コロナで加速する人材の多様性

コロナで加速する人材の多様性

コロナ禍によって生活様式やワークスタイルが変わり、経済活動や仕事のあり方にも影響が出はじめています。価値観の多様化から始まった「人材の多様性」が、コロナがもたらした変化によってますます加速していると考えられます。(Misa)

多様性とは

ボーダーレス化という言葉が、経済活動や社会活動、環境問題など、さまざまな活動や事象で使われるようになっています。国家の枠組みを超え、地球規模で一体化する「グローバル化」からさらに進んで、それぞれの間の障壁や境界をなくしていくというニュアンスでしょうか。

実際、情報通信技術の進化によって、ビジネスは国境を越え、言語の制約を超えて世界規模で広がることが可能になり、個人のライフスタイルや人間の関係性などについては、国や社会による境界がなくなりつつあるといえるかもしれません。

ボーダーレス化の背景には、ダイバーシティ(多様性)があります。「多様性」とはいろいろなものがあることや変化に富んでいることを意味すると同時に、異なる性質の存在が幅広く受容、共存する状況をさし、日本でも多くの企業が事業や組織においてダイバーシティを実現する取り組みを行っています。現代の日本にはさまざまな差別の問題は存在しますが、その一方で、多様性を受け入れる価値観をもつ人は着実に増えはじめているのでしょう。

コロナで加速する人材の多様性

多様性が進むことのメリット、リスク

GAFAに代表されるプラットフォームや情報通信技術により、業種、地域、国境を越えた新規参入がしやすくなっています。既存のサービスや商品にも多様性の視点が加わることで、よりよいサービスやシナジー効果が生まれ、市場全体の活性化にもつながります。また、従来よりも高品質のサービスやIT活用が定着することで、イノベーションの加速が起こりやすくなります。

このように社会や経済におけるメリットはおおいにありますが、一方で商習慣や業界構造によって保たれていた秩序が破壊され、業界内の混乱が生じる可能性があります。こうした状況はすでに多くの業種業界で起こっており、旧態依然の経営からの変革を迫られる企業は、今後も増えていくでしょう。多様性を受け入れて変革できる企業にとっては成長のチャンスとなりますが、変革できない場合は競争力の低下というリスクにもなり得ます。

企業における人材獲得においても同様のことがいえ、リモートワークの普及によって「どこにいても仕事はできる」という意識が定着しはじめています。これによって人材の流動化が進み、従業員にとって魅力的な仕事内容や待遇を提示できない企業からは優秀な人材が流出していくというリスクもあります。

多様性を受け入れる人材

多様なニーズに対応するサービスや商品を提供するためには、企業に所属する人の価値観や意識の多様性が重要です。組織が人材の多様性を受け入れることが経営の強みへとつながっていきます。生物の多様性が環境保全において欠かせないことと同様であり、一元的な基準で優秀と評価された人材を集めるだけでは組織の柔軟性が損なわれる可能性があります。

これからの社会では、業種業態、雇用形態を問わず、多様性を受け入れられる人材が求められていくのではないでしょうか。

<多様性を受け入れる人材の特長>

・自分とは異なる価値観や異文化を理解し、受容できる。

・あらゆることに先入観や偏見をもたない。

・高次の視点で俯瞰的な状況把握ができる。

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プロフィール

原稿:Misa

ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。

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