資生堂の研究によると、デジタル疲労(デジタル機器の使い過ぎに伴う疲労)により、心身の疲労感の増大だけでなく、肌のバリア機能が悪化するなど、肌状態が変化することが明らかになったそうです。今回は同社が実施した調査から、女性のデジタル疲労に関する意識や実態を見ていきます。
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「コロナ禍以降における女性のデジタル疲労実態調査」は2023年1月6日~10日、20~69歳の女性を対象にインターネット上で行われ、500人から有効回答を得ました。
1.デジタル機器、7割弱が「使い過ぎている」と実感
デジタル機器の総利用時間は1日あたり平均6.22時間。デジタル機器の使用状況については、7割弱の67%が「使い過ぎていると感じる(少し使い過ぎていると感じる含む)」と回答しました。
(【画像出典】資生堂ベネフィークプレスリリース)
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2.約6割がデジタル機器の使い過ぎで「肌・身体に不調」
デジタル機器の使い過ぎで肌・身体に不調を感じたことがあるか尋ねると、6割近い58%が「ある(何度も+一度)」と回答。
デジタル疲労の影響がありそうだと思う部位は、1位「眼」(75%)、2位「首」(63%)、3位「肩」(53%)となり、「肌」を挙げた人は11%にとどまりました。
(【画像出典】資生堂ベネフィークプレスリリース)
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3. デジタル漬け女性の約8割に肌トラブル発生
何らかのデジタル習慣がひとつ以上ある"デジタル漬け"状態の人は85%に上りました。
(【画像出典】資生堂ベネフィークプレスリリース)
該当するデジタル習慣をみると、「寝る前ぎりぎりまでデジタル機器を使っている」との回答が多かったのは、40代で60%。20代と30代も約50%はこの習慣を挙げていました。
また20代で48%、30代では56%が「常に手元にスマホがある状態」と回答したほか、すべての世代で約3人に1人が「テレビを見ながらスマホを見るなどデジタル機器を複数同時に使うことが多い」と答えていました。
(【画像出典】資生堂ベネフィークプレスリリース)
"デジタル漬け"状態の女性のうち、何らかの肌の悩みを抱えている人は82%。具体的には、「しわ・たるみ」が43%と最も多く、次いで「肌のくすみと透明感のなさ」が27%、「シミが濃くなった」が26%と続きました。
(【画像出典】資生堂ベネフィークプレスリリース)
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4.まとめ
今回の調査結果を受けて、調査監修者である美容皮膚科医/日本形成外科学会認定専門医の貴子先生は、
「資生堂の研究からも、デジタル疲労により、酸化ダメージ要因の一つであるポルフィリンが増加したり、正常ではない角層細胞の割合が増えバリア機能が悪化することがわかっています」
と指摘。
その上で、
「現代では仕事でもプライベートでもデジタル機器を使うシーンは多いため、健やかな肌を保つには、ポルフィリンや古い角層を取り除くケアを日常的に行うのがよいでしょう。
心地よい使用感のふきとり化粧水を使って優しくオフするなど、毎日のスキンケアにおいて『オフするケア』に注力してみてください」
とアドバイスしています。
(【記事出典】資生堂ベネフィーク「コロナ禍以降における女性のデジタル疲労実態調査」プレスリリース)
(記事執筆:御木本千春)