【VUCA(ブーカ)とは】 「VUCA時代」に求められるスキルを解説

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将来の予測が困難な状況を示す造語、ⅤUCA(ブーカ)。コロナ禍、DXの急速な進展など、予測不能な出来事が起こり、大きく変化している現在はVUCAの時代ともいわれており、ビジネスシーンにおいてVUCAはひとつのキーワードとなっています。そもそもVUCAとは?VUCAの時代に備えて何をするべき?求められるスキルなどを紹介します。

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1.VUCAとは?

VUCAとは、4つの単語「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」から頭文字をとって作られた単語であり、ひとことで言えば「将来の予測が不可能な状態」を意味する単語です。

「VUCA時代」「VUCAワールド」という言葉をどこかで耳にしたことのある方も多いでしょう。元々VUCAという言葉はアメリカの軍隊で使われていた軍事用語で、1990年代にアメリカとロシアが対戦していた冷戦が終結し、核兵器ありきだった戦略が不透明に変わったことを表している言葉でした。

そしてその後、2010年代に変化が激しい世界情勢を表す言葉としてビジネスでも利用されるようになりました。では具体的にどのような状態を指しているのか、それぞれ4つの語が表す意味について見ていきましょう。

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・Volatility(変動性)

現代においてテクノロジーの進化や社会情勢の変化、またそれに伴ってさまざまな価値観や社会の仕組み、顧客ニーズ、市場などが変化していくことを指します。

例えば、SNS市場では、日本で始まった「mixi」を始めとして「Twitter」や「Facebook」、「Instagram」、また日本のコミュニケーションに革新を起こした「LINE」など数多くのSNSが登場しました。

「mixi」のサービス開始は2004年であり、わずか15年余りでSNSの市場は大きな変化を遂げているのです。また、SNSは巨大な顧客を持つプラットフォーマーとして君臨し、幅広い事業に展開・応用されるようになりました。

よって、ビジネス業界におけるSNSの影響力の拡大は、世界共通の変動性と言えるでしょう。このように世界は今後目まぐるしく変化していくことが予想されるため、先の見通しを立てることができず、将来の予測が難しくなっていると考えられます。

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・Uncertainty(不確実性)

こちらは自然環境や政治・国家、制度などの不確実さを示しています。地球温暖化に伴う気候変動や新型コロナウイルスを代表とする未知の感染症など、突然訪れる問題を予測することは困難です。例えば日本においては、終身雇用制度や年功序列などのいわゆる日本型雇用が崩壊しつつあり、また新型コロナウイルスの影響によりオフィスに出社するといった日常生活ですら見直されることとなりました。

また、世界に目を向けてみても、グローバル化が進む一方で、イギリスのEU離脱などを始めとして世界経済の枠組みは刻々と変化しています。これらのさまざまな不確実な事象から、企業や個人でも将来の予測をすることが困難だと言われています。

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・Complexity(複雑性)

さまざまな要素・要因が複雑に絡み合っていて、単純な解決策を導き出すのが難しい状態のことを指しています。テクノロジーの発展に伴う経済のグローバル化によって、既存の枠組みを超えた新たな事業が誕生し、生活は豊かになりました。

その一方で、個人や組織のビジネス課題や業務は複雑化しています。例えば、日本と海外では、習慣や常識、ルールなどが異なるため、グローバルな現在のビジネス環境では、その国の法律や文化、常識などさまざまな要因が絡み合う複雑な状況となることが多く、それに対処するスキルが求められると言えるでしょう。

・Ambiguity(曖昧性)

「どうしたら、問題を解決できるのか」「本当にこの方法で解決できるのか」といったように、絶対的な解決方法が見つからない曖昧な状態のことを指しています。先ほど紹介した三つの要素(変動性・不確実性・複雑性)が複雑に組み合わさることでこの状態になるとされています。これは、過去の実績や成功例に基づいたやり方では通用しない世界へと突入していることを示しています。

2.VUCAの時代を生き抜くために必要なOODAとは?

前述のようなVUCAの時代に必要不可欠な思考法とされているのが、「OODA(ウーダ)」というフレームワークです。OODAとは、「Observe(観察)」「Orient(状況判断)」「Decide(決定)」「Action(行動)」の頭文字をとった造語です。そして「OODAループ」とは、「観察する」「判断する」「決定する」「行動する」というOODAサイクルを繰り返すことフレームワークのことで、これを用いることで的確な状況判断に基づく迅速な実行ができると言われています。

「想定外の状況が起きない」という前提の下、「Plan(計画)」から始める従来の「PDCAサイクル」に比べ、短期間でさまざまな事柄を試行錯誤して実行に移すということを何度も繰り返す「OODAループ」は変化に柔軟かつ迅速な対応が可能な思考法と言われています。故に、VUCAの時代では「OODAループ」を基に意思決定を行うことが求められる場面が増えると予想されるため、現代社会を生きる社会人として、身に付けておきたいフレームワークの一つと言えます。

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3.まとめ

現在はまさに、VUCAの時代です。ですが、将来の予測が立たないことに悲観的になるのではなく、その曖昧性などをいち早く理解し、柔軟で迅速な対応ができるようにスキルを磨くことができれば、従来の枠にとらわれない新たな可能性を掴むことができるでしょう。

原稿:回遊舎(かいゆうしゃ)

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」、「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。

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