月間総務が実施した「オンボーディングについての調査」によると、中途入社者向けのオンボーディング施策については、「充実している」と回答した総務担当者は26.9%にとどまり、7割以上が「充実していない」と回答しました。
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調査は2022年9月8日~21日、『月間総務』読者を対象にインターネット上で行われ、117人の総務担当者から有効回答を得ました。
1.オンボーディングとは
月間総務によると、オンボーディングとは、新卒入社者や中途入社者など新しく組織に加わった従業員を職場に定着させ、活躍する人材に育成する施策のことを指します。
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2.オンボーディングを理解している総務は44.4%
今回月間総務の調査でオンボーディングという言葉を知っているか質問したところ、「理解している(よく+なんとなく)」と答えた割合は44.4%でした。
新卒入社者向けのオンボーディング施策の充実度をどのように評価するか尋ねると、47.1%が「充実している(とても+やや)」と回答。一方、中途入社者向けのオンボーディング施策については、「充実している」は26.9%にとどまり、7割以上が充実していないと答えました。
(【画像出典】月刊総務プレスリリース)
実施しているオンボーディング施策トップ3は、1位「入社時の研修」(82.9%)、2位「OJT」(73.5%)、3位「フォローアップ研修」(59.0%)となりました。
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3. オンボーディングの充実度、社員の定着とパフォーマンスに効果あり
新卒入社者の定着率について聞いたところ、オンボーディングが充実している企業は「とても高い」と「やや高い」が計63.4%、充実していない企業は計50.0%と、13.4ポイントの差がつきました。
また、「とても高い」の回答も17.3ポイントの差があり、新卒入社者の定着に効果があることがわかりました。
(【画像出典】月刊総務プレスリリース)
中途入社者の定着率については、オンボーディングが充実している企業は「高い(とても+やや)」が78.6%、充実していない企業は56.6%と、22.0ポイント差となりました。
新卒入社者のパフォーマンスについても、オンボーディングが充実している企業は「高い」が68.3%、充実していない企業は41.3%と、27.0ポイントの差がつきました。
中途入社者のパフォーマンスについても、オンボーディングが充実している企業は「高い」が92.9%、充実していない企業は63.2%と、29.7ポイントの差が開きました。
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4.オンボーディングの課題、97.5%が「ある」
オンボーディングの課題について問うと、97.5%が「ある(とても+やや)」と回答。具体的には、「実施するためのスキルやノウハウがない」が59.6%、「何をすればよいかわからない」が39.5%、「取り組むための時間がない」が37.7%となりました。
(【画像出典】月刊総務プレスリリース)
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5.まとめ
今回の調査では、自社で実施しているオンボーディング施策として、73.5%が「OJT」を挙げた一方、「上司など受け入れ先に対する教育」は12.0%にとどまることが判明しました。
月間総務は、
「オンボーディングにおける課題で、上司の面談スキルやOJTの受け入れ体制の不足という声もありましたが、総務側でも現場任せにしすぎていないか、必要なサポートができているかを見直す必要があるでしょう」
とコメントしています。
(【記事出典】月刊総務「オンボーディングについての調査」プレスリリース)
(記事執筆:御木本千春)