近年、性別など属性による偏見を解消する「DE&I(ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性))推進」を取り入れる組織が世界的に増えています。今回は、Lean In Tokyoが実施した「男性が職場で感じる『生きづらさ』とDE&I推進に関するアンケート」から、DE&I推進に対する男性の意識を見ていきます。
調査は2022年8月27日~10月16日、日本国内で勤務する性自認が男性の方を対象にインターネット上で行われ、435人から有効回答を得ました。
1. 20代が最も「頻繁に」「たまに」生きづらさを感じる傾向
職場で「男らしさ」を求められたり、「男だから」という固定観念やプレッシャーにより生きづらさや不便さを感じたりすることはあるか聞くと、「頻繁に感じる」は20%、「たまに感じる」は21%、「あまり感じない」は23%となり、多少なりとも生きづらさを感じている男性は64%に上りました。
2019年に実施した調査では、「頻繁に感じる」は17%、「たまに感じる」は34%、「あまり感じない」は27%で、合計は78%でした。今回と比較すると、生きづらさを感じると答えた合計は減少したものの、「頻繁に感じる」との回答は増加傾向にありました。
(【画像出典】Lean In Tokyoプレスリリース)
年代別にみると、20代が最も「頻繁に」・「たまに」生きづらさを感じる傾向が強かった一方、多少なりとも「生きづらさ」を感じている割合は30代と50代が多いことがわかりました。
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2.『男らしさ』のプレッシャー、「実は男性同士で与え合っているものである可能性」
「男らしさ」のプレッシャーは誰から感じるか尋ねると、「社会全体の風潮」が最も多く54%。同調査では「誰から言われたか具体的に思い当たる対象がいるわけではないものの、幼いころからの無意識下での刷り込みやメディアの影響などに起因することが考えられます」と推察しています。
次いで「男性の直属の上司」が23%、「男性の同僚・知人・友人」が10%と続き、同調査では「男性が感じる『男らしさ』のプレッシャーは、実は男性同士で与え合っているものである可能性が示唆されています」と分析しています。
(【画像出典】Lean In Tokyoプレスリリース)
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3.職場でのDE&I推進、5割以上が「男性への配慮がない」と回答
職場におけるDE&I推進の中に男性への配慮があると感じるかとの問いには、53.3%が「いいえ」と回答。一方、「男性の多様性が尊重されること」もDE&Iの推進に含まれるならば、DE&Iの推進を行うモチベーションは「上がる」と答えた人は62%に上りました。
(【画像出典】Lean In Tokyoプレスリリース)
(【画像出典】Lean In Tokyoプレスリリース)
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4.まとめ
Lean In Tokyoは今回の調査結果を受けて、
「企業におけるDE&I推進の中で『男性のワークスタイル・ライフスタイルの多様性の尊重』に一層スポットライトを当て、DE&I推進の主題の一つとして男性の生きづらさも解消していくことで、誰しもが生き生きと輝ける社会の実現に近づいていくもの」
と考察しています。
(【記事出典】Lean In Tokyo「男性が職場で感じる「生きづらさ」とDE&I推進に関するアンケート」プレスリリース)
(記事執筆:御木本千春)