Webのポートフォリオ

Webのポートフォリオにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

3.1.1.メリット

Webサイトで作成するポートフォリオは、Web上で公開し、URLを添付するだけでできるため手軽に作成できます

またポートフォリオは、作り切りのままではなく都度ブラッシュアップが必要ですが、Webなら簡単に修正や微調整が行えます

さらに、SNSやブログなどに設置すると、より多くの人の目に触れるため採用される確率アップにもつながる可能性があります。また、印刷の手間も省けます。

● WebサイトのURLを添付するだけで手軽
● SNSやブログに設置して自身のスキルを最大限にアピールできる
● 印刷の手間が省ける

3.1.2.デメリット

一方で、Webサイトを運営するのは、サーバー代・ドメイン代が毎月かかります。外部に作成を依頼する場合は、負担が大きくなるのであらかじめ把握をしておきましょう。

また、ネット環境によっては、作品の配色や配置がうまく表示されない可能性もあります。

● サーバー代やドメイン代など維持費が発生する
● ネット環境によっては配色や配置が正確に表示されない可能性がある

3.2.紙のポートフォリオ

紙のポートフォリオにもメリット・デメリットがあります。

3.2.1.メリット

紙で制作したポートフォリオは、作品の細かい部分まで見てもらえる可能性が高くなります

選考担当者がインターネットに苦手意識があっても、紙で制作されたポートフォリオを受け取った場合は、スムーズにスキルや実績を判断できるでしょう。

● 作品の細部まで見てもらえる
● Web系に明るくないクライアントにも対応できる

3.2.2.デメリット

紙の場合、毎回印刷する手間がかかったり、保管場所や持ち運ぶのに気苦労があったりする点はデメリットだといえます。

● その都度印刷する必要がある
● 保管場所が必要
● 持ち運ぶ際に気を遣う

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【関連記事】「履歴書に書く資格がない場合の対処法、資格がなくてもアピールする方法」

4.ポートフォリオを作るポイント

ポートフォリオを作成する際に意識しておくとよいポイントが5つあります。これらを意識しておけば、選考担当者に自身の実績やスキルを最大限に伝えることができるでしょう。

4.1.ポートフォリオを作る目的を明確化させる

「周りのクリエイターも作っているから自分も用意する」「選考担当者に提出を求められたから用意する」という人もいるかと思います。

しかし、ただ何となくといった気持ちでポートフォリオを作成すると、応募企業の意図に沿わないポートフォリオになってしまう可能性があります。

なぜポートフォリオの提出が求められているのか、なんのために作るのか、自身が選考担当者になったつもりで、作成目的を明確化しましょう。

4.2.企業に合わせて項目や構成を変える

応募先企業に合わせて、ポートフォリオの内容を都度、変更しましょう。各企業が求めているスキルや人材は何かを調べ、掲載する作品や項目、構成を変えていくことが大切です。

前述のとおり、作成目的や相手が必要とする人物像を明確にした上でポートフォリオを作成するとよいでしょう。

また、ポートフォリオは企業に提出を求められる度に、一から作り直すのではなく、ある程度の型を決めておいて必要な情報を掲載したり、不要な部分を排除したりして調整します。

4.3.フォントや行間など、見やすさを意識する

選考担当者は、1日に何人もの選考書類を見ていることも多いので、行間が少なく文字が詰まってしまっていると内容が入ってこない上に、目に留まらない可能性があります。

フォントや色、行間など細部までこだわり、ひと目で実績やスキルを判断できるものに仕上げましょう。

細かいところまでこだわりを持って作品を仕上げられる人材だと伝えられるように、ポートフォリオを作成しましょう。

4.4.自分の最大の強みをアピールする

もっとも自信のある部分を強調し、応募先企業にアピールしましょう。例えば、特に見て欲しい作品や、力を入れたものがある場合は、目立つ部分に配置するようにします。

クオリティが高く、企業が求めているものとマッチしている作品をピックアップして、掲載してください。

4.5.ブラッシュアップを行う

ポートフォリオは、一度作成したら終わりではなく、定期的にブラッシュアップする必要があります。改善を繰り返し、品質向上を図ることが大切です。

また、経歴が長くなるほど、自身のスキルやレベルも向上していくかと思います。自身のレベルが上がると、ポートフォリオの課題点を見つけやすくなるので、定期的に見直してほかの求職者よりも目を引くものへと仕上げましょう。

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【関連記事】「【職務経歴書のPCスキルの書き方】書き方の例やアピール方法について紹介」

5.ポートフォリオを作る上で注意すべきこと

ポートフォリオは、多くの人の目に触れるため、注意すべきポイントがいくつかあります。後で困ることのないように、ポートフォリオ作成時には、これから紹介する4点をしっかりと押さえておきましょう。

5.1.全部を載せようとしない

これまでの自身の作品をすべて掲載するとなると、ボリュームが多くなり、読み手側の負担になる可能性があります。

選考担当者は、日々多くの選考書類を見ていることも多いので負担を軽減できるように、例えば下記の分量で抑えられるとよいでしょう。

ページ数 15~25ページ
作品数 10~20点

もっとも自信のある作品や、アピールしたい作品を選んでポートフォリオに掲載しましょう。なお、応募企業が求めるものとマッチしている作品を厳選し、掲載することが大切です。

5.2.守秘義務

守秘義務とは、職務上知った秘密を守る義務のことです。

作品を制作する過程で、企業情報や個人情報などの外部に漏らしてはいけない機密情報を得ることもあるでしょう。

そのような情報をポートフォリオに記載してしまうと、情報を記載された個人や企業に大きな損失を与える可能性があるので注意が必要です。

過去に取引がある会社や個人の機密情報(きみつじょうほう)にあたらないか、契約書を見返してからポートフォリオを作成しましょう。

5.3.著作権

著作権とは、著作者自身が著作物の利用を独占できる法的権利のことです。ポートフォリオに作品を掲載する際には、著作権が誰にあるのか意識しなければなりません。

作品と共に著作権が企業側にある場合は、ポートフォリオへの記載が不可となる場合もあります。ポートフォリオへの記載に関しては、契約書を確認したり、クライアントに掲載可否の確認をしておくと良いでしょう。

【出典】「著作権法

5.4.セキュリティ対策

Webサイトで作成したポートフォリオは、セキュリティ対策を講じて管理を徹底することが大切です。

紙のポートフォリオなら、個人での管理になりますが、Web上に掲載すると不特定多数のユーザーが閲覧可能になります。

その結果、ポートフォリオに掲載されている画像やデータが悪用され、前職の企業や取引先に迷惑をかけてしまう可能性もあるのです。

ポートフォリオを提出する際には、Basic認証などのアクセス制限をかけるようにしましょう。Basic(ベーシック)認証とは、もっとも簡易的にアクセス制限をかけることができるセキュリティ機能のことです。

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6.まとめ

ポートフォリオは、クリエイター職には欠かせない書類の一つです。自身のスキルや実績がひと目で分かるように工夫しながら作成しましょう。

なお、ポートフォリオ内で著作権や守秘義務に配慮する姿勢を示すことで、選考担当者からの信頼獲得にもつながります。

ポートフォリオを通じて、堅実な人柄もアピールできるので、注意すべきポイントを踏まえた上で魅力的なポートフォリオに仕上げましょう。


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